17話カット24 魔理沙のブレイジングスター② (Pixiv Fanbox)
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前々回に引き続き、幻想万華鏡17話からブレイジングスターの続きです。
御柱を使った鉄壁の防御を誇る八坂神奈子にたいて、ブレイジングスターで突っ込む魔理沙のカット。
原画担当は同じくBOSSさん。
これは原画ではなく、画面に対してこのセルをどこまで動かすかの位置指定です。
アニメは大勢の人で作るので、こういう指示をきっちりすることが必要になるのです。
「D.T.B」とは「デジタル・トラック・バック」の略で、平たく言うと「縮小」という意味です。
今はデジタルデータをPC上でムービーにするので、ただ「縮小」と言えば済んじゃうことなんですが、
アニメがアナログで作られていた時代、台の上にセルを置いて実際にカメラを動かしてフィルムに撮影していた名残りでこういう用語になっています。
エフェクトもかっこいいので全部載せちゃいます。
お次は背景原図。
御柱に「BOOK」という指示が書かれてますが、これは背景画の中のレイヤー分けされたパーツのことです。
これも背景画をハサミで切り抜いて使っていたアナログ時代の名残りで、慣習的にこう呼ばれているそうです。
背景原図は、演出チェック時にさらに横に長く(移動するストロークを長く)修正されています。
次がそれ。
ちなみに17話の演出担当はるなむーさんです。
作監と演出を兼ねているので、演出作監ですね。
もちろんというか、このカットもスケジュールがギリギリで、いきなり原画の常態です。
るなむーさんは作画監督としてこの原画を直接微修正してますが、一番直したのが次の画像。
そうです、魔理沙の箒のお尻にくっついているミニ八卦炉です。
ブレイジングスターは、マスタースパークを推進力として魔理沙自身が体当たりをかける技です。
(原作ゲームでは実はそういう明確な描写はないのですが)幻想万華鏡のマスタースパークはミニ八卦炉から発射する技なので、それを見せたいというわけです。
BOSSさんの原画にはそれが抜けていたので、るなむーさんの演出・作監チェック段階で足されたというわけです。
完成した画面がこれ。
迫力ありますね。
このカット、魔理沙の顔が見えないのでどうかなとも思ったんですが、かっこいいシーンですし、魔理沙のスカートの中が丸見えなのでこういうのもいいかなーと。
(ドロワーズはわりと見せていい感覚の下着みたいです)
では次回もお楽しみに。