【宣伝】小説『連続絶頂レザー調教』BOOTH販売 (Pixiv Fanbox)
Content
BOOTHで小説『連続絶頂レザー調教』を販売することとなりました!
作品はファンボで公開した物ではなく、細々と書き続けた書下ろしの長編となっております。
いつも書いている物とは少し趣向が違い、少しSM色強めのゲイ向け小説なので、そちらにもご興味ある方は良かったらサンプルだけでも読んで頂けると嬉しいです。
【販売ページ】
※ご購入頂く際は、サンプルをDL頂き閲覧可能かどうか確認の上でお願いいたします。
【サンプルDLページ】
【フェチ】
鞭・レザー・手袋・ビキニ
【プレイ内容】
鞭打ち・焦らしプレイ・快楽責め・亀頭責め・乳首責め・射精直後責め・連続射精・アナルセックス・服従調教・二人からの挟み責め
【あらすじ】
恭弥はSMショーの看板S役として日々鞭を振るい、M役を調教して観客達を魅了している。
しかし、ヌルいショーの内容やM役に内心不満を感じていた。
そんな中新人として入店してきたS役の潤とM役の大和。
新人の教育のために二人のショーを見ていた恭弥は、調教される大和の表情にMの素質を見出す。
恭弥はSとしての本能が抑えきれず、大和を個人的に調教することに…
【文章量】
全文約84000字
PDF103ページ
初めて書いたSM色強めの小説です。
勿論エロメイン。
鞭シーンも結構ありますが、どちらかと言うと痛みよりもそれに快楽感じる描写強め。
S側は基本レザー衣装に革手袋で、フェチ向け描写が多めになってます。
以下にもサンプル載せておきます。
『連続絶頂レザー調教(サンプル)』
バチィンッッ!!
場内に響く鋭い音。
「あぁっっ!!」
そして甲高い男の嬌声。
客席に囲まれた中央にあるステージで、低めのテーブルの上で四つん這いに拘束された男が、年齢差が10はありそうなもう一人のガタイの良い強面の男に、バラ鞭でケツを叩かれた音だった。
しかし激しい音だった割には、叩かれた男のケツは僅かに赤くなる程度だ。
それを見た鞭を振るった方の男は、内心舌打ちをしながらも、表面上は満足しているような笑顔で言う。
「おら!もう一発いくぞ!」
再び場内に響く鞭の鋭い音。
日本人離れした2メートル近い身長の男が振るう鞭は、その姿だけでも迫力があり、観客達を大いに沸かせた。
「あぁあああっっ!!」
しかし結果は変わらず、男のケツは少し赤みを増しただけだった。
「きょ、恭弥様、ご褒美をぉ!!どうかご褒美をくださいぃ!!」
鞭を食らった男は、鞭を振るった恭弥の名前を呼びながら、うっとりしたような顔で褒美を求めた。
ーー馬鹿らしい。
内心そう呟きながらも、恭弥は四つん這いの男へと近付き、その太腿の間から覗いている勃起したチンポを、その真っ黒なレザーの手袋を嵌めた手で掴んだ。
「あぁああっ」
チンポの先から溢れた我慢汁をレザーの指に絡ませながら、その大きく肥大した亀頭を握り込む。
恭弥としては亀頭だけを責めたいところだが、それはせずにチンポを握り直した上で、クチュクチュと音を立ててそのチンポ全体をシゴき上げた。
液で光沢を持った黒革の指がチンポに絡みつき、純粋な快楽だけを与えるためのピストンを繰り返す。
「あぁああっ、恭弥様っ、あぁああっ」
整った顔を快楽で歪ませ、嬉しそうに舌を出しながら感じ始める男。
液の絡む手袋の革は素手よりも滑り、グチュリグチュリと絶妙な刺激で快楽を与え続けていた。
快楽に鳴くそんな男のヒクヒクと動くケツ穴に、恭弥は鞭の持ち手を突っ込んでやる。
「おぉぉおおっっ!!」
予めローションが仕込まれたケツは、指二本分程のその細い持ち手を簡単に奥まで飲み込んでしまった。
「これが欲しかったんだろ?」
「はいぃっ!!俺のだらしないケツに、もっとお仕置きをしてくださいぃっ!!」
既に用意されていた台詞を恭弥が言うと、四つん這いの男はまるで自分に酔っているかのように、恍惚とした表情で叫んだ。
「家畜に似合いの尻尾じゃねぇか。おらっ!!もっと奥まで飲み込めよ!!」
恭弥はグイグイと鞭をケツ穴に押し込みながら、チンポをシゴくスピードを上げる。
「あぁああっ!!恭弥様っ!!そんなにされたら出てしまいますっ!!」
「おいおい、まだイク許可してねぇぞ?お前は主人の言うことも聞けねぇ豚なのか?」
次から次へと溢れる我慢汁でレザーグローブはヌメりを増し、革独特の吸い付くような感触も合わさり、極上の快感が男を襲っていた。
「あぁああっ、恭弥様っ!!ど、どうかご許可を!!も、もう!!」
「チッ、仕方ねぇな。ほら、イけよ!情けねぇ姿をお客様に見て貰え!!」
二人の様子を興奮した様子で見守る客達が、自らの股間を撫で擦りながらその時を今か今かと待っていた。
「あぁああっ、恭弥様ぁあっ!!き、気持ち良いぃっ、あぁあっ、イくっ、出るっ、あぁっ、あぁあああああああっっ!!」
一際大きい声を上げながら、四つん這いの男はテーブルへと勢いよく射精をした。
「おぉぉっ!!おぉぉおっっ…!」
射精の快感に震える男に構うことなく、チンポについた精液を拭うように恭弥はクチュリとチンポを搾る。
「あぁあああっ!!」
射精直後の敏感なチンポへの刺激に、声を震わせながら吠える男。
「自分で出したのは自分で綺麗にしねぇとな」
男の顔の方へと移動した恭弥は、その精液に塗れたレザーグローブを男の口に突っ込み、その液を舐めとらせる。
糸を引く黒い指先を必死に咥えてしゃぶりながら、嬉しそうな顔で恭弥を見つめた。
一通り手袋を綺麗にさせた後、恭弥は男のケツ穴から鞭を思い切り引き抜き、そのままもう一度ケツに向けて鞭を振るった。
「あぁあああっ!!」
鋭い鞭の音の後に続けて再び男の嬌声が上がり、そのまま男はぐったりと机の上に伏した。
ショーの終わりに気付いた客席は拍手で沸き、皆満足したような顔で二人のことを見ていた。
恭弥は客に向けて満足そうな表情を浮かべながらも、股間は全く勃起していない。
しかし、そのことに気付く客は一人もいなかった。
ここで暗転し、観客席からはステージの様子が見えなくなる。
これでSMクラブ『ブラックローズ』のショーは終わりだ。
恭弥は先に舞台袖へと戻っていくと、本日のM役である葵が拘束された台もまた、暗転と同時に現れたスタッフ達によって舞台の袖へと下がっていった。
台に手足を固定されて四つん這いになった葵の拘束を、舞台袖で恭弥自ら外してやる。
すると、先ほどまでの嬌声や淫猥な姿はどこへやら、チンポから精液を垂らしながら、ピョンと床へと飛び降りるように葵は降りた。
190超えの恭弥とは対照的に、160そこそこしかない葵は、恭弥の首にぶら下がるように首に手を回し、それによって屈んだ恭弥の唇に背伸びをして自らの唇を押し当てる。
「んんっ…ちゅっ…じゅるっ…」
葵自ら恭弥の唇を舌で割り、口内へと侵入させ、舌を激しく絡ませるような濃厚なキス。
恭弥はそのキスを拒否する訳でも受け入れる訳でもなく、その葵の舌の動きに合わせて舌を僅かに動かすだけだった。
「んんっ…はぁ…恭弥さん、今日も凄く気持ち良かったよ。僕本気で感じちゃった」
ショーの時とはまた違う熱っぽい視線を恭弥に浴びせながら、葵は自らの舌を舐めながら言った。
「そうかい。そりゃあ良かったよ」
恭弥は作り笑顔を浮かべながら、スピーカーから流れる重低音のように身体に響く、低い色気のある声で答えた。
ショーの時の野性味溢れる迫力のあるSの恭弥とは別人のように、頼りになる良い兄貴のような雰囲気を纏っていた。
「ねぇ恭弥さん…今日こそは僕をプライベートで調教してよ。明日休みでしょ?恭弥さんの逞しいチンポで僕のお尻をいっぱいにしてさ、朝までずっとしちゃうってどうかな」
恭弥の股間をレザーのビキニ越しに撫でながら、アイドルのように可愛らしい顔で葵は恭弥にねだった。
この店で一番人気のM役であり、細いながら筋肉のついている綺麗な身体に、茶色い今時の髪型に白い肌の見た目の可愛らしさ、そしてショーで快楽に溺れる淫乱な姿のギャップで、数々の男を虜にしてきた葵。
まだ年齢は20になりたてと若いながら、この店にはなくてはならない存在だ。
そんな葵にこんなにも熱心に誘われれば、普通のタチならば…いや、普段ウケの男でさえその誘いの乗ってしまうだろう。
そんな葵とは対照的に恭弥は、2メートル近い日本人離れした身長に、鍛えられた筋肉の上に乗った程よい脂肪で厚い胸板と太い腕、黒の短髪に無精髭を生やした、いかにも雄臭い男らしい顔立ちをしていた。
しかしそんな葵をもってしても恭弥の股間はピクリとも反応せず、レザーグローブを脱ぐと、葵の頭に手を置いて撫でながら言った。
「魅力的な誘いだが、ショーの出演者同士はプライベートでの性行為は禁止だろ」
それはこの店独自の決まりで、ショーに私情を持ち込まないようにという店側が決めたものだった。
「そんなこと言わなきゃバレないよ。ねぇ、しよ?僕の身体を恭弥さんが鞭で叩いて支配してさ、そのご褒美に僕のトロトロのお尻に、恭弥さんの硬くて逞しいチンポを入れるの。僕が壊れるまで恭弥さんが好きなだけ突いて良いんだよ?」
先ほどショーでイったばかりだと言うのに、恭弥の放つ色気に葵のチンポは再び硬くなり始め、ケツ穴もヒクヒクと物欲しそうに震えていた。
熱い色っぽい息を吐きながら、葵は開けた恭弥の鍛えられた分厚い身体に、腕を回して抱き着くように身を寄せて言う。
ーー壊れるまで…か。
恭弥は内心葵の言葉に呆れながら、それを表情には微塵も出さずに言った。
「危ねぇ危ねぇ。そんな風に言われたら、本当に我慢できなくなっちまいそうだよ。俺みたいなおっさんなんか誘惑してないで、もっと若い奴を相手にしてやれよ」
誤魔化すように戯けて恭弥が言うと、不満そうな顔で葵が続ける。
「僕は恭弥さんが良いの!僕知ってるんだよ?ほんとは恭弥さんはもっともっと責めたいんだって。ショーなんかじゃ満足できてないって。それを満たしてあげられるのは僕だけだよ」
葵が見逃す程の一瞬だった。
恭弥の頬がピクリと動き、初めて葵の言葉に本当の反応をした。
しかしそんなこと無かったかのように、葵を見てニヤリと笑いながら、そのまま頭をガシガシと力強く撫でる。
「なぁに言ってんだ。俺はまだまだ性欲旺盛な若いお前とは違って、ショーで調教するので充分満足してるってのに。ほんと葵は最高にエロいMだな。これからもよろしく頼むぜ~」
『満足している』
それはどこかしら自分に言い聞かせるように言っているようだった。
恭弥は葵の腕を掴んで振りほどき、葵の頬を撫でるようにポンポンと叩いてからその場を去った。
「恭弥さん!」
後ろ手に手を振る恭弥に、葵は頬を膨らませて不満げに声を上げていた。
恭弥は自分の控室に戻ると、手に持っていた脱いだレザーグローブをテーブルに置き、着ていたレザーのベストを脱ぐ。
そして普段着である黒のタンクトップを着てジャケットを羽織ると、履いているビキニに手を掛けた。
『コンコン』
その時、部屋をノックする音が恭弥の着替えを邪魔する。
「おう、入って良いぞ」
恭弥は手を掛けたビキニをそのまま下ろし、勃ってはいないが太く大きなズル剥けのチンポを晒しながら答えた。
「失礼するよ。っと、着替え中か。出直そうか?」
「なんだ店長か。こっちこそこんな格好で悪ぃな。すぐ着替えるからよ」
入ってきたのが店長だと分かり、恭弥は急いで丈の短いボクサーパンツとジーンズに足を通した。
「で、何かあったか?」
着替えが終わり、部屋のイスに座って待つ店長に向き直って恭弥は言う。
「まずはお疲れ。相変わらずいやらしい調教だったよ。客もかなり興奮してたしな」
「ははっ、ありがとよ」
「恭弥と葵がいてくれるから、この店もなんとか持ち直してきたよ。本当に感謝してる」
「おいおい、いきなりなんだよ。照れんだろ。まぁ俺も店長の役に立ててんなら良かったけどよ」
「そうか…なぁ恭弥、お前がこの店に来てくれて本当に助かってる。けど、本当にお前はここで良かったのか?」
店長のなんとなく気まずそうに話す様子に、恭弥はその空気を破るように笑って言った。
「なぁに言ってんだよ。さっきも言ったけど、俺は店長の役に立ててんのがほんとに嬉しいんだ。気にすんな」
これは恭弥の本心だった。
恭弥が10代だった若かりし頃、家庭の事情により荒れに荒れていた恭弥は、カタギではない奴らに喧嘩を売って、危うく殺されかけたことがあった。
そんな恭弥を救ったのが店長だった。
当時メジャーでは無かったゲイ向けの風俗を経営していた店長は、たまたま店の常連だった組の幹部に頼み、恭弥を救ったのだ。
店長は『ガタイが良い奴が店のボーイとして欲しかったから』と恭弥に説明したが、若い頃に店長も恭弥と同じようにかなり荒れていて、その時の恭弥が自分と重なったと店長が言っていたというのを、後ほど店のボーイ達から恭弥は聞いていた。
恭弥はそのまま店のボーイとなり、店長の店で働き始めるが、元々恵まれた体型と持ち合わせたSとしての性分で、タチしかしないにも関わらず店のトップへと上りつめたのだ。
その後は店長の勧めでSMをメインに行う店へと移籍し、S役としてその店で鞭を振るい、Mを快楽と苦痛で調教していった。
恭弥自身も驚く程S役が性に合い、鞭でMの背を打ち、苦痛と快楽に歪む顔を見て、言葉で辱めてやることに自分が異常な程興奮する人間だと自覚し始めていく。
根っからのサディストである恭弥が、ここで目覚めたのだ。
そしてその店で働き始めてから2年が経った頃には、恭弥が全身をレザーに身を包んで鞭を握ってMの背に立つだけで、そのSとしての色香に客もM役も勃起し、鞭でボロボロになったMにご褒美と称して、自らの勃起した凶器に近い極太の巨根で突き、鞭でつけた傷を舐めながら野獣のようにMを犯して屈服させる、SM界隈では知らない者はいないような存在になっていた。
恭弥もまたそれを自覚し、自分がSとして調教していくことが天職だとすら思っていた。
それ程までに人を屈服させる調教は恭弥を興奮させ、苦痛と快楽に鳴くMの声は恭弥を満たしてくれたのだ。
そんな恭弥に調教されたいとMは求め、恭弥もまたそんな男達を調教してやることで大きな満足感と快感を得ており、数々のMを鞭で調教し、Mだけでなく観客達を魅了していく様は、いつしか生ける伝説とまで言われるようになったのだ。
それから10数年の時が経ち、恭弥はSMクラブのオーナーとして自らの店を持ち、自分自身もS役として登場しながらも、店の若いS達を育てる方をメインの仕事としていた。
兄貴肌で面倒見の良い恭弥は、店のスタッフ達からも慕われ、売上の目途も立ち、全てが順風満帆に行くと思っていたが…
そんな時、店長の店が潰れかけているという話を恭弥は店のスタッフから聞いたのだ。
店長の経営していた店は、比較的ライトなSMショーを行う店舗型の店。
恭弥の店が一定以上のコアなSM好きをターゲットにしているのに対し、店長の店はSM初心者や、SやMまでいかない責め好き責められ好きをターゲットにした店だ。
最近だとそういった店の方が確かにウケる傾向があり、狙いとしては悪くないのだが、圧倒的にS役の実力が足りていなかったのだ。
これは店長の性分のせいであるが、店のスタッフが自分の店よりも他の店の方が向いていると思うと、店長はそのスタッフのことを考え、その子にとって一番良いだろうと言う店へ移籍を進めてしまうのだ。
良く言えば優しく、悪く言えば甘い性格。
そのお陰で今の恭弥はあるのだが、そこが店長の欠点だとも同時に感じていた。
ひと昔前なら店自体も少なかたったため、それでも常連がついたり義理を感じるスタッフが残ったりと、なんとかやってこれたのだが…
今では店も数多く存在し、動画配信等のコンテンツも増えているため、そんなことをしていたらあっという間に客はいなくなり、店長の店は潰れるまでのカウントダウンが始まってしまったのだ。
そこで恭弥は、自ら店長の店『ブラックローズ』で働くことを買って出た。
自らの店のスタッフには事情を話した上で、信頼できる経営者に店の経営権を売り、店長の店でS役としてショーに出演したのだ。
恭弥としては、自分の命を救ってくれ、調教師という自分が天職とも言える道に導いてくれた店長には、多大なる恩義を感じているため、それが当たり前の選択だったし、それで良いと思っていた。
恭弥が店に入ってから2年、店は恭弥の教育のお陰でなんとか持ち直し、恭弥目的で入店した『葵』の人気も相まって、それなりに流行る店へと成長したのだ。
恭弥が自らの店を売り、自分の為にこの店に来てくれたことを、店長は嬉しい反面、申し訳ないとずっと気にしていた。
そんな店長に恭弥は、「後悔なんてしていない」と断言して一蹴したが、それは恭弥の本心であるにも関わらず、店長は2年経った今でも恭弥に言ってくるのだ。
「店長、もうそんなこと良いからさっさと用件を話せよ」
この微妙な空気を取り払うように、恭弥は話を前に進める。
「あ、あぁすまんな。本題なんだが、最近新人のS役の子が入ったのは知ってるよな」
「あぁ勿論。潤だろ?身体付きも良いし、なかなか良いんじゃねぇか」
「そうなんだが、実はちょっと行き詰ってるみたいでな、そいつのショーを見てアドバイスをしてやって欲しいんだ」
「おう、そんなことか。良いぜ」
2ヶ月程前に店に面接に来た潤だが、体型にも恵まれ、若いながらサディストとしての頭角を見せる、恭弥にとっても見込みのある男だ。
そんな男が既に行き詰っていると言うことを少し不思議に思いながらも、恭弥は快諾した。
「助かるよ」
「で、いつ見りゃ良いんだ?」
「来月潤がメインを張るステージがあるんだが、それまでにはなんとかしたいんだが」
「なるほどな。じゃあ来週あたり時間見つけて、あいつのショーを見てみるよ」
「あぁ、頼むよ。それと潤のM役の子なんだけど」
「ん?潤の相手は固定なのか?」
プレイの幅も広がってライト層には受けが良いと言う店長の考えから、この店では基本的にS役M役のペアは固定はしていない。
しかし恭弥と葵のように二人のペアとして人気がある場合は、二人とも出勤の時は必ず組むという『固定ペア』の制度がある。
潤は見込みがあると言ってもまだ新人。
メインのショーも行っていない潤が固定ペアになるには、少し早すぎる時期ではあった。
「あぁ違う違う。丁度潤と同じ時期に入ったM志望の子がいてさ。大和って言って、その子を潤のメインのショーのM役にしようと思ってるんだけど…」
「大和ってのは…確かこの前のショーで俺の前座で出てた奴だったか?プレイは見てねぇけど、結構ガタイが良いやつだったよな」
「そうそうその子。その子がねぇ…」
店長が困ったような顔で言葉尻を濁す。
「そいつに何か問題があるのか?」
「ん~…なんて言うか、Mの資質はあると思うんだよ。だけど、なんかこう反応が悪いって言うか…少し気になるんだよね」
「慣れてなくて緊張してるだけじゃねぇのか?」
人に見られながらと言うのは、そういう素質がある人間だったとしても初めは緊張するもの。
最初は緊張でなかなか勃起すらできなかった、昔の葵のことを思い出しながら恭弥が言う。
「それともちょっと違うんだよ…言葉にするのが難しいんだけど、ちゃんと感じてるのに上の空って言うか…その子にもどう言って良いのか悩んでてね」
店長の言っていることはあまり分からないが、恭弥は店長の言いたいことは分かっていた。
「はぁ…分かった分かった。つまりそいつも俺に見て欲しいってことで良いんだろ」
「流石恭弥は話が早い」
「おいおい、何年の付き合いだと思ってんだよ。ったく。良いよ良いよ。そいつも見てやるって」
「ほんと助かるよ!あ、じゃあ次の日曜に前座で潤がS役やるんだけど、その時に大和をM役に配置するよ。一回で済んだ方が良いだろ?」
「あぁ、それで頼む」
「いつも悪いね」
「気にすんなって」
店長の経営は不安だが人を見る目は信じている恭弥は、自分も大和のプレイを見れば、店長の言いたいことも分かるだろうとそれを了承した。
そして数日後、恭弥は潤と大和のショーを舞台袖から見ることになった。
「恭弥さん、今日はよろしくお願いします」
恭弥程ではないがガタイが良く、髭の無い20代半ば程の客受けの良さそうな若手俳優系の顔立ちの潤が、先輩であり憧れの存在である恭弥に緊張しながら挨拶をする。
「おう、あんま緊張すんなよ。いつも通りやりゃ良いからよ。客全員勃起させてやれ」
そんな緊張を解すため潤の背中を叩き、恭弥は茶化すように言った。
「はい!ありがとうございます」
恭弥に言われ、潤は身体の余計な力が抜けた様子で、笑顔を見せて舞台へと上がって行った。
レザーパンツにレザーのブーツ、レザーのベストにレザーグローブ。
恭弥と同じように身長が高く、筋肉多めのガッチリとした体型の潤に、それらの衣装はとてもよく似合っていた。
そしてその大きな手にはショーで使うバラ鞭が握られている。
ステージに上がった途端、先ほどまでの人懐っこい犬のような表情は一変し、人を責めるサディストの顔へとなった。
「ほう…」
そんな潤に恭弥が感心していると、ショーが始まり、潤が鞭を振るい始める。
「おらっ!!みっともねぇ姿晒しやがって!!」
「んぁっ……」
激しい怒声と共に鞭の身体に当たる鋭い音が響き、打たれた男の呻き声が聞こえる。
潤に関しては、恭弥の目から見ても鞭の思い切りが良く、経験が少ない割には筋が良かった。
ーー惜しいな。
しかし恭弥はその様子を見てそう思わざる得なかった。
店長が雇っただけあり、潤にはS役として恵まれた体型と性分があると恭弥は見た。
しかし同時に、この店ではこれ以上はいけないと残念に思う気持ちが強かったのだ。
この店では以前恭弥が調教していたMのように、極限の苦痛と快楽の先にある『悦』の表情をする奴はいない。
と言うよりもそこまでのプレイをしないと言うのが正しい。
自分が鞭を振るった相手がその表情をした時、それを見た潤は化ける可能性があると恭弥は見込んだのだ。
だけどその機会はこの店にいては永遠に来ない。
それ故に恭弥は惜しいと思ったのだ。
バチィィィィンッ!!
潤の鞭の音が一際大きく会場に響き、腕を上げて拘束された大和の背中が、僅かに赤くなっていく。
潤の力ならもう少し跡がついて良いものだが、派手な音の割にそこまで跡は残っていない。
それにはこの店で使う鞭に理由がある。
先日ショーを行った恭弥の時も同じだったが、この店で使うバラ鞭は九尾鞭で統一されている。
しかも鞭部分が黒い厚手の布、もしくは合皮でできている物を使うため、音は派手に聞こえるが、実際に痛みを与えるには全く向いていない代物なのだ。
どんなに強く叩いたとしても、マイルドな痛みと僅かに身体は赤くなるだけに留まってしまう。
しかしこの店のMは皆この鞭を食らって感じており、本革でできた六条鞭や一条鞭での調教が基本だった恭弥にとっては、ママゴト遊びにしか見えないものだった。
この店で働き始めたことに後悔はない恭弥だったが、このヌルい環境で鞭を振るい、『Mもどき』の相手を調教するのにはうんざりしていたのも事実だ。
恭弥自身が満足できるような調教を最後に行ったのは、もう2年以上も前の話。
そう思ってしまうのも仕方ない。
恭弥自身は表面にそんな様子を一切出すことは無かったが、全盛期の恭弥を知っている店長は、恭弥の些細な変化に気付いてのあの言葉だったのだろう。
ーーおっと、ちゃんと見てやんねぇとな。
潤を見て色々考えてしまい、肝心のプレイをちゃんと見ていなかった恭弥は、それではいかんと自分を諫める。
鞭を容赦なく振るい、ショーの流れも飛ばすことなくそつなくこなす潤は、特に恭弥から見れば問題はないように見えた。
観客達も潤の様子をうっとりとした目で見ており、潤目的の客が現れるのに時間はそう掛からないだろう。
それより恭弥が気になったのは、M役の大和のことだった。
恭弥の位置からはまだ背中しか見えないが、先ほどから潤の鞭を食らっても僅かに呻くだけで、少し反応が薄いように見えた。
大和は葵のように線が細い訳ではなく、筋肉質でガタイの良い潤に近い体型で、全体的に鍛え上げられた良い身体をしている。
恭弥の場所から見ても、背中に浮かぶ筋肉で日頃から鍛えているのが分かった。
暫く鞭を浴びせた潤は大和の手の拘束を外し、今度は観客にケツを向けさせて四つん這いの体勢にさせる。
「ほう」
そこで大和の顔を見た恭弥は、思わずそう呟いた。
ショートの黒髪に少年らしさも残るキリッとした目をしながらも、顔全体の雰囲気は雄の匂いを漂わせる男らしい顔立ち、前から見た身体は胸筋や腹筋が綺麗に並び、同じく筋肉で太くなった太腿の間の黒ビキニは大きく膨らんでいた。
見た目だけで言えば、調教のしがいがあると言う意味で恭弥の好みではある。
四つん這いになった大和は黒ビキニを下ろされ、勃起したチンポを引きずり出されると、そのチンポを潤のレザーグローブを指先まで嵌めた手でビンタをされた。
「あうぅうっ」
革独特のパンと言う少し籠った音と共に、大和は口をだらしなく開けて感じたような声を僅かに上げ、高揚したような表情をしたかと思うと、すぐに何を考えているのか分からないような顔へと変わってしまう。
「恥ずかし気もなく勃起させやがって、鞭がそんなに気持ち良かったか?おらっ!」
パンッ、パンッと音を立てながら、何度も大和のチンポへとビンタを放つ潤。
「でかいな…」
先ほどの鞭よりも痛いはずのビンタを受ける度に、更に勃起していく大和のチンポを見て、恭弥は自分の中のサディストの部分が刺激されていくのを感じた。
「チッ、てめぇの汚ねぇ液が手袋が汚れただろ。ちゃんと舐めて綺麗にしろ」
潤は自らの黒い手を大和の口へと無理やりねじ込んだ。
「んおぉおっ、おぉぉおおおっっ!!」
その時だ。
先ほどまでの顔が嘘のように、大和は恍惚とした表情でその革の手袋に包まれた潤の手をしゃぶり始めたのだ。
「んんっ…はぁっ、んっ…おぉぉっ」
チンポを腹に付く程勃起させ、口元は自然と弛み、興奮で我を忘れたかのように必死に潤の黒い手へとしゃぶりつく様は、まさに犬と呼ぶにふさわしかった。
ーーこいつ…
恭弥は久ぶりの感覚に驚きを隠せなかった。
なんせ、この店で責められているMの姿を見て勃起したのが初めてのことだったのだから。
勿論ショーになればプレイの一環で勃起させることは多々あるが、姿を見ただけで心が疼いて自然と勃起してしまうことは初めてだった。
長年S役をやっている恭弥には、大和が天性のMであることがその表情で分かったのだ。
葵や他のM役とは違う、本物のMにしか出せないあの淫猥な表情で。
しかも恭弥の見立てでは、大和もまた同じ癖を持っている。
「違ぇねぇな」
革の指にむしゃぶりつく姿を見て半ば確信したようにそう呟き、ビンタを食らった後のあの表情の意味を探った。
しかしそれはこの後、恭弥の知るところとなる。
一通りの責めが終わり、Mを射精させるところまでショーは進んでいた。
潤は電動マッサージ機、通称『電マ』を取り出すと、そのスイッチを押して振動音を会場に響かせる。
「ご褒美をやるよ」
潤がそう言ったその瞬間、また大和は先ほどと同じように、恍惚とした表情から何を考えているか分からない表情へと変わってしまったのだ。
そこで恭弥は気付いた。
ーーまだ足りてねぇのか。
そう、大和のあの顔の正体は、このショーでの調教では物足りないと言う表情だったのだ。
大和のそんな表情を知る由もなく、潤は大和の勃起したチンポへと電マをあてがう。
「あぁぁっ、んおぉぉぉっ」
電マの快楽によって声を上げる大和だが、その声はどこか作られているような印象を受ける喘ぎだった。
「どうだ?嬉しいだろ。イきたいか?」
「んぁぁっ、イきたっ…い、おぉぉっ」
「イかせてくださいだろうがっ!!」
電マを離し、怒声と共に再びチンポをビンタを大和に食らわせる。
「んおぉおおっ!! 」
本人が意識しているのかは恭弥には分からないが、電マでチンポを振るわされている時よりも、今の方が余程感じているように見えた。
そして同じように、潤の表情に一瞬だが陰りが見えたのを、恭弥は見逃さなかった。
「なるほどな…」
店長の気にしていた大和の問題も、潤が何に悩んでいるのかも分かった恭弥は、小さくそう呟いて控室へと戻っていった。
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