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恋し合う仲の二輪の黒百合は、切腹心中することを決意した……。

まに様が書いたSSもつきます。是非とも一見ください。


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~~以下はSSです~~

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作者:まに


 葬儀後に声をかけてきたその少女は、故人の面影を宿していた。

「……もしかして、けいこさんの」

「はい、妹です」

 『食事』も終わっていよいよ参列者等が談笑に花を咲かせ始めた頃合いだった。

 隣に座ってきた少女の頷きに、波肌美乳流(なみはだ・みちる)は思わず息を飲む。

(けいこさん……妹いたんだ)

 美乳流は、故人――祭囃子(おはやし)けいこと、生前親しい仲だった。

 だから今日、親族でないにも関わらず、高一にして着慣れぬ喪服を着て葬儀に参加させてもらったのである。そこで初めて知る、妹の存在。これはもう意外や意外というやつで、頭の処理能力がオーバーフローして固まってしまうのも致し方ないといったところだろう。

 人形みたいに瞬きも出来ず放心していた美乳流は、少女が微笑んだのを見て我に返った。

「姉がよく美乳流さんのことを話していたので、お姿を拝見して、もしかしてと思いまして」

「え、えっと……そ、そう、ですか」

 ――少女の微笑に、美乳流は女ながらにどきりとする。

 なんて、女の子らしい、可愛い子なんだろう。

 肌が白くて、唇が艶々していて、大きな丸い目はおっとりとしていて。後ろで一つに結った黒髪も艶めいており美しい。

 自身も美少女ながら、ツリ目気味でキツめな印象を与えがちな美乳流からしたら、見蕩れてしまうような愛嬌の塊だ。

 本当に、けいこによく似ている。

 美乳流は色んな意味で自分の鼓動が高鳴っていくのを感じた。

 視界が、彼女でいっぱいになっていく――

「……姉も満足していると思います」

「ふぇっ!?あっ、ああ、はいっ」

 ――美乳流は思わず首を振った。つい見蕩れていた。こんな感覚は生まれて初めてのことだった。

 少女は気の動転した美乳流に少し驚いた様子だったが、すぐにくすりと笑った。

「……姉の言っていた通りの人なんですね」

「えっ、な、なんて言ってました?」

「普段はとても凛々しいけれど、たまに可愛い人だと」

「そ、そですか……」

 褒められているのやら、どうなのやら。

 なんにせよ、なんとも、けいこらしい評価の仕方だと美乳流は思った。

「……姉って、自由奔放な人だったじゃないですか」

「それは、確かに」

「でも、最後はこうして、美乳流さんみたいな他所の高校の生徒さんにまで来ていただけるんですもの…なんだかんだ、大事なところはちゃんとしていたのかな、なんて思います」

 少しだけ寂しそうに、けれど羨ましそうに、少女は視線を落とす。

 美乳流も内心彼女の言葉に頷いた。


 祭囃子けいこはそういう女性だった。

 黒百合学園に属する美乳流が、その姉妹校であるブラックリリー学園……通称ブラユリ学園に属する、二つ上のけいこと知り合い、仲良くなったのも、彼女から一気に距離を詰めてきたのが始まりだった。

 出会いは『制服肉畜グランプリ』。

 初参加したその時、同じくグランプリ参加していたけいこが太陽みたいな笑みで大会の融通を教えてくれたところから仲良くなった。

 『趣味』のよく合う彼女とは、話が弾んだことをよく覚えている。

「……それに、何より」

 少女は美乳流に、静かに、言う。

 その視線はどこか羨ましそうに、卓上へと向いていた。

 ――厳密には、卓上に置かれた、既に殆どが食べ尽くされた、食器に。

 ――そして、花に飾られる、遺影写真に。

「……姉は肉畜として最愛の恋人に屠畜され……」



「……こうして調理され、皆さんに食べて頂けたんですもの」

 ――黒百合学園とブラユリ学園は、肉畜の通う、姉妹校。

 その校風は共に、『切腹』に重きを置いている。

 美乳流の属する黒百合学園は、切腹そのものの教育を行っている。

 それに対して、けいことその恋人が属していたブラユリ学園は、食材となるための腹切りを教えるのだ。

「姉は、恋人と……灯さんと、最後まで愛し合っていたんですよね、羨ましいです」

 美乳流も、その恋人のことは知っていた。

 街野灯(まちの・あかり)。彼女はけいこと同級生の高3であり、永く恋人同士であったという。

 今日の葬儀は、そんな二人が学園の卒業前に切腹をするための場であった。

 けいこはその念願通り、葬儀の前に、灯に腹を切られて屠畜された。

 灯はそんなけいこの肉を調理した後――切腹をして、添い遂げたのである。

(ほんと……二人とも幸せだっただろうな……)

 美乳流もまた、視線を落とす。

 振舞われたけいこの肉は柔らかく、いかに肉畜の悦びを感じて逝ったのかを美乳流に教えるようだった。

「……美乳流さん」

「えっ、あ、はい」

 可憐な呼び声に、美乳流は慌てて少女を見る。

 そして美乳流は、また、どきりとした。

 美乳流を見つめる少女には――明らかな好意の色が見て取れたのだ。

「私……祭囃子みるく、って言います」


   *   *   *


「……この後……お暇ですか」

「うん、予定はありません」

 美乳流がみるくに惹かれたように、みるくもまた、美乳流に惹かれたのである。

「美乳流さん……明日、二人だけで、姉と灯さんを、切腹の稽古で供養しませんか?」

「うん、私も同じことを考えています。黒百合学園の切腹の間で、いかがでしょう?」

 彼女達はその後、けいこと灯の供養として、二人っきりで切腹の稽古に勤しんだ。


 ……黒百合学園の切腹の間は、体育館の続きの棟にある。

 一階建ての細長い建物の中に24室あり、主に切腹の稽古に使われる。

 個室になっているのは、切腹の時、上半身裸になることが多く、プライバシーを守るためのようだ。

 しかし、しばしば、学園の恋人同士が、愛を確かめ合う場所としても使われる。

 木製のドアを開けると、小さな2段の靴箱がある。靴を脱いで、入り口の縁にあがると、襖。それを開けると、4畳半の切腹の間が現れる。

 真新しい畳の臭いに、みるくは軽い目眩を感じた。そして、へなへなとその場に座り込んでしまった。

「綺麗なお部屋、ですね」

 美乳流もみるくの隣に座った。

「黒百合学園の生徒は、みんなここが好きです」

「私も好きです」

「本当に、好き?」

「うん、好きです。調理台の上も好きですけど、このお部屋も、調理台に似ています。ゾクゾクしちゃいますよ。服を脱ぎたい気持ちになっちゃいます……」

 ブラユリ学園では、調理台の上に横になる時は、全裸でなければならないという作法がある。しかし、さすがに本当の調理台ではないので、みるくは制服のセーラーワンピースと、ブラジャーだけを脱いだ。

「みるくさん、おっぱい大きいです……」

 思わず、美乳流は、みるくの巨乳に触れてしまった。

「あっ♡」

 みるくも思わず声を出してしまう。

 美乳流も、制服のセーラーブラウスとブラジャーを脱いで、みるくに負けないくらいの巨乳を出した。

「美乳流さんのも、大きいです……」

 美乳流とみるくは、相手の剥き出しの美しい巨乳を注視し、そして相手の視線に耐えられず顔を羞恥に染め俯いた。

「お願い、美乳流さんのせ、切腹……見せてください」

 燃え上がる欲情を必死で抑えようとするみるく。

「うん。見せてあげます。私、みるくさんに見せるのちょっと恥ずかしいけど、なんか見られたい気もします……」

「私も、美乳流さんに見せたいのです……」

 美乳流は控えの間から、模造刀と三方を持ち出してきて、二人は互いの吐息が交わるほどの距離で正座した。

 まずは美乳流、そしてみるくは、流れるような所作で、一文字切腹の演技をした。

 自分と同齢の美少女の目の前に、模造刀で自分の真っ白なお腹を刺すと、美乳流とみるくも思わず喘ぎ声を出して、体を激しく悶えさせてしまう。

 相手の震える豊かな胸。喘ぎ声。快感に悶える表情……に、二人は、胸をときめかせた。

 やがて、互いに目を瞑ると、自然と顔を近づけていた。

 唇と唇が重なり合う、柔らかい感触。

 経験した事の無い快感に、嬌声をあげて、二人とも一瞬軽く絶頂に達した。

 そのまま、昂った二人は身体を交え、蕩けそうな絶頂に腰骨を痺れさせた。

 互いが共に高1であり、また身体の相性が抜群だと知った二人は、まもなく恋人となり、同棲に入る。

 そうして毎晩のように切腹プレイのレズセックスを楽しみながら、最後は共に、切腹心中にて果てることを約束するのである。


   *   *   *


 二年後。

 朝。

 ぼさぼさ頭を掻きながら、下着姿の少女が玄関への廊下を踏みしめていく。

 玄関ポストに差し込まれた手紙を前に、あくびを一つ。

 涙の浮かんだ目をしぱしぱさせながら、気だるそうな寝ぼけ眼で手紙を開く、それはあの美乳流であった。

 晒された身体のあちこちに時間の経ったキスマークが残っており、毛先の乱れた髪の毛と相まって艶めかしさが尋常ではない。元々が大層な美少女である上にスタイルも抜群である為、昨晩の情事を容易に連想させる今のはしたない姿でも、異常な魅力を放っているのが凄まじい。寧ろ今の姿は普通以上に、数多の男を魅了するかもしれない。

 そんな己の魅力を気にも留めない美乳流は――手紙の内容を見て、しょぼしょぼした眼を一気に見開いた。

「ちょっ――ちょっとみるくっ!」

 手紙を持ったまま、音を立てて部屋へと駆けていく。

 生活臭の漂う六畳間。

 部屋の片隅に敷かれた布団から、全裸のみるくが瞼を擦りながら身体を起こす。

「んう~……どしたの?美乳流……」

「これこれっ、見てよこの手紙っ」

 みるくに慌てて身体を寄せて、手紙を見せる美乳流。

「んえ~……あ、んん~……♡」

「……なによ」

「美乳流の身体やわらか~い」

「……もう……♡」

 キス。

 朝っぱらから、とことん濃厚に二人はぷるぷるの唇を押し付け合い、舌を絡め合う。


 二人は高校三年生になった。

 日々のレズセックスにより、ただでさえ魅力的だった彼女達の女体は、いよいよ完璧なまでのいやらしさに満ち溢れている。



 長身セクシーボディで凛々しく、Iカップ爆乳を誇る美乳流は、艶やかな黒髪をポニーテールにして、麗しい女武者のような雰囲気を漂わせていた。年齢的に最も孕み頃である少女の腰回りときたら、お腹はくびれつつ僅かに肉がついており、尻肉はむちむちと張り詰め、脚は長く太腿は艶々。

 茶髪ショートヘアのみるくは、美乳流と比べてやや小柄だが、JKとは思えないLカップという魔乳を持ち、清楚な雰囲気も兼ね備えていた。すっかり育った乳肉は信じられないほど大きく、手に吸い付くきめ細かさ。たぷたぷテカテカ、若さに任せた肌の艶が、雌の最盛期特有の新鮮な色香を強烈に放つ。

 黒百合の花を咲かせることにて熟成した二人の少女は上質な雌のフェロモンを分泌し倒し、全身はすべすべとしていてムダ毛の一つもない。その上良い匂いがしてあちこちぷるぷる、まるで雌肉の宝石が如き珠玉の肉畜と成っていた。


 そんな宝石達が、今、互いの女体の輪郭を溶け合わせて接吻に浸る。

 唇の艶を重ね合わせて、紅い舌を交え合い、蜜のような唾液を溶け合わせる。

 共に抱き合い、豊乳を押し潰し合いながら行われるキスは、男女を問わず間に挟まれたくなるような、淫靡と美の濃縮体で。

「……手紙、見てよもう」

「……うん……♡」

 潤んだ瞳で見つめ合う二人。

 離した口から唾液の橋が渡って落ちる。

「えーっと、なになに……」

「はやくはやく」

「うん~…」

 この二年で、二人はすっかり打ち解けた。初対面の敬語から互いにタメ口となり、美乳流は益々美しく凛々しく、みるくは可憐な撫子の印象はそのままに、美乳流の前だけでは気が抜けて少しだらしなさの出るようになった。

 そんなみるくも流石に、手紙の内容には即座に目が覚めたようであった。

「――あっ、屠畜命令っ!?私達二人にっ!?」

 屠畜命令は、肉畜にとって至上の悦び。

 SCから許された中で命を絶つ幸福は想像を絶するのだ。

 みるくは眼を輝かせて美乳流を見やったが、美乳流はそれ以上に嬉しそうだ。

「それだけじゃなくて……ほらここ」

「んえ?……あっ、これ」

「そ。私達で切腹心中の映像作品を作りたいって。これは黒百合とブラユリから共同の依頼だね」

 二人は、地元ではそこそこ有名な女生徒らであった。

 二人して、二年連続で『制服肉畜グランプリ」に進出したことが特に大きかった。今では街を歩いていると、たまに声までかけられる始末。更にたまには不良に絡まれることもあるが、剣道部所属で実力も高い美乳流には物の数ではない。因みにみるくも柔道部なのだ。

 そんな美乳流とみるくを見て、両校は学校のPRも兼ねた映像作品のモデルにふさわしいと判断したのだろう。

 肉畜として、生徒として、当然この上ない誉れである。

「……モデル。やるよね、みるく」

「……うん♡」

 六畳間で、二人は再び身体を溶け合わせていく。

 今日は休日。愛を阻むものは何もない。


   *   *   *


 屠畜の日程は速やかに決まり、二人はそれまでの時間を、身辺整理と愛し合いに注ぎこんだ。

 そして、屠畜前夜。

 六畳間に、火照った吐息が二つ、たつ。

 互いの鼻先が触れんばかりの距離で吐かれたそれらは、交わり、立ち込め、部屋の湿度を高めていく。

「……そんじゃ、みるく」

「ヤろっか」

 呟く美乳流の姿は、完全に『出来上がって』いた。

 目尻が蕩け、眼は据わり、唇の艶は増している。

 晒した裸体には火照った桃色が灯っており、布団に女の子座りをしながら肩で呼吸をするのである。

 誰がどう見ても、御しきれない発情に全身が支配されているのが見て取れる。

 至極、自然なことである。

 美乳流は肉畜なのだ。

 明日、自分が理想の屠畜を遂げるという状況下で、理性的でいられるわけがない。

「うん……しよ、美乳流……」

 劣情に支配された獣になっているのは、当然美乳流だけではない。

 みるくもまた、同じく裸体を紅潮させて、抑えきれない熱気を吐息に込めて洩らしている。

 美乳流が獲物を見つめる肉食獣の様相を呈しているなら、みるくは襲われる獲物側の恍惚に浸っている。

 恋人である二人の性の役割分担が見て取れる構図であるが、しかし、

「……んっ、美乳流っ♡」

 今回ばかりは、みるくが先んじて美乳流に抱き着いた。首に細い腕を回して唇を重ねる。強引なキスだったが、みるくはそれでもまどろっこしい様子で即座に舌を伸ばし始めた。

 柔らかく蕩けた雌の花弁が絡み合っていく。

 みるくが欲望のままに身体を押し付けて唇を押し付けてくるものだから、次第に二人の体制は、美乳流が背を反らし、みるくが背を丸める強引なシルエットを形作っていく。

 だがしかし、シルエットは次第に真逆へと曲がっていく。

 責めっ気のある美乳流が、必然、みるくを押し返したのだ。

 今度は自分が力任せに御される形になったみるくは、雌の恍惚に涙目を蕩かした。

「みち、りゅっ……みちりゅっ……♡」

「みるくっ……んっ、じゅるっ、れるにゅるっ……!」

 単純な力であれば、剣道部精鋭である美乳流のほうが強いのだ。

 色欲の攻撃性だって、美乳流のほうが上。

 当然相方を求める欲求も負けてはおらず、先制攻撃を喰らった美乳流は、結局力任せの接吻でみるくのことを押し倒した。

 そして美乳流は、凶悪なほどに濃厚な長ったらしい接吻を見舞う。

 極上の女体が、至上の女体を潰したまま、貪るようにキスをする。

 激しい水音の最中、下敷きみるくの美しい脚は、太腿を擦り合わせたり爪先をピンと伸ばしたりして捕食の壮絶さを知らしめた。

 美乳流の脚は、そんな悶絶の発散さえ許さないかのように、みるくの股へと忍び込む。

 力でねじ伏せる美乳流の脚と、ひたすら暴れるみるくの脚。

 やがてみるくの脚は引きちぎれそうなほどに伸びて、激しい痙攣をもよおした。

 同時に秘部は潮を噴き、それでも美乳流は接吻を緩めない。

 絶頂しながら悶えるみるく。

 結局彼女の足がぐったりと力を失い、ようやく接吻の水音は止んだ。

 それでも美乳流は暫く唇を離さず、ねっとり舌の絡み合う音を立てる。

 そして、ついに、音を立てて、離れる。

「はー……はー……美乳流ぅ……すごすぎだよぉ……♡」

 ――露わになったみるくの表情ときたら、どろどろに蕩けきって酷いものであった。

 口周りを唾液まみれにしながら、涙目が美乳流のみを捉えて喜悦の色を滲ませている。

「キスだけで三回くらいイッたぁ……ちっちゃいのもいっぱいきてぇ……頭ふわふわしてるぅ……イキ死にそう……♡」

「死ぬ、のはっ……明日でしょっ……♡」

 嗜めながらも、美乳流はその実一切余裕のない興奮状態でいる。責められたみるくとは違い、まだ絶頂出来ていない。今にも頭がおかしくなってしまいそうだった。

 みるくはうっとりした顔で頷く。

「明日、私達屠畜されるんだねぇ……」

「二人で一緒に切腹するんだね」

「お腹を、ずり~って、切り裂いてっ……アクメっ、すっごいの、してっ……♡」

「……死にそうなくらい気持ちよくなりながら死ぬんだね……♡」

「……あ゛~~~っ……♡♡♡」

 美乳流は、はしたない話だが、舌打ちなんてものをしてしまいそうなくらいに苛立った。

 こんな寸止め状態で、えっろいことを言うんじゃない。

 全身に湧き上がるそんな怒りを発散するかのように、美乳流はみるくの脚を掴んで持ち上げた。

「あっ♡美乳流っ♡♡」

「ほんっと許せないっ、あ゛~っも゛~っ!!」

 片足のあがったみるくの下半身に、美乳流は乱暴に己の下半身を絡みつけた。

 毛の一つもない盛り上がった土手が密着する。所謂貝合わせの状態だ。

「みるく、こらみるくっー―ンイ゛ッ♡♡」

「あ~っ♡あ~~~っ♡♡♡」

 もう滅茶苦茶に秘部を擦り合わせる美乳流。

 ぷにぷにとした土手が捲れ、秘めたる蜜壺の入り口が溶け合う。

 膨らんだ陰核同士が互いを弾き、その度に二人の背筋を強烈な快感が走ってのぼる。その快感は、特に寸止め状態であった美乳流には強烈すぎた。

「んイッ♡♡グッ♡♡♡」

 太腿を閉じ、みるくの脚をぎちぎちとカニばさみにしながらの絶頂は深く身体に染み渡った。

 男女の性交さえ霞むほどの快感に、美乳流の背筋が引かれた弓弦のように強烈にしなる。

 ツリ目の美少女がエグイアクメをキメ、おっとり美少女が恍惚の表情でそれを見つめる。さっきとはまるで真逆の光景だ。

 シミ一つない二人の女体は、絡み合いながらやがて、落ち着いていく。

「んっ♡いっ♡ギッ……あ♡あー……♡足んない、ぜんっぜん……」

「……朝まで、だね♡」

「っ……死ぬほどイカせ倒すっ……♡♡♡」

「も~……死ぬのは明日なんでしょ~?……あんっ♡」

 美乳流が再びみるくを押し倒す。

 どれだけ交わろうとも、屠畜に向けての熱は積もりゆくばかりであった。


   *   *   *


 ――結局、二人は徹夜をした。

 朝のシャワーを二人で使いながら、美乳流とみるくは色んなことを話し合った。

 屠畜は悲しいことではないし、別れでもない。

 それでも色々と感慨深いことはあるわけで、二人はたっぷり笑って、泣いて、愛情を確かめ合うようにキスをした。

 そうして二人はこの二年間過ごしてきた六畳間に別れを告げ、家を出た。

 二人が向かった先は黒百合学園であった。今回の切腹は食材となる為の行為ではない為、ブラユリではなく黒百合での撮影が相応しかったのである。みるくは黒百合の美乳流と異なりブラユリに通っていた為、当初は他の生徒と同じく食材となることを願っていたが、美乳流と暮らす内に恋人との切腹心中に憧れるようになり、美乳流と同じ純粋な切腹をする運びとなった。

 黒百合に着いた二人は、まずは屠畜担当の教師のところへ、自分の『肉畜証明書』を提出した。

 そして、切腹の間に付設された浴場で、もう一度身体を清めてから、浣腸を受けて、徹底的に腸内を綺麗にした。

 少し休憩を取った後、二人は切腹の間へと入った。

 その恰好は、制服も下着も脱いだ、眩しく輝く全裸の身体。

 切腹の間には誰もおらず、静かなものであった。

 唯一、二人の切腹が画角に入る位置にビデオカメラが置いてある。

 そのビデオカメラが既に回されていることは知っていた為、二人は静かに所定の場へと90度向かい合う形で座った。六畳間で求めあった時のような素の自分は出さない。二人は既に、規範となる肉畜の顔をしていた。



 座って少しの間を置き、喋り出したのは美乳流であった。


「……黒百合学園飼育場、剣道部所属……高等部三年一組、波肌美乳流、スリーサイズは109I、68、100です」

「及び、ブラックリリー学園飼育場、柔道部所属、高等部三年四組、祭囃子みるく、スリーサイズは113L、70、105です」


 みるくも美乳流の後に続く。

 二人はそのままぴったり息を合わせて、宣言する。


「「只今より、私達は互いの愛を確かめ合う為、共に切腹心中のより屠畜されます。

  皆様方、どうか私達の最期をお見届け下さい」」


 一字一句、刹那のタイミングさえも、間違おうはずもない。

 この二年間、二人で、数えきれないほど練習し反復した台詞だ。

 恋人になったきっかけであり、これまで育んできた愛の象徴が、切腹の稽古であり、切腹プレイなのだ。

 たとえ本番であろうとも、間違えたくたって間違えようがない。

 この時を、肉畜である二人はずっとずっと待ち続けたのだから。


「「……では、逝きます」」


 二人は同時に、眼前の三方に置かれた脇差を手に取り、刃を抜く。

 そして片手に握っていたスカーフを、先端10cmばかりを残して刃に巻き付けていく。美乳流のスカーフは薄い紫色、みるくのスカーフは薄い水色。ともに黒百合とブラユリの制服のスカーフであり、美乳流とみるく本人のものでもある。2校とも切腹の作法では、生徒が切腹する時、真っ白な和紙の代わりに、自分のスカーフを用いるのが普通である。

 準備が整うと、二人はよどみない動きで切っ先を腹部へと持っていく。

 左利きの美乳流は切っ先を右下腹に当てて、美乳流は鳩尾あたりに当てる。

 今回の切腹で、二人とも腹を十文字に切り裂くつもりだが、美乳流は作法通りに横一文字に切ってから、縦に切る。一方のみるくは、ブラユリ生徒としてのアイデンティティを表現するために、まるで調理台で捌かれるように、縦一文字に切った後、横一文字に腹を切り裂ける。共に黒百合とブラユリを象徴する死に方であり、PRを兼ねた今回の切腹に相応しい方法だと決めたのは頭脳明晰なみるくのほう。

 しかし、この切腹では介錯人が存在しない。

 切腹に自信がある二人でも、確実に切腹を完遂出来るように、一呼吸分の覚悟は決めておく必要性があったのだ。

 逆に言えば、その程度の動作で覚悟は済んだ。

 美乳流とみるくは、同時に、一度深呼吸をして、

 次の瞬間――同時に己が腹へと刃を刺し込んでいた。


「ああっ♡」

「んっっ♡♡」

 擦りたくなるような白い腹部に、刃が刺さって鮮血が浮く。

 薄皮をぷっつり裂いて脂肪層を切り裂いた先から、鮮血はまるで乙女の柔腹を撫でるかのように伝い、太腿から秘部へと落ちていく。艶やかなラインであった。女性的な丸みが強調され、グロテスクの中に魅了が映える。少女達の柔らかさを、ビデオカメラは無機質に記録する。

 二人の額に、たちまち脂汗が浮いた。

 如何にも苦痛を噛み殺すように青ざめる二人だったが、どこか喜悦の色も浮かべているのがいやらしい。

 美乳流は、呻きたくなるような痛みの中で期待に胸を踊らせていた。

 みるくもまた、予期出来る、さらなる快楽の波を求めた。

 痛いのに、身が震えるほどに気持ちが良かった。自分の身体に堆積した放出しようのない色欲を、掻き毟って取り出すかのような、鮮烈で強烈な刺激。性交では決して得られない痛烈な恍惚に、二人はまるで、常時絶頂しているかのような快感を覚えていた。

 やがて、筋肉層にまで刃は到達した。

 美乳流の右脇腹が血を吹き出し、みるくの正中線をまっすぐに血の筋が垂れる。

 突き刺しただけで、これほどまでに気持ちいい。

 だったら、腹を切り裂けたら、それはいったい、どれほど気持ちいいのだろう。

 あまつさえ、刃を滑らせたら――



「「――ン゛ッ♡♡♡」」

 ――想いを重ねて、美乳流は横へ、みるくは縦へ、二人は同時に大小腸ごと腹部を切り裂いていく。

「何この感じ……みちる、私……んっ♡ん、んっ――♡」

「私もよ、みるく……私……イッ…っ…んぐぅっ――♡」

 不意に、壮絶な快感が二人を襲った。

 二人はその場で絶頂し、秘部を密かに愛液で濡らした。

 みるみる内に顔から血の気が引いていくが、魔にとり憑かれたような恍惚の表情を浮かべる二人。

 その腹部が横一文字と縦一文字に裂け、ぐちゃぐちゃに蕩けた内臓が晒け出された。

 しかし、自分の柔腹に刃を沈ませていけばいくほど、雌の本能、被虐の悦びが目を覚ます。

 全身に電流のような快感が走って収まらない。

 生命の危機を感じた脳味噌からは脳内麻薬が溢れ出し、何もかもが甘美で蕩ける。脳髄が焼け蕩けて耳からどろりと垂れていってしまうかのような、理性の瓦解する幸福の塊だ。

 肉畜の悦びを、今正に味わう二人。

 だが彼女達は、こともあろうか『それ以上』を求めて刃を更に腹部へ沈めた。

 脇差は、根元までずっぷりと沈み込んでいた。

 新鮮な臓腑を刃が貫き、最早言語化など到底出来ない刺激が二人を馬鹿にする。

 当然声など出なかったが、二人は互いに、相手の幸せを肌で感じていた。

 美乳流とみるくは虚ろな眼で、しかし嬉しそうに、己の鳩尾と左下腹に刺しなおした。

 十文字腹だ。

 さ、一緒に、逝こう。

 二人は指示したかのように、同時に刃を滑らせた。


「「――ッッ♡♡♡」」

 悶絶、絶頂。

 二人は同時に、身体を異常な痙攣に跳ね上げた。

 今度は誰でもわかるほどはっきりと、二人の股から潮が噴き出した。

 知能を持たぬ下等生物のように、二人は極上の女体をびくびくと反射に暴れさせる。

 二人とも腹部はぐっぱりと開き、中から切り裂かれた臓腑がどろりと溢れ出た。

 赤黒い血液が下半身を染め、床に血だまりを形成していく。

 そして二人は、手を震わせながら刃を引き抜いて、同時に己の子宮を刃で刺した。

 最も強く疼いていた雌の象徴が、最上の刺激に、まるで胎動のように痙攣した。

 二人はとめどなく絶頂し、全身の神経が焼き爛れる程の快感を堪能した。

 理性などもうとうになくなっている。



 ――だというのに、二人は気付けば互いを見つめ合っていた。

 確かに愛を伝え合い、そうして身の引き千切れるような絶頂を味わった。

 声にならない声が切腹の間を満たしていく。

 ――二人の身体が、互いに寄り添う。

 まるで最後に、恋人の体温を確かめるかのように。

 二人は絶頂を堪能しながら、互いに相手の秘部を、空いた手で滅茶苦茶に弄り倒した。

 永遠にも思える絶頂を、二人は共有した。

 二匹の極上肉畜は、とことん互いを絶頂させた後――キスをすると同時に、大出血の果てに、逝った。


   *   *   *


 美乳流とみるく、二人の遺体は、共に剥製にされた。

 現在では、地元の肉畜展示館に寄付され、永遠に共にある。

 二人の遺した映像作品が、数多の肉畜を欲情させて百合切腹心中を流行らせたのは、最早言うまでもないことだろう――。


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