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健二は職員室へと駆け込んだ。


図書委員の担当の先生・藤松先生が

駆け込んできた健二に驚く。


「ど、どうしたの?」

藤松先生が首を傾げる。


藤松先生は、若い女性教師で、

ほんわかとした雰囲気の先生だ。


「せ、、先生、、陽菜が、、陽菜が

 クラゲに乗っ取られて…あの、、その…」

健二はどう説明していいか分からず

戸惑ってしまう。


藤松先生は戸惑っている。

「ど、どうしたの?くらげ?」


「--と、、とにかく陽菜が大変なんです!」

健二は叫んだー。


口で説明しても笑われるだけだろう。

陽菜を助けるためには、先生に直接職員室に

来てもらうのが一番早い気がする。


「--う、、うん?」

藤松先生は戸惑いながらも、図書室についてきてくれることになったー


職員室に向かう途中ー

慌てて走る健二は、廊下で体育教室の郷坂先生とすれ違ったー


「どうした?そんなに慌てて」

郷坂先生の言葉に、健二は答える。


「図書室で陽菜がクラゲの生き物に襲われて…!

 大変なんです!」


健二が叫ぶと、

郷坂先生は「はぁ?何言ってるんだ?」と言いながらも

なんだかんだで、健二についてきてくれることになったー


図書室を目指す3人ー


郷坂先生が、健二から話を聞きながら笑う。


「おいおい…

 クラゲが赤崎の体を乗っ取ったって?」


「そうなんです…と、とにかく…!

 図書室へ!」


図書室の前にやってきた健二と2人の先生。


郷坂先生は、木の棒を持っているー。

藤松先生は、郷坂先生の後ろに隠れるようにしてー。


「---」

健二が深呼吸して、図書室の扉を開けるー。


「--陽菜!」

けれどー。


図書室に入ると、陽菜は普通の様子で本を

読んでいた。


「あれ?どうしたの?」

陽菜がほほ笑む


「え…あ、、あれ…クラゲは?」

健二は戸惑う。


棒を持っていた郷坂先生が

苦笑いすると

健二のほうを見て言った。


「おい石川!悪戯かよ!

 かんべんしてくれよ…」


郷坂先生が頭をかく。

藤松先生もほっとした様子だ。


「え?どうしたんですか?」

陽菜が先生に笑いかける。


「・・・・・・いや、石川の悪戯だよ

 ったく」

郷坂先生はそう呟きながら呆れた様子だ。

郷坂先生と藤松先生は頷き合うと、

そのまま立ち去っていく。


ふたりの先生が立ち去っていく中

健二は不安を覚えるー


”さっきの光景は?”


「ひ…陽菜」

健二が陽菜の方を見ると、陽菜は笑った。


「夢でも見たんじゃないの~?」

とー。


「え…で、、でも…」

健二が戸惑いながら陽菜のほうを見る。


「---ふふふ」

陽菜は笑うー。


そして呟いた


「下等生物なんて…馬鹿ばっかり」

陽菜が邪悪な笑みを浮かべる。


「え……陽菜? 今何て?」

健二は思うー


”僕の空耳であって欲しい”


とー。


だがー


「アンタらが下等生物って言ったのよ!」

陽菜が健二を罵倒した。


「…や、、やっぱり…

 ひ、、、陽菜…しっかりしてよ!」


健二が叫ぶー


だがー

同時に、違和感も感じていた。


さっきまで陽菜はうつろな様子で話していた。

だが、今は人間らしい、生き生きとした表情を

している。


これは、、一体…??


「…下等生物が…理解もできないのね」

陽菜がバカにしたように笑う


「いい?我々はお前たちとは違うの。

 最初は人間に入り込んで思うように同化が

 進まなかった。


 でもね?

 この体に入り込んでからもう1時間近く経つ。


 それだけあれば、

 同化も進むのよ。


 今ではこの女の記憶も全部引き出せるし、

 お前ら下等生命体の言葉も完全に理解できる


 そういうことよ」


陽菜が言い終わると、同時に健二は叫んだ。


「陽菜を返せ!

 陽菜はどうなったんだ?」


健二が言うと、陽菜は笑った。


そして、頭をつんつんとつつきながら言う。


「言ったでしょ…同化って?


 お前らみたいな下等生命体は

 我々には敵わないの。


 同化する過程で本来の陽菜は消えたわ。


 これからは私が陽菜として、

 お前ら下等生命体を家畜にしていくの


 あは、はははははは!」


陽菜が笑い始めた。

目に涙を浮かべながら

狂ったように笑い続ける陽菜ー。


「そ・・・そんな!陽菜を・・・」

そこまで言うと、健二の体が突然動かなくなった。


「え・・・」

健二は戸惑う


「下等生物が…いい加減にしなよ。

 頭が高いよ」


陽菜は本来の陽菜とは全く違う、

強気な様子で健二に言い放った。


「そこでおとなしくなさい。

 私はこれで失礼するわ」


そういうと、陽菜は笑みを浮かべて図書室から立ち去って行こうとするー。


しかしーーー

「----聞いたぞ!」


郷坂先生だったー

立ち去ったフリをして、郷坂先生は図書室の扉の外で

話を聞いてたのだったー。


「--ご、郷坂先生!」

健二が叫ぶー。


脳筋だと思っていたけれど、

そんなことなかったー!


”郷坂先生、ごめんなさい”と

健二は内心で叫びながらー

成り行きを見守るー


「うちの生徒の身体を乗っ取るとは

 いい度胸だな!

 俺が指導してやる!」

郷坂先生がそう言って、

陽菜の手を掴むー


しかしー


「邪魔だ!下等生物!」

陽菜は大声で叫ぶと、郷坂先生を睨んだー


郷坂先生が、図書室の入り口付近から、図書室の奥の

本棚まで吹き飛ばされるー。


「郷坂先生!」

健二が叫ぶー


「ふん。この身体はもらっていくぞ」

陽菜はそう言って、健二のほうを見て

挑発的に笑うと、そのまま立ち去って行ってしまったー。


「陽菜ーーーーーー!!!!」


宇宙人の力で金縛り状態の健二にはーー

叫ぶことしかできなかったー。



30分後…

やってきた藤松先生に健二は助けられた。


「いてて…」

郷坂先生もケガをしていたものの無事だった。


でも、、陽菜は…


健二は己の無力さをかみしめて、拳を握りしめたー。



④へ続く


・・・・・・・・・・・・・・


コメント


原作がとっても短いので、

郷坂先生と藤松先生を追加して、

少し長くしてみました!

これでも短いですけどネ…汗

(いつものように、短いお話なので100円プランでも

 読めるようにしてあります)


今日もお読み下さりありがとうございました!!

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