風紀委員会の秘事~豚専用席の気持ちいいシカケ (Pixiv Fanbox)
Published:
2022-07-15 09:00:00
Imported:
2022-07
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変態女学院、幼稚園から大学院まで、エスカレーター式で進学可能な名門女子校である。
創立以来、学院では風紀委員会が、学院生が守るべきルールを独自の基準で制定するとともに、ルールを逸脱した学院生を取り締まる役割をも担ってきた。
その伝統は一時期、中途入学の岬蓮香《みさき れんか》が立ち上げた学院生自治会によって途絶えたかに見えた。
しかし、蓮香が風紀委員長・大田黒房美《おおたぐろ ふさみ》の罠に落ち、奸計によって自治会が解散に追い込まれてから、その権限は以前にも増して強化された。
そこから、学院内での風紀委員会の、暴走とも思える専横的行為が始まった。
風紀委員会室の外でも、中でも――。
それは、蓮香が自治会解散は受け入れたものの、房美の奴隷に堕ちることはギリギリ踏みとどまっていた頃のできごとである。
「ぶぅ、ぶぅ……」
夜中、厳重すぎる拘束の苦痛に目覚めると、豚の鳴き声が聞こえてきた。
「ぶぅ、ぶぅ……」
蓮香が囚われる拘束架の前に、豚が連れてこられたのか。
いや、違う。なにかが違う。
顔にカバーをかけられて見えない蓮香が、直感的にそう考えたときである。
「ぶふぅうぶぶぶ……」
豚の鳴き声とは違う、狭いところを通過して空気が震えるような音が聞こえた。
「ぶぶぅぶ、ぶむぶぶ……」
「うーん、まだまだ改良の余地ありねぇ……呼吸が荒くなってしまうと、豚っぽい感じがなくなってしまうわ」
そこで、房美の声が聞こえた。
「ねえ理佐、蓮香が目を覚ましたみたいよ。彼女にも見せてあげる?」
「ぶう、ぶぶう!?」
「いやなの? 私が見せたいと思っても?」
「ぶぅ……」
「うふふ……いい子ね。それじゃ、大好きな蓮香に見てもらおうね」
その言葉のあと、房美が近づいてきた。
そして、顔カバーを外された蓮香の視界に飛び込んできたのは、みじめでかわいい豚奴隷の理佐だった。
(ど、どうして……?)
顔を覆いつくし、口の呼吸チューブに施されたシカケにより、吐息を豚の鳴き声に変える豚全頭マスクを被されたその奴隷が、理佐であるとわかったのか。
(な、なぜ……?)
みじめきわまりない豚姿の理佐が、かわいいと思ってしまったのか。
わからない。わからないが、ひとつだけ気づいたことがある。
(理佐もまた……)
拘束架に囚われたみじめきわまりない蓮香のことを、かわいいと思ってくれたのかもしれない。
(だって、私たちふたりは……)
生まれながらの支配者たる房美に仕えて暮らすのがお似合いの、生来のマゾなのだから。
みじめな姿が一番かわいい、奴隷体質のオンナなのだから。
そうと気づいた蓮香は、このあと知る。
豚奴隷のシカケは、豚全頭マスクの呼吸用チューブだけではないということを。
背もたれに『豚専用』と書かれた椅子にも、気持ちいいシカケが施されていたのだと。