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「いってらっしゃい」

「ママぁ、いってらっさい」

「う、うん。行ってくるね。今日ちょっと飲み会があって遅くなるから、もし遅かったら先に寝ちゃっててね」

「大変だな…分かった。頑張ってな」

疑った様子もなく、夫の祐司は笑顔で私を見送ってくれた。

平然を装って私は家を出たが、ドアが閉まる直前に「ママおそいのぉ?」と娘の凛が、祐司に悲しそうな声で聞く声が聞こえた。

それに心が傷んだが、私はそのままドアを閉めきって仕事へと向かった。

駅に向かう途中でスマホが震え、メールの着信を知らせる。

『今日の19時、○○ホテルの702号室』

この文章と共に、ビルの住所が書かれていた。

「っ…」

自分で決めたこととは言え、私はまだ迷っていた。


私には家族に言えない秘密がある。


それは私がまだ性の知識がほとんど無かった時。

小学校で流行っていた遊びのせいだった。

今思えば何が楽しかったのかは理解できないが、何か勝負をして負けたら罰ゲームを受けると言うもの。

勝負はジャンケンの時もあれば、休み時間のおいかけっこの時もある。

その日の負けが決まれば、決まって放課後その罰ゲームが行われた。

男女関係なく行われるその罰ゲームは、足裏へのくすぐりだった。

10分間床に押さえつけられ、そのまま上履きを脱がされて足裏をくすぐられ続けるのだ。

大したこと無いように思えるかもしれないが、されてみるとかなりきつい罰ゲーム。

笑っているのであまり苦しんでいるようには見えない上に、子供独特の残酷さも相まって容赦なくその罰ゲームは行われた。

人一倍足裏が敏感だった私は、足裏をくすぐられる度に大声で笑い暴れた。

しかし皆に押さえつけられているせいで逃げることはできず、どんなにくすぐったくても10分は耐え続けるしかない。

しかしいつからだろうか。

辛く苦しいはずだったくすぐりが、少し違う感覚へと変わったのは。

夏の暑い時期だったと思う。

1日が終わった後の足は蒸れ、足裏が柔らかくなっていたのを覚えている。

その日の追いかけっこで最後まで鬼だった私は、いつものように罰ゲームを受けることとなった。

床へと押さえつけられ上履きを脱がされた私は、足裏に皆の指先を感じた。

始まったくすぐりはいつものようにくすぐったく、私は直ぐさま笑い始めた。

1分程経った頃だろうか。

相変わらずくすぐったかったくすぐりに、なんだか身体がモゾモゾし始めたのだ。

くすぐったくて仕方ないのに、何故か段々と身体が熱くなり、股間に熱が集まってきたのだ。

アソコがなぜ濡れてくるのかを理解していなかった私は、足裏をくすぐられて濡れているのはおしっこを漏らしたからだと勘違いしていた。

2分、3分と続く足裏へのくすぐりに、私の股間は完全に濡れてしまい、それだけでなくくすぐりの中に僅かな気持ち良さか混ざっていることにまで気付いてしまった。

漏らしたことに恥ずかしくなった私は暴れて逃げようとするが、何人にも押さえられているせいでそれは叶わない。

くすぐったい、くすぐったい。

くすぐったいのに気持ち良い。

気持ち良さに気付く度に更に身体は熱くなり、くすぐったさに気持ち良さを感じる頻度が上がっていく。

そんな中、私が股間をモゾモゾさせていることに気付いた男子が、冗談半分でそこへと触れた。

瞬間、私は身体を大きく震わせながら絶頂を迎えてしまったのだ。

幸いなことに笑い声で喘ぎは紛れたが、初めての絶頂の快感に驚きのあまり泣いてしまった。

泣き出した私に皆が驚いてくすぐる手を止め、その日からその罰ゲームが行われることは無くなった。


中学に上がり、周りが性に関して興味を持ち始める時期になると、自然と性に関する知識も得ることができ、あの日のあの感覚は性的にイったのだと理解した。

周りの女友達がカッコいい男子にキャーキャー言ってる中、私は一人違うことに夢中になっていた。

部活終わりの蒸れて柔らかくなった足を自らくすぐり、自らのアソコを弄っていたのだ。

女子でもオナニーはするが、男子と違ってそう言う話は表立ってしたりはしない。

それに初めての絶頂があれだったせいで、オナニーはそうするのが正しいと勝手に納得していたが、今考えれば異常だったのがわかる。

しかしすっかり足裏で感じながらオナニーするのに慣れてしまった私は、今更普通のオナニーなんてできるはずもなかった。

時には指で、時には毛先の柔かな歯ブラシで足裏を自ら刺激し、濡れたアソコやクリを弄る。

それが最高に気持ち良く絶頂できる方法だったのだ。

中でもお気に入りだったのは、祖父が使っていた足裏のマッサージ機を使ったもの。

足形に突起のがいくつもついたマッサージ機に足を乗せると、ブルブルと細かく震えて足裏を刺激してくる。

くすぐった気持ち良いそのマッサージ機に足を乗せながら、時間を掛けて自らのアソコを弄るオナニーはまさに革命だと思った。

しかしそんなことをしながらも思うことがある。

あの日、私が初めてイッた日。

押さえつけられながら足裏を無理やりくすぐられて迎えた絶頂。

いくら足裏を自分で刺激しながらのオナニーをしても、あの日程の快感はなかった。

男子と付き合ってセックスをしても、イくことはできたが物足りなさが残った。

一度足フェチの彼氏に足を舐められたことがあるが、それなりに気持ち良かったがそれでも足りなかった。


もう一度だけで良い。

またあの快感を味わいたい。


結婚して子供が生まれ、少しはその願望が薄れるかと思いきや、日に日にその欲は膨れていった。


そんなある日、足裏のくすぐりについて調べていると、ふと掲示板でこんな書き込みを見つけた。


『足裏をくすぐられたい女性募集。拘束した上で複数人で徹底的にくすぐり、足裏だけで絶頂させます』


今まで足裏は性感帯だったものの、絶頂する時は必ずアソコを弄っていた。


足裏だけでイく。


もしそれが可能なら、あの日の快感を超えられるかもしれない。

あの日の以来私は人に足裏をくすぐられたことはない。

どうなってしまうかわからないため、くすぐるのは自分でばかりしていた。

しかし掲示板のこの人達は足裏をくすぐるのが好きなようで、足裏でイかせると言っているだけあって、私がどうなってしまっても気を使う必要はない。

匿名で二度と会わない相手だし、何が起こっても逃げてしまえば良い。

そう考えたら、私は自然とこの相手に連絡を取ってしまっていた。


相手の人数は3人。

20代半ばだと言っていたので、私と同じぐらいか下だろう。

足をくすぐるのが好きな男達で、今まで何度も女性を足だけでイかせたことがあるらしい。

そんな話を聞くだけでドキドキしてしまい、私はどうなってしまうのだろうと身体が疼いた。


そしてその約束の日が今日なのだ。


たたくすぐられるだけの相手のため、浮気ということにはならないと自分言い聞かせていたが、それでも祐司や凛への罪悪感からまだ悩んでいたのだ。

そんな私に更にメールが届いた。


『パンプスはなるべく脱がず、仕事で足を蒸れさせてきてください。その方が気持ち良くなれますよ』


そのメールに更に鼓動が鳴った。


経験上、足が蒸れて臭くなっている時ほど、足の感度が上がってくすぐったさも気持ち良さも上がる。

仕事終わりに会うと聞いて、自身の足が臭くなってしまっているのは相手に取って不快ではないかと思っていたが、流石に足へのくすぐりに慣れているだけはある。


『あなたの蒸れて臭くなった足を、たっぷりくすぐって気持ち良くしてあげますよ』


その文章を見て、私の悩んでいた気持ちがすっ飛んだ。

罪悪感よりも性欲が勝った瞬間だった。


1回だけだから。


ただ足裏をくすぐられるだけ。

それなのに私はそれがどうしようもなく楽しみだった。



仕事が終わる。

汗ばむ陽気の今日は、なるべく外回りを多くして足を酷使した。

只でさえ足汗が多く蒸れて臭くなりやすい私の足は、出さなくても分かる程にパンプスの中で熟成されていた。

パンプスの中で足にストッキングがべったりと張り付き、足指を動かす度に足汗でグチュリと小さな音が聞こえる。


これからこの足を…


考えただけで更に足汗が浮いてきた。



待ち合わせの時間丁度にホテルの部屋の前に着き、インターホンを鳴らす。

待っていたかのようにすぐにドアは開き、一人の男が私を迎えた。

「来たか」

Tシャツにハーフパンツの、スーツ姿の私とは違ってかなりラフな格好をしたその男は、意外と普通そうな男だった。

足をくすぐるのが好きと聞いて、どんな男かと思ったから少しだけ安心する。

連れられて中へと入ると、似た雰囲気の男が2人いた。

「へぇ。なかなかエロい良い身体してんじゃん」

「これで子持ちだろ?すっげぇ上玉」

2人は私を舐め回すように見ると、上機嫌にそう言った。

胸が大きいのは元々だし、太りにくい体質のため子供を産んでからも体型は変わらなかったため、それなりにスタイルには自信がある。

しかし今それを褒められるのは何だか嫌だった。

「あの、このことは…」

「分かってる。秘密は守るよ。終わったら俺らからあんたに連絡は取らねぇ」

「安心しろって。今日は楽しもうぜ」

馴れ馴れしく私の肩に手を置き、私を見てニヤニヤと笑っていた。

私なりにこの男達のことは調べたが、特に怪しい情報は出てこなかった。

この男達に前にくすぐられたと言う女性にもSNSを通じて連絡を取ったが、特に問題は無いと確認も取れている。

連絡手段はフリーアドレスを使っているし、私の身元が分かりそうな物は全て駅のロッカーに入れてきた。

スマホもばっちりロックはしてある。

「ほら、行こうぜ」

肩に置いた手を私の腰に回し、そのまま私を隣の寝室へと誘導していく。

部屋は温かく、お香でも焚いているのか僅かだが甘い匂いがした。

部屋にはキングサイズの大きなベッドがあり、彼らが持ち込んだ拘束具が取り付けられ、テーブルには色々な道具が置いてある。


今からあれらを使ってくすぐられる。


そう考えるとゾクゾクしてしまった。

「靴履いたままで良いからベッドに正面向いたまま座ってくれ」

男に言われ、私は言われた通りにベッドへと土足で乗ると、壁に背中を預けながら足を正面へと伸ばして座った。

「じゃあ拘束するぞ」

「え、えぇ」

男達は私の返事を聞くと、手際よく拘束具達を私に付けていく。

パンプスを履いたままの足は少し開かされ、足首の太さに窪みの空いた板で上下から挟まれ、靴底を晒すように固定される。

板のせいでこちら側からだと、自身の足に何がされるのかは見えなくなってしまう。

足を引こうとしてもこの板のせいで引けない中、太股までスーツの上からタオル生地のロープでベッドへと拘束された。

「こんなに拘束するの…?」

少しずつ身体が動かなくなっていく怖さに思わず聞いてしまう。

「くすぐったがる時ってのは思ってる以上の力が出るからな」

「お前だって、逃げらんねぇ状態で遠慮無くくすぐられたいだろ?」

「……っ」

肯定するのが恥ずかしく、私は無言で返した。

すると男達は今度は腰を壁にピッタリと張り付くようにベルトで固定し、何故か手まで拘束しようとしてくる。

「ね、ねぇ。手は別に拘束しなくても良いでしょ」

「ダメだ。自分でアソコ弄っちまうからな」

「そんなこと…」

しないとは言い切れなかった。

自分でも何度か足だけでイけるかもしれないと挑戦したことがあったが、やはり最後は我慢できずにアソコを弄ってしまうのだ。

「……」

「分かったら大人しくしてろ」

そう言いながら私の手を後ろ手に回し、そのまま親指同士をくっつけるだけの指の錠を付けられてしまった。

これで私は、どれだけ暴れようと男達に拘束を解いて貰わない限り逃げることはできない。

「準備はできた…あとはお前次第だな」

3人は拘束された私を見ながら言う。

「どうもお前は素直になれてないらしいな」

「さっきから文句ばかり言ってるしな」

「っ……ごめんなさい」

確かにこれは私から男達に連絡を取り、くすぐって欲しいと頼んだこと。

それなのに私は信用しきれず、初めてこういったことをする緊張から気が立ってしまっていた。

「お前が緊張してんのは分かるし、俺らを警戒すんのも分かる。だけどそれじゃ自分を解放できねぇぞ」

「安心しろ。俺らはお前の望みを叶えてやるだけだ。お前がくすぐって欲しいって思うように、俺らはお前のことをくすぐりてぇんだ。羞恥も遠慮もいらねぇ」

「お前は臭ぇ足くすぐられて、ただ笑って感じてれば良いんだ」

私の気持ちを察するように、3人は私にそれぞれ言ってきた。

そうだ。

私はあの日の快感をもう一度体験する為に、いや、あの日の快感を超えるために、夫や子供に黙ってここに来たんだ。

もっと自分に素直にならなくては、後々後悔するかもしれない。

「ごめんなさい…こう言ったことが初めてで、勝手が分からなかったの」

「良いさ。それじゃこれからお前は感じたこと、されたいことは全て言葉にしろ。恥ずかしいことも全部だ」

「わ、分かった」

「お前がその言葉を言えば言う程俺らは興奮するし、羞恥を感じる必要はねぇ」

「えぇ」

「じゃあ言え。今からお前は何をされたい」

3人に正面から見られながら言われる。


足を思い切りくすぐられたい。


「……っ……」


ちゃんと理解したはずなのに、なかなか羞恥で言葉がでない。

「言わねぇと俺らは何もしねぇ。このまま時間オーバーになって何も得ないまま帰るのか?」

「っっ」

「折角踏ん切りつけて来たんだ。余計なことは考えるな」

そうだ。

私は祐司と凛に後ろめたい思いを感じながらもここに来た。

それなのにこんなとこで恥ずかしがってどうするんだ。

「……ぐって……」

「聞こえねぇな」

「くっ、くすぐって!!」

「てめぇがくすぐられてぇのはどこなんだよ!!」

顔が熱い。

いくら何も考えないようにしていても、やはり羞恥が襲ってくる。

だけど。

だけど私は……っ!!


「私の臭い足を、思いきりくすぐって!!!」





続きは5月8日に他プランでも公開予定

現在タバコプランにて先行公開中

全文約17100文字

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