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一人暮らしの女子大生・阪木 萌奈(さかき もな)-。

休日の今日は、家でのんびりと読書をしていたー。


しかしー

「--!?!?」


突然、見知らぬ男たちが入ってきたー。

玄関の鍵は、閉めておいたはずなのにー

金髪-

赤髪ー

口ピアスー


入ってきた人たちを見て

萌奈はとっさに身の危険を感じ取るー。


「--ククク…

 今から君と、君の彼氏で、

 ゲームをしようじゃないか」


男の一人が、不気味な笑みを浮かべたー


・・・・・・・・・・・・・・・・


萌奈の彼氏・国松 義正(くにまつ よしまさ)は、

萌奈の身に起きたことも知らずに

のんびりとスマホを眺めていたー。


その時だったー。


萌奈からLINEが届くー


”ねぇねぇ、わたしの家に遊びに来ない?”


とー。


「----お!萌奈も暇なのか~!

 俺も暇だし、遊びに行くか~」


萌奈と義正は、

よく互いの家を行き来している。

お互い一人暮らしなこともあって

行き来しやすいし、

お互いに信頼しているために、

相手を家に上がらせても大丈夫、という

安心感もあるー


”わかった!じゃあ1時間ぐらいで行くよ”


義正はそう返事をして外出の準備を始めたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・


1時間後ー


萌奈の家に到着した義正は

インターホンを鳴らす。


だがー

返事はない。


「あれ?いないのかなぁ…」

義正が苦笑いしながら待機していると

スマホの音が鳴った。


”玄関は開けてあるから、 

 そのまま中に入ってきて”


LINEのメッセージが萌奈から届いたのを見て

義正は”なんだなんだ…?”と思いながら

中に入っていく。


いつもは萌奈が玄関の扉を開けるからだー。


「--おじゃましま~す」

義正が中に入っていくー


見知らぬ靴が玄関に

転がっているー


萌奈のものではない。


「-!?」

義正が恐る恐る中へと入っていくとー…


そこにはー

椅子にしばりつけられた萌奈がいたー


「たすけて…!」


「--も、萌奈!?」


しかもー

椅子にしばりつけられた萌奈は

”ふたり”いたー。


「え…!?な、、、なんだ…これ…」

義正は唖然としてしまうー


萌奈がふたりいるー

ふたりとも、それぞれ椅子にしばりつけられて

身体の自由を封じられているー。


「--ククク」

横にいた金髪の男が笑う。


「--な、、なんだお前は!」

義正が叫ぶと、

金髪男は叫んだ。


「--これからゲームをしようぜ!」


「ゲームだと?」

義正が金髪男を睨むと、

金髪男は呟いた。


「そう!”彼女当てゲーム”だ!」


「なんだと?」

義正が、ふたりの萌奈を見つめる。


「本物の萌奈ちゃんを見つけ出せげぇ~む!」

金髪男がゲラゲラ笑いながら叫んだ。


「ゲームのルールは簡単!

 今から10分以内に、本物の萌奈ちゃんを

 突き止めることができたら、

 お前の勝ちだ!

 でも、10分を超えたり、

 偽物の萌奈ちゃんを本物だと勘違いしたら

 お前の負け。


 どうだ?シンプルで分かりやすいゲームだろ?」


金髪男の言葉に、

義正は金髪男を睨みながら呟く。


「どうして、萌奈がふたりいるんだ?」


とー。


萌奈が双子だという話は聞いたことがない。

と、なれば変装か、他人の空似か?

いや、それにしても似過ぎだ。

まるで、本物の萌奈をコピーしたかのようなー


「---ククク」

金髪男は自分に手をかざしたー


するとー

金髪男が萌奈の姿に変わる。


「--!?!?」

義正は驚く。


「ククク…俺たちは、

 この手で触れた人間に”変身”することができるんだ!

 俺の仲間が、お前の彼女の萌奈ちゃんに

 変身してるってわけ!ひゃはははははは!」


萌奈の姿で笑う金髪男ー

声も、萌奈そのものだー


「--もちろん、本物の萌奈ちゃんはひとりだけだ。

 さぁ…本物を当ててみせろ。


 見事、本物を当てたら

 俺たちは大人しく帰るさ。

 二度とお前たちにも手を出さない。

 約束する。


 けどー…

 もし、お前がまけたらー…

 時間を超えたり、本物を間違えたらー

 本物の萌奈ちゃんは処分させてもらうぜ!


 ひゃはははははは!」


萌奈の姿のまま男言葉で話す金髪男。

ゲラゲラ笑いながら

近くの机の上に乗ると、

その上でスカート姿のままヤンキー座りをするー


「おい!萌奈の姿でそんな座り方をするな!」

義正が叫ぶ。


だがー萌奈に変身した

金髪男は、ガムを噛みながら笑うだけだったー


目の前には椅子に縛られた二人の萌奈ー


「--…助けて!義正!」

「わたしが本物よ!」


ふたりが一生懸命叫ぶー


「---くっ」

義正は二人を見ながら戸惑うー


”もしも、間違ってしまったらー”


「さぁ、ゲームスタートだ!」

机の上に飛び乗っている萌奈の姿をした

金髪男が叫ぶー。


10:00-

金髪男が設置したタイマーが

カウントを始める。


「--10分以内なら、何をしてもいいんだな」

義正が聞く。


萌奈の姿をした金髪男が頷く。


「---助けて!義正!」

「お願い!わたしが本物よ!」


ふたりは、必死に叫ぶー。


「---大丈夫。萌奈は俺が必ず助けるー」

どっちが本物かは分からない。


だからー

ふたりに向かって、

義正はほほ笑んだ。


「---どうして、こんなことをする?」

義正は、萌奈の姿に変身している金髪男に向かって言うー


今、この部屋には

椅子に縛られた萌奈ふたりと、

金髪男が変身した萌奈、

計3人の萌奈がいる。


このうちの、金髪男が変身した萌奈は

変身した瞬間を見ているから、本物ではない。


と、なれば、

最初から椅子に縛られていたうちのどっちかだ。


義正は二人を見比べながら返事を待った。


「どうして?」

萌奈に変身した金髪男がにやりと笑う。


「--俺に恨みでもあるのか?」

義正が聞くと、

萌奈に変身した金髪男は答えた。


「別に。恨みなんかねぇよ。

 ただ、俺たちは、変身能力で遊んでるだけだ。

 獲物を探し回ってるときに

 お前と萌奈ちゃんが一緒に仲良さそうに

 歩いてたから、ターゲットになっただけさ!

 運が悪かったなぁ!


 はははははははははっ!」


萌奈の声で悪い笑い方をされると不愉快だ。

義正はそう感じながらも

”俺や萌奈を恨んでいるわけではないってことか”と

内心で考えるー


「---」

義正は無言でスマホを取り出す。


とりあえず、警察に通報だー。


「---お~っと、待て待て!」

萌奈に変身した金髪男が言う。


「”通報”はダメだ。

 警官が到着する前に本物の萌奈ちゃんを始末するぜ?」


机の上で座っている萌奈に変身した金髪男は

そう言うと、さらに笑みを浮かべたー


「本物を始末したあと、俺らは他の人間に変身して

 すぐにここから立ち去る。

 俺らは捕まらず、萌奈ちゃんは死ぬ。

 それでもいいなら通報しなよ~?っくくくくくく」


「くっ…」

義正はスマホから手を離す。


確かにこいつの言う通りかもしれない。

まずは、萌奈を助け出すことを優先しよう。


そのあとで、こいつらが

萌奈の解放を拒んだりしたならば、

その時に対応を考えればいい。


”負けたら去る”

まずは、その言葉を信用して

ゲームとやらに付き合った方がいいかもしれない。


「--わかった」

義正はそう言うと、

2人の萌奈のほうを見つめた。


ふたりとも

「わたしが本物!助けて!」と

叫んでいるー


”どっちだ?”

義正は一瞬考えた。


しかしー


「---…大丈夫。必ず助けるよ」

義正はほほ笑むー。


義正には絶対の自信があった。


このゲームで負けることはないー


なぜならー


「--誕生日を教えて?」


ふたりの萌奈の表情が変わるー。


右側の椅子に縛られている萌奈は笑顔で答えた。


「義正も知ってるでしょ?

 7月6日よ」

とー。


怖がりながらも落ち着いて答える萌奈。


「え……た、誕生日……」

左側の椅子に縛られているもう一人の萌奈が戸惑う。


「---!」

萌奈に変身している金髪の男が表情を歪める。


「---決まりだな」

義正は呟いた。


「----……では…

 偽物だと思うほうを思いっきり殴れ」

萌奈に変身している金髪男が言う。


右側の萌奈も左側の萌奈も

「わたしが本物だよ!」と叫んでいるー


「--殴る…?」

義正が言うと、

金髪男は頷く。


義正は拳を握りしめた。


「俺たちの変身を解くには

 思いきり殴るしかねぇんだよ。


 偽物だと証明するにはー

 偽物だと思う方を殴るしかない」


そう言われた義正は

拳を握りしめたー。


右側の椅子に縛られている萌奈は

自分の誕生日をちゃんと答えたー


そしてー

左側の椅子に縛られている萌奈は、

自分の誕生日すら答えられなかったー


義正は、二人の萌奈を見つめて

もう一度ほほ笑んだ。


「大丈夫。俺には

 どっちが萌奈か、分かっているからー」


そう呟くと、

拳を握りしめてー

義正は萌奈を殴りつけたーーー


誕生日を”答えた”

右側の萌奈をー


「--ぐあぁっっ!?」

椅子ごと吹き飛ぶ萌奈ー。


そしてー

その萌奈は、茶髪の男に変化したー


「ひゅううっ!」

金髪男もいつの間にか変身を解いて

口笛を吹いた。


「--俺の勝ちだ」

義正がそう言うと、

左側の椅子に座っていた萌奈を救出する。


「義正…」

萌奈が嬉しそうに義正に抱き着くー


「ど…どうして…!」

茶髪の男が叫ぶ。


「---萌奈に変身するぐらいだから

 必ず、萌奈の個人情報を調べてると思ったよ」

義正が言う。


”だから、誕生日を聞いたんだ”

とー。


「どういうことだ!?」

金髪男が言うー


萌奈は、複雑な家庭の事情で、

本当の誕生日を知らないー

萌奈を育てたのは、本当の両親でない。


とても複雑な事情でー

萌奈は誕生日を知らないのだー。

そして、”とても複雑な事情”は

萌奈にとってとてもつらいもので、

萌奈も自分の誕生日を知ろうとしなかったー


そうー

本物の萌奈は誕生日をしらないー


「---馬鹿な…」

茶髪男がわめくー


「ーーー約束通り、萌奈は返してもらうぞ」


義正の言葉に

金髪男が悔しそうに時計を見つめるー


そしてー


「---ざーーーんね~~~~~~ん!」と

叫んだー


「は!?」

義正が驚くー


!?!?


義正が抱いていた萌奈がーー

口ピアスの男に変化するー


「あっはははははははは!

 ざーんねん!

 お前は本物を見つけられなかった!


 正解は、二人ともぶん殴ることだよぉ!

 あははははははは!」


金髪男が笑う。


「な、、なに!?」

義正が驚くー


そしてー

金髪男はトイレの扉を開けたー


その中には、縛られたままの萌奈がいたー


「本物は、ここでした~!」

笑う金髪男。


もがく本物の萌奈。


「き、貴様!騙したな!」

義正が叫ぶ。


「騙してなんかいないさぁ~」

金髪男は笑った。


「ゲームのルールは簡単!

 今から10分以内に、本物の萌奈ちゃんを

 突き止めることができたら、

 お前の勝ちだ!

 でも、10分を超えたり、

 偽物の萌奈ちゃんを本物だと勘違いしたら

 お前の負け。

 どうだ?シンプルで分かりやすいゲームだろ?」


男の言葉を思い出すー


この男は一度もー

”どっちかが本物”とは言ってないー

”2人のうち、どっちかが本物”とは一言もー。


「--ふ、ふざけるなぁ!」


「約束通り、萌奈ちゃんは処分するぜ」

金髪男が笑うー


「---や、やめろ!やめろ!!!やめてくれ!やめろぉぉ!」

叫ぶ義正。


「た、、たすけて!!たすけてぇ!」

叫ぶ萌奈ー


・・・・・・・


「GAME OVER」

萌奈の家からニヤニヤしながら

三人組の男が出てくるー。


男たちは、別の姿に変身するとー

次のターゲットを求めて

歩き始めたー


金髪・茶髪・口ピアスの姿も

男たちの本来の姿ではないー。


次のゲーム相手を探して

彼らは闇に消えたー



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


久しぶりの他者変身モノでした~!

次のネタも既に完成していて(まだ書いてはいません!)

イメージ画像も出来ているので

そう遠くないうちに書ければ、と思います!


今日もありがとうございました~!

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