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「これが、わが教会の仇敵、赤き邪教の魔眼の戦闘シスターか……」  濃い青色の特殊全身スーツを着せられ、数えきれないほどの金属枷で床に縫いつけられた女を見下ろし、神聖青藍教会軍の将軍グレインがつぶやいた。 「ふむ、魔眼の戦闘シスター・ミシェール……教会を守護する戦闘シスターが魔眼持ちとは、いかにも邪教らしい」  グレインは苦々しげにそう言うが、戦闘シスター・ミシェルが所属する紅蓮教会は、けっして邪教などではない。邪《よこしま》という点なら、教会軍の強大な軍事力を背景に大陸全土に圧政を敷く青藍教会のほうが、邪教と呼ぶにふさわしいだろう。それに紅蓮教会では、ミシェールの右目を魔眼ではなく聖眼と呼んでいる。 「で、この魔眼の戦闘シスター、どうするつもりかね?」  グレインが振り返って訊ねると、修道衣には似合わぬ大剣を帯びたひとりのシスターが、一歩前に進み出た。  奸計をもってミシェールを捕らえた青藍教会軍特殊戦闘シスター部隊を率いる指揮官、シスター・イーロスである。 「はい、これより生命維持の処置を施したうえで、地下に永久封印します」 「永久封印? 処刑するほうが手っ取り早いのではないかね?」 「赤き邪教では、魔眼持ちが死亡すれば、魔眼は生まれてくる赤子に宿るとされています。真偽のほどは定かではありませんが、万が一のことを考えれば、殺さず生かして封印しておくほうが安全かと思われます」 「なるほど。では、どうやって生かしたまま封印しておくのだ?」 「はっ、それは封印処置を施しながら、説明いたします」  そう言ってイーロスが合図をすると、部下の戦闘シスターがふたり、完全拘束ミシェールに歩み寄った。 「まずは、食餌と呼吸、排泄の管理処置を施します」  その言葉のあいだに、ひとりのシスターがミシェールの顔の部分に、金属部品を装着した。 「こやつの頭を覆うマスクの下では、鼻と口に金属製の管が挿入され、それぞれ器官と食道に達しています。今装着したのは、鼻の管に空気を、口の管に流動食と水を供給する装着です」  その説明のあいだに、もうひとりのシスターが、股間の枷にも装置を接続した。 「こちらが、排泄の管理器具。尿道と肛門に挿入固定した管から、排泄物を採取回収します。それら装置の本体は、こやつを縛りつけた極厚可動床の裏側に取りつけられており、そこから餌および水の供給と、排泄物の回収を行なう仕組みです」 「可動床?」 「はい、これからお見せします」  グレインの問いにイーロスが答え、ふたりの戦闘シスターが離れると、重量感のある音とともに、ミシェールを縫いつけた床がゆっくり沈み始めた。 「ほう、これで地下に沈め、蓋をするというわけか」 「いえ、それだけでは不十分です。万全を期すため、セメントで固めます」 「セメント……と言うと?」 「はい、フラジオ火山の灰に粘土を混ぜて焼いてできた粉末に、水を混ぜたものです。時間とともに固まり、岩のように硬くなります」  イーロスの言葉が終わらないうちに、戦闘シスターが運んできた桶の中身を、床が沈んでできた窪みに注ぎ込み始めた。  1杯、2杯、3杯、ドロドロの灰色の液体が、次々と流し込まれる。  少しずつ、床に縫いつけられたミシェールの身体が、灰色の液体――セメントに沈んでいく。  そして彼女の身体が完全に見えなくなったところで、イーロスがグラインに向かって口を開いた。 「セメントが硬化するまで、陽が沈み、再び同じ位置に昇ってくる程度の時間がかかります。その後、周りの床と同じ柄の蓋を被せます。そうなると、もう誰も彼女がここにいると気づかないでしょう。気づいたとしても、助け出す術《すべ》はありません。邪教の魔眼の戦闘シスターは、人知れず地下に永久封印されるのです」  その言葉に、グレインは唇の端を歪めて嗤い、満足げにうなずいた。

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ぶーメらん

地面に縫い付ける拘束具が執拗なまでに全身についててすきです 手の先すら動かせない…

dangaiking

完全拘束は本当に最高です。