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これは…

”人を皮にする注射器”を用いて

皮にした人間を売り捌く”闇の商人”の残した日記。


欲望のために人を皮にして、

利益のために皮を売り捌くそんな男の

行きつく先は…?


(第6週)


☆前回はこちら↓☆

<皮>皮を売る男の日記⑤2/7-2/13

これは… ”人を皮にする注射器”を用いて 皮にした人間を売り捌く”闇の商人”の残した日記。 欲望のために人を皮にして、 利益のために皮を売り捌くそんな男の 行きつく先は…? (第5週) ★前回はこちら↓★ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2月7日(水曜日) 国際犯罪組織ガルフに捕まった俺の仲間、ヤスを 助け出...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


2/13 22:30-


人を皮にして”売る”ビジネスを展開している男・藤堂 仁は、

国際犯罪組織ガルフの一員・オオクボに捕えられた

共に皮を売る協力者・ヤスを救出するために、

この場所にやってきていたー


「ーーーー…」

”ビジネス”の方は協力者である”リナ”に任せてあるー。

そちらの方は心配ないー。


「ーーーーーーー」

”サブ”の皮である”和江”の皮を着た仁は、様子を伺うー。


「ーーーオオクボ、明日の予定はちゃんと空けてあるだろうな?」

国際犯罪組織ガルフの”キリシマ”が”オオクボ”と共に

高級料理店へと入っていくー。


仁と手を組んだ”キリシマ”が”オオクボ”を油断させー、

隙をついて仁が乱入、オオクボを捕らえる計画だー。

オオクボとキリシマはライバル関係にあり、仁はそんなキリシマに

”皮”の提供という見返りも約束したことで、互いに利害が一致、

協力関係を結んだー


「ーーお前と飲むと、翌日は完全に二日酔いだからな」

オオクボが笑いながら店の中に入っていくー。


”オオクボが十分に酔ったら”キリシマから合図があるー。

後はオオクボを捕らえて拷問ー、ヤスを解放させたあとに、

オオクボを始末するー。


”オオクボ”は、仁の浮気した元カノ・美咲の”新しい彼氏”だった男ー。

つまり、美咲の浮気相手の男だー。

浮気した美咲を、怒りに任せて皮にした仁への

復讐を目論み、国際犯罪組織の仲間入りを果たした、と

この前は言っていたー。


が、そんな理由は仁には関係ないー。

”皮を売るビジネス”に手を染めた時点で、仁はとっくに、

”悪の道”を進む覚悟はできているー。


♪~~~~

スマホが鳴るー。

すぐに一度音が消えて、もう一度鳴るー。


”キリシマ”からの合図だー。

オオクボは十分に酔いつぶれたのだろうー。


和江の皮を着た仁は、店の中へと突入するー。


がーーーー


「ーーー!?!?!?!?」

オオクボとキリシマのいた部屋に突入すると、

そこではー、キリシマが血を流して倒れていたー


「ーこ、これはー…?」

和江の声で、そう言葉を口にすると、

背後から突然、オオクボの声がしたー。


「ーお前の考えることなんて、お見通しですよ 藤堂さんー」

オオクボの声に、振り返る仁ー。


がー、何かを注射されて、仁は和江の皮を着たまま、

その場で意識を失ってしまったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーーぅ…」

目を覚ますと、そこは見知らぬ廃工場の中だったー。


「ーークククーようやくお目覚めかー」

目の前にいたのはー、オオクボではなく、仁の元カノ・美咲ー。


「ーーみ…美咲ー…?」

仁がそう言葉を発すると、美咲は笑みを浮かべたー


「ーーふふー ようやく”彼女”を取り戻したよー」

美咲は満足そうに自分の身体を触ると、笑みを浮かべるー。


言動からするに、この前、奪われた”美咲の皮”を

オオクボが着ているのだろうー。


仁は、拘束された自分の状況を見つめながら、

表情を歪めるー。


腕はロープで拘束されているー。

がー……仁は、こんなこともあろうかと、密かに小さな刃を

服の中に仕込んでいるー。

時間はかかるが、これさえあればーー…


「ーー俺は、お前に彼女を奪われてからー

 ずっと、ずっと、お前に復讐するためだけに

 生きて来たんだー。

 国際犯罪組織ガルフに入ったのもそのためー

 組織のことなんて、どうでもいいー


 キリシマがお前と組んだのも、俺は突き止めてたからなー。

 キリシマには死んでもらったー。」


美咲の皮を着たオオクボはそう言葉を口にすると、

仁は反論したー。


”和江”の皮を着ていたはずだが、眠らされている間に

奪われたのか、中身の仁の姿だー。


「ーー俺はお前と浮気して裏切った美咲を皮にしただけだー

 お前が俺に復讐しようとしているように、

 俺も、俺を裏切ったやつに復讐したー。

 それだけだー」

仁がそう言うと、

美咲は不愉快そうに表情を歪めたー。


「ーーまぁいいー。

 あんたが復讐を成し遂げたように、俺も”美咲と共に”

 お前に復讐するー」


美咲の皮を着たオオクボは嬉しそうに笑みを浮かべながら、

ナイフを手にすると、美咲の舌でペロリとそれを舐めたー


「ーーじゃあー…

 仁ー

 わたしと、彼の二人で、あなたに復讐するねー?」


クスクスと笑う美咲ー


「ーーーーー」

仁は表情を歪めるー。


もう、皮にされた美咲の意識は表には出て来れないはずー。

”着ている間”にも、本人の意識は完全にない状態ー。


つまり、オオクボが”美咲の口調を真似て”

”オオクボ自身と美咲が二人で復讐している”ような雰囲気を

出そうとしているのだろうー


「ークク…美咲の口調を真似て、一人二役かー

 ご苦労なことだな」


仁が笑みを浮かべながら言うと、美咲は怒りに表情を歪めて

顔を赤らめると、仁の顔面を殴りつけて来たー


「ーー減らず口が!」

美咲は怒りの形相でそう言うと、

仁は痛みに耐えながら「ーー…それより、ヤスはどうした?」と、

そう言葉を口にするー


美咲はニヤリと笑みを浮かべるとー、

「あぁ、アイツならー」と、そう言葉を口にしながら、

ゆっくり歩いていきーーー

廃工場の端の方に置かれていた台車をゆっくりと移動させてきたー


そしてーー

その上にはーーー


「ーーー!!!!!!!!!!!!」

仁は表情を歪めたー


ヤスの顔はボロボロに歪みー、

既に、死んでいるのが一目で分かる状態ー


「ーーうっ…うあああああああああああああ!!!」

余裕の表情を浮かべていた仁が、怒りの形相を浮かべるー。


美咲は、本人が見せたこともないような

邪悪な笑みを浮かべるとー

「ーお前の仲間には、俺の憎しみをぶつけてやったー」

と、勝ち誇った笑みを浮かべたー。


そして、美咲は黒い手袋をはめると、

気持ちよさそうにそれを眺めながら、

「ー大丈夫だよー仁ー」

と、再び”美咲”の口調で言葉を口にするー。


「ーー仁も、すぐにコイツと”同じ目”に遭わせてあげるからー」

美咲はそう言うと、クスクス笑いながら

”仁”への拷問を始めようとしたー。


怒り狂い、叫び声を上げる仁ー。


もちろん、”人を皮にして売る”なんてビジネスをしていれば

恨まれ、いつかはこういうことになるかもしれないとは思っていたー。

けれど、ここまで痛めつけられて死んだヤスを見て、

仁は怒りの叫び声を上げていたー


「ーーークククー

 いい顔だー

 もっと、もっと、お前が苦しむ様子が、見たいー」


美咲の皮を着ているオオクボは、美咲を半分脱いで

自分の顔を出しながら、仁を見つめるー


そして、満足すると再び美咲を着て、

そのままゆっくりと、毒が塗られたナイフを手にしようとしたー。


がーーー

その時だったー


「ーーー!」

美咲が目を見開くー。


怒り狂ったような振る舞いをしながらも”冷静”だった仁は、

仕込み刃で拘束を解いていたー。


目の前に迫っていた仁に驚きながらも、美咲は何もできずに

殴り飛ばされるー。


すかさず反撃しようとする美咲ー。


しかしー、

仁は美咲がたった今、手に取ろうとしていた毒が塗られたナイフを

手にすると、それを美咲に突き立てたー


「ーーぐ……」

”信じられない”という瞳を向けて来る美咲ー。


「ーーーお前……み…美咲ごと…俺をーーー?」

美咲の皮を着たまま、表情を歪めるオオクボー。


「ーーーー美咲は俺を裏切った敵だー

 そして、お前も敵ー。

 まとめて、死ね」


仁は冷たい口調でそう言うと、毒が回り、

倒れ込んだ美咲を見つめるー


身体が激しく痙攣して、泡を吹きながら白目を剥いている美咲ー。


もちろん、皮にされている美咲にはもう意識はないはずー。

今、苦しんでいるのはその中身のオオクボだー。


そのまま弱っていく美咲ー。


がーー

最後の最後で、美咲は目を真っ赤にしたまま起き上がると、

笑みを浮かべたーーー


「ーーお前もーーーそのうち絶対に地獄に落ちるーーー

 貴様もーーー…絶対にー俺みたいに…無様に死ぬんだっ…」


目を真っ赤にしながら美咲はそう叫ぶと、

そのまま泡のようなものを吐き出して倒れ込みー、

動かなくなったー


「ーーーーー」

仁は、そんな美咲の姿を見つめると、

死んでいるヤスの方に近付いて、「ヤスー」と、

申し訳なさそうに、手を合わせたー。


そしてー、

すぐに息を吸うと、「無様に死ぬことぐらい、俺も覚悟はできている」と、

動かなくなった美咲を着ているオオクボの方に向かって呟くと、

そのままその場から立ち去ったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


オオクボとの決着をつけて、ビジネスの拠点に戻って来た仁ー


サブの皮”和江”は、取り戻すことができなかったがー、

まぁ、皮はまだいくらでもあるー。


ヤスと、美咲の皮、そして和江の皮ー

色々なものを失ったが、ここからまたー


「ーーーーーーーー!!!!」


”人を皮にする”ビジネスの拠点に戻って来た仁は呆然とするー。


人を皮にする注射器も含めー、

全てのものがその場から消えていたー。


オオクボと決着をつけるまでの間、

ビジネスを任せていた”リナ”も含めてー


「ーーーーク…クククー」

全てを失った仁は、笑みを浮かべるー。


「そうかそうか、リナのやつ、俺を裏切ったのかー」

思わず笑みを浮かべる仁ー。


仁から”留守を任された”リナは、

全てを奪い取り、そのまま姿を消したのだー。

元々、リナは”ビジネスの拡大”を提案していて、

仁とは意見が食い違っていたー。

あくまでも規模を拡大しようとしない仁に不満を抱き、

機会を伺っていたのだろうー。


自分自身が、ビジネスの”長”になるためにー


「クククク……

 これだから人間は信用できないーーー」


狂ったように笑う仁ー。


人を皮にする力も、ビジネスも、仲間も、

全てを失った仁は、狂気的な笑みを浮かべながら、

そのまま、夜の闇へと姿を消すのだったー



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


最終回でした~!☆


こういう危険な世界では

裏切りも日常茶飯事(?)なのデス…☆


お読み下さりありがとうございました~!


来週からは”寄生”モノの日記シリーズが

スタートします~!☆


※毎週火曜日の更新(コンパクト枠)とは?

(いつもと同じ説明デス↓ 既に知ってる方は読まなくて大丈夫デス!!)

毎週火曜日(以前は土曜日でしたが、また火曜日に戻りました!)は、

私が仕事の都合で書く時間を確保できないので、

本来更新は難しいのですが

皆様にご恩返しということで、他の6日間で毎日

少しずつ執筆して、火曜日にも、作品をお届けしています!

そのため、いつもより少し文章量が少ないため

毎週火曜日の作品は、100円プランでも読めるようにしてあります!

(※火曜日枠のお話は必ず完結まで100円プランで読めるようにします!

  途中から上がったりはしませんので、安心してください

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