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飴と鞭ー。

この世において、効果的な人心掌握術(じんしんしょうあくじゅつ)で

あると、彼は思う。


疲れ果てた相手に

優しい店主を装い、年越しそばを無料で提供するー

それが”飴”だ。


そして、そのやさしさに気を許し、

油断した相手の身体を乗っ取りー、

好き放題させてもらうー

それが”鞭”だ。


世の中には、対価が必要だ。

無料で蕎麦とスマイルを提供した自分が、

身体を借りることに何の問題がある?


店主はそう思っていたー。


・・・・・・・・・・・・


蕎麦屋の店主の男は、

このお店にやってきた若いOL・藤本 麻紀に憑依した。


乗っ取られた麻紀は、

ニヤニヤしながら、足を組んで店内の椅子に座り、

年末の特番を眺めているー


露出度の高い、エッチな衣装を身に着けている麻紀ー。


店主は、毎年憑依した女性の体で

楽しむために、いろいろな衣装や小道具を

店内の奥に用意している。

1年に1度の、”憑依”を楽しむためにー


足を何度も何度もイヤらしく組みなおしながら、

年越しの特番を見つめる麻紀。


その表情は、さっきまで

疲れ切っていた若きOLの表情とは思えない。


「んふふ…」

甘い声を出す麻紀。


麻紀は、店主の精液を混ぜた

牛乳を飲みながら静かにほほ笑む。


時々、胸を触ったり、

わざとエッチな声を出そうとしてみたりしながら、

麻紀はテレビを見つめているー


毎年ー

女の身体で年越しをする。

それが、店主の男の、性癖だった。


エッチな衣装を身に着けて

こうしてテレビを見ているだけでも興奮するー


麻紀を乗っ取っている店主の男が興奮すると、

乗っ取られている麻紀も興奮してくるのが、

”支配している”という感じを強く

感じることができて、店主の男は好きだったー


店の端に設置した姿見を見つめるー

麻紀の頬は赤く、染まっていたー


恥ずかしがっているー?

いいや、違うー。

店主の男の意志に乗っ取られて

興奮しているのだー


「んふふふふふふふ」

エッチな姿をした自分自身を抱きしめる麻紀。


「んはぁ~」

店主の男は、

毎年、日々の精液を

特殊な加工をして貯めておき、

そして、この年末年始に乗っ取った身体に飲ませるー。


健康被害などに配慮した特殊な加工を

してあるから、いくら飲んでも

麻紀の身体が壊れることはないが、

こうして精液を接種させ続けることによって

持続的に憑依状態を維持することができる


精液を飲ませないと

憑依状態が解除されてしまうー


だからこうして、乗っ取った身体で

精液を飲み続ける必要があるのだー。


そのために、店主のおじさんは

1年間精液を出しては、ため込んでいるー

年末年始を楽しむためにー


「--ふふふふ…まだまだたくさんある」

麻紀はほほ笑むー。


液体のストックはまだたくさんあるー。

憑依を続けるにはかなりの量が必要だが

1年分ため込んであるから、

年明けして3日ぐらいは麻紀の身体を

乗っ取りつづけることができる。


「---ふふ」

麻紀は笑うー。

本人だったら絶対にこんなもの口にしないだろう。


けれどー

乗っ取られている麻紀は

嬉々としてそれを飲んでしまう。


「さ~て」

麻紀はテレビを見つめる。


年越しまでのカウントが始まる。


麻紀はわざと可愛らしく、

テレビのカウントダウンに合わせてカウントするー


さえないおっさんの自分がー

こんなに可愛らしくなれるなんてー

やっぱり憑依は最高だー。


麻紀はそう思いながら

「あけましておめでとう~!」と店内で一人叫んだー。


そしてー

「あけおめ角オナするわよ~!」と大声で叫び、

店内の机の角に自分の身体を押し付けて

気持ちよさそうに喘ぎ始めたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


閉め切った店内の中では、

巫女服姿の麻紀がいたー


麻紀は、巫女服なんて着ない。

だが、店主に乗っ取られている麻紀は

巫女服を着て、

ご機嫌そうに鼻歌を歌っていたー


鼻歌は、麻紀の年代では

絶対しらないような演歌だー。


演歌を可愛い子の身体で熱唱するー。

これにも、店主の男は興奮していたー


”♪~”

麻紀のスマホが鳴る。


麻紀はおじさんの体液入りの牛乳を飲みながら

スマホを見つめるー。


そこには

麻紀の勤務している会社の名前が表示されていた。


麻紀の仕事始めは1月1日ー。

そう、今日が仕事始めの日なのだ。


「---」

麻紀は舌打ちする。


せっかくこの女の身体を楽しんでいるんだ。

邪魔をするなー、と。


「そういえば…」

麻紀はそう呟くと、笑みを浮かべたー


この女は、年末まで働いていたし、

相当疲れている様子だった。


麻紀の記憶を読み取ることはできないが、

会社からの電話に、麻紀の身体が

強い拒否反応を示しているのを感じるー


ブラック企業なのかもしれない。


そう感じた麻紀は、

笑みを浮かべると低い声で「はい…」と

電話に出たー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


その日の夜ー

麻紀は、大人のおもちゃを使って

大声で喘いでいた。


「んんんんんっ♡ あぁ♡ んっ♡ あぁ♡ 気持ちいい♡」

髪を振り乱しながら喘ぐ麻紀の姿はー

普段麻紀が

プライベートでも仕事場でも見せない姿だったー。


「はぁ…♡ はぁ…♡」

幸せそうな表情を浮かべる麻紀ー。


セーラー服姿で乱れ切っているー。


社会人になった自分が

セーラー服のコスプレをさせられて

しかも大人のおもちゃで乱れさせられているー

そんな姿を見たら

麻紀本人は気絶してしまうほど

驚くだろうー。


でも、今の麻紀はそんな状況を楽しんでいた。


「---んふふふ…

 やっぱり、お正月って最高…」

麻紀は気持ちよさそうにそう呟いたー


・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


麻紀の姿のまま、店主の男は

郵便受けを確認しにいくー。


ゴスロリの衣装を身にまとって

郵便受けを確認する麻紀。


誰かに見られたら大変だー。

けれど、そんなドキドキに興奮しながら

麻紀はロリファッションのまま

郵便受けを確認し、

何もないことを確認すると

店内に戻って、再びシャッターを閉めて

内側からカギをかけた。


「----…」


店主は、店の中に置いてある

自分のスマホを見つめるー


スマホには、何の通知も来ていないー

郵便ポストに、郵便物はないー


「---ケッ」

麻紀が悪態をつく。


ゴスロリ姿に似合わない悪態をつきながら

店内の椅子に座ると、

麻紀は呟いた。


「どうせ俺は孤独ですよ~!だ」


ふてくされた様子の麻紀。


麻紀は、保存してあった精液を

スナック菓子に混ぜて

素手で食べ始める。


やけ食いー。

そんな感じに見える。


美人…と言うにふさわしい外見を持つ

麻紀が、乱暴な手つきで

スナック菓子を食べながら

コーラを口にしている。


「--正月ぐらい楽しんだっていいじゃねぇか!」

麻紀は呟くー。


麻紀に憑依した店主の男にはー

友達も、家族もいなかったー。


孤独だったー。

そんな時に出会ったのが憑依能力ー


年賀状も

あけましておめでとうのLINEやメールも

一切届かないー


彼は、孤独だった。

趣味もあまり、ない。


だからこそー

この年末年始の喜びだけは大事にしたいー。

毎年の憑依は存分に楽しみたいー。


「またか…」

麻紀はため息をついた。


いつもそうだ。

12月31日に蕎麦屋を開いて


優しい店主を演出して”飴”を持って近づき、

”鞭”をふるうかの如く、身体を奪うー


大晦日は楽しい

元旦も楽しいー


だが、いつもー

毎年、2日、3日ぐらいになると

憂鬱な気持ちが強くなってきて、荒れ果てる。


「---くそっ!」

麻紀は店内の奥にあった焼酎を手にすると

自暴自棄にそれを飲み始めたー


・・・・・・・・・・・・・・・


1月3日ー


もうすぐ精液のストックが無くなる。

麻紀の憑依状態を維持するのは、

もう、無理だー


「あ~~~…やってらんねぇ」

すっかり乱れ切って

酔っぱらってしまった麻紀が叫ぶ。

チャイナドレス姿で酔いつぶれている麻紀。


麻紀は呟く。


「人生うまくいかないぜ~!くそが!」

麻紀はそう叫ぶと、机を蹴り飛ばし、

「ばかやろ~!へへへへ」と、ふらふらしながら叫ぶ。


完全に酔っ払いだー。


酔った勢いで、麻紀は

チャイナドレス姿のままお店の外に出た。


ふらふらしながら、

麻紀はお正月の人気のない道を歩く。


「ばかやろ~が」

酔った若い女性がチャイナドレス姿で

夜の街を徘徊しているー


偶然通りかかったカップルに

麻紀は中指を突き立てて

リア充爆発しろ!と叫んだー。


カップルは気味の悪いものを見る目で

麻紀を見つめた。


「へへへへ…へへへへへ」

酔いが回った麻紀は

近くのごみ置き場に突っ込んで

そのままそこに座り込んだ。


真冬の空気に生足がさらされて

寒いと感じる麻紀。


「ばかやろ~!ばかやろ~!」

麻紀はニヤニヤしながらそう叫ぶと、

酔いが回って、その場で嘔吐したー


「あ…」

憑依の時間はもう限界だー


麻紀は、そのままの姿で

ごみ置き場に倒れこんで、

いびきをかきながら眠り始めてしまったー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「-------」

店主の男は、自分の身体で目を覚ます。


自分の身体は酔っていない。

酔っているのは麻紀の身体だ。


急に正常に戻った店主の男は呟くー


「はぁ…悪いことをしたな」


とー。


いつも、蕎麦屋の中だけで憑依遊びは

終わりにする予定なのだが

いつも結局、荒れて外に出てしまうことが多いー


今年憑依した麻紀にも迷惑をかけることに

なるだろうー。


「----」

店主のおじさんは呟く。


「また1年、貯めなおしかー」

毎日射精して、少しずつ憑依のための

エネルギーをストックしていくー


憑依はまた、大晦日までお預けだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「-----」


1月5日ー


4日の朝にごみ置き場で

目を覚ました麻紀は悲鳴をあげた。


チャイナドレス姿で、

ごみ置き場で眠っていたからだー


顔を真っ赤にしながら

家に猛ダッシュで帰宅した麻紀ー。


しかしー

自然と心は穏やかだったー


会社は首になったみたいだ。

スマホの履歴を見るとわかるー。


「---…」

けれど、麻紀は泣いたり、

取り乱したりしなかった。


自分の状況を受け入れたー


「--この恥ずかしいの…どうしよう」

麻紀はチャイナドレスを見つめるー

自分が何でこんなもの着てたのかわからないー


けどー。


”♪~”

麻紀の家のインターホンが鳴るー


お届け物が届いた。


”なんだろう?”

そう思いながら麻紀が

お届け物を開けるとー


そこにはー

大量の現金とーーー

首になった仕事の変わりになる仕事について書かれた紙が

入っていたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”飴”と

”鞭”とーーー


”飴”


飴を2個渡して、鞭で1回たたくぐらいがちょうどいい


飴と鞭が同じ数になることはあってはならない

鞭が飴の量を超えることがあってはならないー


人間、壊れてしまうからー。


蕎麦屋の店主は、

麻紀が憑依から目覚めたあとに怖がらないように

憑依されている間の記憶を調節したー。


毎年、そうしているー


毎年、憑依する対象は麻紀のような

女性ばかりー。


かつて、自分も会社勤めで苦しんでいたからー。


そしてー

今の彼はー資産家でもあった。

そのお金を麻紀に送り、

さらには仕事の提案もしたー。


麻紀に憑依している間に会社から電話が

かかってきた際には、

会社のブラックな部分を指摘し、

退職の手続きを終わらせたー。


本人が喜ぶかはわからないー


けれど、

蕎麦屋の店主は、毎年”乗っ取った身体”が

怖がらないように、記憶を調整してー

さらに、生活に困らないぐらいのお金を送っているー。


飴と

鞭と、

そして、飴ー


無料の蕎麦と優しさで騙しー

身体を奪い、

けれどその見返りとして、お金を送っているー。

もちろんーすべては自己満足だ

でも、それでいいと彼は思っている。


彼は静かにほほ笑むと、

また来年ー

大晦日に憑依を楽しむことができるようにと、

射精を始めるのだったー



おわり


・・・・・・・・・・・・


コメント


新年あけましておめでとうございます☆

今年も皆様に少しでも楽しんでいただけるように

頑張ります~☆!


今日もありがとうございました!!


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