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変わっていく加奈。

もはや美優にそれを止めることなどできなかった。


加奈は本当にあの、逃走していた犯罪者と

意思が混ざり合ってしまったのだろうか。


いま、いる加奈は誰なのか。

加奈なのかー

それともあの犯罪者なのかーーー


いや、、違う。

二人が混ざり合って、まったく違う人間に・・・


美優は、変わりゆく加奈を必死に

元に戻そうとしていたー


けれど、昨日、

加奈に言われたことが、美優の心に

突き刺さっていたー。


「私さ、ずっとアンタのことうざかったんだよね。

 影に隠れるようにしてたけど、ずっとずっと、ずっと。

 ずっと我慢してたの。

 私ってホラ、優しかったから人に遠慮して生きてきたでしょ?

 でも幸雄と混ざって、全部馬鹿らしくなっちゃった♪」


加奈の言葉に傷つく美優。

やっとの思いで口を開いた美優は言う


「私は・・・今でも加奈のこと・・・」

そこまで言うと加奈は美優を睨んだ


「あ、勘違いしないで。

 アンタのコト、うざかったのは元からだから。

 幸雄と混ざる前から、ずっとずっと

 思ってたことだから」


・・・。


その言葉が頭から抜けない。

あの優しかった加奈が本当にそんなことを思ってたのだろうか。


美優はー

”もともと加奈が心の中で思っていたことなのか”

”犯罪者と混ざり合ったことで、加奈の考えが変わったのか”

分からずに困惑しているー。


美優は呟く。


「加奈…」


もう元の加奈には会えない。

永遠にーーーー。


美優は涙をぐっとこらえた。


翌日ー

不良生徒の純一が、美優のことを呼び出したー。


「え?わたし?」

美優が不思議そうな表情で純一のほうを見る。

純一はコーラを飲みながら「放課後、話があるんだ」と

ニヤニヤと笑う。


「----……あんたと話すことなんてないわ」

美優がそう吐き捨てるにして言う。


不良生徒の純一のことなんて、

まともに相手にしても、ロクなことはないー。

無視が一番だ。


「----」

純一は、教室の隅っこで悪態をついている加奈のほうを

ちらっと見ると、笑みを浮かべた。


そして、美優に耳打ちをするー


「---加奈のことで話があるんだよー」

とー。


「----!!!」

美優は驚いて、純一のほうを見た。


「加奈の…!?」

美優の目の色が変わったことに気づいた純一は

笑みを浮かべたー


・・・・・・・・・・・・・・・


放課後ー。


純一は、空き教室で美優が来るのを待っていたー


”「---手伝ってもらいたいことがあるんだけど」”


加奈から言われたことを思い出すー。

美優を滅茶苦茶にしてほしいー。

そう、頼まれた。

空き教室で美優を襲って、

美優を泣かせることが出来たらー、

付き合ってあげるー


とー。


純一はゾクゾクしながら美優を待つ。

コーラのペットボトルを握りしめながら

純一は興奮しているー


「真面目だったあの女が、

 あんな悪いやつになっちまうなんて…

 なんだか知らねぇけど、ゾクゾクするぜ」


そしてー

美優がやってきたー。

純一は笑みを浮かべるー


「よぉぉ」

コーラのペットボトルを机に置くと、

美優のほうを見て、薄ら笑みを浮かべる。


「---加奈の話って…なに?」

美優が警戒しながら言うと、

純一は、へらへらしながら美優に近づいてきたー


そして、いきなり美優にキスをしたー


「--ひっ!?」

美優が驚いて声を出す。


「へへへへっ!加奈に言われたんだよ!

 お前を滅茶苦茶にしたら、

 俺と付き合ってくれるってなぁ」


「--う、、うそ!?加奈がそんなこと…!?」

動揺する美優。

そんな美優を純一は乱暴につかみ、

胸を触り、キスをして、

無理やり押し倒した。


悲鳴を上げる美優。


「----くく」

そんな様子を空き教室の外から、加奈が見つめる。


「----…あんたのこと

 ずっとずっとウザかったの…」

加奈が呟くー


元々、加奈が思っていたことなのかー

それともー…

それは、加奈本人にもわからないのかもしれない。


「助けてぇぇ!」

服を脱がされた美優が悲鳴を上げる。


「ひゃっは~~~!」

純一が笑いながら美優の身体を見つめるー。


「---ふふ」

加奈は美優の苦しむ顔を見つめると、

そのまま職員室に向かったー


そしてー


「先生…大変なんだけど」

加奈は悪い笑みを浮かべたー


・・・・・・・・・・・・・・


泣きじゃくる美優ー。

純一は、美優の身体をもてあそんでいるー


そこにー

「何をしてるんだ!!」

先生数名が飛び込んできたー。


驚いた純一は飛び跳ねるようにして

美優から離れると、

机に置いてあったコーラを手に、叫んだ。


「--ま、待ってくれ!話せばわかる!」

とー。


だが、先生たちは、純一の言葉を無視したー。

なすすべもなく、

純一が取り押さえられるー


純一の大好きなコーラのペットボトルが

床に転がるー。


「うっ…」

泣きじゃくる美優を、女性教師が慰めるー


先生に、この教室で起きている出来事を

伝えたのは加奈だ。


「---お、、、お前…なんで!?」

純一が信じられないという表情で加奈を見る。


「---」

加奈は返事をしない。


「--お前は退学にするしかないな…」

先生があきれた様子で言う。


「ち、違う!俺は、北村に!」

加奈を指さす。


「--なに?わたし、何も知らないケド」

加奈は不愛想にそう答えた。


「--ちょ!?!?え???おいい!?」

日ごろから素行不良の純一の言葉に

耳を貸す先生はいなかったー


連行されていく純一を見ながら

「---うぜぇのが消えたぜ」、と

加奈が笑う。


泣きじゃくる美優。

加奈はそんな美優をあざ笑うようにして

見つめながら立ち去って行ったー


美優を苦しめー

邪魔な純一を、始末したー


加奈は満足そうに微笑んだー


・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日の昼休みー


「---加奈…どうして…」

美優は、加奈と偶然廊下ですれ違い、

加奈に話しかけた。


悪態をつきながら

ガムを噛んでいる加奈ー。


「どうしてって?」

加奈が笑う。


「--くくくく…

 お前がうざいからだよ!」

加奈は笑った。


「ねぇ加奈!しっかりしてよ!

 お願いだから、元の加奈に戻って!

 負けないで!」


「---ははははははっ!ウケる…

 わたしは正気だよぉ???


 3人ぶっ殺した女子高生の加奈ちゃんだよぉ♡」

加奈が笑いながら言う。


「しっかりして!加奈は加奈だよ!

 加奈は、人なんか殺してない!」

美優が加奈にすがりつくー


加奈はニヤニヤしながらポケットから

何かを取り出した。


「---!!」

美優は恐怖するー


加奈が取り出したのは、ナイフだったー


ナイフをペロリと舐める加奈。


「--死にたい?」

冷たい声で言う加奈ー


加奈は、それだけ言うと

「あ~…ふふふ…女子高生って最高だぜぇ」と

笑いながらそのまま立ち去ってしまったー。


・・・・・・・・・・・・


1週間後ー


加奈は、学校に刃物を持ってくるようになったー

美優だけが、そのことを知っている。


美優は、たまらず彼氏の慶介に相談したー


慶介が加奈を問い詰める。


「北村さん…美優から聞いたよ。

 最近、どうしちゃったんだ?!」


とー。


「頼む、美優をこれ以上苦しめないでくれ」


慶介が頭を下げる。


その時だった。

加奈が突然、慶介を押さえつけて、床に押し倒した。


教室にいた他のクラスメイトたちが戸惑う。


「私に指図するんじゃねぇよ」

加奈が恐ろしい形相で、恐ろしい言葉を口にする


そしてもがく慶介にキスをした

嫌らしい音が教室中に響き渡る。


「や・・・やめ・・」


「あぁ、最高!」

加奈は恍惚の表情を浮かべて、

慶介を襲っているー


美優の目の前で彼氏を冒してやっているー

そのことに快感を感じながらー。


美優は見た。

加奈が手で慶介の首と鼻を押さえている。


このままでは慶介が死んでしまう

あまりの興奮で加奈は我を失っている様子だー。


なおも、全てを振り乱しながら狂ったように慶介にキスを

続ける加奈


「ちょっと加奈!慶介が!」


もがいていた慶介の動きが鈍くなってきている。

美優はあわてて加奈を引きはがそうとした


「邪魔すんじゃねぇ!ブス!」

加奈は激しい敵意を美優に向けて言った


美優はその言葉に凍りついた


「か・・・加奈・・・」

涙が流れる。


そして、、慶介は動かなくなった。

それでも狂ったようにキスを続ける加奈。

加奈は狂ったように喘ぎ声を上げている。


クラスメイトがパニックを起こす。


「・・・・・・はぁ~~~ぁぁ・・・ウフフ♪」

加奈は顔を上げた。


顔は幸せの絶頂という感じだ。


そして、ようやく慶介の状態に気付くと、

加奈は舌打ちする。


「もう、ここには居られないね・・・

 コイツ死んじゃったし」

加奈が笑みを浮かべて言う。

慶介を死なせたことにも

何の反省の色もない。


「---か、、加奈!自分が何をしたか、分かってるの!?」

美優が泣きながら叫ぶ。


「け、慶介!ねぇ!しっかりしてよ!慶介!」

泣きじゃくる美優。


「でも、今までも3人死なせてるし、

 4人目もかわらねぇか!」

加奈が乱暴な口調でそう呟くー


3人・・・例の死んだ犯罪者が殺したという数だ。


加奈は、美優のほうを見た。


そして、笑いながら言ったー

「じゃあね、美優ちゃん」


とー。


かつての笑顔と同じーーー



「加奈!」

美優は、加奈の名前を呼んだー


しかし加奈は混乱に乗じて足早に立ち去ってしまった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


それから、美優は、加奈とは二度と会うことはできなかった。


高校卒業の日。

美優は思うー。

あのあと、ニュースにも新聞にも加奈の殺人が

大々的なニュースとなった。


しかし、加奈は家にも帰らず、

行方不明となってしまった。


・・・もう加奈はいない。

美優はそう思った。

あれは加奈なんかじゃないーーーー。


親友の加奈はーーー

あの日ーー死んでしまったのだから・・・


美優はあの事故の日、加奈が死んでしまったと

自分に言い聞かせることで

なんとか加奈との別れを受け入れていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


都内某所。

闇の世界の間では有名なうわさがあった。


加奈という名の美少女の殺し屋がいると。

可愛い外見ながら凄腕のヒットマンがいると。


だが、その真相は定かではないーーーー



おわり


・・・・・・・・・・・・・


コメント


初期作品の「混ざり合う意志」を大幅リメイクしてみました!

無理があるかな~?な設定を設定を変えたり、

描写を大幅に増やしたりしたので

かなり原作とは変わりました~☆


このあとに番外編が1個あるので、

それもリメイクするかどうかは、

考え中デス~!


ひとまず、ありがとうございました~!


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