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ごく普通の日常ー

ごく普通の家庭ー


今日も、ごく普通の1日が終わるー。

帰宅して、制服姿のまま自分の部屋で一息つく

女子高生。


「ふ~疲れた~。

 あ、そうだ、明日、みっちゃん、ちゃんと来れるかな~」

友達との約束事の相談をしようと携帯を手にしたその時だったー


「---うっ!?」

突然、彼女はビクンと震えて携帯を床に落とすー


そしてー

不気味な笑みを浮かべて鏡を見つめたー


「くっくくくく…まさか本当に憑依できちゃうなんて…」

少女は笑いながら自分の胸を両手でつかんで

揉み始めた。


「あははははは…あはは♡ さいこう!ひひ・・・

 気持ちいい…あはっ!あははははははは♡」


スカートの中に手を突っ込んで

足や下着を撫でまわすー


よだれを垂らしながら髪の毛のにおいをかいだり

ペロペロと舐めたり。


「あ~ははははははははははっ♡」


何者かに憑依された少女の

ごく普通の人生は、そこで終わったー


それはーーー

20年以上前の出来事ー


・・・・・・・・・・・・・・・・


「---ふ~♪」

女子大生の円花(まどか)は、

成人式の日を迎えていた。


優しい父親と母親に囲まれて

元気に明るく育った円花ー


高校時代は少し反抗的に

なってしまったこともあったけれど

大学生になり、成人した今となっては

それも笑い話。


今は両親に感謝しているし、

これからは、自分が両親を支えていきたい。

そんな風に思っていたー


「--……」

母親の久美(くみ)が円花のほうを見つめるー。


円花の成長した姿を見て喜ぶ母親の表情ーーー

とは、少し違った。

何か複雑そうな表情をしている。


「---…円花…

 ちょっと、話しておきたいことがあるの」


母・久美は、意を決した様子で

円花を呼ぶ。


「どうしたの?お母さん」

円花が母親のほうを見ながら返事をすると、

久美は神妙な面持ちで、円花を見つめる。


これから話すことを話すべきか、

それとも話さないで心の中にとどめておくべきかー。

そんなことを考えている表情だった。


「---………円花…」

久美は娘の頭をなでると

深呼吸をして、少し涙ぐみそうになりながら

口を開いたー。


円花もそんな母の表情を見て、

”ただ事ではない話”なのだと、覚悟を決めるー。


そして、その話は、円花の予想の斜め上を行く話だったー


「実はわたし…あなたのお母さんじゃないの…」

母・久美が衝撃の事実を口にしたー。


「--えっ!?」

円花は思わず声をあげたー


「---……ど、、どういうこと?」

円花が戸惑いながら答えると

久美は、言葉に迷っている様子だったー


久美は現在、39歳ー。

40を目前にした今でも、

とてもきれいにしていて、

若く見られることも多いー


母である久美が18歳のときに

4つ年上の夫、正樹(まさき)と結婚し

1年後、久美が19歳のとき子供を出産したー。


円花は、そう聞いているー


「え、、えと…実はわたしは捨てられていた赤ん坊で

 お母さんが拾ってくれた、とかそういうこと?」

円花は少し戸惑いながらも

表情に出ないように、笑みを浮かべながら呟いたー


「---違うの」

母親の久美は振り絞るようにして呟く。


「違う?」

円花はさらに戸惑うー


久美は育ての親で

自分には別の母親がいる、とかそういうことなら

まだわかる。


が、違うとはいったい…?


「--円花が、わたしの身体から生まれたのは

 事実…」


「--え、、じ、じゃあ、お母さんは

 お母さんじゃないの?」

円花は言うー


母・久美のお腹から生まれたのに

久美がお母さんじゃないとはどういうことなのか。

全く意味が分からない。


「--わたしは…」

久美は言葉を詰まらせる。


「--わたしは…久美じゃないの」

母・久美の言葉に、円花は凍り付くー


「え……な、、なになになに?

 ちょっとお母さん、何が言いたいのか

 分からないんだけど!?」

円花が苦笑いしながら言うー


そんな円花のほうを見ながら、

久美は写真と、容器を机の上に置いた。


ひとつはー

学校の写真ー

クラス写真だろうか。


もうひとつはー

謎の錠剤が入った容器ー

まるで、風邪薬のようなやつだ。


「--これは…?」

円花が首を傾げる。


「--と、というか、久美じゃないって…

 どういうこと?

 お母さんの名前は実は久美じゃなくて

 加奈子でした~!とかそういうノリ?」

円花が笑いながら言う。


もっと重い話なのは

母の表情を見ていれば分かるー。

けれども、重い話を聞くのが怖くて

円花は明るく振舞ったー。


母の久美は、自分の身体に手を

触れると静かに呟いた。


「いいえ…”身体”は久美…

 と、言った方がいいのかな?」


久美は苦笑いするー。


そして、学校の写真ー

そこそこ古い感じの写真を指さして

久美は笑った。


「--わたしの高校時代ー。

高校2年生のときのクラス写真ね」


そう呟く久美。


母の小さいころの写真は

何度か見たことがある。

とても可愛らしくて、きっと当時はモテたんだろうな、と

娘の円花はそう思っている。


「そうなんだ~!

 あ、お母さんここにいる~!」

若いころの久美を見つけて円花が笑う。


「---ちがう」

母の久美は静かに呟いた。


そしてー

久美から離れた場所にいる男子ー

ちょっと小太りでさえない感じの男子を指さして

久美は言うー


「これが、、わたし…」


とー


「は!?ど、どういう意味?」

まったく意味が分からない。

母はここに写っているはずー

なのに、別の男子を指さして「これが、わたし」とは?


円花の頭の中には

「?」マークが大量に発生していた。


「--わたしは、、その男子なの」

母・久美が呟く。


「い、意味わかんないけど?お母さん?どうしたの??」

円花は困り果てた様子で言う。


何の話をしたいのか、まったくわからないー。


「---…高校時代… 

 わたしはこれを使って、この女の身体を

 乗っ取ったの」


「--!?」

円花は目を見開く。


久美が持っているのは、錠剤の入った容器。


「え……な、、なに言ってるの…?」

円花は唖然としている。

言葉が詰まるー

身体が震えるー


そんなことって、

本当にー?


「---…憑依薬…」

母・久美は、そう呟いて目を瞑ったー


・・・・・・・・・・・・・・・・・


22年前ー


久美がまだ高校生だったころー

クラスメイトの男子・史郎(しろう)は、

久美のことが密かに気になっていたー


だがー

史郎は素行が悪いことあり、

クラスでは孤立気味な生徒だった。


真面目で優等生な久美との

接点は”ない”に等しかった。


そんなある日ー

史郎は思い切って久美を呼び出した。


久美に告白するためだー


しかしー

結果はーー

失敗だった。


「--ごめんなさい」

久美は困り果てた表情でそう呟き、

頭を下げたー。


「---…」

失恋ー

史郎は失恋して、さらに荒れ果てていたー。


それから1週間ー

放課後に地元のワルたちと

遊んでいた史郎は、

不良仲間のひとりにあるものを

見せてもらったー


それがー

”憑依薬”と呼ばれる薬だったー。

他人の身体を乗っ取ることができる薬。


不良仲間の祖父の蔵から見つかったもので

どのようにつくられたのか

本当に憑依できるのかもさだかではないー


けれどー

久美に振られて呆然としていた史郎は

その憑依薬を受け取ったー


”俺を振ったあの女を乗っ取ってやるぜ”


とー。


「もしも成功したら、お前らに

 やりたい放題させてやるからなぁ~!」

史郎はそう宣言して、憑依薬を手に自宅へと

戻っていった。


そして、憑依薬を使ったー


憑依薬は本物だったー。


「あ~ははははははははははっ♡」

久美は、絶対に本人がしないような

歪んだ笑みを浮かべて大笑いしたー。


憑依に成功したあの日ー

久美に何度も何度も

「史郎くん…大好きです…!」と口にさせたー。


服を全部脱ぎ捨てて

夜中になるまで狂ったように

エッチなことをしまくったー


「久美はおれのものだー!」

これからは、久美として

女を存分に堪能する人生を

送ってやるー


史郎はそんな風に思ったー


そしてー

久美はその日から豹変したー


学校では不真面目な態度を見せるようになり、

周囲のクラスメイトたちは困惑ー。

女の身体で夜の街を歩く、

不良仲間とエッチをしまくり、

時には女の身体で喧嘩にも明け暮れたー。


やがてー久美は補導されてしまう。


両親も、久美が豹変したことに戸惑い

そして、泣きじゃくっていた。


それでも、久美に憑依した史郎はやりたい放題だった。


ある日ー

煙草を吸いながら不良仲間と話していると、

不良仲間の一人が、突然久美に襲い掛かった。


「中身がお前ってわかっていてもよぉ!

 ゾクゾクしちゃってよぉぉ~!」


無理やり乱暴しようとする久美。


「やめろよ!触れるんじゃねぇ!」

久美は乱暴な口調で叫ぶー


しかしー

他の不良たちも思いは同じだったのか、

一斉に久美を襲い始めたー


「やめろ!おい!」

久美は可愛らしい表情を歪めて

大声で怒鳴るー


不良仲間たちの間でも

史郎の力は強い方だった。


だがー


「--!!」

久美の身体に憑依したことで

”無力”になったことを知るー

力が全然違うー


なすすべもなく抑え込まれる久美。


悲鳴をあげる久美。

胸を触られて

あちらこちらを触られて

喘いでしまう久美ー


”くそっ!くそっ…!やめろ!”

久美は叫ぶー


やがてー

久美の鳴き声と喘ぎ声が

響き始めるー


「やめてぇ!」

久美に憑依してから1か月半のことだったー

女子としての振る舞いも少し身についてきていたのかもしれないー

少し、久美の身体に憑依した史郎の意識も

影響されはじめていたのかもしれないー


「おい!なにしてるんだ?」

背後から声がしたー


それがー

後に久美の夫になる男ー

当時、大学生だった正樹だった。


偶然、大学の友達と一緒に街を歩いている際に

久美が不良たちに襲われているのを見つけた正樹。


正樹は、柄の悪い不良たちを前にひるむことなく、

その不良たちー

久美に憑依している史郎の仲間たちを

追っ払った。


「あ、、、、ありがとう…」

久美は顔を赤くして目をそらす。


まさか、この少女が、史郎という男に憑依されているなどと知らない

正樹は、優しく手を差し伸べたー


”いいおもちゃを見つけたぜ…”

久美に憑依している史郎は、このときはそう思っていたー


・・・・・・・・・・・・・


「-----」

話を聞いていた円花は、言葉も失って

母・久美の話を聞いていた。


「それが、わたしと正樹…

 お父さんとの出会いだったの」


そして、久美はさらに続きを語り始めたー



②へ続く


・・・・・・・・・・・・


コメント


母親から「実はあなたは…」と打ち明けられる

よくある(?)エピソードを憑依モノにしてみましたー!


こんなこと急に言われたらびっくりしちゃいますネ!

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