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今回はアニメ画面の雰囲気を作る話です。いわゆる撮影処理(コンポジット)の工程を解説したいと思います。After Effectsを使った解説になりますが概念を覚えれば他のソフトでも同じような表現が出来るはずです。

1.ノーマル状態

ピンクで囲んでいるところはレイヤー構造になります。順番にレイヤーを増やしながら何を行ったのかを解説していきます。

この状態が単純に背景とキャラクターを重ねた状態になります。背景とキャラクターの色味があってないことがわかると思います。

2.背景色に合わせる

まずはキャラクターと背景の色を合わせていきます。(本当はキャラクターの色指定の段階で合わせた方が良いです)

今回は夕景の雰囲気なので、オレンジ系の色を乗算レイヤーでキャラクター重ねます。このままだと色が単調なので続いて影色を変更します。

影の部分を選択して紫系の色を乗算レイヤーで重ねました。このように基本色影色は少し変えた方がハッキリした印象になります。

3.光源に合わせた処理

光源の方向に合わせて陰影を強化していきます。

今回の光源の方向としては、太陽が沈み始めているイメージで横から光が当たっている想定で光源を決めています。光源に合わせてキャラクターの縁にハイライトを入れてみました。

次は光源に合わせてグラデーション影を入れます。光源とは反対の方向(今回だと画面の右側)が少し暗くなるようにグラデーションで影を入れています。光源に近いほうは明るく、離れるにつれて少し暗くなるイメージです。

こうすることで光源の向きがより分かりやすくなります。色は影色と同じように少し紫色にしています。

目のハイライトを少し発光しているように調整。(なんとなく好みで入れました)

4.フレアとパラ

先ほどはキャラクターにグラデーション影を入れましたが、今度は画面全体に入れていきます。

光源に合わせて「フレア」と「パラ」を入れていきます。フレア、パラとはアニメの撮影用語で、考えとしてはカメラのレンズに入ってくる光の表現になります。ざっくりやり方を説明すると画面に対して、光源に近い方に光(フレア)を入れて、光源から離れるにつれて影(パラ)を入れて光の流れを表現するという感じですね。

光源に近いところに光(フレア)を入れて、光源から離れるにつれて影(パラ)を入れる。この考えを順番に加えていきます。

画面の下の方にパラを追加。(黄色い線はパラ画像の形になります。)

光源が画面に対して左にあるので、左側にフレアを追加。

2枚目のフレアを追加。1枚目より細く横に長いタイプを追加(好みで入れました)

3枚目のフレアを追加。もっと光が強く感じるようにしたかったので追加しました。

5.ディフュージョン処理

最後にディフュージョン処理を加えました。

ディフュージョンとは、光の拡散表現として使われる効果で画面全体が少し滲んだような淡い雰囲気を作ることが出来ます。どのようなシーンで使われることがあるかと言うと、演出的に使われる場合もありますが、気象条件で使う考えが分かりやすいと思います。例えばお風呂場など光が拡散する場所、夕方などの光がぼやけてくる

時間帯など。

ディフュージョンに使用する画像。

最終的な画面をぼやかして、それをソフトライトなどのレイヤー処理に上から重ねてディフュージョンを表現しています。コントラストを調整して明るいところだけ抽出して使用するのも効果的だと思います。

まとめ

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