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小説『ポニーガールの優しい罠』後編に登場する三種ポニーガールです。 以下、小説当該箇所の抜粋。  二種ポニーガール用調教施設と、三種ポニーガールが強制労働させられる農場その他。  歩行調教中、そこで使役されるポニーガールの姿を見て、真琴は三種がなぜ『労働用』ではなく『苦役用』なのかを理解した。  農耕にしろ輸送にしろ、そもそも労働をポニーガールに委ねることは、きわめて効率が悪い。  にもかかわらず、三種ポニーガールが田畑を耕すための唐鋤《からすき》と呼ばれる農機具や、大量の荷物を載せた荷車を引かされているのは、苦役を課すこと自体が目的なのだ。  その証拠に二種調教施設に隣接する農場では、三種ポニーガールが耕した土地を、その日のうちに重機で踏み固め、翌日また同じ場所を耕させたりしている。  カッ、カッ、カッ。  蹄鉄の音を立てながら、歩法を守って歩く調教用周回路のすぐ横でも、昨日と同じ畑で同じ三種ポニーガールが、唐鋤を引かされていた。  1年365日、くる日もくる日も苦役を課されているからだろう。その三種ポニーガールは、脚の筋肉が異様に発達していた。対して上半身は女性らしい肉付きで、アンバランスな印象がある。  身に着けるポニーガール装具は、一種二種のものとほぼ同じ。ただし、色は茶色をペースとした地味なもの。ヘッドハーネスも額の幅広ベルトやブリンカーが省略された簡易型で、馬銜は金属にシリコーンゴムを巻いたものではなく、木の棒が使われている。  なにより残酷なのは、ポニーガールとしての登録許可と番号、三種の身分を示すタトゥーが、両肩に彫られていることだ。 (これでは、もう……)  10年間の年季が明けても、元の真っ当な生活には戻れないだろう。  畑を唐鋤で耕す三種ポニーガールの瞳から光が消えているのは、そのせいですべてを諦めきっているのだろうか。あるいは、真琴がなりかけたように、自分が三種ポニーガールであると完全に認識してしまったのか。  かつて多くの降格組が生まれたように、彼女もまた二種から三種に落とされたポニーガールなのだろうか。それとも、もともと三種として登録され、肩にタトゥーを彫られたのち、ここにやって来たのか――。

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