コル女（コルセット女子学園）の昼と夜 (Pixiv Fanbox)

　コルセット女子学園。 　貞節と従順を重んじた伝統的な淑女教育を旨とする、全寮制の私立女子学園である。 　その淑女教育は、学園生が制服の下に着用する下着も専用の指定品に限られるほど徹底されている。 　一般的な現代人が見れば、夏の部屋着にしか見えないような、肌の露出が少ないクラシカルなシュミーズとドロワーズ。その上に着用し、ウエストを細く締めあげるコルセット。 　それらは指定下着は、すべて学園から支給される。 　もとの体型や筋肉量などによる個人差は認められているが、標準的な体格の女子なら、コルセットは１年生のうちにフルクローズ（背中の編み上げを閉じきった状態）で18インチ、約45センチを達成することを求められる。 　そして２年生になった春、それまではサイズダウンに合わせて学園からの貸与されていた制服を、コルセットをフルクローズさせた寸法に合わせて誂え所有することが許される。 　すなわち、コルセット女子学園では、１年生はいわば見習い期間。２年生になり、フルクローズでなければ着られない制服を着用し、ようやく一人前の学園生として認められるというわけだ。 　そんな学園２年生のなかでも、特別な者たちがいる。 　１年生のうちにフルクローズ18インチを達成し、それ以上を目指して２着めのコルセットに挑戦している学園生である。 　２着目のより小さいコルセット着用中であることを示す、銀のコルセットバッジを付けることを許された２年生。彼女たちはほかの学園生はもちろん、教職員やＯＧからも一目置かれる存在となり、学園を司る存在たる自治会のメンバーになる資格を得る。 　そして特別な存在たる学園自治会、通称黒百合会には、昼の顔と夜の顔がある。 　学園生活において一定の自治権を持ち、学園生の頂点に君臨するのがその昼の顔。そして、黒百合会夜の顔は――。 「おめでとう、コレで貴女も、正式に黒百合会の会員ですよ」 　きわめてフェティッシュかつビザールな装具を身にまとい、スポットライトの下に引き出された私に、３着め着用中を示す金バッジの自治会長が告げた。 「さあ、今宵の宴の始まりです。わたくしたちの新しい仲間を、皆さんで心ゆくまで歓迎いたしましょう」