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 転校した女子校に初登校した日、その子を見てドキリとした。  アイツ――幼なじみの男の子に、そっくりだったから。 (ここは女子校、アイツがいるわけないじゃない……)  そう思いながらも、その子から目が離せなかった。  そんな私に、理事長の娘でもある風紀委員長が声をかけたのは、転校して1週間ほどが過ぎた頃だった。 「ねえ、貴女……」  薄く嗤った風紀委員長の後ろには、体操服姿の、アイツによく似たショートカットの子。 「いつもこの子のことを見ているけれど……知人の誰かに似てるのかしら?」 「そ、それは……」  小麦色に日焼けした活発そうな子とはいえ、相手は女の子。幼なじみの男の子に似てるとは言い出せずにいると、風紀委員長が唇の端を吊り上げた。 「うふふ……言いにくそうね。いいわ、確かめさせてあげる。この子が、貴女の知ってる誰かなのかどうか」

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