ぶーぶー学園の禁忌に触れたら(豚化)【R-18】 (Pixiv Fanbox)
Content
pixiv側へ掲載した「豚化小学生~私立ぶーぶー学園」の関連話です。
今度は飼育当番だった子が豚になってしまう、豚視点でのお話です。
排泄要素が含まれますので、その手の内容が苦手な場合はご注意ください。
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私は私立ぶーぶー学園へ通う小学4年生の女の子……先日、豚化した子におしりの臭いを嗅がれました。
豚の習性的にこれは普通なのですが、何とその子はおしりの臭いを嗅いだ記憶を覚えていたのです。
もうお嫁に行けないと思い、その時の私は凄く恥ずかしくなっていました。
「もうやだな、こんな学園……」
私達がやった事ではないのに、過去の出来事が原因で豚の霊の呪いに掛かってしまった私立ぶーぶー学園。
この学園では毎日クラスの中から、必ず女の子の誰かしら1人が豚になってしまいます。
ちなみに、私にはちゃんと名前があります。
しかしこの学園では名前で呼び合う事を禁止されています。
ぶーぶー学園は豚の呪いに掛かって以来、女の子は誰もが豚化する可能性に晒されています。
まるで皆が豚の個体として認識されているかの如く、名前で呼び合う事を禁じられているのです。
「おはよー……」
私は先日の件を引きずっていて、憂鬱気分で教室へ入りランドセルを机に掛けました。
今日も誰かが1人豚化するんだ、でもある程度の人数女の子は居るしピンポイントで私が選ばれるなんて事は……。
「ぶひっ!?」
豚の声が上がると、途端にクラス中の視線が私の方へ集まります。
え、嘘でしょ、そんな、まさか今日は……。
「や、いや、豚になりたくは、なりたぶ……ぶぅ、助け……いやぶぅ、ぶひぃいいい!」
私の抵抗も虚しく、声を上げているうちにあっと言う間に豚化は完了していました。
二本足で立てず前足を着かないと立てなくなってしまったし、嫌でも豚になってしまった事を実感させられます……。
「ぶぶぅ……」
は、恥ずかしい……元人間の女の子と知られた上で四足歩行の豚にされてしまい、その上パンツ丸出し状態です。
今日の私が穿いているのはうさぎさんパンツ……皆に晒す事になってしまって、本当に恥ずかしいです。
「うわっ、やっぱ可愛くても臭いキツいわぁ……」
「そういう事言っちゃダメだよ、あの子が可哀そう」
「あんなに可愛い子がこんな姿になるなんてね……」
「俺、あの子の飼育当番にならなってもいいかもしれない」
「でも飼育当番はもう女の子のローテーションなんだろ? それにいくら可愛い子でも、やっぱ豚は臭いぜ……」
何だか私は凄く惨めになってしまいました。
皆が私の事を可愛い、と言ってくれる事は凄く嬉しいのです。
でも、今はこんなに醜くて臭い豚だから……このギャップだけは、どうしてもそうそう受け入れられないのです。
「僕、あの子となら豚でもいいからヤりたいな……」
クラスの誰かがそんな事を言ってるのが聞こえて、私は少し身震いしてしまいました……。
『ぶうーぶぅーぶうーぶぅー』
チャイムがなって先生が教室へ来ました。
「皆さんきちんと居ますね。では今日の飼育当番ですが」
「はい! 今日はあたしですー」
「じゃあ当番の子はお願いしますね」
今日当番になる子は初めて一緒に組む子でした。
豚の私でも優しく接してくれる子だといいな……。
「ぶひぶひっ」
私は飼育当番の子の席の近くへ行きました。
「うん、宜しくねー!」
女の子は臭い筈なのに手で鼻を覆う事もせず、何だか好印象でした。
初めて組む子だからどんな子なのか分からず心配だったけど、きちんと優しくしてくれそうです。
1時間目の後半、私は猛烈な便意に襲われました。
『ツンツン』
私は鼻で飼育当番の子の体を突き、おトイレへ行きたい事を知らせます。
「うん? おトイレかな。大丈夫? まだ持ちそう?」
「ぶひっ……」
「先生ー、あたし、豚さんをおトイレに連れて行ってきますねー」
私は飼育当番の子に連れ出され、一旦廊下へと出ます。
「ぶっ……」
私は授業中連れ出してしまった事に罪悪感を覚え、ごめんなさいの気持ちを伝えました。
「ったくよー、ほんとだりーよなぁ」
「ぶひっ?」
え? 何だか急にこの子の様子が……。
「何でうちがこんなくっせぇ豚の面倒なんか見なくちゃならねえんだよ」
「ぶひっ……!?」
「あー、何か文句あんのか? あんたムカつくんだよね、豚みたいな顔しやがって。あ、豚か」
え、一体どういう事? これがさっきの子と本当に同じ人物?
鼻を摘まんで、まるでゴミを見るかのような目で私の事を見て……。
「さっき豚化した時だって何だよ、ただのくっせぇ豚だってのに男子共にあんなちやほやされてよ」
この子……もしかして、これが素の性格なの?
もしかして普段、みんなの前では猫を被っているの?
「豚のくせによ、何人間様に助けてもらおうとしてんだよ」
「ふ、ふごぉ……」
「てめえも元人間なら自分のケツくらい自分で拭けよな」
もしかしてこの子、私の事が嫌いなの? それともただ単に、豚が嫌いなだけなの?
「豚化しても可愛い子ぶりやがってよ。あんたみたいなぶりぶりしてる奴、すっげえ嫌」
え、別に私、可愛い子ぶってるつもりなんてない。
むしろ豚になるのが嫌で、私だって色々と戸惑ってて……。
「ぷぎぃ……」
「ほらそれだよ、何可愛く鳴いてんだよ、くっせぇ豚の分際でよ。ぶりっこしてんじゃねえよ、ぶりぶりするならトイレでしろよ」
分かった、この子私に嫉妬してるんだ……。
別に私、好き好んで男子にちやほやされてるわけじゃないのに。
男子側が色々私に対して思ってるだけで、別に私の意思でちやほやを望んでいるわけじゃない。
「うちが気い利かしてわざわざおむつ、用意してやったよ。これならいくらでも漏らし放題だ」
「ぶぶっ!?」
え、それダメだよ、ぶーぶー学園の校則ではパンツ以外の物は着用しちゃダメなんだもの。
だから皆パンツにおもらししちゃっても、一生懸命外の水で汚物を流して綺麗にしてるんだもの。
「買うの恥ずかしかったんだからな? 感謝しろよ。パンツ汚さずに済むし、うちも手間掛けずに済むしお互いに良いだろ」
「ぶふぉ……」(ダメッ……)
この子、校則違反になると分かってて私におむつを穿かせようとしてる。
きっと私の事が嫌いだから、私が元に戻れないようにしようとしてるんだ。
「さあおむつ穿かせてやるから、少し大人しくしな」
「ぶっ! ぶぶっ!」
「あ、てめえ何だよ! 豚の分際で人間様に抵抗するのかよ!?」
おむつを穿かされるわけにはいかない。私は必死に嫌がって抵抗する。
「くそっ、豚の力は強えな。ほんとにてめえあの女か? 一応これ、持ってきて正解だったな」
『カチッ!』
「ぶふぉ!?」
飼育当番の女の子はチャッカマン式のライターを取り出し、私に向かって火を見せて……。
『ぶりゅ! ぶりぶりぶー! ぶぶーっ!』
私は威嚇されたかのように驚いてしまい、その場で尻持ちを着いてうんちをおもらししました……。
何でこの子、小学4年生なのにライターなんて持ってるの……そこまで私の事、嫌いなの!?
火を怖がるのは動物の本能みたいで、豚になっている私にはとても怖く映りました。
「あーあ、こんな所で盛大に漏らしやがって。ま、処理はしなくていいけどくっせえわ。鼻が曲がりそうだよどうしてくれんだよ」
私の体に火は着かなかったけど……本当に火を着けられたら焼き豚にされてしまう。
そこまでして私を絶対服従させたいの?
そんなにも私が男子にちやほやされるのが気に食わないの?
私の意思でそうなったわけじゃないのに……。
「うさぎのパンツなんて穿いてる割りには結構強情なんだな。もっとやわな奴かと思ってたのに」
「ぶっ! ぶー!」(そんな事、ないもん!)
「何て言ってるのか分かんねーよ、人間様が豚の言葉を理解できるわけないだろ。黙ってろよ」
でも……まさかライターのような危ない物を持っているだなんて思わなかった。
ここは大人しく言う事を聞いておかないと、本当に焼き豚にされてしまうかもしれない……。
でも、だからっておむつを穿かされたら学園の決まりに背く事になるし……私、元に戻れなくなっちゃうかも。
「ま、仕方ねえな。臭くて耐えらんねーからとりあえずトイレだ。ほら、歩けよ」
「ぶー……」
「できるだけ離れろよ、てめえ豚だしおもらしして臭えから」
私は気持ち悪いおしりで嫌々歩きながら、内心少しビクビクしつつ外の排泄スペースへ連れて行かれた。
「さ、ケツ洗うぞ。早くこっちへ臭えケツ向けろ」
「ぶっ……」
怖いけど、こんな事で気持ちが折れたらダメ。
気持ちが折れたらきっと理性を失って、恐怖で暴走してしまうかもしれない。
理性を失わないように気持ちを強く持たなくちゃ……。
『シャアア!』
「ぶふぅー!」
「いちいちうるせえなー、冷てえのは当たり前だろ。少しくらい我慢しろよ」
「ぶぶぅ……」
ダメ、意識を豚に乗っ取られないようにしないと……私の意思を強く持たないと。
気持ちが弱くなるとそこに付け込まれて意識を乗っ取られるんだ、絶対に折れちゃダメ……。
「ほら、おむつ着けるぞ」
「ぶっ……ぶぶっ!」(それだけは……ダメッ!)
「うるせーよ、嫌がってんじゃねえよ、もうこっちは豚のクソ処理なんてうんざりなんだよ。しかもお前みたいなぶりぶりした奴の世話なんて」
「ぶぶっ! ぶー!」
「てめえ早く足上げろ、焼き豚にするぞ?」
うっ……私、ライターの火を向けられて恐怖で抵抗なんてできませんでした。
「このまま焼かれるのと豚のままでも生きられるの、どっちがいいんだ?」
「ぶぅ……」
「分かってるようだな、手こずらせんなよ」
私は後ろ足を上げるしかなかった……抵抗したら焼き豚にされる。
そんな恐怖心から言う事を聞く選択肢しかなかった……。
「よし、これでバッチリだな。もう漏らし放題だぞ。安心しろ」
「ぶぅ……」
何もかも終わりです、私はおむつを着けられてしまいました……。
もう、元の人間の女の子には戻れないかもしれません。
「上から豚用パンツを被せれば分からないだろ。あ、漏らしても平気って言ってもできるだけ漏らすなよ、臭えから」
「ぶぶぅ……」
もう一生このままの姿で生きて行くのかもしれない、そう思うと何だか凄く惨めでした。
この日は私が以前飼育当番だった日と同じ曜日でした。
なので次は体育の時間で、私は外で飼育当番に待たされていました。
少し経つと一斉にクラスメイト達が校庭へ集まってきます。
「じゃあ引き続き宜しくお願いしますね」
「はーい! あたし、しっかりやりますねー」
飼育当番の子が先生と話している声が聞こえて……凄くぶりっこしてるのが良く分かりました。
先生とやり取りを終えた後、飼育当番の子は私の方へ来ます。
「ったく、ブルマで豚の散歩って恥ずかしいったらありゃしねえよ。だりいからほんとは勝手に散歩しててほしいんだけどな」
「ぶひっ……」
「先に言っとくけどよ、うちのケツに絶対汚え鼻押し付けんなよ? 欲情なんかしたら即焼き豚だからな!」
「ぶっ……」
これはもう理性を失っている隙すらもなさそうです……。
「豚さんのお世話は大丈夫そうですか? 何かありましたか?」
「あ、大丈夫ですー! あたしきちんとやってますよー。ほらおいで、楽しいお散歩だよー!」
「ぶぅ……」
私以外には完全に猫被ってぶりぶりしてる……。
どうやらさっき私に言った声が、先生の元まで聞こえかけてたようです。
「チッ、今の時間だけはちゃんとしてやるよ……皆外に居るしな」
飼育当番の女の子は小声で私に言いました。
しかしこの子、性格は超が付く程すっごく悪いけど普段猫被ってるからなのかな。
オシャレと匂いに凄く気を使ってるようで、女の子らしい凄くいい匂いがするんだよね。
「さあおいで、ほら、お散歩行くよ」
こんないい匂いでそんな優しい顔されたら、私……。
「ぶひっ……ぶひぃーーー!」
「えっ!? ちょ、まさかあんた欲情したんじゃないでしょーね!?」
「ふごふごっ!」
「きゃあ! きったねえ鼻スカートの中に入れんじゃねえ!」
「ぶひぃ! ぶひぶひっ!」
「きったねえ鼻押し付けんな! うちの綺麗なパンツが汚れて臭くなるだろうが!」
「ぶふぉー! ぶひー!」
「やめろっての! ……くそ、完全に声が届いてねえ、仕方ねえ」
『カチッ!』
「ぶふぉ!?」
「さすがに火を着けて見せりゃ近付いて来れねーだろ、早く離れろよ! このきったねえ雌豚め!」
「ぶぅ……ぶひぃーーー!!」
「あ、ちょ、てめえ何処行くんだ!? そっちはクラスの奴らが居るんだぞ!? 何かあったらうちの責任になるだろうが!」
「ぶひぃー! ぶふぉーーー!」
「おい、てめえ止まれってば! 何たかが火如きで興奮してんだよ!? くそ、何であんな弱そうな奴がこんなに力強えんだよ」
「ぶひぃーーー! ぶぶーーーっ!」
「おいこら! 止まれ!」
「きゃあ!」
「うわー!」
「痛っ! 何で豚が暴れてるの!?」
「うわっ、怪我人までも出やがった……どうすんだよこれ、うち、手に負えねえぞ……」
「ぶひぃーーー!」
「あーもう勝手に暴走してろ、飼育当番なんかやってらんねえ。ま、いっか、生徒に危害も加えたしてめえが元に戻れなくなるだけだ」
うーん……あれ、私、一体どうしたんだろう。
「大丈夫? 気が付いた?」
「……ぶひっ?」
「あれ? ここは? って顔してるね? ここは校庭の木陰だよ」
私が校庭の隅っこで気が付くと、ショートツインテールの子が私の顔を覗き込んでいました。
分かりやすく言うと以前私がお世話した時に、私のおしりの臭いを嗅いだ事を覚えていた子です……。
「えっとね、理性を失って暴れちゃって、その後疲れたみたいで気絶しちゃってたんだよ」
え、私、理性を失って暴れちゃってたの?
「ぶひぶひっ!? ぶぶっ!?」
「えっと、何か言ってるの? 何て言ってるのかな……うーん、もしあたしが豚だったら、何を思うだろう?」
ショートツインテールの子は考えました。
「あ、もしかして自分が暴れちゃった事で、怪我人が出てないか心配してる? 生徒に危害を加えちゃってないか」
「ぶひっ……」
「どうやらそうみたいね? うん、実はね……さっき暴れた時、体育の授業の真ん中に飛び込んで来て結構な人数、怪我人出てるよ」
「ぶひっ!?」
それ、本当!? 私、理性を失ってたとは言え生徒に危害を加えちゃったの?
え、それってつまり、私、もう元の人間には戻れないの?
「…………」
「えっと……だ、大丈夫だよ。きっと、元に戻れるよ。だからさ、落ち込まないで?」
「ぶひっ、ぶひぶひっ?」(何で、私に優しくしてくれるの?)
「えーと……何となく何を言いたいのか分かる気がする。あたし、飼育当番の時に良くしてもらったから。豚なのに大事に扱ってもらえたから」
ショートツインテールの女の子は話を続けました。
「あたし、嬉しかったんだもの。あんなに臭くて醜いただの豚だったのに、優しく扱ってもらえて。心が凄く温かくなったよ」
「ぶひっ……」
「だからね、おしりの臭いを嗅いだのを覚えてた事、正直にお話したんだよ」
「ぶひぃ!?」
「恥ずかしがってるの? うん、ごめんね……じゃあそれなら、お返し」
ショートツインテールの子は態勢を低くすると、私のおしりに顔を近付けてきて……。
『くんくん』
「ぶひぃ!?」
「何やってるのかって? 人間状態の時に豚さんのおしりの臭いを嗅げば、お相子になるかなって」
いや、意味分からない! 何でそれでお相子になるの!?
「あたし、こんなに臭い豚のおしりでもちゃんと臭い嗅げるんだよ。ほら、そう思うとどう? 恥ずかしさなんて何処かに行っちゃわない?」
「ぶぶっ……」(確かに……)
「あたしに良くしてくれた子だもん。あたしの大事なお友達。だから、本気で臭いだなんて思ってないよ。臭いんじゃなくて豚の臭いだもん」
豚の臭い……確かに、本気でお友達だなんて思ってなければ、こんな臭い豚のおしりを嗅ぐ事なんてしないと思う。
この子、本気で私の事をお友達だと思ってくれてるんだ、何だか嬉しい。
こんな学園だから友達なんて無縁だと思ってた、でも豚の私でも嫌がらずに接してくれるような友達は居たんだ……。
「さ、校舎へ戻ろ? あたしが飼育当番を引き継いだから。先生へ意識が戻った事、報告しに行こ」
「ぶひっ……」
『くんくん』
「ぶふぅ!?」
え、何でまたおしりの臭い嗅いでるの!?
「豚のおしりって結構病み付きになる臭いなんだね。それとも優しくしてくれたお友達のおしりだから?」
「ぶひぃ、ぶひぶひっ!」(は、恥ずかしいからっ!)
「ね、もうちょっと嗅がせてもらってもいいかな……」
この子、もしかしてあの時私のおしりを嗅いで以来……私のおしりの臭い、病み付きになっちゃったの!?
私が豚でも関係ないのかな……この子、実は変態さんだったのかな。
「あれ、何かガサガサ音がするね、何だろう」
「ぶひ?」
「あ、おむつ穿いてる! 何で!? って、自分で穿けるわけないよね……もしかして、今日の当番の子に穿かされた?」
「ぶぅ……」
「本当は穿ければいいんだけど、校則に背くだろうから……とりあえず、脱がせてあげる」
女の子は丁寧に私のおむつを脱がせてくれました。
「わっ、おむつも結構茶色く染まってるね……あたしが鼻を押し付けたせいかな?」
「ぶぶっ……」(恥ずかしい……)
「おむつも穿かされて怪我人が出る程の暴走もして、もしかしてあの子……何か企んでた?」
どうやらこの子、あの子の本性に気付いてくれたようです。
「もしかして、わざと人間に戻れなくしようとして……そんな、酷い」
私、どうなっちゃうのだろう……おむつ着用、生徒への危害、更にあの子の飼育当番放棄……。
3つ目はあの子側がした事だけど、もう3つも校則に背く事をしちゃってる。
「ねえ、もし万が一豚の姿から戻れなかったらさ、その時はあたし……」
「ぶひ?」
「あたしも豚になって、寂しくないようにずっと側に居てあげるから。大事なお友達だもん」
……うん、ありがとう。
「じゃあ先生の所へ行こ。あとおむつの件も報告しないと」
「ぶひっ……ぶぶっ!?」
「わー、このおむつ豚臭くてたまらない……ほんと、この臭い病み付きになっちゃった」
恥ずかしいから、おむつを目いっぱい臭い嗅ぐのも止めてくれないかな……。
「先生、豚さんの意識が」
「これはどういう事ですか?」
「あれ、先生誰かと話してる」
私達が先生の元へ行くと……先生の机の上にはライターが置かれていて、先程飼育当番を放棄した子とお話をしていました。
「だ、だから何度も言ってるじゃないですかー。お父さんが間違って、あたしのポケットへ入れちゃったみたいでー」
「そんな筈無いですよね? 先生はあなたの家の事、把握してるんですよ。お父さん、居ないですよね?」
「え、えっと、それは……ああもう! いつまでも猫被ってられるかよ! うぜえんだよ先生づらしやがって!」
何だか私達、修羅場な時に来ちゃった……?
「あのムカつく豚に火を見せてちょっと脅しをかけてやっただけだよ。それ以外の何でもねえよ」
「なるほど、そういう事でしたか……それであんなに異常な興奮を起こして、授業ができなくなる程の怪我人が出たわけですか」
「ああそうだよ、あの雌豚め、男子にちやほやされてムカついてたんだよ! だから飼育当番になったらいじめてやろうとしたんだよ!」
「そうでしたか、それでこんなに怪我人を出してしまったのですね」
「だからどうしたってんだ。怪我をさせたのはうちじゃないぜ、あそこに居る豚だよ」
「ぶひぃ!?」
「あたし達が来てた事、気付いてたの……?」
不良少女は私の事を指差しました。
「意識が戻ったのね。あなた達もいらっしゃい」
「あ、はい……」
「ぶひっ……」
先生は私達に手招きをしました。
「今日は学園始まって以来、過去最悪となる事故が起こってしまいました。残念ながら、校則に背いたのでもう人間には戻れないでしょうね……」
「ぶひっ……」(そんな……)
「先生、豚さんは悪くないんです! どうにかなる方法、無いんですか!?」
「いえ、先生はここに居る豚さんが元に戻れないとは言ってないですよ。この学園のルールを決めるのは先生じゃないんです、豚の霊が決める事です」
「豚の霊が決める事……?」
え、と言う事は私はもしかして……。
「今までこういう前例は無いですが、先生はこういう事態が起こったらどうなるか。学園長から話を聞かされてました」
「先生、どうなるんですか!?」
「恐らく、豚の霊がきっかけを作った側を豚の姿にして、人間には戻れなくするでしょうと。そして、霊と同じ運命を辿らせるでしょう、と……」
「は? 何言ってんだよ。おむつを穿いたのも危害を加えたのもこの豚だろ! それでうちは嫌気が差して飼育当番を放棄したんだよ!」
「つまりあなたは、豚さん側が悪いって言いたいの? 酷い……自分で悪い事しておいて」
私のお友達はすかさず指摘してくれました。
「放棄だってこのくっせえ豚のせいなんだよ! うちが悪いわけねえだろ!?」
「校則に背いた場合、どうなるかを決めるのは豚の霊なんです。ここはそういう学園ですから」
「だからってどうなるってんだよ。こいつが一生豚のままになるだけだろ!? そうだよな!?」
不良少女が怒鳴ったその直後の事、不良少女に変化が起こり……。
「え、おい、何だよこれ、ちょ、嘘だろ……や、やだぶ、ぶ、ぶざけんぶ……ぶ、ぶひぃいいい!」
「え、この子も豚になった!」
「尻尾に赤いリボンが着いてないですね……ごめんなさい、先生の力ではもうどうする事もできません」
「ぶひ!? ぶぶー! ぶー!」
元不良少女だった豚が鳴き喚いた直後、重い体が自然と持ち上がって廊下の外へ連れて行かれてしまって……。
「ぶひー! ぶぶー! ふごぉーーー!」
「浮いたまま外へ行っちゃった!?」
「ああ、何と言う事……豚の霊の逆鱗に触れて出荷されてしまったのですね」
「出荷!? 先生、出荷ってどういう事ですか!?」
「学園長が言うには、校則に背くと豚の霊達に運ばれて出荷されてしまうのですよ……豚の霊と同じ運命を辿り、最後にはお肉に……」
お肉にされる……? 私は……考えただけで身震いが止まりませんでした。
「だから先生、大事な生徒がこうならないように校則を守らせるよう頑張ってきたんです。でも力及びませんでした」
「先生のせいじゃないですよ! あの子の自業自得です!」
「ぶひぃ! ぶぶっ!」
そう、あの子の自業自得なんだ、私を焼き豚にしようとしたんだもの。
よくよく考えると豚の霊だって、お肉として出荷されたんだよね……。
それを多くの女の子達に残されて、食べられもせずに捨てられたから。
だから、この学園に呪いを掛ける程の霊となってしまったんだよね……。
「せめて、霊のような無念を繰り返さない為にも。出荷したお肉はきちんと食べてあげましょう」
「た、食べるんですか……それって、お肉としてここへ戻って来るって事ですか……」
「お肉になった後の運命は、皆さんに託されるようですよ。食べてあげるも捨ててしまうも、自由にして良いみたいです」
先生にそのような話をされて、私達は教室へ戻り給食の時間を迎えました。
怪我から逃れ、残された生徒で給食の時間となりました。
このぶーぶー学園では学園の特性上、絶対に豚肉は出ない筈なのですが……。
「豚肉だ……今日の給食、豚肉が出てきた」
「ぶひぃ……」
残飯処理をする際、豚肉が出てしまったら共食いになってしまいます。
なので絶対にこの学園では豚肉を出さないのです。
だけど、今日は美味しそうな豚肉がお皿に盛られていて……豚である私の餌入れにも、分け前が入れられてます。
「今日は特例として、給食メニューに豚肉が追加されました。しかし、このぶーぶー学園では本来豚肉は禁忌とされています」
先生が生徒達に説明を始めます。
「何故なら、女子生徒は誰もが豚になる可能性があるからです。要するにこの学園では共食いになってしまうのです」
「ぶひぃ……」(そうだよね……)
「なので、この豚肉を食べるか食べないかは皆さんに委ねます。残す場合は豚さんに残飯処理をさせてください」
先生は「豚肉の正体」については触れませんでした。
校則に背くと豚のまま戻れなくなる、確かにそれは本当でした。
しかし、まさか出荷と言う結末を迎えるとは……誰が予想した事でしょうか。
「何だかあたし、食べる気が起きない……」
この肉の正体を知っているお友達は、さすがに食べる気が起きないようです。
それもその筈でしょうね、私だってお肉の正体を知ってしまっているから……どうも気が進みません。
元人間の女の子の成れの果ての姿、でも……生まれた状態の種族は違っても、肉にされる豚だって元は皆生きていた命なのです。
そう考えると……無駄にしてしまうだなんて、良心が痛みます。
『ぱくっ。もぐもぐ……』
「え、豚さん正気なの!? 共食い……だよ!?」
私は豚肉をくわえて、一生懸命もぐもぐと食べ始めました。
今の私は豚だけど、確かに元は人間と言う意味でも……共食いなのでしょうね。
でもこのお肉、口に入れて食べてみたら凄く美味しいんです。
そう、決して命を無駄にしてはいけないのです。
『ぱくぱく、もぐもぐ、むしゃむしゃ』
「何だか凄く美味しそう……あたし、この豚肉食べてみる」
美味しそうに豚肉を貪る私に釣られて、生徒達は次々と豚肉を口にします。
「ん、このお肉凄く美味しい! やっぱり豚肉って美味しいよね!」
「豚さんに感謝しなくちゃ」
「命を大事に頂かないと、だよね」
生徒の中には元々小柄で小食な子、胃腸が弱くてあまりご飯を多く食べられない子も居ます。
だからどうしても豚さんが処理する残飯は出てしまいますが、この日豚肉の残飯は一切出ませんでした。
残った大量の残飯も私が美味しく食べたから、多分これで問題も無いかなと思います。
「おはよう。良く眠れた?」
「ぶっ……?」
あ、そっか。私……無我夢中でご飯を食べて、お昼寝から目が覚めたのかな。
きっと残飯処理に夢中で理性を失いながら、豚の本能のままにご飯にがっついていたのかな。
「さ、おトイレ行こ。人間に戻る前にちゃんとうんち、出しておかないとね」
「ぶぅ……」
良かった……私、どうやら人間に戻れるみたいです。
お腹が重くて凄くパンパンだ……恐らく、相当うんちが溜まっているようです。
無我夢中で残飯処理をしたと思うので、私自身どのくらいのご飯を食べたのかはっきり分かりません。
でもきっとお腹の膨れ具合からして、人間時には考えられない程の量を食べたのでしょうね。
今日は怪我人も出たので、その分残飯にくわえて沢山の給食も残っていた筈です。
「はい、着いたよ。今パンツ脱がせてあげるからね」
私はお友達に丁寧にパンツを脱がせてもらいます。
「さあうんちしておいで。理性、失わないようにね。あたし、見ないようにしてるから」
「ぶっ……ぶひぃ!?」
「あ、ごめん、つい……何か、ほんと病み付きになっちゃって……」
女の子は脱がせた私のパンツの臭いを嗅いでました……。
豚のおしりの臭いが染み付いてて凄く臭いだろうに……この子、本当に変態なのかもしれない……。
「ね、ねえ、もう1回だけ、うんちした後おしりの臭い、嗅がせてもらってもいいかな……ね? ダメ?」
「ぶっ!」(ダメッ!)
「うー、分かったよ我慢するよ……何となくダメって言われた気がするの、分かったもん」
もう、ほんと勘弁してよね……今度そんな事されたら私、もう理性保ってられる自信無いよ。
『ぶりゅぶりゅ! ぶぶっ! ぶりぶりぶりぃ! ぶりぶりっ! ボトボトボトッ!』
「わー、くっさい! あのくっさいおしりからくっさいうんちがいっぱい出てる……嗅ぎたい、臭い嗅ぎたいよぉ」
「ぶひぃーーー!」(もう勘弁してーーー!)
せっかくできたお友達だけど、今後私はこの子とどう付き合って行けばいいのだろう……。
「はい、じゃあおしり洗うからね。こっちにおしり向けてねー」
「ぶひっ」
『くんくん』
「ぶぶー!?」
ちょ、何でおしりの臭い嗅いでるのー!?
「ごめん! やっぱり我慢できない! あたし、こんなくっさいおしりを前に理性なんて抑えられない!」
「ぶひっ、ぶぶっ……」
こんな事されたら私だって……もう顔から火が出る程恥ずかし過ぎて。あ、これダメなやつだ。
「ぶひぃーーー! ふごぉー!」
「きゃあ! あーん、あたしのおしり嗅がないでー! あたしに嗅がせてー!」
「ふごぉ! ふごぉーーー!」
「ああん、やだあ、すっごく激しいー、そんなにされたらあたし、感じちゃうよぉー」
「ぶひゃああああ!」
「あ、正気に戻った?」
「ぶひっ……?」
「もう……激しいんだから」
え、私、一体……何だかお友達が凄く照れてるようで色っぽく見える。
もしかして私、発情しちゃってた!?
お友達のおしりに盛大にやらかしちゃったのかな……あれ? 私がされてた筈なのに。
「豚の習性とは言え、あたし達お互い変態さんだね」
発情して嗅いでしまった事が事実である以上、私は何も言い返す事ができませんでした……。
「変態の雌豚さん、大丈夫だよ。この学園で豚になる子は皆同じ運命を辿るんだから」
「ぶぶっ……」
「自分だけが特別におかしいとか、後ろめたく思う必要なんてないんだからね」
もしかして私の事、フォローしてくれているのかな。
「ぶひぶひっ……」(ありがとう……)
「ん、どういたしまして。何だかありがとうって言われた気がしたから」
「ぶひっ、ぶひぶひ……」(凄い、ちゃんと通じたんだ……)
豚になって人間の言葉は喋れなくなっても、通じ合える時もあるみたいです。
「さ、今度こそちゃんとおしり洗うよ。急がないと帰りの会、始まっちゃうからね」
「ぶひっ」
「あれ、尻尾のリボンが無くなってる? どうしたんだろう?」
私は冷たい水を我慢しておしりを綺麗にしてもらい、その後うさぎさんパンツを穿かせてもらいました。
「今日は事故も起こり多くの怪我人が出てしまいましたが、どうにか1日を終える事ができました」
そっか、私のせいで多くの生徒達が怪我しちゃったんだよね……。
「こんなに多くの生徒へ危害を加えてしまったので、当然この豚さんには一生豚として生きてもらう事になります」
「ぶひぃー!?」
「え、ちょっと待ってください先生。元に戻れるんじゃないんですか!?」
「先生に言われてもどうにもできないんです……豚の霊が決めた事ですから」
「そんな……じゃああたしも一生豚になります。お友達をそのまま放っておく事なんてできないから」
え、そんな、元に戻れないって本当に……?
「本当にいいんですか? 一度そうと決めたら、呪いですからもう二度と元には戻れませんよ?」
「いいんです、お友達の為ですから」
そんな、私の為に一緒に一生豚になるだなんて……それ、凄く申し訳ないよ。
せめてお友達にはきちんと人間の女の子として生きてほしい、お願い……。
「あ、ふごっ、ふがっ……ぶひぃいいい!」
え、もう早速豚になっちゃうの!?
それにこの子、尻尾に元人間の証の赤いリボンが着いてない……。
「ぶひっ!? ぶひぶひっ!?」(何で!? どうして豚なんかに!?)
「ぶひっ、ぶひぶひっ」(これでずっと、一緒だよ)
「ぶひっ、ぶひぃ……」(何で、私何かの為に……)
「ぶひ、ぶぶーぶぶー」(だって、大事なお友達だもの)
「ぶひぃ、ぶひー……」(だからって、自ら望んで豚になるだなんて……)
「ぶひっ、ぶひぃ!」(これであたし達、くっさい豚さん仲間だよ!」
お友達には申し訳ないけれど、でも一緒に居てもらえれば私は寂しくないかもしれない。
でも……これが発情して気を失っていた間に見ていた夢だった事は、後になってまた目が覚めてから知るのでした……。
起きた私の尻尾には、ちゃんと元人間の証である赤いリボンが着いていました。