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石川 健二(いしかわ けんじ)は

ごく普通の高校生ー。

特にいじめられたりはしていないし

クラスメイトとの交友関係もそこそこだ。


どこにでもいそうな、

ごく普通の少年ー

そんな印象を受ける。


そして最近、彼には彼女が出来た

赤崎 陽菜(あかさき ひな)ー。


大人しい性格で真面目な彼女と、

図書委員として活動しているうちに、

なんだか互いに惹かれあって、

自然と付き合うことになったのだった。


「まさか、僕に彼女ができるなんてナァ…」

健二は感慨深そうに呟く。


自分に彼女ができるなんて思ってもみなかった。

いまの時代ー、

ごく普通に趣味や友人を優先していると、

なかなか彼女なんてものはできないー

実際に、健二のクラスにも

彼女がいない(自称)は結構多い。


「あ、僕 俊太にモノを貸す約束があるんだった」

一人呟く健二。


俊太というのはクラスメイトの友人だ。


一緒にいた陽菜が健二のほうを見る。


「あ、じゃあ、図書室の戸締りは私が

 しておくから、先に行ってて!」


陽菜が笑いながら言う。

今日も、いつものように図書当番で

ふたりの時間を過ごしていたのだった。


健二はほっとした様子で笑う。


「ありがとう、助かるよ!

 じゃあ俊太に教科書渡したら、昇降口で

 待ってるからね!」


そう言い、健二は手を振りながら図書室から立ち去った。


このあと、

とんでもないことが起こるとは、

夢にも、思わずにー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「----ありがとう!

 いやぁ~昨日、妹が俺の教科書濡らしちゃってさ~」


俊太が言う。


”妹が兄の教科書を濡らした”

いったいどんな状況だよ、と健二は

突っ込みたくなったが、

話しがややこしくなりそうだし、

関わっても良いことがなさそうなので、

その言葉を口にすることなく、飲み込んだ。


そして、健二は俊太に教科書を渡すと

そのまま昇降口で、陽菜の到着を待った。


しかし、30分経っても、陽菜は、やってこない。


「ん~変だな。何かトラブルかな~?」

図書室の戸締りの際に、

何か問題が発生したのではないかと

健二は少し不安になり、

再び図書室へと引き返していくことにしたー。


図書室の前までやってくる健二ー。


ふいに、図書室の中から聞こえる声に気づくー。


「あ・・・・・・あ、、、は、、はい…」

陽菜の声だ。


どうしたのだろう?


そう思いながら、健二は、

図書室の前で様子をうかがう。


先生か、あるいは先輩かー

誰かに怒られているのだろうか。

陽菜の声はそんな感じの声に聞こえたー


「…はい、、私は・・・あなたのものです・・・はい」


???

何を話してるんだろう?


ー健二は、少し様子がおかしいと感じた。

陽菜の声のトーンが少し変だ。

それに、”わたしはあなたのもの”とは

どういう意味だろうか?


健二は、心配しながら

図書室を覗いた。


すると、そこにはクラゲのようなカタチをした

謎の人型の生命体が立っていた。


「な・・・なんだあれ…?」

見たこともない奇妙な存在を目にした健二は、

困惑するしかなかった。


着ぐるみ?

そうか、劇か何かの練習か!?


健二はそんな風に思うー。


でも、陽菜は演劇部じゃないし、

劇の予定なんてー


もう一度図書室の中をこっそりと覗く健二ー。


するとー、そこには、人型のクラゲのような物体と

陽菜がいたー。

陽菜の目は、なんだか輝きを失っていて

虚ろ目になっているように、見える。


そして、その生き物は

陽菜の耳に触手のようなものをねじ込んでいる。


「あっ・・・はい、、、はい♡

 どうぞ・・・お好きにしてください」


陽菜が言う。

少し陽菜がビクンビクンと震えるー


陽菜の表情が見えた。

その表情にはー

今まで陽菜が見せたこともないような

不気味な笑みが浮かんでいたー。


まるで、快楽に溺れているかのような、

そんな笑みだ。


健二は咄嗟に図書室の中に飛び込んでいた。


「お、、おい!クラゲ!

 陽菜に何をしている」


名前が分からないー

とりあえず、健二はクラゲ!と、謎の物体を呼びつけた。


そう言うと、陽菜がぎこちない動作でこちらを見た。


まるで、ロボットかのようにー


「・・・・・・はい、、彼は・・・

 石川健二… はい、、、

 下等生命体です」


下等生命体!?

健二が驚くー


陽菜は健二を見ても一切反応を示さず、

意味の分からないことを口走っている


「おい、陽菜!しっかりしろ!」

健二が叫ぶと、クラゲが突然、陽菜の耳の中に

吸い込まれるようにして入って行ってしまった。


「あぅっ♡」

陽菜が顔を赤らめながら、ぶるっと震えるー。

そして、スカートの中からボタボタと何かを垂らしたー


お漏らしー…??


「ひ・・・陽菜…」

健二が言うと、陽菜はこちらを見て言った。


「同化完了しました・・・

 あなたが石川健二ですね」


陽菜が機械的な口調で言う。


「……そ、、そうだけど、、

 陽菜は!陽菜はどうなったんだ!?

 お、、お前は!?」


健二が言うと、陽菜はうつろな目のまま答えた


「ワタシは・・・宇宙から来ました」


ーと。


宇宙人なんて、いないと思っていたー。

そう、この日まではー。



②へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


私の初期作品のひとつですネ…!

いつも書いている通り、初期作品がベースなので

分量がいつもより少なくなってしまっているので、

100円プランでも読めるようにしてあります~


これを書いている頃は、こんなに長く

色々な小説を書くなんて夢にも思ってませんでしたし、

何があるか分かりませんネ…!


この頃と同じように、私自身も楽しみつつ、

少しでも皆様にお楽しみいただければ…という

気持ちを大事にこれからも頑張りますー!


今日もありがとうございました★

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