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この解説は、造形を作る(モデリング)からの話ではなく、色塗り(テクスチャ)を使ってアニメ調にする話です。

テクスチャの作り方でアニメ的な雰囲気に見せる方法を解説していきます。

1. テクスチャをベタ塗りにする

まず、テクスチャをベタ塗りにします。元のテクスチャから色を選択してグラデーションがないテクスチャに変更します。


ここまでは簡単に出来ると思います。ここからが本番です!

ここからの調整をするかしないか最終的にな品質に差が出てきます。目の情報量色のバランス次第で最終的な出来がガラリと変わります。時間を割いてでもここの作業にこだわりを持つと良いでしょう。

2. 目の情報量を上げる

キャラクターは特に目元の情報量が重要です。今の状態だと目が浮いて見えてしまい違和感になってます。なので、色の調整や情報量を上げて行きます。


① 色を抑える+光沢を追加

② アウトライン+描き込みを追加

③ 目の周りの形を整える+白目に影を追加

色調が合っていないので、髪の毛や肌とのバランスを見ながら色を調整して、その後アウトラインの追加や白目に落とし影を入れるなどして情報量を上げました。


左:調整前

右:調整後

このように目元を整えることでまとまりが生まれたり、目元に注目を集めることが出来ます。

3. 色のバランスを整える

続いては色のバランスを確認していきます。ここで配色をしっかり整えることで全体にまとまりが生まれます。背景画像をおいて色を確認していきます。

一見すると違和感がないと思ってしまうかもしれませんが、細かく見ていくと色々と違和感が生まれてきます。

例えば、肌の血色が良くない、全体的に少し暗く感じるなど、背景に重ねてみると比較するものがあるのでバランスの違和感に気づきやすいです。

とは言え、違和感に気づいてもそこからどの色を選べばよいのか難しいと思います。ここからは順を追って色を決めていくやり方を解説します。

3-1. 背景から色のバランスを参考にしよう

色の配色がわからない場合、何かを参考にすると良いです。例えば背景から明るい面、中間色、影の色など、参考になる場所の色を調べてみと良いです。背景で使用している色調の範囲が見えてきます。

(他にも何かのアニメ作品の配色を参考にするのも良いと思います。)



調べ方の方法としては、まず背景の一部を白黒にします。白黒にすることで明度がわかりやすくなります。ここから明るい色、中間色、暗い色の明度を調べてみます。同じ材質の範囲ので見たほうが良いです(例題だとブロックの上面と側面と影の色を調べてます。)

これを調べることにより、明るい面から暗い面までに使っている色の範囲がわかるので、この範囲内で配色を決めると背景とのバランスが合いやすいと思います。

まずは色彩のすべてを合わせるのではなく、明度部分だけでバランスを合わせると良いです。

明度の範囲がわかったところで、次はキャラクターの髪の色を調整してきます。

3-2. 色のバランスを整える(髪の色)

左:調整前

右:調整後

髪の色を明度だけで見た時に、少し暗かったので明るく調整しました。(ハイライトは好みで追加)

3-3. 色のバランスを整える(服の色)

服の色も髪と同様に少し明るく調整 + シェーダーだけではつかないアウトラインをテクスチャに描き込みました。

アニメ調3Dモデルを作る場合、アウトライン表現を入れるのは効果的なのですが、シェーダーだけでは綺麗にアウトラインが出ない場合があります。(ローポリゴンのモデルなど)その場合は、直接テクスチャにアウトラインを描きこむと効果的です。

3-4. 色のバランスを整える(肌の色)

肌の色に関して、気をつけると良いのは影色です。影色によって血色がよく感じたり悪く感じたりします。

左:元の状態

中:基本色のみ変更

右:基本色+影色を変更

影色が灰色だと暗い印象になってしまいがちです。影色に少し赤みを加えることにより明るい印象に変わったと思います。

肌の色に限らず、色が暗いなと感じたら基本色を変えるだけではなく影色にも注意を払うと良いです。

3-4. 色のバランスを整える(落とし影)

最後にキャラクターに立体感を付けるための嘘影を描きます。

本来ならライティングで行うと良いのですが、ライティングの制御で上手に影が出なかったりする場合もあるので、あらかじめテクスチャに落ち影(物体から落ちる影)を描くと良いです。

考え方としては、光源の向きが真上から真下に向かっている時に出来る落ち影を描き込むと良いです。今回の場合だと首の下や襟の下に影を描きました。これらを描くことで奥行きの表現もわかりやすくなります。

3-5. 色のバランスを整える(結果)

左:調整前

右:調整後

まとめ

① 元のモデル

② テクスチャをベタ塗りに変更

③ 目元のテクスチャを調整

④ 色のバランスを調整


以上です!

これらの設定はモデリングがしっかり出来ているが前提の条件になりますので、テクスチャだけ変えても良くならない場合は、モデリングも見直しながら品質を高めていくと良いでしょう。

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Comments

Miyoko

今まで色に関してとにかく苦手意識が強く、色んな本を買って読んではその度に挫折していたのですが、これはすぐ応用できてとても分かりやすいです。こういうのが知りたかった…! というのと同時に今まで買ってた本の活用方法もようやく分かりました!ありがとうございます!

MuRo

役に立ってよかったです。 配色は難しいですよね。自分はよくイメージの近いアニメの配色をとりあえず塗ってから、そこから調整してみたりしてます。

shigekzishihara

さすがMuRoさん!これ,出版できる内容では!!