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加奈の部屋からは喘ぎ声が響き渡っていた。


「あっ…あぁ…気持ちイイ…♪」

加奈は自分の体を一心不乱にもて遊んでいるー


今まで、こんな気持ちになったことは一度もないー

けれどー

ちょっと前から自分の身体を見ていると

ドキドキするー

興奮するー


めちゃくちゃになってしまいたい。

もっと、もっと…


加奈は髪を振り乱し、

狂ったように自分の体を触っている


「あぁ…はぁ…はぁ…」


もう何度も絶頂を迎えている加奈は、

流石に体力が無くなってきたのか、

その場に寝ころんだー。


「あぁ~~~気持ちいい」

加奈はうっとりとした表情でつぶやく。


そしてしばらく部屋の天井を見つめる


…わたし・・・何でこんなことしてるんだろう…?

ふとそんな疑問が頭を過る


けれどー

その疑問は何かにかき消されるようにして、

すぐに消えていくー。


そんなことはどうでもよかった。


こんなに可愛い体だから、

こんなに気持ちいいから…

細かいことなんて気にしなくていいよね…


加奈はそんな風に思った。


しばらくして、加奈は立ち上がり、

自分の身なりを整える。


相変わらず普段の加奈が着なさそうな

派手な格好をしている。


乱れきった髪を化粧台の前で整える。


「はぁ~~

 なんか新鮮な感覚。

 どうしてだろ??」


加奈はそんな風に呟きながら

満面の笑みで自分の髪を整えた。


「ふふふ…生まれ変わったきぶん♪」

加奈は、今までしたこともないような

妖艶な表情で、そう囁いたー。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


夜。

加奈は昼間の事を思い出す。


自分の体を見て、興奮が抑えられなくなった加奈は

本能の赴くままに自分をいじり倒した。


鏡に映る自分に興奮し、鏡にキスをした。

鏡ごと自分を抱きしめた。


しかし、今になって思う…

何て気持ち悪いことを…。

自分で自分が嫌になった。


「……疲れなんかじゃない」

加奈はそう呟いた


「誰か……助けて」

加奈は涙ぐんでそう呟いた。


加奈はふと思い立つ。


「……もうダメ…

 お母さんに相談しないと…」


自分がオカシイ…

このままだとどうにかなってしまう。


そんな恐怖から加奈は母親に相談することを決意した。


1階に降りる。


「あれ?どうしたの?」

母親が加奈の方を見る。


加奈の母親はまだ30代後半。この年の娘を持つ

親としては若い方だ。


外見上も若々しい。


「お母さん…」

加奈は母親に語りかける。


不安な気持ちでいっぱいになっていた加奈は、

最近のことをすべて、打ち明けようと、

そう思って1階に降りてきたー


「………」

加奈の中に黒い感情が巻きあがってくるー。


ドキドキが止まらないー


加奈は、美人の母親を見て興奮を覚えたー

ゾクゾクしたー。


自分の不安なんてどうでもよくなってしまった。


「はぁ…♡ お母さん…」

突然、加奈は母親に向かってキスをした


「ちょ…な、なに?」

母親がたじろぐ


しかし加奈は言う。

「お母さん、私を、、私をめちゃくちゃにして!」

激しく興奮している様子だ。

その様子に母親は驚く。


そして、

荒い息遣いの加奈を、母親は必死に引きはがそうとする


「ちょ、、やめなさい!」

母親が言うと、加奈は突然力を込めて母親を押さえつけた。


「うるせぇよ…私を満足させろってんだよ!」

加奈とは思えない口調で、母親を威圧する。


「え・・・」

突然の言葉に母親は言葉を失ってしまう。


加奈は獣のような表情で

母親の服を引きちぎろうとする。


「へへへ…へへへへへへへ」

狂気的な笑みー

加奈が絶対に浮かべるはずのなかった笑みー。


しかしー

突然、加奈の瞳が震えたー


そして、

「……いやっ!」

突然、加奈が母親を突き飛ばす。


「わ・・・私・・・何してるの??」

加奈が訳の分からないと言った様子で涙ぐみながら叫ぶ。


突き飛ばされた母親もわけがわからず

加奈の方を見る。


「か…加奈・・・どうしたの?」

母親が言うと、

加奈が言うー。


「……ねぇ、、私、、どうしちゃったんだろう?

 最近・・・・・」


加奈は目に涙を浮かべながら首を横に振るー

自分でも、自分に何が起きているのか、理解できないー

 

「…もうイヤ!」


加奈はそのまま自分の部屋へと走り去ってしまった。


部屋に飛び込んだ加奈は、

泣きじゃくりながら自分のベットに飛び込んだー。


しかしー

その泣き声は次第に笑い声へと変わった。


「んふふふふふ…

 お母さん…エッチだなぁ…♡

 んふ、、ふふふ、ひひひひひひひひ!」


加奈は目に涙を浮かべたまま

笑い始めたー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


週明けの月曜日。


美優が登校すると、

加奈は既に投稿していた。


ロッカーの荷物を整理しているようだ。


「加奈、おはよう」

美優が背後から声をかけると

加奈が振り返った。


加奈はいつものような笑顔で

「おはよう」と

ほほ笑むー。


一見、いつも通りの穏やかな加奈ー。


けれど、

美優は一つ違和感に気付く。


加奈の制服のスカート丈が随分短くなった気がする。


「加奈・・・?大丈夫?」

先週のこともあり、美優は心配して加奈に尋ねた。


「え?私?大丈夫大丈夫。

 もうすっかり元気になったよ

 やっぱり疲れてたみたい。」


そう言いながら加奈は教室の中に入っていった。


机に着席した加奈が何かを呟いている。


「私は……北村加奈・・・

 違う私は…倉持 幸雄…??」


ぼそぼそと加奈がつぶやいている。


「もう怖がらなくていいの……」

加奈が一人呟き続ける。


「違う…私は…か……私は…私よ・・・ウフフ…」

加奈が不気味に一人笑う。


その様子に美優が気づく。

加奈が一人でぶつぶつとー

まるで”誰か”と会話しているかのうに、

呟き続けている。


美優は心配になる。


そして、

「加奈・・・?」

と、呼びかけると、加奈はいつものように美優の方を見て

笑顔を見せた。


その時だった。

美優の彼氏の慶介が教室にやってきた


「なぁ、美優」

何かの相談のようだ。


美優と慶介は仲良さそうに話している。


その様子を見た加奈は腹が立った。


自分にはこんなこと一度もーー

こんなこと。。


「ねぇ高藤君」

突然 加奈は椅子から立ち上がり

甘い声を出した。


慶介と美優が驚いて振り返る。


「加奈・・・?」

いつもと違う声色に美優は戸惑いながら

加奈のほうを見つめる。


しかし、加奈はそんな美優のことを全く相手にするそぶりを

見せずに、慶介のほうに近づいていった。


「私と……付き合って♪」

甘い声でそう言うと加奈は突然慶介の腕にしがみつく。


「な…なんだよ北村さん!」

慶介が驚く。

戸惑いながら美優のほうを見つける慶介


しかし有無を言わさず加奈は高藤をキスして、

そのまま激しく慶介を抱きしめた。


「お、、、おいぃ!」

慶介はもがきながらも、加奈にキスされたことが

嬉しいのか、あまり抵抗する様子を見せない。


「ちょっと!加奈!ふざけないで!」

美優もさすがに頭にきて、怒鳴り声を上げた。


すると加奈は、慶介から唇を離して

美優のほうを見て笑い始めた。


「アンタより私の方が可愛いから。」

それだけ言うと、加奈は、慶介に再びキスをし始める。


「ちょ、、ちょ、ちょっと待てって!」

慶介が慌てて加奈を引きはがす。


「ーーーど、どうしたんだよ急に」

慶介の言葉に、加奈が笑うー


「--どうしたって?」

加奈はあざ笑うような笑みを浮かべている


「--加奈!いくら友達でも怒るよ!」

美優が目の前で彼氏に手を出されたことに怒りをあらわにする。


「--最近、変だよ?

 何かあったの?

 何かに悩んでるなら、わたしに相談してよ!」

美優が言うと、

加奈は「変ー?」と呟くー。




変ー?


”---お前は、頭おかしいもんな”


加奈の頭の中に、

”知らない記憶”が流れこんでくる


”ははは、こいつ頭おかしいぜ”

”こっちくんなボケー”


笑う誰かの声が聞こえる。


「--わ、、わたしおかしくない!!」

加奈の表情から笑みが消えるー


加奈が怒りの形相で叫ぶ。


「へ、、変なんかじゃ…

 変なんかじゃ…ないよね?」


加奈は周囲のクラスメイトたちに向かって

泣き笑いが混ざったかのような表情を浮かべて叫ぶー


周囲のクラスメイトたちは唖然としていて、

返事をしないー


「--あ…あぁ…あ…わたし…わたし」

加奈が顔を両手で覆い隠す。


「--加奈!?ねぇ?だいじょうぶ?」

加奈の明らかにおかしな様子に

美優の怒りは消え失せ、

美優は加奈を心配して声をかけるー


「ねぇ!加奈?」

美優が加奈に触れる。


「触るな!」

加奈が大声で怒鳴りながら美優を突き飛ばした。


「--あ…あああああ…うあああ…

 あああああああああああああああああ…!」

加奈が顔を覆い隠したまま、

悲鳴を上げる。


そしてー

「---わたし…どうしちゃったの…」と叫ぶと

そのまま教室の外に向かって走り出したー


「よーぉ」

廊下側の座席にいた不良生徒の純一が立ちはだかる。


コーラのペットボトルを口に咥えながら

加奈を見つめる純一。


”最近の加奈の態度には興味があるー”

純一は、そう思い始めていたー


「どけ!」

加奈が乱暴に叫び、純一を突き飛ばす。


「ぐふっ!」

コーラのペットボトルごと吹き飛ばされて

コーラまみれになった純一が振り返ったときには

もう加奈は廊下を走り去っていたー


・・・・・・・・・・・・・・


「わたしは…わたしは…」

加奈が空き教室で狂ったように机をたたきながら泣いているー


「わたしは、、加奈…わたしは…加奈…」

机をバンバンと叩く加奈ー


「--くく…ふふふふ、ふふふふふふ…

 あっハハハハハは…!

 わたしは、、おれは、、加奈…?幸雄…?」


逃亡中に事故死した犯人の名前を叫びながら

笑い出す加奈。


「っははははは、どっちでも、どっちでもいいじゃん!!

 どっちでもいいじゃねぇか!!

 あっはははははははは♡」


加奈の可愛らしい声ー

けれども狂気を感じる声が空き教室に響き渡るー


”この世への執着”から、残留思念と化した

逃亡中に事故死した犯人・幸雄は、

あの時、偶然その場に居合わせた加奈に憑依したー。


少しずつー

幸雄の残留思念に憑依された加奈には

異変が起き始めているー


加奈は「あ~~~~~~」と言いながら

髪の毛をぐしゃぐしゃにすると

笑みを浮かべたー


そして、親友の美優のことを思い浮かべながら

加奈は静かに呟いた


「うざい…」


とー



⑤に続く


・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


「混ざり合う意志」大幅リメイクの第4話でした~!

新シーンも大幅に追加しているので、

原作よりもじっくり混ぜ混ぜできて、

リメイク作業も楽しく進んでいますー笑


来週も、じっくり混ぜ混ぜしていきますネ!

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