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高校2年生の細川 綾(ほそかわ あや)は、

学校から帰宅すると、少し疲れた様子で弟の部屋を見る。


弟で、高校1年生の細川 直人(ほそかわ なおと)は、

引きこもりだー。

とにかく面倒臭がり屋で、

直人は次第に学校に行かなくなり、

部屋に引きこもるようになってしまったのだ。


綾は、そんな直人を心配して、

何度も励ました。

けれど、直人は一向に外には出ようとしなかった。


このままでは、直人は退学になってしまうし、

直人の身体にも良くないー。


姉として、何か弟にしてあげられることは…


そんな風に考えていた時だったー。


”入れ替わり”と出会ったのはーーー


・・・・・・・・・・・・・・


2週間前…。


綾は偶然、スマホでネットをさまよっているときに

”それ”を見つけたー


”入れ替わりの水晶玉”

他人と自分の身体を入れ替えることのできるものだー。


綾は最初、失笑したー。

限定1個の販売で、999円ー。

絶対に、人と入れ替われるはずなんてない。

出品者も新規出品者で、明らかに怪しかったために

999円という破格の価格設定ながら

誰もその水晶玉を相手にはしていなかった。


綾もそうだー。


だがー

引きこもり生活を続ける弟を見て、

綾は”もしも本物だったら…”と

意を決して、その水晶玉を購入したのだったー


そしてー

その水晶玉は、驚くことに”本物”だったのだー

夜中にこっそりと試してみたところ、」

本当に入れ替わったのだー。


・・・・・・・


「ーーーえ?入れ替わり?」


「--そう。どうせ直人、部屋から出ないんだし、

 わたしの身体好きにしてていいから

 入れ替わってみようよ」


綾は、直人に”入れ替わり”を提案した。

突然の提案に、直人は驚くー。


「--」

部屋中が散らかっていて、髪の毛はぼさぼさの直人。

部屋に引きこもる日々が続いているからか、

不健康そうに見える。


弟の直人は、ちょっとHなアニメや

ゲームも大好きだー。

綾は、自分の身体を差し出せば入れ替わりに

乗ってくれると思っていた。


しかしー


「俺、三次元には興味ないし、

 お姉ちゃんの身体には興味ゼロ」


ガン!


綾はショックを受けたー

これでも一応高校では可愛いと言われてるんだけど!

と内心で思いながらー


「--ほら、でもさ、、、直人、

 ちょっとHなゲームとかやってるでしょ!

 わたしの身体になれば、そういうゲームの

 あんなことやこんなことを試したりもできるよ!」


綾が必死に言う。


「姉さんって、痴女?」

直人が真顔で言う。


「ち、ちがっ!」

綾は顔を赤くしながら叫んだー


綾はエッチ目的で入れ替わりたいんじゃない。


「--はぁ」

綾はため息をついて、素直に本当に目的を言うことにしたー


弟の直人は定時制高校。

つまり、夜間に授業をする。


綾は普通高校ー。


綾は、こう考えていた。


まず、綾がいつも通り普通に学校に行く。

綾の学校は夕方4時ぐらいには終わるから

そのままなるべく早めに帰宅するー。

そして、6時からの弟の学校に行くために、

帰宅したら綾と直人が入れ替わ入れ替わって、

今度は直人の身体になって、直人の学校に行くー。


こうすれば、

綾も、直人も学校に行ったことになる。


本当は、直人が自分で復帰してくれるのが

一番良いのだが、

なかなかそうはいかなそうだし、

かと言って、このままにし続けていれば、

直人は退学になってしまうし、

復帰が難しくなってしまうー。


だからー

綾は決めた。

昼間は自分の身体で、夜は直人の身体で

行動し、”一人二役”をしようとー。


「え~~~…」

直人が面倒くさそうに言う。


「俺、外には出たくないんだけど…」

そう言う直人に、綾は言う。


「だから~直人の身体でわたしが学校に行くの!

 直人は、わたしの身体でずっと部屋で

 のんびりしててもいいから!

 

 それならいいでしょ?


 このままじゃ、直人、退学になっちゃうし、

 身体にもよくないから!」


その言葉に、

直人はしぶしぶとうなずいたー


そしてー

ふたりは入れ替わるー


綾は直人に、

直人は兄なった。


「--…わわわわ…マジで入れ替わるのかよ…」

綾になった直人は一転して暗い表情になる。


「--わわ…!すごい~」

直人になった綾は逆に引きこもりとは思えないぐらいの

笑顔で自分の身体を見つめているー


「はぁ~あ…」

綾になった直人は面倒臭そうに

あくびをすると、そのまま毛布に包まるー


綾の身体を楽しむ気は全くなさそうだー。


「--も~!」

直人(綾)は、

自分のなまけた姿を見て少し苦笑いしながらも言った。


「じゃあ、、直人の代わりに直人の身体で

 学校に行ってくるからね。」


直人(綾)は言う。


こうすることでー

直人が学校から退学にならないようにするー。


そして、直人が学校にもう一度行く気になってくれるまでー。


「--」

綾(直人)は迷惑そうに、頭をかいたー。


「何が目的だか知らないけど、

 どうせすぐ飽きるでしょ。

 高校とは、つまんないし」

綾(直人)は、いつも絶対浮かべないような

退屈そうな表情でそう答えたー


「--…(って、わたし、そんな面倒くさそうな

 表情もできるんだ)」


直人になった綾は内心で

そう思いながら、学校に向かったー


それがーーー

初めての入れ替わりの日だったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「--も~~~!!!」


あれから2週間

直人(綾)は帰宅すると

綾(直人)の姿を見て、あきれ顔で言う。


綾(直人)は、部屋で

お腹を出した状態で、

ぐーぐーと寝ていた。


「--一応、わたしの身体なんだから、

 もうちょっとその…ね?」


直人(綾)が言うと、

寝ぐせがついたまま綾(直人)が言う。


「--だって姉さん、最初に入れ替わったときに

 好きにしていいって言ったじゃん…」


綾(直人)の言葉に

直人(綾)は「あのねぇ…」と呟くー。


弟は、あれから2週間が経過しても、

一向に学校に行こうとはしてくれないー

何も変わった様子は、ない


「---……じゃあ、元に戻ろっか」

直人(綾)が言うと

綾(直人)も頷くー。


水晶玉に手をかざして、二人は入れ替わるー


「は~~戻った~」

綾がそう言うと、さっきまで笑顔だった直人は

とたんに愛想の悪い顔になって、

毛布に包まって、眠り始めたー


「も~」

綾は苦笑いしながら直人の部屋から

外に出るー。


本当に、このやり方が正しいのかは分からない。

けれど、弟思いの綾は、なんとか直人を

立ち直らせたかったー。


ただ面倒がっているだけか。

それともー。


いずれにせよ、このままこの生活を続けることで、

直人が高校を退学になることはなくなる。


それにー

直人は口を閉ざしているが、

もしかしたら学校でいじめがあったのかもしれないー

それが、不登校の原因なのかもしれない、と

綾は考えていた。

直人の身体で登校していれば、

不登校の理由もわかるかもしれないー。


・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


「-あぁぁぁ~寝坊しちゃった」

綾がドタバタしながら学校の準備をするー


「----」

そんな様子を弟の直人は

部屋から聞いていたー。


実はーーー

直人は、綾の身体でエッチなことをしているー


”興味ねぇ”と

最初に入れ替わる前に言った手前もあるし、

言ってなかったとしても、絶対に姉には言えないが、

エッチなことを入れ替わっている間にしているー。


入れ替わりを始めてから、実はエッチな衣装も

少しだけネットで購入して部屋に隠してあるー


綾の身体でチャイナドレスを着てエッチをしたり

しているのだー。


最初はそんなつもりはなかった。

でも、いざ、入れ替わってみると

やっぱり姉も女だったー。

その身体に次第に興奮した直人は

自分を抑えられなくなったのだー


姉が最近疲れているのは

そのためだろうー

綾の身体に無駄に体力を使わせているのだー。


「----」

直人は、必死に学校の準備をし続ける

姉の騒がしい音を聞きながら

部屋でゲームを始めるのだった。


・・・・・・・・・・・・・・・


「おはよ~」

何とか学校に間に合った綾は

周囲と雑談をするー。


綾は、午前中は、自分の姿で

自分の高校に通っているー


「綾…なんか、歩き方変だけど?」

友達が言う。


「え!?あ、ご、ごめん」

綾が顔を赤くして返事をする。


「い、いや、別に謝らなくてもいいよ~」

友達が苦笑いしたー


ついつい”男子モード”で歩いてしまったー。

毎日女子になったり、男子になったりしていると

どっちがどっちだかわからなくなってくるー


まるで、自分が2つの人生を同時に

満喫しているかのような

そんな不思議な感覚になるー


「--綾!そっち男子トイレ!」


「あっ!ごめ~ん!」

綾は苦笑いしながら女子トイレのほうに向かう。


そして、女子トイレに入ると

深呼吸したー


「--ふぅ…直人モードになっちゃう…

 気をつけなくちゃ」


そして、トイレに入りながら思うー


(う~ん、トイレは男子の方が楽かな~!

 でも、わたしの身体でさすがにたったままは

 無理だからね…)


綾は、”こんなこと考えるなんて

お嫁さんに行けなくなっちゃうよ~”と内心で

苦笑いしながら、この後のことを考えたー。



放課後ー


「またね~!」

綾はすぐに下校するー。

美術部に所属しているが、最近、綾は

ほとんど部活の活動に顔を出せていない。

顧問の先生や仲間には”家庭の事情”と伝えてあるー


綾は寄り道せずにまっすぐ帰宅したー。


”最近、付き合い悪くない?”なんて

友達に言われてしまうことも増えてしまったがー、

それでも弟のためー。


4:50-

帰宅すると、綾は直人の部屋の入るー


「--あ、姉さん」

直人が言うと、

綾は「さ、入れ替わるっか」とほほ笑む。


そして、入れ替わる二人。


綾になった直人はドキドキしているー

自分のお姉ちゃんということもあり

性的な目で姉を見たことはなかったが、

入れ替わってからは気持ちが変わったー


今日も、姉が出かけたあと、

姉の部屋に忍び込んで制服を着て

エッチするつもりだったー


ドキドキしながら直人は、

「行ってらっしゃい」と呟いて

そのまま部屋の毛布に包まったー


・・・・・・・・・・・・・・・・・


定時制高校に到着した

直人(綾)


トイレの前で立ち止まり、

深呼吸をする。


「今は直人だから、男子トイレ」


そう呟いて、直人(綾)は頷くと

そのままトイレに入ったー


トイレには茶髪の柄の悪そうな男と、

他に2名の男子生徒がいたー


そしてー

茶髪の男がトイレを終えて

入ってきた直人(綾)に気づいたー


「あ?オメェ…また登校し始めていたのかー」


直人(綾)は、嫌な予感を覚えるー

弟の直人と、この男子生徒は、何か関係があるのかもしれないー。


ーと。


その男は、

直人の先輩にあたる3年生の生徒ー

辻上 丈(つじがみ じょう)-。

この男こそ、弟が不登校になった原因のひとつだったー。



②へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


3月最初のお話は入れ替わりでした~!

入れ替わりの力を駆使しながら、

姉として、弟として、一人二役をこなすお姉ちゃん!

今日はそのプロローグ的な部分でした~☆


本番(?)の

続きはまた近日中に~☆!


今日もありがとうございました!!



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