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「お前はお姉ちゃんじゃない」

弟の孝雄が叫ぶ。


その目は、姉を見る目ではなく、

敵意に満ちた目だった。


「あは…何言ってるの?」

里香は笑みを浮かべた。


イライラした様子で、

頭をぐしゃぐしゃと掻きむしっている。


チャイナドレスを着た里香が

近づいてくるのを見て、

孝雄はドキドキしながらも、

恐怖に震えていたー


里香の手には弟を力強く殴った時に打撲が

出来ている。

その拳を握ったり、緩めたりを繰り返しながら

里香は何度も何度も舌打ちをしてみせた。


「どう見たって、私は私でしょ?」

孝雄に顔を近づけて里香はそうつぶやく。


顔は笑っているー

だが、心の中では怒りが噴き出す直前だった。


「違う!お姉ちゃんは暴力は絶対に振るわないし、

 お前みたいなそんな汚い言葉遣いもしない!


 そんな恥ずかしい格好もしない!」


孝雄が叫ぶ。


「チッ…」

可愛らしい舌打ちが部屋に響き渡る。


里香は大きく息を吸ってから叫んだ。

「私だって、色々ストレスがたまるの!

 女なんだから、こうして発散したっていいじゃない!」

里香の記憶を引出し、

里香が怒った時の口調をそっくりにまねた。


「……何年間 僕がお姉ちゃんと一緒にいたと思ってるんだ!

 お前はお姉ちゃんじゃない!」


孝雄が今一度叫ぶー


もう、ごまかせそうにない。。

里香は、「あ~~~~~~!」と

イライラしながら髪をぐしゃぐしゃにした。


そして、豊は里香のふりをするのをやめた。


本性をあらわにして、

凶悪な表情を浮かべ、孝雄の頬をつかんだ。


「だったら何なんだよ?」

里香の低い声が部屋に響き渡る


本当の里香なら、絶対に出さない声ー

”脅し”の意志がにじみ出ている。


「うっ…お、、お姉ちゃんはどこだ?」

孝雄が苦しそうに叫ぶ。


「あははははは!

 眼の前にいるさ!」


里香の笑い声が部屋に響き渡る。


こんな下品な笑い方を里香がするなんてな…

やばい、また興奮してきた。。

豊はそんな風に思いながら

鏡をちらりと見た。


髪を乱し、

下品な笑みを浮かべて

チャイナドレスを身に着けた里香の姿ー


ここまで、変えられちまうなんてな…!


「くくく…」

憑依の力のすばらしさに震えながら

里香が孝雄を睨む。


「目の前に…」

孝雄がつぶやく。


「そうだよ」

里香は、笑みを浮かべて、孝雄をつかんだまま、

里香の机の引き出しをあけた。


そこにはー

”憑依薬”の容器が入っていた。


里香はそれをつかみ、孝雄に見せた。


「この薬…憑依薬っていうんだけどよ。。

 これでお前の姉さんの体、乗っ取ってやったんだよ」

里香は自分の身体をいやらしく触りながらほほ笑む。


「な…」

孝雄の顔から血の気が引いていくのが分かる。


「俺はさ、コイツの同級生でコイツが好きになって

 告白したんだよ。

 そしたらコイツは俺を振りやがった。

 

 だから復讐だよ!」


里香は自分の事のように悔しそうに言った。

鏡の中の里香も自分の事のように悔しそうにしている


「どうだよ!凄いだろ!?

 今じゃ里香は俺の思いのままだ!

 

 里香にこんなことさせてるってだけで興奮するぜ!

 あは、あははははは!」


里香は興奮が抑えきれず、自分の胸を狂ったように

揉み始めた


「あはははははは!たまんねぇ!」

見た目は里香だが、もはやその行為は里香ではない。


「……か、母さんに言わなきゃ!」

部屋から駆け出そうとする孝雄を里香はつかんだ


「おい、調子乗るんじゃねぇぞ」

里香の声でドスをきかせて言う。


「ヒッ…」


「孝雄も、、私みたいになりたいの?」


わざと、里香っぽく言った。

邪悪な笑みを浮かべて。。


「お…お姉ちゃんを助けられるなら…」

孝雄の目をみる。

コイツは本物だ。


里香を助けるためなら自分の体も差し出す


「…あのさぁ…

 私は今、思いのまま、操られてるの」


里香の口調で言う。


「ということは、分かるかな?

 中にいる人が、死のうと思えば死ぬことだって

 できるの…。

 アンタがこのことを言えば、私、喜んで死ぬから」


そう言い、笑みを浮かべる里香。


「どうやって死のうかなぁ~??

 男にこの身体売りまくって

 めっちゃくちゃにしてから

 死のうかな~?

 きゃはははははっ」


「--------…うぅ」


孝雄はその場にうずくまった


コイツはもう何も出来ない。

馬鹿なヤツだ。


里香はそう思いながら

孝雄をごみを見るような目で見つめるー。


「…これからもよろしくね。ウフフ…」


勝ったー。

里香は笑みを浮かべた。


里香は俺のものだー。

誰にも、邪魔をさせない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


休日。


もう一人復讐しないといけないヤツがいた。


里香は集合写真を見ながら思うー。


松本香苗。

里香の親友だ。


里香が豊を振った日、里香は香苗に豊の事を相談していた。


その時、

香苗は「新庄君って、態度悪いし、なんか怖いよね。」

と笑いながら言っていた。


豊には聞こえないと思ったのだろう。

だが、今の豊は里香の記憶を全て引き出せる。


里香は男を誘惑するようなミニスカートをはき、

胸を強調する服装で、

外に出ていた。


通行人の視線が心なしか集まっている気がする。


綺麗な足を惜しげもなく披露して街を歩く。

最高だぜ。


里香はくくく、と思わず笑みをこぼす。


何故 里香はこんな、恵まれてながら、

控えめな服装をしてたんだろうな?


里香はニヤニヤしながら歩く。


”ま、、、答えは知ってるんだけどよ…。”

と、豊は思いながらー

ある場所に向かう。


そしてー


「お待たせ」

里香は、香苗を呼び出していた。

一緒に遊ぼうという名目で。。


「…あ、里香!

 ……な~んか、最近派手になったよね?

 彼氏でもできたの?」

里香の姿を見て香苗は笑う。


「…どうかなぁ?私だって年頃だからね!」

クスクスと悪い笑みを浮かべながら言う里香。


「ねぇねぇ、見せたいモノってなに?」

そんな里香に対して、香苗は笑みを浮かべながら言った。


「だ~め!まだ秘密!」


里香はとある廃屋に香苗を連れていくつもりだった。

そこには豊の親友の、地元のワルを三人待たせてある。


ククク…楽しみだぜ。


里香は邪悪な笑みを、隣にいる友人に悟られないように

浮かべた。


しかし、彼は気づいていなかった

”弟に憑依薬を見せてしまったこと”が仇になってしまうとは…


⑧へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


いつもは毎週火曜日に「失恋の報復X」を公開してますが、

今週は月曜日にしました~!


なぜかというと…

明日は大みそかなので、

せっかくなら、大晦日に合ったお話を~、ということで~(笑)

※来週以降は、失恋の報復Xは火曜日に戻りますー!


明日は「年越しそば」のお話を用意しているので

お楽しみに~☆!

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