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!いつも以上にダーク度高めかも?(個人差アリ) 苦手な方は注意デス!


・・・・・・


「--…や、、やめてください…!」

女子大生の笹山 薫(ささやま かおる)が

悲鳴を上げる。


とある施設ー。


研究者のような恰好をした男が笑う。


「--君には、これから実験体になってもらう。」


男の背後には、

謎のカプセルのようなものがある。


この中に、100人以上の人間の霊体が

詰め込まれているー。

この男が、犯罪者などを中心に裏ルートで

集めた霊体だ。


薫は、大学からの帰宅中に

この男に捕まってこの施設に連れ込まれた。


男は、ある実験をしようとしていたー


それはー

”憑依”の実験。


男にとって、憑依は娯楽でしかない。

憑依の研究を独自に行い、28のときに

憑依能力を手に入れた。


そしてー

憑依能力を使い、数々の悪さをしてきたー


だが、20年もそれを続けていれば

当然、飽きてくる。

あらゆる女を乗っ取り、

あらゆるシチュエーションをやりつくしたー。


そして、彼は

既に憑依を単なる娯楽としてしか

考えなくなったー


今日、薫という女子大生をここに連れてきたのも

その”娯楽”のひとつだ。


「--た、助けてください…!」

急に連れてこられてわけのわからない状態の薫が

男に言う。


その言葉を聞いた男が、唐突に歌いだしたー


「一年生になったら

 一年生になったら

 ともだち100人 できるかな

 100人で 食べたいな

 富士山の上で おにぎりを

 パックン パックン パックンと」


薫は、恐怖に震えながら

男が歌い終えるのを待った。


「一年生になったら

一年生になったら

憑依100人 できるかなー?」


男が邪悪な笑みを浮かべる。


「ひょうい ひゃくにん できるかなぁ?」


同じ人間に何人も憑依させたらどうなるのだろうかー?

彼はそれを薫で試そうとしているー


「ははは、君の身体で試させてもらうぞ!

 一人目!」


男が叫ぶと、

背後にあった装置から、

一人目の霊体が発射された。


「--ひっ!?あ…!」

薫にその霊体が入り込んでいく。


「あ…あぁぁ…助けて…入ってこないでぇ…!」

薫が苦しそうに言うー


薫の両親もー

薫の彼氏もー

大学の同級生たちもー

今、薫がこんな目に遭っているとは

誰も想像すらしていないだろう。


「あ…ぁ、、、う、、、ふふ…ひひひひひひひ」

薫が笑いだす。


目に涙を浮かべたままケラケラと。


男が薫のほうを見て笑う。


「どうだ?女の身体は?」


男が言うと、

薫はニヤニヤしながら胸を両手で触りー

嬉しそうに笑みを浮かべた。


「最高だぜ…!」

薫に憑依した人物は、

凶悪犯罪者の男ー

科学者風の男が、裏から取引をして、

凶悪犯罪者の男を霊体化させて

用意していたのだったー


「--くくく…」

薫は自分の太ももを触ってニヤニヤしているー


「--さぁ、二人目に行こうか」

男はそう言うと、装置から二人目の霊体を発射した。


それも、薫に吸い込まれていくー


「あ…あぁ…く、、、くくく…ぼ、、ボクが…僕が女の子に」

薫がいやらしい笑みを浮かべるー


しかし、その直後、薫が叫ぶ。

「うっせぇ!この身体は俺のものだ!」

とー


「なんだと、ボク… 俺の…うあああああ!」

薫が苦しそうな声を出す。


男はニヤニヤしながらその様子を見つめているー


同時に何人も同じ人間に憑依するとどうなるのかー。

それを見て、男は楽しんでいるのだー。


「--はぁ…はぁ…この身体は、俺のものだぜ」

薫が可愛い声でそう口にする。


どうやらー

最初に憑依した男が身体の主導権を握ったようだ。


「ほうー」

男は立ち上がる。


「--今、どういう状態なんだ?」

男の言葉に、薫はニヤニヤしながら答えた。


「はは、そうだなぁ…俺のあとに入ってきたやつは

 俺が抑え込んでやったぜ!

 今はこの女の身体も心も俺のものだ」

薫が嬉しそうに言う。


さっきまで助けを求めていた

女子大生とは、とても思えない。


男は笑う。


「そうかー…」


”2人以上憑依すると、精神力が強い方が

 肉体の主導権を握るということか?”


男はそんな風に思いながら

3人目の霊体を薫に放つ。


薫がビクンと震える。


「---あ…あぁ……この身体は…俺の…わしの…」

薫がへらへら笑いながら頭を掻きむしっている。


あっちに来たり、こっちに来たり、

複数の人間に支配されている薫は

落ち着かなそうだー


4人目ー


5人目ー


男は、さらに薫に霊体を憑依させていくー


既に、薫はもともとの薫と、ほかに

5人の人間に憑依されている。


「はぁ…♡ はぁ…♡」

5人目が憑依したあと、

地面で苦しんでいた薫は、よだれを垂らしながら

立ち上がったー


「へへへへ…俺は…僕…?あれ…へへへ」

薫はニヤニヤしながら胸を触り始める。


「どうだっていいじゃないか…あは♡ あははは♡

 あぁぁんっ♡」

胸を狂ったように触る薫。


「君は、、誰だ?」

男は言う。


既に憑依させた5人のうち、誰が主導権を

握っているのだろうか。

それが、知りたかった。


「--誰…?くくく、俺…おいらは、薫よ ふふふ♡」


「----」

薫の様子を見ながら男は思うー


2人目までは、誰が主導権を握っているのか

はっきりしている感じだったが、

3人目の憑依からはそれが変わりつつあるように見える。

誰が主導権を握っているのか、

はっきりしていないー

むしろ、混ざり合っている様子だ。


6人目

7人目ー

8人目ー


薫の身体にどんどん霊体を憑依させていくー

この男にとって、薫の命などなんの興味もない。

もしも、大勢を憑依させたことによって

薫が壊れてしまったとしても、

憑依能力を持つこの男には、いくらでも逃げ道がある。


「--あ…あ…うあああああああああっ!」

薫が頭を押さえて叫び始めた。


「--この身体は、、俺の、わたしの、僕の、、わしの…

 うおああああああああああああ!」


この世のものとは思えないほどの恐ろしい悲鳴。

身体をがくがくと震わせながら

薫は錯乱して暴れ始める。


部屋の中のものを投げては、狂ったように叫んでいるー


可愛らしい女子大生の面影はそこにはない。

まるで、何かの中毒患者のようにも見えるー


透明な窓ガラスの外から、薫がいる部屋を見つめる男ー。


「--8人で、この状態か」

男は笑うー


”これじゃ、100人憑依は無理そうだな”と

思いながらー


それでも、男は容赦などしない。

9人目

10人目

11人目ー

次々と憑依させていく。


「--あっ…がっ…ぐああああ…」

薫はビクンビクン痙攣して、床に倒れこんだ。


「あ…あぁ…うぅぅぅうう…」

薫の声が、まるで獣の雄たけびのように聞こえるー。


♪~~~


薫のスマホが鳴る。


「---」

男は、薫のスマホを手に取ったー。


そして、少しいじわるな気持ちになって、

男は薫のスマホを、薫がいる部屋へと投げ込んだー


誰かが心配して薫に電話をかけているのだろうかー。


だが、今の薫はもう返事できる状態じゃない。


「うああああああああ…あああああああああああっ!」

狂ったように悲鳴を上げ続ける薫。


”もしもし?薫?どうしたの!?”

電話をかけてきたのは、大学での薫の親友だったー


”薫?ねぇ?どうしたの!?”


「--くく」

男は笑いながらー

12人目ー

13人目ー

14人目ー


と、薫にさらに憑依させていく。


「ひっ…あっ…うっ…あぁ…あっ…うっ…」


悲鳴がとぎれとぎれになり、

目から涙をこぼしながら

ビクンビクン震えている。


”薫!?ちょっと!?!?薫!!”

電話の向こうの友達が必死に叫んでいるー


薫のスカートにしみができるー

失禁したのかー

それとも興奮して、何か出てしまったのかー


薫はぐったりとした様子であおむけに倒れて、

ニヤニヤしたままよだれを垂れ流しているー


それでも、男は容赦しなかった

15人目ー

16人目ー

17人目ー

18人目ー


どんどん憑依させていく。


新しい人間が憑依するたびに、

薫は「くぁ…」とか、「うっ」とか

うめき声をあげるものの、

だんだんぐったりしてきている様子だ。


やがて、悲鳴も上げなくなってしまった。


変わりに、ぶつぶつぶつぶつ何かを呟いている。


内容は、よく聞こえない。

虚ろな目でとにかく何かを呟いているー


倒れたままの薫ー


男は、少しの同情もなく、

さらに薫の身体に人間を憑依させていくー


「---……」

23人目を憑依させたところで、薫はふらふらと立ち上がったー


「---あ…」

よろよろとゾンビのように歩く薫。


24人目ー

25人目ー


やがて…

28人目を憑依させたところで、

薫が頭を激しく振り始めるー

髪を激しく振り乱しながら

奇妙なうめき声をあげる薫ー


そしてー


「あ…」

ぐるんと白目を剥いて、薫がそのまま

その場に倒れたー


ぴくぴくと震えている薫ー


「---」

男は、憑依させるのを中止して、

薫が倒れた部屋に入ったー


薫はー

しばらく痙攣したあと、動かなくなったー


「--死んだ?」

男は呟く。


そして、ふざけた様子で叫んだ


「友達100人できませんでしたぁ~!」


とー。

一人で笑う男ー。


もしも、薫の友達や家族、彼氏がここにいたなら

この男は、おそらくボコボコにー、

いや、命すら危ういだろう。

それだけ、ひどいことをした。


男が調べると、

薫が死んだのは、脳出血が原因だったー。

大勢の人間が憑依したことによって、

脳に激しい負担がかかり、

その結果、脳出血を起こしたのだと

男は結論づけた。


「さて…と」

男は、薫のほうを見る。


そしてー

自らの憑依能力で薫に憑依したー


「う…」

立ち上がる薫ー

既に薫は死んでいるー

だが、死んですぐだったためー

薫の身体はまだ、生きているように

見せかけることもできるー


「んぇ…」

まともに声を出すこともできないまま

憑依された薫の身体は、ふらふらと

謎の施設の外に飛び出す。


そしてー

薫は、自分の大学まで歩いていくと、

わざと目立つように、服を脱ぎ捨てて

周囲の目線を引いたー


「--薫!?」

さっき薫に電話をかけた友達が

薫を見つめて駆け寄ろうとするー


「邪魔」

薫は虚ろな目のまま、友達を突き飛ばすと、

そのまま大学の屋上に向かいー

そしてー


「お掃除、完了~!」

と嬉しそうに呟くと、

そのまま大学の屋上から飛び降りたー


これでー

薫は、自ら命を絶ったーーー


と、いうことになるーーー


・・・・・・・・・・・・・


薫の憑依から抜け出した男は

笑みを浮かべたー


「そうかそうか。同じ人間に何人も憑依させるのは

 無理ってことだな」


男は、そう呟くと、

”憑依”を使った次の遊びを考え始めたー


悪魔のようなこの男が何者なのか、

そして

このあと、どうなったのかー。

それは、誰にも分らない。



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


友達100人できるかな!から、浮かんだ

ネタですネ~

いつも以上にダークに感じたので

今回は、最初に注意文を載せてみました…!

(いつもは書かないのですが(最初にダークかどうか

 わかっちゃうとネタバレになりますし…)、今日のは

 終始ずっとひどいので書きました汗)


今日も

お読み下さりありがとうございましたー!

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