蒼光のアクアバレット 「ロングジャンプユニット #5」 (Pixiv Fanbox)
Published:
2020-08-05 09:12:26
Edited:
2020-10-20 20:34:32
Imported:
2024-01
Content
それから数週間、ロングジャンプユニットの挙動になれるため、4人は競技が終わると毎日水の中に頭から突っ込み、口から水をぴゅーっと吹き、教官2人の愛の鞭を受けながら、ご飯をモリモリ食べてカラダでロングジャンプユニットの特性に慣れていった。
■ロングジャンプ
教官1「今日からは!お待ちかねの!ロングジャンプを試すわよ〜!♡」
イスカ「おーーーーっ!やったーーーーーー!」
クロエ「よーし!!」
教官2「空中で危なくなったらユニットをパージする練習も兼ねてるから、突然異常が出ても慌てないようにね」
アイリ「え・・それって・・」
ユズリハ「つまり・・・」
教官2「空中で突然真っ逆さまってトラウマになっちゃうから最初に言っておこうと思って。いつも落ちるかもしれないっていう心構えね」
一気にトーンダウンする4人
教官1「まぁまぁ、そんなに気落ちしないで。落ちてもよっぽどの事がない限り死なないわ。テストしてきた私たちも生きてるでしょ♡」
教官2「うんうん、それにユニットをパージしてもいつものウォーターブレードは残るから海に叩きつけられるって事は・・多分ないわ」
教官1「それよりも空を跳ぶ爽快感の方がすぐに勝るようになるわよ♡」
教官2「まずはいきなり高所からじゃなくて、助走つけてあのジャンプ台を超えてみて」
4人の目の前の海上フィールドに4つのレーンが現れる。
イスカ「ねぇ・・これ、いきなり真っ逆さま、みたいなイジワルされたりしないよね?」
教官2「大丈夫、ごめんごめん。異常が起きる時は事前に言うから」
異常が起きる時には事前に・・・ヘンな言い回しだけど、それしか言いようがない。
イスカ「よ、よーし!じゃあ・・・」
クロエ「せいぜい遠くまで跳びましょ。競争する?」
アイリ「えー、絶対イスカとクロエの方が跳べるよー」
ユズ「私もそう思う・・」
教官2「みんな一斉に行きましょうか。心の準備はできたわね?よーい!」
4人がジャンプユニットのフトモモ上の黄色いハンドルパーツをグッと持ち上げ、サイドのジッパーパーツを両手でガチャコン!と押し下げてロックする。
プシュッ!と音がしてジャンプユニットが両脚にフィットする。
4人はそれぞれにカラダを低く構えると、脚部の裏側部分、カカトからふくらはぎ、フトモモのウラ、そして妖精の羽のようなスラスターから青い光の粒子が放出される。
左腕のマーカーリングが青く輝いて、その中を地球の大気、速回しの気象予測のように雲のように白いモヤが渦巻くように走る。
ガンネレイスの身につける水上機動装置ウォーターブレードは、イッカクリスタルという特殊な素材のエネルギーを使う。
イッカクリスタルは通常ガンネレイスたちが首飾りにしてもっており、貴金属アクセサリーのような美しいクリスタルの原石のような見た目をしている。
ガンネレイスである証であり、各フィールドでウォーターブレードや専用のアクアバレットを扱うための認証キーになるのだ。
そして認証の際に水の玉を宿すリングにカタチをかえて、少女たちの左腕に固定され競技中の判定ヒットマーカーの役割を果たす。
イッカクリスタルに秘められたエネルギーを使う際に、地球の表面の気象変化のように様々なエフェクトが発生する。
ガンネレイスという少女の腕に浮かぶ小さな地球のように見える不思議な球体。
その小さな地球からジャンプユニットへと嵐のようにエネルギーが送られて、4人の少女が一斉に水面を蹴って駆け出す。
ドキドキと鼓動が高まり、盛大な水しぶきを上げて加速する。
かなりの距離があるはずなのに、みるみるうちに波間からジャンプ台が迫ってくる。
イスカ「でやーっ!!」
クロエ「っ!!」
アイリ「んー!!」
ユズリハ「えーい!」
4人の少女がフワッと宙に舞い上がり、一瞬の無重力にカラダが包まれる
イスカ「ひ、ヒョオオ!!」
クロエ「ア、アハハ!!」
アイリ「フワッ!?」
ユズリハ「う、浮いてるっ」
まるで羽衣で浮く天女のように青い粒子を振りまいて滑空する4人。
イスカ「きもちいいー!!」
クロエ「アハハハ!!」
アイリ「すごいすごい!」
ユズリハ「こんな感覚、はじめて!」
水面を滑空するトビウオのように鋭く滑らかな軌跡を描きながら、
ゆるやかに高度を落とし、軽くスラスターが着水の瞬間に海上めがけて噴射して、着水のショックをやわらげ、海上を減速しながら滑る4人。
教官1「どう?初めての滑空は?」
4人「最高!!」
教官1「うんうん♪いい反応♡ それを味わってもらいたかったの。今までの数週間の訓練の甲斐があったわ♡」
教官2「徐々に高度は上げていくけど、何回か好きに跳んでみて・・・って、言わなくてももうやってるわね」
4人はキャッキャッ!と言いながら自主的にターンして、またジャンプ台に向かって助走を始めていた。
楽しい。
おっかなビックリだった気持ちがどこかに吹き飛び、ジャンプ台から飛び立つ瞬間のフワッとする、カラダの芯がムズッとくる感覚を味わいたくて待ちきれないとばかりに加速する。
勢いよくしぶきをあげながら、ジャンプ台にスラスターを吹かし疾走し、ポーン!と少女が空中に放り出されるように宙を舞う。
イスカ「(この一瞬の胸がフワッと浮く感じ・・・)」
ユズリハ「(心までフワッと軽くなる・・・)」
頬を赤らめる胸部に特にボリュームのある2人。
イスカとユズはジャンプするまでの間にかかる圧で少し胸が苦しかったが、ジャンプした直後、フワッと胸が無重力で軽くなる感覚が病みつきになっていた。
少女たちはめいめいにジャンプ台から繰り返し跳び、それぞれに感覚を掴みはじめていた。
イスカ「ねぇ、誰が遠くまで跳べるかやろうよ!」
クロエ「おっ いいねー 負けないもんよ」
アイリ「私も負けないよ♡」
ユズリハ「わ、私も!今なら遠くまで跳べる気がします!」
教官1「流石現役ガンネレイスね、私たちがほんの少し刺激したらすぐに自分たちで習熟していく。手がかからなくてたすかるわ♡」
イスカ「教官ー!スターターよろしくー!」
教官2「(んもう、カリキュラムはまだ途中なのに・・・)はいはい、いくわよー よーい ドン」
イスカ「なんだよー そのやる気のない感じ!」
教官2「ほれほれ、スタートだわよ。遅れちゃうぞ イスカー」
イスカ「わわっ、みんなあんなやる気のないドンでスタートするの!?くぅー!もうちょっと演出をー」
先にスタートした3人に全力で噴かして追いつくと、4人が同時にジャンプ台から飛び出す。
最初よりも遥かに長い距離を滑空できるようになった4人。
僅差ながら、イスカとユズリハが同時に着水し、次いでアイリ、クロエの順で着水する。
クロエ「何よこれ、単純に胸のサイズの差じゃない」
教官1「単純に滑空ならぶら下げてる肉の量で不利になっちゃうのはしょうがないわね〜♡」
教官2「カラダに対してユニットは同じだからね」
クロエ「くっ・・・屈辱だわ・・・」
頑張ったのに、私1番胸ないですという、何故か存在そのものが軽い存在になってしまった気がして、
いつにも増してイスカとユズリハの胸元が豊かに羨ましく見える。
重い・・・重い存在になりたい・・・。
イスカ「んっ・・♡ ちょっと水かかっちゃった・・♡」
クロエ「・・何よイスカ、気持ち悪い」
クロエに近づいたイスカが流し目で髪の毛をかき上げて、思わせぶりにたぷん♡と胸をゆする。
イスカ「着水する時さぁ、下見えなくて困るんだよね〜」
クロエ「・・・っ!!! ぬ、ぬがぁぁぁ!!」
クロエの劣等意識をここぞとばかりにエグるイスカ。
ユズリハ「ま、まぁ抑えてクロエ、こんなの普段は邪魔なだけ・・・」
ユズが逆効果にも暴れるクロエの手を抑えようとして、むにゅっとユズの胸に手が触れる。
ユズリハ「んっ♡」
クロエは顔をひくつかせて言葉にならない声をあげる。
イスカ「うぷぷ♡ イイ気味♡」
アイリ「イスカもユズリハもほんとに大きいよね・・・」
アイリは自分の胸と交互に見比べて思う。
教官2「あの子たちホントに仲がいいのかな?」
教官1「ケンカするほど仲がいいっていうじゃない♡」
教官2人が笑う。
教官2「4人とも今度は単純滑空ではなく、スラスターの吹かしも入れるわ。あなたたちの左腕のリングを見て」
4人が左腕に浮かぶ地球のような球体を見る。
イスカ「おー 凄い、なんか白いモヤがグルグルしてる。これ、いつもこんなだっけ?」
ユズリハ「綺麗・・まるで地球の表面の大気みたい」
アイリ「速回しみたいに凄い勢いで雲みたいなのが動いてる」
クロエ「これは、エネルギーをここから使ってるって事ですか?」
教官2「そう、普段あなたたちが使ってるウォーターブレードもこの水球からエネルギーをつかってるわけだけど、ジャンプユニットもここから使うの。普段よりも消費量が異なるから、リングも普段と違う形になってるのは分かる?」
クロエ「ええ、いつもよりもリングユニットがガバッと開いてて、浮かんでる球体の周囲に輪っかがついてます」
教官1「そうそう♡ イッカクリスタルが高出力状態になってるの。イッカクリスタルに秘められた能力の1つを引き出してる状態ね♡」
アイリ「これ、ずっとこの状態だといきなりドカーン!という事は・・・」
教官2「大丈夫、イッカクリスタルは普段かなり力をセーブしてるの。そのセーブをわずかに緩めてるだけ。もしよしんば制御してるリングが物理的に壊れても、イッカクリスタルは液体の形状を保てなくなってまたクリスタルに戻るだけだから安心して」
アイリ「ほ・・・」
教官1「空中でスラスターを使うと、この地球っぽい水球の周辺に浮かび上がるリングが減っていくわ♡今度はスラスターを使ってもっと長く滑空しましょう♡これはコツを覚えれば体型の違いは克服できるわ♡」
キュイーン!と聞き慣れないモーター音がして、4人のジャンプユニットに搭載されたスラスターノズルの半分がアクティブになる。
クロエ「おお・・・」
教官2「今ユニットのスラスターノズルの半分をアクティブにしたから、出力が今までよりも増えるわ」
イスカ「よっしゃー!跳ぶぞーー!」
4人はザババーっとレーンに戻り、位置につく。
教官1「はーい♡ そのまま走って行ってもそんなに遠くまで伸びないから、ダッシュの時からスラスターを使いましょ♡」
教官2「装着台の前の光ってるトコあたりに下がって。自動的にスターターワイヤーでユニットが固定されて、スタートと同時に外れるから」
イスカ「ここに立てばいいのかな? わわっ、ロングジャンプユニットの装着台からワイヤーが・・・」
クロエ「装着台そのものがスターターカタパルトになるのね」
アイリ「これ、スタートと同時に相当速度出るんじゃ・・・」
ユズ「うぅー・・・怖い・・・」
教官2「みんな、1度ちょっとその場でスラスターを吹かしてみて」
イスカ「え、これ・・・このままいいの?」
教官1「大丈夫よー♡いきなりフルスロットルじゃなくて、表示されたタコメーターのちょうど良い所で維持してみて。メーターの一部が点滅してるでしょ、そこそこ♡」
クロエ「分かりやすい、ゲージの半分くらいのトコですね」
4人は ウゥゥウゥ フィィィィィ!とリニアなモーター音を響かせて浮かび上がる。
今までのおとなしい音と異なり、半分解放された事でモーター音も厚く耳に心地よい迫力がある。
スロットルを開けて行くと、メインノズル以外の解放されたスラスターのモーター音が重なるように入ってきて、まるでジャンプユニットそのものが生命体のような鼓動感を4人に伝える。
スラスターノズルがキュイキュイと音を立てて細かに姿勢を調整する。
スターターコードがピンと張り、ロングジャンプユニットを固定する。
4人の後ろに盛大に水しぶきが巻き上がる。
教官2「そこからみんな加速してみて。膝を入れて前に倒れるような感じ」
4人がその場で加速を始めると、巻き上がるように水柱が上がり、それを吹き飛ばすように青い粒子を含んだ4本の突風が海を薙いでいく。
まるで草原に風が吹いて草が同じ方向に倒れるかのように水面がざわつく。
4人は何度か加減速を繰り返して、ダッシュ時のゲージの消費量を確認する。
教官1「加速ダッシュリングのゲージ、今回は回復しないから、うまく調整して使い切って♡」
4人「はーい」
教官2「よし、それじゃカウントに合わせてスタート!」
4人は少し水面から浮かび上がり、複数のモーター音を響かせてスターターケーブルをピンと張りながらその場でスラスターノズルの推力をあげる。
そしてゼロと同時に飛び出す。
イスカ「キャッホー!」
ぐんぐん加速するイスカ。
クロエ「あの子、ちゃんと説明聞いてたのかしら・・・ダッシュゲージ使い切ったら滑空する時に距離稼げないわよ」
アイリ「わわ、出力が上がってる!これは水上ギリギリを飛んでるみたい。脚を動かさなくても加速するって気持ちいい〜」
ユズ(私は加速怖いし、浮遊感を味わいたいからできるだけ多くとっておこっと)
割と最初から勝負を捨てているユズリハ。
イスカは何も考えずにダッシュに全振りして、そのままバビューン!っと吹っ飛ぶ事しか頭になかった。
イスカ「胸が押しつけられてすごい加速だよぅ・・ でもこれ、跳躍した時絶対気持ちいいやつだ・・・!」
イスカはレーンを弾丸のように駆け上がり、人間が大砲で発射されるような勢いで ぽーん!と吹っ飛ぶように宙に舞う。
イスカ「 ふわ・・♡ やっぱりそうだ・・・♡」
押さえつけられた分、カラダが感じる無重力の長さと気持ちよさにイスカは思わず股間に疼きを感じて、股を閉じて内股女の子ポーズで宙を舞う。
ツインテをふわふわさせて浮遊感を楽しむ。
慣れたものでスノーボードのトリックのように放物線を描きながら一回転し、残りのゲージを見る
イスカ「げ!もうほとんど残ってないじゃん!」
ダッシュにほとんどつかって滑空分はほぼ残っていなかった。
イスカ「うわーん!もう使うー!」
プスっ! ぷっしゅー・・・
イスカ「えーん!すかしっ屁みたいでダサーい!」
イスカは一握りのスラスターの噴射で体勢を立て直すと、ザブー!と着水する。
クロエ「へっへー!頭使いなさないな!」
その頭上をクロエが滑らかな放物線を描いて通過していく。
イスカ「むっきー!・・・でもま、気持ちよかったからいいや♡」
アイリ「イスカー!」
アイリが手を振り、イスカも振り返す。
そのたいぶ後ろから、気持ちよさそうに髪をそよがせてフワフワとたんぽぽの綿毛のようにユズリハが滑空してくる。
あるで鳥人間コンテストのような個々人の飛距離の違い。
コツをいち早く掴んだクロエが1番遠くまで跳び、ついでアイリ、そしてほぼ並ぶようにユズリハが着水する。
ユズリハはスラスターゲージの使い方が上手く、凹凸の豊かなカラダ、その横乳と腋周辺謎の揚力が発生するという珍現象もあり、加速の速度が遅かったにも関わらずアイリとほぼ同着という驚きの結果になっていた。
教官1「クロエは筋いいわねー♡イスカ、あとで教えてもらいなさい」
クロエがニヤニヤしてイスカを見る。
イスカは頭の後ろで腕を組むと、「へーい」と生返事。
教官2「ダッシュゲージを使う事で滞空時間も劇的に増えるわ。ロングジャンプユニットの名前通りの跳躍性を味わってもらえたかしら」
アイリ「凄いです、最初は怖いかなって思ってたんですけど、慣れてきたらなんだかいままでが遅く感じちゃうくらい」
クロエ「ええ、この速度感は病みつきになるわ。このモーター音も気分が上がるし」
ユズリハ「まだちょっと高い所は怖いけど・・・私、滑空する浮遊感は好きです」
教官1「うんうん♡ これからロングジャンプユニット前提の広大なフィールド設定も用意されるから、フィールドの奥行きも高さも増えるわ♡ しっかり使いこなしてね♡」
教官2「いままでのを第1段階、これからは第2段階よ。スラスターを応用した滑空をやって行くわ。慣れてきたら色んなアクアバレットを持って滑空する。両手に重量物持った状態ではまた感覚が違うからね。鍛える夏よ!」
教官1「このジャンプユニットの能力、まだ半分も使ってないから頑張って使いこなせるようにしましょ♡」
その後、日が暮れるまで少女たちは加速をつけて、大砲から撃ち出される弾よろしく ぽーん!と気持ちよく空中に弧を描き跳び続けた。