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”俺は、エッチなことになんて興味ないから”


いつもそう豪語している

クールな男子高校生・

川道 玲也(かわみち れいや)ー。


周囲の男子がエッチな話題をしている中、

玲也はいつもエッチには興味がない、と

そういう話題に入ろうとしなかった。


友達はそこそこ多いものの、

主に男子と話していることが多く、

必要があれば女子とも話すが

必要以上に女子と関わろうとしない。


イケメン…の部類に入る顔立ちで

あるものの、本人は恋愛をしようとせず、

彼女もいないようだ。


そんな彼が、今日は

町はずれの研究所に呼び出されていた。


”ポゼキド博士”という博士の

研究所で、謎の発明をよくしている博士だ。

たいてい、くだらないものが多いのだが、

案外役に立つものも混じっていたり

子供たちの面倒見も良いことから

この町の人間は、ポゼキド博士を慕っていた。


とある有名な博士と仲間が似ているのは

本人曰はく、たまたまだというが

恐らく、名前が浮かばずに、有名な博士を

もじって、適当に名を付けたのだろうー。


「--博士、またくだらないものですか?」

玲也はポゼキド博士の研究所に入るなりそう呟いた。


ポゼキド博士が玲也に気づいて振り返る。


「くだらないとはなんじゃ~?」

そう言いながら、笑うポゼキド博士。


「--…相変わらず、よくわからないものがいろいろありますね」

玲也が苦笑いしながら言う。


「---ふふふ、わしの発明品はいろいろじゃなからな」

そう言うと、ポゼキド博士は玲也に

飲み物を差し出した。


近くのテーブルに飲み物を置いて、

一息つくと、玲也は、学校帰りに持っていたカバンを

おろしながら呟いた。


「ところで、今日は…?」

玲也が言うと、ポゼキド博士はほほ笑んだ。


「今日、君を呼び出したのは、ちょっと聞きたいことがあるからじゃ」

ポゼキド博士が言う。


「聞きたいこと」

玲也が首を傾げると、ポゼキド博士が質問を始めた。


「きみ、彼女はいるか?」


「--いませんね」


「欲しいと思ったことは?」


「--ありませんね」


「女子に興味は?」


「--ありませんね。」


淡々と玲也が質問の答えを言っていく。


その淡々と質問に答える様子は

まさに”クール”と呼ぶにふさわしい姿だった。


「---嘘じゃな」


「は?」


玲也は思わず聞き返す。


”嘘”とはー?


玲也は苦笑いしながら呟く。


「なるほど。博士の今日の発明は

 あれでしょ?

 嘘発見器とか、そういいですんですね?」


その言葉にポゼキド博士は

ニヤニヤしながら首を振った。


「---違う。」

とー


「--玲也くんには彼女がおるじゃろ?

 それに、女子にも興味があるはずじゃ」


ポゼキド博士は決めつけるかのようにして言う。


「---え?」

玲也が表情を歪めた。


そして、

ポゼキド博士は机に何かを置いた。


女の子との恋愛を楽しめる

恋愛アドベンチャーゲーム

”ラブ・サプリメント”


”あなたに不足している愛を補給します♡”という

キャッチコピーの名のもとに発売された

ゲームソフトで、

10万本を超えるヒットを記録した作品だー


「ゲッ!」

玲也は顔を赤らめる。

クールの仮面ははがれた。


「-ゲームの中の彼女と毎日

 イチャイチャしておるじゃろ?」

ポゼキド博士の言葉に、

「ど、どうしてそれをっっっ!」と玲也は叫んだ。


「わしには何でもお見通しなのじゃ」

ポゼキド博士がほほ笑む。


玲也は、恋愛アドベンチャーゲーム

”ラブ・サプリメント”の大ファンだー。

恋愛に興味がないのは嘘で、

弥里(みさと)という彼女がゲームの中にいるため、

他に恋愛する気がないのだー


Hな話題に興味がないというのも嘘で

単にクールぶっているだけだったー


「---本当は、Hなことにも

 興味、少しはあるじゃろ?」

ポゼキド博士がむふふ、と笑いながら言う。


「-----」

玲也は机の上に置かれた

ラブ・サプリメントのゲームを見つめるー


「ところで博士。

 博士はどうしてこれを?」

冷静に戻った玲也が言うと、

ポゼキド博士は顔を真っ赤にして言った。


「こ、、これはじゃな、、、その、、拾ったんじゃ!

 ラブサプリメントなんてやったことないし、

 守子ちゃんとイチャイチャなんて…!」


ポゼキド博士はそこまで言うと、顔をさらに赤くした。


「守子ちゃん?

 へぇ。それが博士のゲーム内の彼女ですか」


玲也がニヤニヤしながら言うと

ポゼキド博士は「うるさいわい!」と叫んだー


・・・・・・・・・・・・・


「でーー本題じゃが。

 君に特別にわしが開発した最新鋭のマシンを

 経験してもらいたいんじゃ」


ポゼキド博士はそう言うと、

マッサージ器のような形状の椅子のようなものを

指刺した。


「あれは、なんです?」


「女体化マシンじゃ」


「え?」


玲也は驚く。


「人間は、生まれながらにして

 性別が決まっていて

 自分の好きな性別を選ぶことができない。


 わしも、きみもそうじゃ。

 

 男を選んだわけではなく、勝手にそう決められただけ。


 世の中には性転換の手術とかはあるが

 やはり、ハードルが高い。


 そこで、じゃ。

 わしが開発したこの女体化マシンを使えば、

 たった30分で女体化できるんじゃ」


「---!?30分で!?」

玲也は驚いた。


「科学の力で、女になれるんじゃよ」


「--それで、元に戻れるんですか?」

玲也が言うと、

ポゼキド博士は頷いた。


「もちろんじゃ。

 女体化したあとに男体化させることも

 できるんじゃ。

 優れモノじゃろう?」


「--これを…俺が…」

玲也は笑みを浮かべた。


「そうじゃ。女の子になって

 女の子の身体体験。

 してみたいじゃろう?」


その言葉に玲也は即答した。


「お断りします」


「--そうじゃろう、そうじゃろう、…って、え?」

ポゼキド博士が驚く。


驚くポゼキド博士に向かって、玲也は言う。


「--確かに女の子の身体になってみて

 いろいろ試してみたい気はするのですけど

 なんかやっぱり、不安で…。

 こういう機械って、絶対安心とは言い切れないじゃないですか。

 だから、今回はすみませんがお断りを-」


「弥里ちゃん風女子にもなれるぞ?」


「--やります」


玲也は、恋愛アドベンチャーゲームのキャラ風の女子に

女体化できると言われて、手のひら返しをした。


「--さすが玲也くんじゃ。

 じゃあ、さっそく、そのマシンに座ってくれ」


「はい!」

玲也は嬉しそうに叫ぶ。


それほどまでに

恋愛アドベンチャーゲーム、ラブ・サプリメントに夢中だった。


「---よ~しそれでは始めるよう。」

ポゼキド博士はそう言うと、スイッチを押した。


「うぉっ!?」

マシンが音を立てて起動する。

ベルトのようなものが起動して、

玲也の身体が固定される。


「おわわわわわ!?」

玲也が驚いていると、

レーザーのようなものが、玲也の頭に照射されるー


「のわああああああああ!?」

玲也の髪が、急激に伸びていき、

髪質が変わっていくー


「おおおお!?」

驚く玲也ー

サラサラの髪ー

綺麗な長い黒髪が出来上がったー。


女体化マシンが自動で回転したり、

高くなったり低くなったり、

まるで、遊園地の乗り物のような動きをしているー


目の前にある姿見に

玲也の姿が写るー。


まだ、髪だけ。

これじゃ、ただのロン毛の男だ。


「--次、いくぞ~!」

ポゼキド博士がそう言うと、スイッチを押した。


「むごっ!?」

ホットサンドメーカーかのように、

顔の形をした鉄のようなもので

顔を覆われた玲也。


「むぐっ!?うっ!?あぁ!?」


数秒で、その鉄が外れるー


一瞬にして、顔が女の子っぽい顔になるー


「うぉっ!?」

玲也が叫ぶー


声はまだ男のままだー。


そう思っていた直後、

アームのようなものが伸びてきて、

無理やり口をあけられたー


そしてー

細いパイプのようなものが出てきて、

玲也の喉にレーザーを照射する。


「---あああああああああ!?

 い、、あああああああ!?!?」


途中から、自分の声が女の子のような声に

変わっていくー


玲也は驚きを隠せないー


これで、首から上は完全な女子になったー


「すっ…すげぇ…!」


椅子が、倒れて、玲也は寝ころぶ態勢になる。


そして、ウィーンという機械音と共に

女体化マシンが変形し、

玲也の身体あたりのスキャンを始めたー


胸の場所に謎の装置が取り付けられる。


不気味な「ぶぉんぶぉんぶぉんぶぉん」という音が

響き渡り、胸を揉まれているような感じがするー


「むおおおおおおおおっ!?」


ポゼキド博士が嬉しそうに

その様子を見ているー


玲也は”こんな装置、いったいどうやって作ったんだ!?”と

ポゼキド博士の技術に驚きを隠せない。


ブォンブォンブォンブォン


ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ


がががががががががががががが


ーーー!?


ポゼキド博士が表情を歪めたー


装置が止まり、研究所の電気が全て止まる。


「ありゃ?」

ポゼキド博士が驚いて入り口のほうに向かう。


「--博士?どうしたんですか?

可愛らしい声で尋ねる玲也。


既に声は女の子のものになっている。


「いやぁ、すまんすまん。

 電力が高すぎたみたいで

 ブレーカーが落ちてしまってのお」


ブレーカーを戻すポゼキド博士。


しかしー


「ありゃ」

ポゼキド博士が女体化マシンの異変に気付くー


動作中に停電したことによってー

女体化マシンは、壊れてしまっていたー


「---お、、おおおおおおお!?」

ポゼキド博士が叫ぶ。


「えっ!?」

驚く玲也に向かって、

ポゼキド博士は、にっこり微笑んだ。


「いいニュースと悪いニュースがあるんじゃが…

 どっちから聞きたい?」


「----…悪いニュースから」

玲也はあきれたようにして言う。


「きみの使ってる女体化マシン、壊れちゃったみたいじゃ」


「-----」

玲也は唖然としている。


「--良いニュースは?」

玲也が言うと、ポゼキド博士はにっこり微笑んだー


「今後の研究課題が見えてきたようじゃ。

 まずは、ブレーカーのA数を上げないとじゃな!」


「--ふざけるな!」

玲也は可愛い声で叫んだー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「すまんのぉ」


ポゼキド博士が言う。


女体化が中途半端で

男に戻ることもできないー


玲也は、長い黒髪に

女性の顔、女性の声ーーー


でも、

下半身は男のままー

身体つきもまだ男のままで、

胸だけは出ているー


そんな状態になってしまっていた。


「まぁ、なんとかなるじゃろ」


「このマッドサイエンティストが!」

玲也は怒りに任せて叫んだ。


「髪は切ればいいし、顔はなんとかなるだろうし、

 ほら、マスクすればいいじゃろ?」


「む、、、む、胸はどうするんだよ!?声は!?」

玲也が言うと、

ポゼキド博士は答えた。


「--む、胸はじゃな……

 ちょっと確かめさせてくれ」


ポゼキド博士がそう言うと、玲也の胸を揉み始めた。


”元に戻す方法を確かめている”

そう思った玲也は我慢していたー


しかしー


「むふふふ…」


「---この変態じじいが!」

玲也はポゼキド博士を振り払うと

半分女体化したまま研究所から外へと

出て行ったー


「---はぁ…」

ポゼキド博士は一人残されて呟いたー。


「---ブレーカーが落ちたというのは嘘じゃ。

 途中で停電したらどうなるか、

 ちょっと試してみたかったんじゃ」


そう呟くと、

博士は一人、ほほ笑んだー



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


女体化マシンのお話でした~!

(途中で失敗しちゃってますケド…)


半分女体化したままの日常のお話は…

ご想像にお任せします~!


今日もありがとうございました!!




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