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こちらは『永久封印指定の魔女』https://masamibdsm.fanbox.cc/posts/1552259 の続きのイラスト・SSになります。  数藤《すどう》ルリカ――永久封印指定の魔女は、遺伝子操作による肉体強化を施された特殊部隊のなかでも、最強といわれた女戦士である。  先の大戦では大いなる戦果を挙げたが、国際法違反の遺伝子捜操作が露見しそうになると、部隊の存在は闇から闇に葬られた。  部隊関係者が人知れず消されるなか、ルリカだけは処刑を免れた。  もちろん、彼女が自由を得たわけではない。  肉体強化の最高傑作であるルリカは、次代の研究資料として、新設された刑務所の地下数十メートルの監獄に永久封印されていた。  以来数年、彼女は特別製の拘束衣と鎖による超厳重な拘束、食餌と大小の排泄の管理を施され、厚さ5センチを超える鋼鉄製の扉とぶ厚いコンクリート壁に閉じ込められている。  四六時中媚薬を投与されながら、膣内に挿入された金属製ディルドにより刺激され続けている。  それら残酷な処置は、とうてい常人が耐えられるものではない。  しかし常時測定されている脳波は、彼女がいまだ正常な状態を保っていることを示していた。  そして同時に、ルリカが遺伝子操作による肉体強化の最高傑作、最強の女戦士であること。研究資料として貴重な存在だということの証でもある。  個人的な想いからルリカを助け出そうとしている私以外にも、彼女の身柄を狙っている者がいても不思議はないということだ。  それは、私がルリカ救出作戦を実行に移す当日のことだった。  万端準備を整え、その日の――そして最後の勤務に就こうと更衣室で着替えをしていたとき、けたたましく警報が鳴り響いた。  隣で着替えをしていた同僚と顔を見合わせ、地下監獄に駆けつけると、ひとりの女性職員が、完全武装の警備兵に取り押さえられていた。 「魔女の拘束を解き、連れ出そうとしていた。おそらく、職員として潜入していた敵国のスパイだろう」  そう言った上司が語った女スパイの手口は、私が準備していたものとまったく同じだった。 「魔女の警備体制の全貌は、我々現場の者にもあきらかにされていない。おそらく担当刑務官の誰かから聞き込んだ情報を元に計画を立てただろうが、それでは不十分だったというわけだ」  つまり、今の彼女の運命は、明日の私を待ち受けていたものということだ。  そうと知り震えあがる私の目の前で、女スパイが拘束され梱包されていく。 「き奴はおそらく、諜報機関に搬送される。そこで厳しい尋問……いや拷問を受けることになるだろう」  感情のこもらない声で告げる上司の言葉を聞きながら、私は救出計画が破綻したことを痛感していた。  おそらく今後、警備体制はいっそう強化される。  一から計画を練り直し、新たに準備を整えなければならない。  それには、さらに数年の月日を要するだろう。 (それまで……)  ルリカは生きていられるだろうか。生命は維持できたとしても、正常な状態でい続けられるだろうか。 (いえ、きっと……)  ルリカなら、生きられる。正常を保てる。  そう思い直し、私は心なかで語りかけた。 (それまで、待ってて……ルリカ)

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kirihito.17

この騒動のせいで、より一層、ルリカの拘束が厳しくなると、嬉しいです。