＜入れ替わり＞僕とわたしの不思議な青春㉝～花火～ (Pixiv Fanbox)

2度目の夏休みに突入したー。

1学期が終わる前に約束していた通り、

翔太と綾は、入れ替わりの事情を知る互いの友人、哲真と穂乃果の2人と共に

4人で夏のお祭りを楽しむことにー。

そんな中、綾（翔太）は、最近よく自分が見る”夢”について、

言葉を口にし始めるー。

しかしー…その様子を

翔太たちのクラスメイトの一人が、少し離れた場所から

じっと、見つめていたー…。

☆前回はこちら↓☆

＜入れ替わり＞僕とわたしの不思議な青春㉜～お祭り～

2度目の1学期も終わりに近づく中、 クラスメイトの敷島郡司や、霧崎理子らの力を借りながら、 いじめられていた美桜を、なんとか救い出すことに成功した 翔太と綾ー。 期末テストも無事におわりー、 1学期の終わりも目前ー…。 2年目の夏休みが見えて来たー… そんな、ある日ー… ★前回はこちら↓★ ・・・・・・・・・・・・...

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★主な登場人物★

遠藤　翔太（えんどう　しょうた）

C組生徒。大人しく、奥手な性格の持ち主。綾と入れ替わってしまう。

星村　綾（ほしむら　あや）

C組生徒。可愛らしい雰囲気に、明るい性格の持ち主。翔太と入れ替わってしまう。

神田　哲真（かんだ　てつま）

C組生徒。翔太の中学時代からの友人。女子は苦手。

山井　穂乃果（やまい　ほのか）

C組生徒。綾の親友。入れ替わりを知ってからも変わらず接してくれている。

渡海　和之（とかい　かずゆき）

転校生の一人。綾に異様なまでの執着を見せている。

★脇役も含めた人物紹介はこちら↓★

＜人物紹介＞僕とわたしの不思議な青春～登場人物図鑑～

長編入れ替わりモノ 「僕とわたしの不思議な青春」の 登場人物図鑑デス！ 連載前に予告として掲載した、 主人公たちのクラス名簿の内容に加え、登場する教員や その他の人物もご紹介しています～！ ※ネタバレは控えめ（漫画や小説の最初の方のページに書かれている 　人物紹介ぐらいの内容…）デス～！ 　最初にクラス名...

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「ーーーーねぇ…」

賑わうお祭りの会場の中、

綾の親友・山井　穂乃果が言葉を口にするー。

買ったばかりのかき氷を手に、翔太の親友・神田　哲真が「ん？」と、

言葉を口にすると、

「ーー神田さー…どう思うの？」と、穂乃果がそう言葉を口にしたー。

「どうって？」

かき氷にかかったシロップを見つめながら嬉しそうに笑いつつ、

そう返事をする哲真ー。

「ーほら、自分の”親友”がー、”あんな状態”になってることー。

　あんた、あの子の親友なんでしょ？」

穂乃果がそう言うと、

哲真は「あぁ…ははー…最初は…やっぱ戸惑ったよー」と、

かき氷を口に運びながら呟くー。

「ーーいや、違うかー。

　”今も”戸惑ってないって言ったら嘘になるかなー。

　やっぱり、翔太を見ると翔太だと思っちまうしー、

　星村さんを見ると、中身が翔太だって分かっててもー

　今までと同じようにはいかないからさー」

哲真は少しだけ寂しそうにそう言葉を口にするー。

翔太（綾）と綾（翔太）と一旦分かれて、

少し離れた場所にやってきた二人は、そんな会話を交わしていたー。

「ーーーよかった」

穂乃果はそう言葉を口にすると、

哲真は「え？」と、首を傾げるー。

「ーーわたしも、正直まだ、複雑でー。

　受け入れられてないのは、わたしだけかなって不安だったからー」

穂乃果はそれだけ言うと、自分の浴衣を整えながら、

翔太や綾たちがいるであろう方向を見つめるー。

「ーー見た目は”綾”なのに、中身は”綾”じゃないしー

　見た目は”遠藤翔太”なのに、中身は”綾”だしー

　今でも毎日、頭がバグりそうでー」

穂乃果は寂しそうに笑うー。

「ーーーー」

正直、”翔太と綾”が一緒にいると、綾推しな穂乃果からすると、

未だに複雑な気持ちが溢れてくるー。

けれどー

”入れ替わった二人にしか分からない辛いこと”がたくさんあるのも、

入れ替わりの話を聞かされて、理解できたー。

どんなに、綾の”親友”であっても、

その気持ちを”当事者”として理解して支えてあげることは自分にはできないー。

「ーーなんか、ちょっと悔しいなぁ…

　わたし、少し前まで、入れ替わりのことも知らなかったし」

穂乃果が少し拗ねた様子で言葉を口にすると、

哲真は「はははー」と、笑いながら、

「ーーでもまぁ、俺たちにも、俺たちにしかできないことは

　きっとあるだろー」と、そう言葉を口にしながらかき氷を食べ終えるー。

「ー入れ替わった二人の”外”から、助言したり、支えてくれる仲間が

　いるってのも、アイツらにとっちゃーきっと、支えになってると思うぜー」

哲真はそれだけ言うと、「しっかし、このかき氷うめぇな」と、笑いながら

「もう1個買ってくるー」と、ゆっくり歩きだしたー

「ーえぇ！？食べすぎでしょ！？お腹壊すよ？？？」

穂乃果は思わずそう声を上げるも、哲真は既に

かき氷の屋台の列に嬉しそうに並んでいたー。

「ー全くー」

穂乃果はそう呟きながらも、

「ーわたしにしか、できないこと…ねー」

と、”わたしも、できるだけ綾たちの力になってあげよう”と、

改めて心の中で誓うのだったー。

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「ーー”元に戻ったあとの夢を、最近よく見るんだー」

哲真たちとは違う場所で、

一緒に行動していた綾（翔太）と翔太（綾）ー。

綾（翔太）がそう言葉を口にすると、

翔太（綾）は「元に戻ったあとのー？」と、そう言葉を口にしたー。

綾（翔太）は頷くと、

「ーー…でも、嬉しい夢じゃないんだー

　夢の中の僕は、いつも元に戻ったあとの日常に苦しんだり、

　悲しんだりしててー、

　あんまりいい夢じゃなくてー」と、

綾（翔太）は、自分の手を見つめながら呟くー。

「ーー遠藤くんー」

お祭りの賑わいの中、翔太（綾）は心配そうにそう言葉を口にすると、

綾（翔太）は「なんだか僕ー…元に戻りたいのか、戻りたくないのかー

分からなくなってきちゃってー」と、申し訳なさそうに言葉を口にしたー。

最初は、元に戻ることを毎日のように願っていたー

でも、今はー

”戻ることによって、失うもの”が怖いー。

もちろん、戻ることによって取り戻すものだってあるー。

翔太も、自分の両親とまた、ひと時を過ごしたいしー、

哲真と”翔太”として友として過ごしたい気持ちはあるー。

けれどー…それでも、

1年半も”星村　綾”をやっていると、元に戻った時にー、

なんだかーー…とっても辛いことが待っているような、

そんな気がしてしまうー。

「ーーー笹野さんとか、野坂さんとか、山井さんとかー…

　仲良くなったみんなともー…

　美桜ちゃんともーー

　またーー”他人”になっちゃうのかなーって」

綾（翔太）が不安な気持ちを吐き出すー。

がー、すぐに

「あ、ごめんー。”元に戻りたくない”ってわけじゃないんだー。

　その時になったら、ちゃんと身体は返すし、

　星村さんの人生を奪いたいとか、そういうことじゃないからー」

と、申し訳なさそうに言葉を付け加えるー。

がーーー

翔太（綾）は、少しだけ笑うと、

「ーわたしも見るよー…夢」と、そう言葉を口にしたー。

「え…　星村さんもー？」

綾（翔太）が言うと、

翔太（綾）は、微笑むー。

「ーーうんー。わたしの夢もねーー

　やっぱり、”寂しい”夢ー」

翔太（綾）は、夜空を見つめながら呟くー。

「ーー嬉しいけど、寂しい、そんな、夢ーーー」

翔太（綾）はそう呟くとー

”自分が見た夢”を思い浮かべるー。

妹の美桜とまた”姉妹”になれた喜びを感じる夢ー。

でもー、

美術部の倉守詩音や、翔太の身体になってから

親しくなった哲真や、男子生徒の敷島郡司らー…

そういった生徒たちと”また”距離ができる夢ー。

”ーーー翔太ー今日もカード買いに行こうぜ！”

”うんー！”

放課後ー

”元に戻った”翔太に話しかけようとしてもー、

翔太は哲真と一緒にカードを買いに行ってしまいー、

寂しそうにする綾ー。

「ーーーどうして、こんな風に感じるんだろうねー？」

翔太（綾）は寂しそうに笑うー。

「元に戻れることはー

　きっとーー嬉しいことのはずなのにー」

翔太（綾）は、そう言葉を口にすると、

綾（翔太）は”僕だけじゃなかったんだー…”と、そう思いながら

翔太（綾）に言葉を掛けようとするー。

がー

その時だったー。

「ーーー星村さんー」

ふと、声が聞こえたー。

声のした方向を振り返ると、

そこにはー転校生の渡海　和之の姿があったー。

その手には、スーパーボールが大量に入った袋が握られているー。

「ーと、渡海くんー？」

綾（翔太）が表情を歪めるー。

すると、スーパーボールの入った袋を綾（翔太）に差し出す和之ー

「さっきー、スーパーボールすくい、上手くいかなかっただろ？

　だから、僕が代わりにとってあげたよー」

和之が嬉しそうに微笑むー

「あ…ありがとうー」

綾（翔太）はそれだけ言うと、

和之は、翔太（綾）のほうを見つめたー。

「ー僕の”彼女”にどういうつもりだー？」

和之がそう言い放つー。

翔太（綾）は「ー…な、なにを言ってー…？」と、

戸惑いながら言葉を口にすると、

和之は「そうかー。僕から星村さんを奪う気かー！」と、

そう言葉を口にするー。

がー、すかさず、

「ーーわ、わたしと渡海くんは付き合ってないでしょ！」

と、綾（翔太）がすぐに反論すると、

和之は「またまたぁ」と、笑いながら、綾（翔太）を見つめるー。

「ーー僕は、星村さんのためだけに、

　ずっと、ずっと、これまで頑張って来たんだよ？

　どうしてそんなことを言うのさー？」

にこにこしながら、和之はそう言葉を口にするー。

「ーほ、星村さんが嫌がってるから、やめなよ！」

翔太（綾）も、”翔太”のフリをしながら叫ぶー。

がーーー

「ーー”外野”は黙ってろ！！！」

和之は急にブチ切れると、大声で翔太（綾）のほうを見つめたー。

「ーーー…！」

ビクッと身体を震わせる綾（翔太）ー。

「ーさぁ、星村さん、”あんなやつ”放っておいて行こうー」

和之は、綾（翔太）のほうを振り返ると、にっこりと笑うー。

ゆっくりと近づいてくる和之ー。

思わず後ずさる綾（翔太）ー。

”また”ー

去年の文化祭の時の光景がフラッシュバックするー。

想像以上にー

”男”から、乱暴されそうになったあの光景が、

脳裏に焼き付いて、離れないー。

”僕”がトラウマを感じているのかー、

それとも”綾”の身体が無意識のうちに恐怖を覚えているのかー

それは、分からないー

けれどー…

いずれにしても、”あの時”の光景がフラッシュバックして、

身体が無意識のうちに震えて、目から涙が溢れそうになるー。

「ーーーーーーやめなよ」

翔太（綾）が、綾（翔太）に迫る和之の前に割って入るー。

翔太（綾）も、身体を震わせているー。

けれどー…

”今、わたしは遠藤くんの身体なんだからー…

　わたしが、遠藤くんを守らなくちゃー”

何となく、そんな風に思ったー

「ーどきなよ」

和之が、翔太（綾）に向かって言い放つー。

「ーーー”星村さん”は、渡海くんと付き合ってなんかいないー」

翔太（綾）はそう言い放つー。

「ーー部外者は黙ってなよー。

　僕は、小さい頃、星村さんと結ばれたんだからー。

　星村さんだって、ずぅっと、ずっと、僕を待ってたんだからー」

祭りの賑わいの中、和之がうすら笑みを浮かべるー。

しかしーーー

「ーーー結ばれてなんかないし、

　渡海くんのこと、待ってなんかいないよー！」

翔太（綾）は”断定”する口調で言い放ったー。

そう、言い切れるー。

だってー

”わたし”が星村　綾なのだからーーー。

確かに、昔、いじめられていた”和之”を助けた時には、

助けてあげたい、とそう思って助けたー。

けれどー、告白なんかしていないし、結ばれていないし、

待ってもいないー。

”普通に”再会できていれば、もちろん懐かしんだだろうし、

”普通に”仲良くできたと思うー。

でも、こんな”勘違い”をされていたらー

「ーーお前に何が分かるー…」

ガッ、と、翔太（綾）の腕を掴む和之ー。

翔太（綾）は怯えた表情を見せながらも

「ーー放せよー」と、そう言い返すー。

綾（翔太）は、震えながらも

”ぼ、僕がなんとかしなくちゃー”と、立ち上がると、

「ーーわたしは、渡海くんと付き合ってないー！

　渡海くんは知ってるはずだよ！

　昔、”いやなこと”たくさんされて嫌な思いをたくさんしたはずだよ！

　なんで、その渡海くんが、こういうことするの！？」

と、”綾”から聞いた話を元に、過去のことを引き合いに出して、

そう叫ぶー。

「ーーーー…」

和之は、表情を歪めると翔太（綾）から手を離すー。

「ーーなんで…なんでだよー…

　僕には…僕には星村さんしかいないのにっ…！

　なんでだよー」

突然、目に涙を浮かべながら和之が叫ぶー。

お祭りを楽しんでいた周囲の人が、和之たちの方を気にしているー。

「ー僕の味方は、星村さんしかいないのに！」

泣きながら叫ぶ和之ー。

和之は、小さい頃、綾のいた学校から転校しー、

程なくして、両親が離婚したー。

原因は父親の浮気ー。

和之は、父親が知らない女と寝ているのを見て、

それがトラウマになったー。

その時、”元の苗字”だった小川　和之から、”渡海　和之”に変わったー。

母親に引き取られー、

孤独な生活を送る和之ー。

やがてー、その母親さえも、新しい男と付き合い始めて、

和之は一人、放置されるようになったー。

学校でも上手く行かない日々が続きー、

いつしか、和之は”小さい頃に自分を助けてくれた綾”を

心の中で神格化させ始めたー。

和之は”いつか星村さんとまた会うんだー”と、

それだけを支えに、必死に勉強してーー

親族がいるこちらの地方に戻って来られるよう母親に嘆願ー、

こっちの学校に転校してきたのだー

全ては”綾”に会うためにー

「僕には、星村さんしかいないんだよぉぉぉぉぉ！」

和之が怒りの形相で叫ぶー

がーーー

「ーおい！そのぐらいにしておけ！」

戻って来た翔太の親友・哲真が和之の腕を掴むと、

和之は悔しそうに哲真を睨みつけるー。

哲真と一緒に戻って来た穂乃果は

「大丈夫ー？」と、綾（翔太）と翔太（綾）を心配すると、

和之の方を睨みつけながら、言葉を口にしたー。

「ーみんな優しいから、言わないと思うからー、

　わたしが代わりに言ってあげるー」

穂乃果はそれだけ言うと、和之の方を睨みながら言い放つー。

「ーーあんたのやってることは”ストーカー”ー

　ーーーすっごくキモい！

　そんなんで綾に好かれるわけないでしょ！」

とー。

「ーーーーぐっ…」

和之は目から涙を溢れさせると、歯ぎしりをしながら

そのまま立ち去っていくー。

「ーーーーーー…」

綾（翔太）は、そんな和之の後ろ姿を見つめながら思うー。

家族からもー、友達からも、愛されずー、

只々ずっと、”小さい頃に助けてくれた星村さん”に縋り続けていた

渡海　和之ー。

そんな、彼のことを綾（翔太）は、

なんだか少しだけ、哀れに感じたー。

「ーーー…ったく、平気だったかー？」

哲真がそう言うと、綾（翔太）と翔太（綾）は二人でお礼の言葉を口にしたー。

やがてー

お祭りの会場で、花火が始まるー。

花火を見上げながら、翔太（綾）は思うー

この先、どうなったとしてもー…

いずれ”変化”は訪れるー。

いつまでも、このままでいることはできないー。

元に戻ったとしても、そうでなかったとしてもー

来年になれば、大学受験ー…人によっては就職活動ー

それぞれの道に進むことになるー。

そしてー…その時までに元に戻ることができていなければー

”決断”しなければならない時も来るー。

”わたしはー…”

わたしは、その時、ちゃんと”決断”できるのかどうかー。

それはまだ、今の綾には分からなかったー。

けれどー

今はー

「ーーーわ！ほら！綾！あれ見て！あの花火！」

嬉しそうに笑う親友の穂乃果ー。

翔太（綾）と、綾（翔太）が、両方、穂乃果の方を見ると、

穂乃果は、”綾（翔太）”に向かって

「あんたじゃない！」と、ツッコミを入れるー。

綾（翔太）は苦笑いしながら、哲真の方を見ると

「ーはははー、入れ替わってると難しいよなー」と、哲真が笑うー。

この先どんな未来が待っていたとしてもー、

今、この瞬間はこの時間を楽しみたいー

翔太（綾）はそんなことを思いながら、

綾（翔太）のほうを見て、優しく微笑んだー。

2年目の夏休みはー、

たくさんの思い出と共に終わりー、

そして、2学期が始まったー。

㉞へ続く

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★2-Cの日常★

2学期開始早々ー

カードゲーム部に所属している

綾（翔太）と哲真、そしてクラスメイトの足立幸也は、

部活終了後に、他の2年の生徒たちと共に、

カードゲーム部の部長・現3年生の石島　恭一から、

”ある相談”を持ち掛けられていたー。

「俺も、もう部活は引退だからさー…

　”次の部長”誰に任せればいいかなってー」

恭一がそう言葉を口にするー。

カードゲーム部の部長は、前の部長が引退するときに、

次の部長を、部員たちで決めているのだと言うー。

「ーーーーなるほどー…もうそんな時期ですかー」

翔太たちのクラスメイト、イケメン男子の足立幸也が

そう言葉を口にすると、

哲真は「足立がいいんじゃないか？」と、幸也の方を見て笑うー。

「ーえぇ？いやいやー、俺はそんな器じゃないしー」

幸也がそう言うと、哲真は

「イケメン部長！ってなれば部員が集まるかもー」と、笑うー

「いやいやいやいやー」

幸也は乗り気じゃない様子で苦笑いすると、

哲真は「ーーしょ…　じゃなくてー星村さんはー？」と、

綾（翔太）のほうを見つめるー

「ーえっ！？わたしー？　わたしは、そのー」

綾（翔太）は、戸惑うー。

”僕も、部長の器じゃないと思うけどー”

内心でそんなことを思いながら笑っていると、

「お！確かに星村さんならいいかもな！強いし！」と、

幸也は笑うー。

カードゲーム部ではトップクラスの実力を持つ綾（翔太）ー。

そんな”彼女”が部長になることに反対する部員は、

今はいなかったー。

「ーーはは、まぁー

　俺は9月いっぱいまで部活にも出るからー、

　今日決めなくても大丈夫だからさー」

部長の恭一は、それだけ言うと、

少しだけ寂しそうに、

「ーあと少しの間だけど、それまでよろしくー」と、

そう言葉を口にしたー。

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コメント

次回からは2年目の”秋”に突入ですネ～！

2年目の夏が終わったことで、ようやく折り返し地点…

大体半分ぐらいのところにやってきました～！☆

まだまだ先は長いですが、

”結末”にたどり着く日を私も楽しみにしながら、

これからも、この世界を広げていきます～！☆

今日もお読み下さりありがとうございました～！☆！