第十一章:教皇暗殺編「155.それもまた愛と呼びたい」 (Pixiv Fanbox)
Published:
2020-03-20 10:00:46
Edited:
2020-03-22 10:11:26
Imported:
2022-04
Content
※The English version is also below.
※글자수 제한으로 한국어 번역은 별도 페이지입니다.
事件の後、ユー様を始めとするリーシェ様の関係者は捜査の対象となった。
調べが進むにつれ、徐々に陰謀の全容が明らかになって行った。
事件の首謀者はやはりリーシェ様だった。
彼女はユー様を次期教皇にするために、教皇様を亡き者にしようと今回の計画を立てた。
警備の責任者となることで警備計画の全容を把握し、隙をついて魔道具を持ち込み魔族を召喚しようとした。
結局それは失敗したが、代わりにサーラスが魔族を手引きし、結果としてあのような形になったようだ。
リーシェ様に協力した者の証言では、ドロテーアや私も暗殺対象だったようである。
ドロテーアは王国を危機に晒した敵、私はユー様の王位をなきものにした敵、ということだったようだ。
サーラスの行方は結局、分からないままだった。
ヤツの脱獄についてはやはりリーシェ様の手助けがあったようだが、その後の足取りは掴めていない。
あの場にいたことは間違いないようなのだが、例の姿を変える魔道具を使っていたようで、どのようにしてあの場に乗り込んできたのか、そしてどこへ行ったのかも分からないままである。
サンドリーヌさんを操ったのもヤツのようだ。
ヤツは得意の暗示魔法を使ってサンドリーヌさんに潜在催眠をかけた。
バウアーの専門家に調べてみて貰った所、あのロザリオがキーだったらしく、サンドリーヌさんが教皇様の身体に触れる際のロザリオへのキスをスイッチにして、教皇殺害の犯行に及ぶように暗示を掛けられていたらしい。
本当にろくな事をしないヤツである。
サンドリーヌさんは容疑が晴れ、無罪放免となっている。
これからも彼女は敬愛する教皇様のために毒見を続けるだろう。
もう入れ替わりの必要はないのだが、教皇様が急に痩せたと騒がないか心配ではある。
アレアの料理で少し太ったと言っていたし、多分、大丈夫だとは思うけど。
ユー様にも捜査の手は及んだが、彼女は潔白であることがほどなく明らかになる。
何しろ、関係者の全てが揃ってこう証言したからだ。
全てはリーシェ様の独断であり、ユー様は何もご存知ではない、と。
これは私の推測だが、リーシェ様はこうなることをある程度予想していたのではないだろうか。
事件前にドル様が言っていたように、リーシェ様ならもっと自分の関与やその証拠を残さない方法も取れたはずなのだ。
それが出来なかった、あるいはしなかったというのは、証拠隠滅よりもユー様の潔白証明を優先したからではないか。
計画が失敗に終わった時、ユー様に累が及ばないよう徹底していたのではないだろうか、と私は思う。
今となってはリーシェ様が何を考えていたのかは、誰にも分からない。
ユー様は事件後も表面上は何も変わらなかった。
少し沈んでいる様子は見せていたが、それでも相変わらず柔らかい笑みを絶やさなかったし、自暴自棄になるような様子も全くなかった。
そんな彼女をミシャが痛ましいものを見る目で見つめている、そんな構図を何度も私は目にした。
事件が終わって一週間ほどが経ったある日の夜のこと。
バウアーにあてがわれた寮の部屋でクレア様とゆっくりしていると、隣の部屋から言い争う声が聞こえてきた。
「……レイ」
「はい」
クレア様に促され、私は隣の部屋を訪ねた。
ベルを鳴らすと、少ししてからミシャが出た。
彼女の赤い瞳は、事件前の言い争いの時より真っ赤だった。
「……ごめんなさい」
「いきなり謝らないでよ。とりあえず、入っていい?」
「ええ……」
私はミシャの涙を見ないフリをして、奥へ進んだ。
「やあ、レイ。また迷惑をかけたみたいだね。ごめんよ」
ユー様は普段と変わらないように見えた。
ゆるゆると柔らかく微笑んでいる。
「今日は、どうしたんですか?」
「事件の後、私が笑わないってミシャが言ってきてね。そんなことはないって言ったんだけど……」
ユー様が笑わない?
いや、今だってユー様は穏やかに笑っているけれど。
「作り笑いはやめて下さい。他の誰かは騙せても、私には分かるんです」
「考えすぎだよ、ミシャ。私はもう立ち直ってる」
「嘘です!」
ミシャがここまで取り乱すなんて珍しい。
私には分からないが、ずっとユー様を見てきた彼女にしか分からないことがあるんだろうか。
「私はリーシェ様が許せません。ユー様にこんな思いをさせるなんて……。実の母親なのに、どうしてあんな馬鹿なことを……!」
数日前にユー様とミシャが揉めたときとは打って変わって、ミシャはリーシェ様を責めていた。
彼女からすれば、信じたかったのに裏切られたという心境なのかも知れない。
そもそも、異性病のことも今回のことも、客観的に見ればリーシェ様のしたことは、酷くワガママで独善的で、何一つユー様のことなど考えてないように見える。
ところが、
「それでも、母は私のことを思ってくれていた。それはきっと間違いないことなんだよ、ミシャ」
「ユー様……」
何かを諦めたような、それでいて愛おしむような、複雑な声色でユー様が言った。
ミシャはそんなユー様をじっと見つめている。
「母は間違っていた。彼女がしたことは犯罪だし、私にしてきたことも全て私には苦痛でしかなかった」
「だったら――!」
「それでも……。それでもあれは、母の愛だった。私には、今はそう思える」
気色ばむミシャを押しとどめ、ユー様は言葉を続ける。
「母の行動は全て間違っていたけれど、私利私欲では決してなかった。見当違いだし空回りしかしていなかったけれど、全ては私の為を思ってのことだった。歪ではあったけれど、あれは母なりの愛情の示し方だったんだよ」
ユー様はそう言って笑った。
ミシャがはっとした顔をした。
恐らく、彼女には分かったのだろう。
少なくとも、今、ユー様が浮かべている微笑みは、偽りのそれではないということが。
「私はずっと母が理解出来なかった。彼女はずっと、私のことを苦しめたいのだと思っていた。でも多分、それは違う。違うんだよ。あの時、爆発から身を挺して私を守ってくれたあの人は、間違いなく私の母だった」
最後の別れを思い出しているのか、ユー様は右手をぎゅっと握りしめた。
それを見たミシャが、自分の手をそこに重ねる。
ミシャももう、ユー様の笑顔が偽りのものだとは思っていないはずだ。
二人の間に、もう誤解はない。
「私は母と最期まで分かり合えなかった。それはとても悲しいことだよね。だからミシャ、キミとはそういうすれ違いをしたくない」
そこまで言うと、ユー様はミシャの手を取って、その赤い瞳をひたと見つめた。
「今こそキミに言うよ。ずっと私を支えてくれてありがとう。これからも力になって欲しい。出来るなら、死が二人を分かつまで」
「ユー様……!」
ミシャが涙の粒をこぼしながらユー様の胸に飛び込んだ。
私は、ミシャがこんなに取り乱して泣くのを初めて見た。
「心配掛けてごめんね。これからもいっぱい心配掛けると思う。それでも側にいて欲しい」
「……はい……はい……!」
ユー様がとても穏やかな表情でミシャの銀糸の髪を撫でた。
ミシャは声にならない声で、何度も頷いていた。
二人は多分もう大丈夫だろう。
それはそれとして。
「あのー……、私お邪魔ですか?」
心配して来てみたのに、私は何を見せつけられてるのだろう。
虚しくなった私は、思わず茶々を入れた。
だってこの人たち、二人の世界を作りすぎでしょ。
「ああ、ごめんごめん。いい機会だったからつい」
「つい、で告白シーン見せつけられるこっちの身にもなって下さい」
「でも、ボクらも革命の時見せつけられたんだけどね?」
「う゛……それはそうでしたけれど……」
ユー様がからかうように言ってくる。
まずい。
元々、ユー様には口で勝てっこないのだ。
このたぬきめ。
「ともかく、もうお二人は大丈夫ってことでいいんですね?」
「うん、心配はいらないよ。ミシャも大丈夫だよね?」
余裕の表情で言うユー様だったが、しかし、
「よくありません。今のお言葉が本心なら、証を下さい」
ミシャの口から大胆な発言が飛び出した。
私、目が点。
ユー様も驚きに目を見開いている。
「証?」
「はい、証です」
「うーん……。だ、そうだけど、どうする、レイ? 見ていく?」
「失礼します」
私はくるりと回れ右して、足早にその場を立ち去った。
振り返る直前、二人の影が重なるのが見えた。
「どうでして?」
部屋に帰るとクレア様が心配そうな顔で出迎えてくれた。
「心配して損しました。クレア様、ちょっといいですか?」
「え? ちょ……ちょっと、レイ、引っ張らないでちょうだい。もう寝ますの?」
「寝ません。当てられたので、ちょっと欲求不満を解消します」
大体、影武者のお役目のせいで、ここ数日クレア様不足が続いていたのだ。
ただでさえじりじりしていたのに、あんなのを見せつけられて何もせずにいられるか。
「ま、待ちなさい、レイ! するならちゃんと順番を踏んで――」
「待ちません」
なおも抵抗しようとするクレア様の口を封じて、私は欲望に身を任せることにした。
恋は盲目、と人は言う。
リーシェ様もあるいはそうだったのかもしれない。
彼女の生き方は決して褒められたものではないのかもしれない。
それでも、同じく恋に生きる私にとって、彼女の生き方は眩しかった。
最後は我が子を身を挺して守った彼女。
私もいつかメイやアレアのために、この身を捧げることが出来るだろうか。
もしもそれが、クレア様との天秤になるとしたら。
それはとても辛い想像で、私はそこから逃げるようにクレア様の身体に溺れた。
例えいつか決断を迫られるとしても、今だけは。
今だけはこの温もりに甘えていたかった。
――――――――
今回で第十一章は終了です。
第十二章公開まで、また少しお時間を頂きます。
気長にお待ち頂ければ幸いです。
――――――――
*Translation below was made possible with the help of Angela. Thanks, Angela.
Ch. 155 - Something That Could Be Called Love
Following the incident, Yuu-sama launched an investigation on Lishe-sama’s officials.
As the investigations continued, the details surrounding the entire scheme gradually got revealed.
The mastermind behind the plot was Lishe-sama.
She devised the scheme in order to make Yuu-sama the next pope by killing off the current one.
By becoming a security officer, she knew everything about the security department’s plans and took advantage of that by smuggling in a magical tool and summoning a demon.
In the end, when the plan failed, Salas took control of the demon instead, and the result of that was the explosion.
According to the testimonies from the people who cooperated with Lishe-sama, she had planned to have both me and Dorothea killed off as well.
Apparently, Dorothea was considered an enemy that threatened the Kingdom, while I was the one who got in the way of Yuu-sama’s ascension to the throne.
In the end, Salas’ whereabouts remained unknown.
As we suspected, Lishe-sama was involved in Salas’ jailbreak, but she was unable to trace his steps afterward.
As we had seen in the conference hall, he definitely had some sort of magical tool in his possession that allowed him to take on some other form. We had no idea how he was able to sneak into the hall in the first place, or where he ran away to.
It seemed that he was the one who had manipulated Sandrine.
He used the magic that he specialized in and managed to hypnotize Sandrine.
When the officials from Bauer had finished analyzing the rosary, they concluded that it was the key item during the incident, as the switch happened after Sandrine kissed the rosary right before touching the Pope’s body. It seemed that the intention was to pin the blame for the Pope’s assassination on her.
He really was the kind of guy who refused to dirty his own hands.
Sandrine’s name was cleared and has since been acquitted.
Out of her love and respect for the Pope, she intended to continue taste testing the Pope’s food to check for poison.
There was no longer a need for us to swap roles anymore, but we were worried that the Pope would become too thin too quickly again.
But she did mention that after eating Alea’s cooking, she felt a bit bulkier, so it was probably fine.
Yuu-sama was also being investigated, but her name would be cleared soon enough.
They wanted to grab testimonies and hear from anybody that could potentially be related to the incident, after all.
The entire plan was devised and carried out by Lishe-sama while Yuu-sama was completely unaware of it.
This was just my guess, but perhaps Lishe-sama had seen this coming to an extent.
As Dor-sama said before the incident happened, Lishe-sama could’ve easily found other ways to carry out the plan without leaving behind a trace of evidence that could be used against her.
The reason why she chose not to do so was probably because instead of trying to destroy evidence that traced back to her own involvement, she had prioritized maintaining the evidence that could prove Yuu-sama’s innocence.
If the plan were to fail, at least Yuu-sama would not be given a bad name. I assumed that was how thorough it was.
Even up until now, nobody knew what Lishe-sama was really thinking, though.
On the surface, Yuu-sama appeared to be the same as always after the incident happened.
You could tell that she was a bit depressed, but other than that, she would still smile warmly and there was no trace of despair to her either.
Every time I saw Misha staring at her, I could tell that there was a heartwrenching look in her eyes.
This happened about a week after the incident during the evening.
While Claire-sama and I were in our dormitory room, we heard a quarrel from next door.
“...... Rei.”
“Okay.”
When I was prompted by Claire-sama, I went over to check in on the room beside us.
I rang the doorbell, and a second later, Misha answered the door.
Her eyes were even redder than the last time I came over to visit them.
“...... I’m sorry.”
“There’s no need to apologize that quickly. May I come in?”
“Yes…..”
Pretending that I didn’t notice Misha’s tears, I went inside.
“Hey there, Rei. Looks like we’re bothering you again. Sorry about that.”
Yuu-sama looked the same as usual.
She gave me a warm and soft smile.
“Did something happen today?”
“Misha’s saying that after the incident, I haven’t been able to smile lately. I’ve been trying to tell her that that isn’t true, but……”
Yuu-sama couldn’t smile?
No, she seemed to be smiling pretty calmly right now, though.
“Please stop putting on that forced smile. Even if you’re able to fool everybody else, that’s not going to work on me.”
“You’re just overthinking it, Misha. I’ve already gotten over it.”
“That’s a lie!”
It was rare to see Misha be this upset.
Since she was always looking at Yuu-sama, there were probably a lot of things she knew about her that others wouldn’t.
“I can’t forgive Lishe-sama for making Yuu-sama feel like this…… You’re her blood-related mother, so how could you do something so stupid……!”
Misha pinned the blame on Lishe-sama for the fights she and Yuu-sama had been having for the last few days.
From her perspective, in her present state of mind, she probably felt like she had been betrayed since she wanted to believe in Lishe-sama.
To begin with, even with the case of the opposite sex disease and the latest incident, perhaps Lishe-sama was being cruel and selfish, but you could tell that the only person she ever thought about was Yuu-sama.
On that note,
“Even so, my mother was always thinking about me. That part is undeniably true, Misha.”
“Yuu-sama……”
Yuu-sama - who sounded like she had given up on something, but at the same time, was still cherishing it - said with a complicated tone in her voice.
Misha stared at Yuu-sama.
“What my mother did was wrong. She committed a crime and everything she has ever tried to do for me has caused me a lot of pain.”
“Then――!”
“But even so……. Despite all of that, my mother had loved me. That’s what I’ve come to realize.”
Yuu-sama suppressed Misha from getting angry, and continued.
“All of my mother’s actions were wrong, but they weren’t done out of her self-interests. Her efforts may have been misguided and pointless, but everything was for my sake. Although it was distorted, that was my mother’s way of expressing her love for me.”
Yuu-sama spoke with a smile.
Misha-sama looked surprised.
She probably knew.
That right now, the smile Yuu-sama had on her face was not a fake one.
“I could never understand what my mother was thinking. I always thought that she was just out to get me. But that was probably wrong. I was mistaken. When that explosion happened, the person who risked her life to save me was, without a doubt, my mother.”
While she recalled their final moments together, Yuu-sama clenched her right hand.
Seeing that, Misha placed her hand on Yuu-sama’s.
Misha probably no longer believed that Yuu-sama was forcing herself to smile now.
There were no misunderstandings between them anymore.
“I couldn’t understand my mother until the very end. I think that’s a really sad thing. That’s why, Misha, I don’t want there to be any misunderstandings between us.”
As she said that, Yuu-sama took Misha’s hands and stared deeply into her red eyes.
“I’ll say this to you now. Thank you for always supporting me. I want you to keep being the source of my strength. If possible, I want us to stay together until death do us part.”
“Yuu-sama……!”
As the tears spilled from Misha’s eyes, she leapt into Yuu-sama’s chest.
That was the first time I had ever seen Misha cry that much.
“I’m sorry for worrying you, and there may be more things in the future that might make you worry about me even more. Even so, I want you to stay by my side.”
“....... Yes…… Yes……!”
With a gentle expression on her face, Yuu-sama stroked Misha’s silver hair.
Without saying a word, Misha nodded her head over and over again.
The two of them were probably fine now.
In any case…
“Um……. Am I in the way?”
I came over to check on them since I was worried, but what exactly did I just stumble upon?
Since I practically became useless here, I interrupted them.
I mean, these two were getting so incredibly lost in their own world.
“Ahh, sorry, sorry. I got carried away by a good mood.”
“Carried away, you say. I ended up witnessing a full-on confession scene. Please put yourselves in my shoes.”
“But we have. Weren’t we shown something similar after the revolution happened?”
“Uh…… That might be true, but……”
Yuu-sama teased me in return.
This was bad.
To begin with, there was no way I could win against Yuu-sama with words alone.
What a sly fox.
“Anyway, do you think you two will be fine now?”
“Yeah, don’t worry about us. You’re feeling better now too, right, Misha?”
Yuu-sama said with a composed expression, but,
“Not really. If you’re genuine about what you said earlier, then please prove it to me.”
An incredibly bold statement popped out of Misha’s mouth.
I was stunned.
Yuu-sama’s eyes widened with surprise as well.
“Prove it?”
“Yes, please prove it to me.”
“Hmm……. Well, so that’s how it is. Rei, what do you wanna do? You wanna watch?”
“Please excuse me.”
I turned around and immediately left as quickly as possible.
When I took one last glance behind me, I could see the shadows of both of them overlapping.
“How were they?”
When I returned to our room, Claire-sama welcomed me back with a worried look on her face.
“I was worried for nothing. Claire-sama, do you have a moment?”
“Eh? W-Wait……. Rei, please don’t pull me. Are we going to sleep?”
“We’re not going to sleep. I feel like I’ve taken a critical hit, so I’m a little bit frustrated.”
Besides, since I had been acting as a shadow warrior for the last few days, I was seriously short on my supply of Clarium.
To make matters worse, even though I was trying to ease back into it, after seeing something like that, I couldn’t help myself anymore.
“W-Wait, Rei! If you want to do it, there are steps to these things――”
“I won’t wait.”
I sealed Claire-sama's lips with mine when she resisted a little bit, and I left the rest up to my bodily desires.
People tend to say that love is blind.
That may have been true for Lishe-sama as well.
Her way of life was probably something that could not be considered praiseworthy at all.
Even so, I thought that it was dazzling, since I was somebody who also lived my life in the name of love.
Lastly, this was the girl who had been risking her life to protect our children.
I wondered if one day, I would be able to dedicate absolutely everything to Mei and Alea as well.
What if I had to choose between them or Claire-sama?
It was a painfully terrible thing to imagine, so I indulged myself in Claire-sama’s body in order to escape it.
Even if I had to make that decision someday, at least for now…
Just for this moment, I wanted to savor the sweetness of this warmth.
――――――
This marks the end of chapter 11.
Please wait a little bit longer for the release of chapter 12.
Your patience is greatly appreciated.
――――――