TIPS【イメージ】 (Pixiv Fanbox)
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A:やっぱり模写しましょう!
もう1年も描いてるんですね!誰かに強制されるわけでもないのに続いているのはスゴイことだともいます。立派な趣味ですね!
資料を見ながら練習していると、だんだん「自分だけの作品を描きたい」という気持ちになってきますよね。模写をしているうちは「マネしてるだけで自分の実力で描けてない気がする」なんて気持ちになりがちです。当然わたしも同じ気持ちで描いていた時期があります。
それでも、模写をすることが一番の練習になります。
理由はシンプルで「知らないモノは描けない」からです。
質問者さんが「描けたとき」と「描けなかったとき」を比べて考えてみるとわかりやすいですよ。
▶「描けたとき」と「描けなかったとき」の違いは?
質問文に「資料を準備すればもちろん描ける」とあったので、自分が納得できるだけの実力があることがわかります。
「描けたとき」は資料を用意しているので、これから描くポーズや身体のパーツのカタチを知っている状態です。
逆に「自分が描きたい、自分じゃできないポーズを描きたい」と思って実際に描いてみたときはどうでしょう?
わたしも経験がありますが、たぶん「あれ?ここってどうなってるんだろう?どうしたらそれっぽく見えるのかな?」と悩みながら描いていたと思います。
頭で想像してもよくわからないから、とりあえず描いてみる。
とりあえず描いたけど、やっぱり違う。でも正解が分からない。
つまり「描けないとき」は、これから描くポーズや身体のパーツのカタチを知らない状態です。
料理のレシピと同じですね。料理が苦手な人に「肉じゃがを作って」と頼んでも、たぶん材料を用意するところから前に進めないと思います。
それは、肉じゃがのレシピを知らないから、材料の下ごしらえや調理工程、味付けができないからです。こればっかりは想像しても無理ですよね?
調味料・味付けの知識が無ければ何度作っても「肉じゃがの味」にはなりません。
「じゃあ、レシピがあれば良いんでしょ?」と思いますよね?その通りです。
レシピを知っていれば、見ながら作れば料理もできます。
同じ理屈で、イラストも描き方を知っていれば、見ながら描けばできます。
この「描き方を覚える」練習が模写です。
文字の解説ばかりだと飽きるので、実際にイラストを描きながら「どこで模写の知識が必要になるのか」を確かめてみましょう。
▶模写の大切さに気付くタイミング
ステップ➀シルエットを描く
たぶん、最初は「こんなポーズを描きたいなぁ」と考えながらイメージを固めていると思います。ゴチャゴチャと線を描き殴ってイメージを固めていると思いますが、ここで既に模写が必要になります。
「知らないモノは描けない」からですね。そもそもポーズが思いつきません。想像しても思いつきません。
ポーズを知らない人は、悩んだあげく気付いたら自分が”知っている”いつものポーズに落ち着くことが多いはずです。
原因は「想像力が無い」のではなく、いろんなポーズを「知らない」からです。
逆に、たくさん模写をして知っているポーズが多い人は「思い出す」ことができます。今回のイラストもわたしが過去に見て・描いて覚えたポーズの一つです。
「元気いっぱいのキャラだったらこんなポーズが似合うかも?」と、描きたいイメージと知っているポーズを照らし合わせて選びました。
・可愛い女の子だったらこんなポーズが似合うよね
・カッコいいメガネ男子ならこんなポーズが似合うよね
・怒っているキャラならこんなポーズをするよね
自分が描きたいイメージとポーズを組み合わせるように選びます。
模写をして描けるポーズが多い人ほど、この選択肢が増えます。
ステップ②アタリを描く
自分のイメージしたポーズを少し具体的にするためにアタリを描きます。
当たり前ですが、ここでも模写が必要になります。
「このポーズをすると、このパーツってどんな角度になるかな?」「ひねったらどんなカタチになるかな?」など、パーツの細部を「知らない」とアタリを描く手が止まります。
知らなければ調べれば良いですが・・・自分が描きたいポーズの資料をピンポイントで探すのはとても大変です。なかなか見つかりません。調べている間に疲れてしまう人がほとんどだと思います。
だから、事前にたくさん模写して「知っている」ポーズを増やした方が効率的だったりします。
ステップ③ディテールを描き込む
最後に細部であるディテールを描き込みます。
もちろんですが、ここでも模写が必要になります。
ここまでくると、ポーズだけでなく服のデザインや動き方などの知識も必要になります。どれだけ模写をして「知っている」かが勝負です。
「服がめくれる感じは前に描いたことがあるぞ」
「スカートはこんな風に描くと良い感じになったはず」
「髪はこういう風に流れると見栄えが良くなるよね」
などなど、自分の経験・模写した記憶を思い出すように描き込みます。
描けないパーツは「調べる」か「省略する」ことで対応します。
「描けない=知らない」部分なので、次回の課題にしても良いと思います。
※今回は初音ミクを描いたつもりでしたが・・・何も見ないで描いたせいで服が滅茶苦茶ですね(笑)
わたしが「ポーズは知っているけど初音ミクの服は知らない」ことが原因です。
どんなに実力がついても「知らない」ものは描けません。
ステップ④仕上げ(背景など)
空いたスペースにどんな背景を描こうかな?どんなオブジェクトを配置しようかな?というアイデアも模写が役立ちます。
「こんな感じだと可愛い感じがでるな」「こんな感じだとイメージが伝わりやすいな」など、いろんな作品を見て・描いて試してみることで自分のイメージに対応する描き方の選択肢を増やすことができます。
▶「使える」模写をしましょう!
模写をすることが、どれだけイラストを描くときに役立つかが分かったと思います。
大切なのは描けるポーズやパーツの選択肢を増やすこと。
ただマネするだけの模写で、描き終わったらサッパリ忘れてしまうのでは勿体ないです。
「カッコいいキャラを描くときにこのポーズを使おう!」
「このピースの指は可愛いキャラに使えそうだな!」
「ムカつくマウントキャラにはこの顔の角度がピッタリだ!」
など、模写したポーズやパーツを「いつ使うのか」と考えながら描いてみてください。
そうすることで意味のある模写、使える模写ができるようになります。
ぜひ試してみてください。
お疲れさまでした!