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夜。


里香は自分の部屋で、狂ったように喘ぎ声をあげていた。

鏡に映る里香が自分で、自分の体をもてあそんでいる。


里香は、自分の身体ー

自分の出す声ー

自分の表情ー

あらゆるものに興奮して、

ゾクゾクし、それを外に吐きだしていたー


部屋の外にも聞こえているだろうか。


いや、そんなことはどうでもいい。


家族が異変に気付いたところで、

今、自分は里香なんだ。


自分こそが、里香なんだー

里香の行動は、俺が決めるー。

もはや、どうにもできない。


あれから辻本は退学になった。

”か弱い里香”を演じた豊。

辻本が一方的に悪者になり、

退学になるまでに、そう時間はかからなかった。


そして、バイト先のメイドカフェでは、

里香は最大限女を武器に、のし上がった。

客に色目を使い、時には客を興奮させるようなサービスもしてやった。

勿論、店長に対してもそうだ。


店長はすっかり里香の手ごまだ。

里香に対して完全に鼻の下を伸ばしている。

今や、里香の収入は、普通に就職するよりも多い状態だ。


そして里香の記憶を読み取っていてあることが分かった。


どうやら里香やキャバクラやメイドなど、

男が喜ぶような職種に就く人間を嫌悪しているようだった。

それだけじゃない、どうやら男に対して恐怖心があったようだ。


その里香が、満面の笑みで男に色目を使っている。

その事実に豊はたまらなく興奮した


「あああ…本当に最高…」


里香が嫌悪することをー

里香にさせている。

その事実を想像するだけで、

里香の身体が激しくゾクゾクするー


里香自身が、このことを知ったらどうだろうかー?

恐らく、気絶してしまうほどに

驚くのではないだろうか。


行為にも飽き、里香は購入した服の一つ、

チャイナドレスを着込んだ。


服の隙間から太ももがあらわになる


「フフ…本当に興奮する」

里香は自分で自分に興奮している。


実際は豊が興奮しているのだが、

今や豊が里香自身だ。


里香が興奮しているのと同じことだ。


里香はニヤニヤしながら自分の服のニオイを嗅ぐ。


「うーん…いいニオイ」


ガタッ


その時、背後から物音がした。

弟の孝雄だった。


「…お…お姉ちゃん…」

孝雄は唖然としている。


真面目だった姉が

自分の部屋で喘ぎ声をあげ、

何事かと覗きに来たら、

当の本人はチャイナドレスを着て、自分の服のニオイを嗅いでいる。


完全にヘンタイだろう。


「………な、、、なにやってるの…」

孝雄の顔は真っ青になっている


「……なにって?」

里香はわざと笑みを浮かべて孝雄に近づいた


「私の可愛い孝雄…。

 ……私と遊ぶ?」


里香から出すことのできる

最大限の色っぽい声を出して孝雄に迫る。


姉と弟の境界線を壊してみたい。

里香はそんな風に思った


「ね…?」

孝雄を興奮させようと例の場所に手を触れる。


孝雄は既に興奮してしまっているようだ。


「や…やめてよ」

孝雄が必死に声を絞り出した。


「やめな~い!

 ホラ、遊んで あ・げ・る♡」


色っぽい声を出して孝雄を部屋の中に引っ張り、

押し倒した。


鏡に目をやる。


里香の表情は、

豊が好きだった里香のものでは既になくなっていた。

性欲に完全に支配され、

その快楽に身を任せている顔だった。


里香が狂ったように孝雄に口づけをすると、

孝雄が里香を突き飛ばした


孝雄の力は思ったよりも強かった。

突き飛ばされた里香は、背後の戸棚に腰を打ち付けた…。


「……ッ…」

キレた…


元々豊は不良だ。

里香を乗っ取ったあとは比較的おとなしくしていたが、

喧嘩を売られれば話は別だ。


自分の怒りを豊は抑えられなかった。


「あ、、、ご、、ごめん」

近づいてきた孝雄を里香はわし掴みにし、壁に押し付けた


「いてぇじゃねぇかよ あ?

 テメー 調子に乗ってんじゃねぇぞ?」


里香の可愛い声を極限まで低いトーンにして言う。

もはや里香の声とは思えない。


鏡には殺意すらこもった里香の顔が写っていた。

あの可愛い里香がこんな顔をーーー


ゾクゾクゾクゾク…

里香の身体があまりの興奮に震える…。


「ヒッ…」

孝雄が涙ぐむ


「…なぁ、、私が遊ぼうって言ってたんだよ。

 お前は黙って私を楽しませりゃいいんだよ!」


女の声で、里香は怒鳴りつけた。


「………」

孝雄は涙を流している。


よわっちいやつめ。


里香はその様子にも腹が立ち、

里香の綺麗な手で拳を作り、弟を殴った。

2回、3回と…。


暴力なんて嫌いーーー。

里香の記憶にはそう刻まれていた。


「フフッ…たまらない!」

豊は自分が里香にさせていることを自覚し、

興奮した。


その時だった。


「……お姉ちゃんじゃない」

孝雄がつぶやいた


里香が手を止める


「は?」

低い声で脅すようにして言うー。


「---お前はお姉ちゃんじゃない!」

里香を睨みながらー

孝雄がそう叫んだ。。



⑦へ続く


・・・・・・・・・・


コメント


毎週火曜日恒例(?)の失恋の報復(リメイク)でした~!

このころは、1話あたりがこの文字数(今の半分以下ぐらい)でも

今と同じぐらい書くのに時間がかかっていたりします…!


毎日書いているとだんだん早くなって

くるものですネ…★


今日もありがとうございました~!


あ、メリークリスマスデス!

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