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えー、前々回の妃愛アフターのレビューが5000字を超えたから華乃アフターのレビューは短めにするよ!と言った結果、7000文字を超えたので今回こそは短めでいきます。

【錦あすみ】 評価:★★★★★

 本作の癒やし枠、天使、最推し。

 VTuberモノに対して強いこだわりからある種の地雷を抱えていた自分の価値観をぶち壊してくれた存在。


 さて、そんなあすみのネタバレですがこの娘は【雪景シキ】という名前でVTuber活動をしています。

 正確には歌をメインに扱っているからVsingerという括りなんですけどその辺の細かい解説とかは置いといて、彼女は元々個人で活動していたんですけどある日新進気鋭のVTuber事務所からスカウトをされてしまいます。

 はじめは今までと環境が変わることに悩んでいたあすみですが、企業に属することによって得られるメリットなどを考えた末に芸能プロダクションが運営するVTuber事務所【ぶいさいん】に属します。

 しかしそこはVTuber業界をよく知らずに後乗りしてきた芸能プロダクション。

 人気があるから容姿が良いからとVTuberの中の人を売り出そうとしたり何かと行動に制限を掛けてこようとしたり、思い描いていた通りの活動が出来ないことにあすみはストレスを抱えてしまいます。

 しかし主人公のサポートや本人の意外と芯の通った気質から事務所を相手にある程度の折り合いをつけることに成功。

 そしてマネージャーのミスで文化祭とデビューライブのブッキングという超特大のトラブルに見舞われはしたものの、主人公の機転で人前で【錦あすみ】として歌うという密かな夢を文化祭で叶え、同時に企業VTuberとして初のライブも大成功、というのが前作の大まかなあらすじになります。


 もうね、はじめてハミクリをプレイしたときこの娘のことが大好きになりました。

 声が良い、見た目も良い、可愛い、天使、キュート、意外とおちゃめ、恥ずかしがり屋、でも自分を曲げない芯の強さ。

 すべてが可愛い。

 令和で一番好きになったキャラクターって誰がいる?って聞かれたら錦あすみか世良祭って答えるレベルで好き。

 ソシャゲするときは大人っぽい女性キャラばっかりガチャ引くのにエロゲだとこういう小動物系の後輩キャラ好きになるの不思議だよな……。


 というわけでそんなあすみアフターストーリーはクリスマスライブが終わったところから始まります。

 残念ながらライブチケットが落選して関係者チケットも彼氏ということで男の影を隠すために貰えなかった主人公は楽しそうにライブの感想を話すあすみに癒やされます。

 はいかわいい。

 普段は大人しめのあすみだけど楽しいことがあったり好きなものには意外とテンションが上ってしまって、それに対して年上として優しい返事をする主人公の関係性が尊い。

 いやもうホントかわいすぎる。スクショの手が止まらない

 そんなニヤニヤ会話を繰り広げつつ、主人公たちはクリスマスが終わってもまだやっているイルミネーションを見に行くことに。

 本当はクリスマス当日にデートをするのが一番良かったのだが、VTuberにしても声優にしても、人前に出るファン商売はクリスマス前後に休んでしまうと彼氏がいるかもと疑われるから直近前後はお仕事をたくさん入れられてしまうらしい。

 まさかそんな、クリスマス当日に急に配信休んで後日クリスマスに配信してる方が男いるとか言い訳するVTuberいねぇペコよね?


 というわけでファンのチキンを冷まさなかったあすみは主人公と遅めのクリスマスデートへ。

 【雪景シキ】をイメージした髪飾りをプレゼントするのだが、このときのあすみは世界で一番かわいいと思う。あ、いつも世界一かわいいか

 アクセサリーの箱ですら綺麗、色が好きって言って大切にするあすみ天使かよ……。

 でもホテル街に迷い込んで引き返そうとする主人公に自分からホテルへ誘うあすみは悪い子だよ。でもそこがいい


 デートが終わりあすみの部屋で語らうふたり。

 先輩と付き合えてることが夢みたいとか、先輩の存在が運命的な支えになってるとか、すごく嬉しいことを言ってくれる。

 この子恥ずかしがり屋なのに主人公に対する気持ちは素直にストレートにそれでいて歯の浮くような台詞を無意識で自然と繰り出してくるからヤバい。かわいい


 そして何よりあすみの好きなポイント。 

 VTuberである自分に対して一貫した軸が存在して、そこが曲がることが決して無い。

 昨今VTuberをテーマにした作品は大量に存在するけども、その大体は人間ドラマであったりVTuberと中の人を同一視する作品が多い中、こうしてバーチャルとリアルを別けて考えた上でしっかりと口にして、それを行動に反映できる娘がどれだけいるだろうか。

 自分はあくまで命を吹き込んでいる魂であってバーチャル世界はバーチャル世界、リアルはリアル。誇るべきは自分自身。

 この言葉、あまりにも好き過ぎる。

 VTuberの一人として、そしてVTuberをテーマとした作品を書いている一人として、この言葉を胸に刻みたい。

 忘れていた大事な気持ちであったり考えとか、そういうものを思い出させてくれた。

 あすみ、ありがとう。


 終わりかねない雰囲気が出ているけどこれはまだ序盤の1割ぐらいの内容。

 そこから年末の紅白歌合戦に出場することになる雪景シキ。

 と言っても個人で歌うのではなくVTuber特集の一環として大人数で合唱する、というモノだけどそれでも紅白歌合戦に出るのはすごい。

 ちなみに妃愛は去年アニメ作品のユニットとして出てたらしい。まあ子役時代は毎日テレビに出てた国民的存在だから比べるのがおかしいんだけど。


 というか、野暮なツッコミだけど前作と今作で作中のVTuber界隈が大きく変わりすぎていてまだ前作から作中半年も経っていないのにすごいことになっている。

 前作ではまだVTuberが認知され始めた頃で動画投稿から生配信に活動スタイルがシフトしつつあるって語られたり、遠隔の3Dライブ技術すら確立されていなかったのに、今作ではVTuberは登録者数よりも同時接続者数のほうが重視されるとか、チャンネル登録者数30万人でVTuberのトップ150位に入るとか、VTuberの炎上が相次いでるとか界隈が激動の変遷を遂げている。

 まあね、前作は2020年に発売されているからおそらく執筆時点では2018年とか2019年辺りのVTuber界隈。そして今作は2021年辺りの出来事が反映されるんだろうけど、作中半年でそこまで大きく変わるとちょっと違和感がすごかった。

 でもこの程度のこと自分がVTuber小説であれこれ色々調べたり統合性生むためによく考えていたから違和感覚えてるだけで、普通の人からすれば全然気にならない内容だろうね。

 ちなみに2019年頭にチャンネル登録者数30万人いたらちょうどトップ10に入ります。(ちなみに2020年頭でもトップ13ぐらい)

 140万人は2020年頭だとキズナアイゲームチャンネルと一緒でそれより上はメインチャンネルしか存在しなry

 これ、VTuber界隈を現代にアップデートしたせいで前作から登録者数のあまり変わっていない雪景シキが完全にインフレに置いてけぼり食らってるけど大丈夫だろうか……。

 前作だと30万人は上位のVTuberでしかも歌メインにしてるからすごい!だったのに2021年とか2022年のインフレのせいで環境初期のTier1キャラが2,3年後の環境にタイムスリップした状態だけど……。

 みんなで紅白見てるときの華乃。おもしろい


 それからみんなで初詣に行ったり雪景シキがチャンネル登録40万人を突破したり、炎上したVTuberの代わりにフェスに出ることになったり……。

 しかしここで打ち合わせに参加していた主人公から待ったが掛かる。


 炎上したVTuberの代わりにイベント出るのってどうなの?と。

 

 華乃アフターでもそうなのだが恋人となった主人公は恋人に対して過保護な面があるのでこういう素人な口出しをよくする。

 おそらくプロ意識と素人意識の対比を生むためのあれなんだろうけどマネージャーからはそれはそれこれはこれ、と言われてしまい余計な口出しだったかな、と落ち込む。

 お家ではその道の大先輩である妃愛にあすみのことをもっと信じてあげた方がいい、でも同席してるんだから何言ってもいいよ、あと考えすぎるクセがあるからもっと適当に生きろとアドバイスを貰う。

 こういうとき業界人で主人公の良き理解者の妹、頼りになる。

 ここすき。


 そしてフェスに向けて新曲を作ることになったあすみ。

 両親は世界的に有名なアーティストで自分はかつてボカロPとしても名を馳せていたから自分が配信で使うBGMや曲は全部自作出来るのです。

 いや、スゲェよ。

 VTuber界隈にいると曲をひとつ作るだけでもどれだけ大変か、お金や時間やクオリティや人間関係色んな話を聞くけれども、そういうことを全部ひとりで完結できるあすみはスゲェよ。

 リアルの自分は何も持っていなくてバーチャルの【雪景シキ】だからこそ価値があるとか言うけど、そんなこと全然ない。


 新曲のデモが完成したということで3週間ぶりに訪れるあすみの部屋は意外と綺麗だけどゴミ箱には肉まんの紙くずが。

 この子曲作りに夢中になると一日一食、肉まんだけとかザラです。(むしろ以前より良くなった)


 そして何故かあすみが【雪景シキ】のコスプレをしてエッチすることに。

 曰く、妃愛にVTuber【雪景シキ】はみんなにとっての【雪景シキ】だから主人公に私物化させちゃいけないと言われたらしい。

 だから【錦あすみ】が【雪景シキ】のコスプレをするならそれは主人公の恋人である【錦あすみ】だからセーフ!とかなんとか。

 この娘天才?


 というのも、前作の妃愛ルートをやると妃愛は自分が担当するキャラクターや声優としての自分に誇りを持っているので恋愛にキャラクターは持ち込まないようにしていると明言していた。(お願い事をするときに主人公が〇〇の声でヤッてよ、と言うネタがあるのだがエッチ中は絶対禁止)

 同じく華乃も自分が担当している版権絵はたとえ恋人相手に無茶なエッチの交換条件として提示するときでさえクリエイターとして絶対に持ち出さないようにしていた。(代わりにオリジナル絵を餌にするけど)

 しかしあすみに関しては前作のおまけシナリオでは謎の超技術を使ってVRゴーグル越しに【雪景シキ】とエッチをしたり、他ヒロインと比べるとクリエイターとしてのラインが曖昧な部分があった。(と言ってもクリエイターとしては曲作りに没頭して私生活が駄目になるほど人一倍熱心だけど)

 今作では妃愛がその辺りの意識をあすみに忠告したわけなんだけど……、まさか【雪景シキ】はみんなのVTuberだけど中の人は魂で別人だからセーフ理論をここで持ち出すとは……、強かになったねあすみ。

 でもエッチと結びつけることによってVTuberと魂は別である、を表現するのはエロゲならではの試みでちょっと感心した。その手があったか


 それから作曲に熱中してバレンタインを完全に忘れていたあすみ。

 これほど泣き顔がかわいくて似合ってるヒロイン、世の中にいる?

 放課後は主人公の誘いで中華街へデートに行くんだけど、このときにあすみが肉まんを両手で持ちながら食べているイベントCGがめっちゃかわいい。

 この子、元から肉まんが好きっていうのもあるんだけど主人公と出会うキッカケがコンビニの肉まんを譲られたから、ってことで何かと隣で肉まんを食べるんだけど超かわいい。

 最初は半分に割るのも不格好だったのにいつの間にか綺麗に割れるようになったし、今回はひとつの肉まんをひとりで頬張ってるのがとてもかわいい。


 そしてフェス当日。

 周りのVTuberが仲良さそうにしている中、友達の少ないあすみは主人公とふたりで会場の下見をしていた。

 そこにやって来たのが登録者数149万人、トップオブトップVsingerの【詠花】

 はい。

 この人、コミュ障のぼっちでオマケにキャラ作りをしているので語尾に「私が詠花よ」って毎回付けてくるヤバい人です。

 しかも自分でもそのキャラ付け失敗したと理解していてマネージャーに横目で助けを求めるような人です。キャラが濃い!

 とはいえ昨年の紅白歌合戦では大勢の中から雪景シキの歌声を聞き分け、その歌唱力に目をつけていた詠花。

 戦闘力149万の最強Vsingerに気に入られ、その後もリハーサルが終わるまでずっと隣に居座られていた。(寂しがり屋らしい)


 で、ここからクライマックス。

 過去のイベントCGがブワーッと流れて【雪景シキ】のイベントCGが表示され、新曲が披露される。

 なんとBGMがちゃんとボーカル入りのものになって歌も声優の【紬雪乃】さんが歌ってます。

 もうこのイベントCGを表示する演出とか新曲とか、これが神すぎてハミクリ凸のベスト神シーンに認定します。

 それぐらい気合の入ったシーン。というか特殊演出があるのは全編通してこのワンシーン限りだから本当に特別。

 新曲はクリスマスに見たイルミネーションをイメージして、そこに【錦あすみ】【雪景シキ】の想いが乗せられたとてもいい曲です。

 【雪景シキ】はその歌声を雪景色、と称されているんだけど確かにプレイヤーの自分にも雪景色が見えました。シキちゃん尊すぎる……

 ウッ(尊さに心臓麻痺)

 無理ちょっと待って無理尊すぎる涙出てきた。


 最後はライブが終わってお家で旧生徒会メンバー全員でお祝いをして、解散した後にチャンネル登録者数が50万人を突破。

 桜吹雪という雪景色を背景にED。ここのイベントCGも神過ぎる。


 ちなみにおまけシナリオでは主人公の卒業式が描かれていて、本編ではあすみが先輩の卒業式は絶対に泣いてしまうと言っていた通り泣くを通り越してメンタルがボロボロに追い詰められてしまいます。

 それこそ一週間前から妃愛が「あすみがやべぇぞ」、と言ってお泊りを勧めてくるほどに。

 卒業式が近づくにつれて寝られなくなってご飯も食べられずに弱っていくあすみ。しかし主人公の前では平静を努める。

 あまりにも健気過ぎて泣いた。

 最後は弱さを見せつつも主人公がいない学園でも前向きに生きていこうとするあすみが尊い……。


【総評】

 あすみ、お前がナンバーワンだ。

 贔屓目160%ぐらい含まれていますけど、それでも本編とおまけシナリオ両方が綺麗に纏まっていて完成度満足度ともに高いアフターストーリーだったと思います。

 前作のように文化祭とデビューライブを前にあすみが覚醒!という物語としての大きな起伏があるわけではないですけど、プレイヤーがアフターストーリーに求めているヒロインとの甘いイチャイチャ、そして前作が終わってからの人間としての成長。

 その両方を高クオリティに描いていて、そうそうアフターストーリーっていうのはこういう王道でいいんだよ……と腕組して深く頷きたくなるような出来でした。

 何よりあすみが可愛い。シキちゃんも可愛い。


 ただどれだけ好きでもいくら完成度が高くても不満点を見つけてしまうのが紅葉煉瓦。

 そんなちょっと「?」となった箇所を挙げいていきます。


 まず、主人公が曲作りに没頭しているあすみのために、妃愛に料理を習おうとするシーンがある。

 食事をサボりがちなあすみに軽食を作って「先輩が私のために料理を!?」みたいな甘いイチャイチャあるかなぁ、と思ったら習おうとするだけでその後音沙汰なし。

 妃愛もお料理レクチャー任せろーって乗り気なのに別にその後実際にお料理教室が始まることもなく、披露されることもない。

 せっかくの美味しい題材なのにここはちょっともったいないなぁ、という見たかったからこその不満点。


 次に主人公があすみの所属する【ぶいさいん】のアルバイトになるんだけど、それも特に物語に活かされることがなかったな、と。

 まあこれに関しては錦あすみの秘密を口外しないため、とか【雪景シキ】はメンタルがパフォーマンスに直結するからふたりを近くに置いておこう、というマネージャーなりの口止めや気遣いなど大人の事情があったんだろうけど本当にお飾りバイトだなぁ、って。

 でも月20万貰ってるんだよね。

 本編でこのアルバイト設定が活かされたのは一度切り抜き動画を作って没になったシーンと、フェスで関係者として事前にスタジオ入り出来たシーン。

 このふたつ、特に必要かと言われると正直無くても話が成立するからアルバイト設定本当に飾り。


 もうちょっと事務所へ行って打ち合わせに参加するとか、マネージャーに口出しして主人公のちょっと出来るところをアピールして欲しかった感。

 でもこの主人公はあすみから収録へ誘われた時は技術不足を言い訳にしてそれを拒否するっていう。

 いちおう、本心ではあすみの身バレや彼氏バレを警戒して行かないっていう考えなんだけど、じゃあ何のためにアルバイトしてるんだって。

 彼氏って疑われても言い訳が効くようにアルバイトしてるんでしょ。


 口出しにしても上の方に書いてあるのはアルバイト前の出来事で、アルバイトをしてからは妃愛の言葉通りあすみを信じて自分は何も口を挟まない方針になった。

 それはそれでどうなんだろう。

 せっかくお家で打ち合わせする時はマネージャーも主人公を参加させてくれているのに、何か思っても黙って見守るのはそれはそれでお仕事的なあれとして……。


 せめて詠花と出会ったときにスタッフという立場を利用して会話とかあればいいのに、主人公とは一切会話が存在しないっていうね。

 せっかく【錦あすみ】【雪景シキ】、両方の状態になる事務所関連のイベントをスキップしたのは極上の食材を前に調理せずに放置している感があってもったいないなぁ、とこれも見たかったからこその不満点。


 とはいえ、これに関しては下手に風呂敷を広げてしまうとアフターストーリーというひとりに与えられた尺が限られている中で描写が足りずに、華乃アフターのように色々と回収できずに終わりかねないので仕方がないか、とも思っている。

 特にあすみルートは全体を通して主人公が何か特別な活躍をするわけではなく、あくまで先輩パワーを摂取したあすみが勝手に成長するのを隣で支えながら見守る物語なので、主人公に焦点が充てられるアルバイトパートは基本コンセプトから外れかねないので不要と言えば不要でもある。

 

 そして最後、あすみのマネージャーに対するキャラ付けがクドすぎる。

 これ。

 これ。

 これ。

 そう、なんかこの人鳴門っていう名前だけで「渦潮のごとく」が口癖になっていて、登場するたびに絶対にこれを言う。もうワンシーンで2、3回ぐらい連呼する。


 補足しておくとこの【鳴門さん】は前作では有能だけどポンコツというキャラクターで、【雪景シキ】のデビューライブと【錦あすみ】の文化祭をダブルブッキングするという超特大のやらかしを仕出かした人です。

 しかし根っからの【雪景シキ】の大ファンで自分がマネージャーをするからには【雪景シキ】をトップVTuberにすると意気込む人物で、中身を売り出そうとする社長にも「VTuberはそうじゃない!」と食って掛かれるような熱意溢れるいい人でした。

 実際、今作では【雪景シキ】を紅白へ推薦したりフェスの代役に推薦したり、この人がいたから物語のイベントが発生する超有能人物。


 でもね、前作では「渦潮のごとく」なんて言わないんだよ。

 めっちゃ誠実そうな、たまにオタクが溢れるマネージャーだったのよ。

 それが今作では口を開くたびに「渦潮のごとく」

 基本的にやばいよ!とかすごいよ!の便利ワードとして使われるんだけど、会うたびに、感動するたびに、問題が起きるたびに、メールの本文だけで、「渦潮のごとく」いやいやいや。

 最初は自分も新作だからマネージャーもキャラ付けして印象強くなったなーって笑ってたけど、高頻度でネタを擦られすぎて流石に「いや、この短いワンシーンでどんだけ擦るんだよ。そのガムもう味しないけど」と呆れが先行しました。

 前作のVTuberに理解があって有能だけど前前前のめりすぎて無能な鳴門さんどこいったんだ……。

 詠花さんのことをキャラ付けに失敗したVTuberと主人公が称してたけど、鳴門さんのほうがよっぽどキャラ付けに失敗してるぞ。

 いちおう、作中では超難関大学出身で案件もたくさん取ってくる有能として描かれるんだけど、言動が流石にアレすぎて設定上文章としてそう書かれているだけのハリボテ感が強く、別にそこまで有能って感じが……。


 もし、VTuberがよくやる「同じネタを擦りまくって味がしなくなっても噛み続ける」っていうネタをキャラクターとして意図して表現しているなら、逆にライターさんのVTuberへの造形やこだわりが深すぎて誰も気づかないのにこんな形で表現するのスゲェ……って感心します。

 まあ、とはいえこの人あってこその【雪景シキ】の人気なので妙なキャラ付けには目を瞑りましょう。


 とりあえず、まどそふと様におかれましては【雪景シキ】の単独ライブをドラマCDやミニシナリオとして販売していただけら何卒平に平に……。


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