＜入れ替わり＞僕とわたしの不思議な青春㉕～新学年～ (Pixiv Fanbox)

1年目が終わり、2年目を迎えたー。

2年C組となった翔太と綾は、以前として入れ替わったままー。

そしてそこにー、

二人の転校生がやって来るー。

一人は、爽やかそうな眼鏡の男子・都会　和之ー。

もう一人は、お嬢様育ちの世間知らず・神宮寺　真莉愛。

新たに2人のクラスメイトが加わり、波乱の2年目が幕を開けようとしていたー。

★前回はこちら↓★

＜入れ替わり＞僕とわたしの不思議な青春㉔～桜～

他のクラスの生徒に絡まれたり、 初めて立場が逆転してお互いに混乱したりー、 色々なトラブルに直面しながらも ”入れ替わった状態のまま”迎えたバレンタインデーを乗り越えた2人ー。 そして、いよいよ1年目も残りあとわずかー。 1年生から、2年生へー。 元に戻る方法が分からないまま、二人はその時を迎えようとしてい...

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★主な登場人物★

遠藤　翔太（えんどう　しょうた）

C組生徒。大人しく、奥手な性格の持ち主。綾と入れ替わってしまう。

星村　綾（ほしむら　あや）

C組生徒。可愛らしい雰囲気に、明るい性格の持ち主。翔太と入れ替わってしまう。

神田　哲真（かんだ　てつま）

C組生徒。翔太の中学時代からの友人。女子は苦手。

渡海　和之（とかい　かずゆき）

転校生の一人。爽やかな眼鏡男子。綾と面識がある模様。

神宮寺　真莉愛（じんぐうじ　まりあ）

転校生の一人。お嬢様育ちの世間知らず。

★脇役も含めた人物紹介はこちら↓★

＜人物紹介＞僕とわたしの不思議な青春～登場人物図鑑～

長編入れ替わりモノ 「僕とわたしの不思議な青春」の 登場人物図鑑デス！ 連載前に予告として掲載した、 主人公たちのクラス名簿の内容に加え、登場する教員や その他の人物もご紹介しています～！ ※ネタバレは控えめ（漫画や小説の最初の方のページに書かれている 　人物紹介ぐらいの内容…）デス～！ 　最初にクラス名...

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「ーーせーのっ！」

翔太（綾）と、綾（翔太）がタイミングを合わせて走りー、

お互いに”怪我をしない程度”に、衝突するー。

「ーーいたたたたた…」

綾（翔太）が、頭を押さえながら、

すぐに顔を上げるー。

がー、目の前には心配そうに綾（翔太）を見つめている

”自分の顔”があったー。

「ー…僕の顔が目の前にあるってことはー…

　元に戻ってないんだねー…」

綾（翔太）が、苦笑いしながら言うと、

翔太（綾）は「うんー…今日もダメだったねー…」と、

少しだけ寂しそうに笑うー。

入れ替わってから約1年ー。

二人は今も、”会う日”は、毎日のように何らかの

”元に戻れるかもしれないこと”を試しているー。

”同じこと”の繰り返しー

けれど、入れ替わったあの時ー、

二人は、ぶつかって階段から転落したことで入れ替わったのだー。

だからー、もしかしたら、

何度も何度も何度も繰り返していれば、

そのうち”何か条件が一致して”、元に戻れるかもしれない、という

そんな希望に賭けているのだー。

「ーーーいよいよ”来週”だね」

翔太（綾）が、スマホのカレンダーを見つめながら言うー。

「ーーうん」

綾（翔太）も頷くー。

”来週”は1年前、”入れ替わった日”から1年を迎えるのだー。

”同じ日”に、同じ条件を満たせば

元に戻れるかもしれないー。

二人は”怪我をすること”を覚悟で、

あの時と同じことを再現しようとしていたー。

1年前と同じ、同じ場所、同じシチュエーションを作れば、

もう一度身体が入れ替わって元に戻れるかもしれないー、と。

「ーーーもし、元に戻れたら、

　一緒にどこかに遊びに行くー？

　”元に戻れた記念”って感じでー」

翔太（綾）がそう言うと、綾（翔太）は

「ーう、うんー」と、少し恥ずかしそうに頷くー。

本当に、元に戻れるだろうかー。

けれど、ついついそんなことを想像してしまうー。

「ーー！」

その時だったー。

二人が元に戻るために話し合いをしていた教室に、

先日、転校してきた生徒の一人、渡海　和之が姿を現したー。

”「ーー…久しぶりー。”僕のこと”覚えてるー？」”

先日、初日にそう言われたことを思い出す綾（翔太）ー

しかし、翔太（綾）に確認しても、

”都会くんー…記憶にないなぁ…”と、いう返事で、

綾自身にも覚えがない様子だったー。

「ーーあ、びっくりさせてごめんー。

　星村さんー…

　僕のこと、思い出してくれたー？」

和之がそんな言葉を口にするー。

「ーーえ…え～っと…」

そう言いながら、綾（翔太）は、翔太（綾）のほうをチラッと見るー。

がー、翔太（綾）も、やはり思い出すことが出来ていないようで、

首を横に振ったー。

「ーーあはははー…まぁ…それもそっかー」

和之は、初日の時と同じように納得した様子で頷くと、

「ーー昔、助けてくれただろ？いじめられていた僕をー」

と、眼鏡をいじりながら言葉を口にしたー。

「ーーーえ…」

綾（翔太）が戸惑いながら、翔太（綾）のほうを見ると、

翔太（綾）も、まだ思い出すことができていないのか、

表情を曇らせていたー。

「ーー小川（おがわ）って言えば分かるかな？」

和之がそう言うと、翔太（綾）が少し間を置いてから

「あっ…！」と、声を上げたー。

どうやら、”綾”は、この渡海　和之のことを思い出したようだー。

綾（翔太）が、そんな翔太（綾）の反応に気付きながらも、

”入れ替わり”のことを知らないこの渡海　和之の前では

”どんな関係だったの？”と確認することもできないー。

そうこうしているうちに、和之が”翔太（綾）”のほうを見つめたー。

「ーーー…ーーところで、君はー？

　…遠藤くんだったっけ？」

和之がそう言うと、翔太（綾）は「う…うんー」と、

言葉を口にするー。

「ーーー……星村さんとは、どういう関係ー？」

爽やかな笑顔が消えて、真顔になる和之ー。

イヤな空気だー。

とても、ピリピリとした雰囲気を感じるー。

「ど、どういうってー…

　と、友達ー」

翔太（綾）も、そのイヤな空気を感じたのかそう言うと、

和之は、二人の顔を交互に見比べたー。

そしてー…

綾（翔太）のほうを見つめると、

「ーあはは、ごめんごめんー。僕、邪魔だったかなー？」と、

和之は笑うー。

そして、優しそうな笑顔のまま、

「とにかく、星村さんに会えて良かったー」と、そう言葉を口にするとー、

「改めて、これからよろしくー」と、握手を求めて来たー。

綾（翔太）が握手に応じると、そのまま和之は

一声挨拶して立ち去っていくー。

「ーーーーーーー」

去り際に、”翔太（綾）”を睨むようにして見つめる和之ー。

その視線に気付いた翔太（綾）は気まずそうに表情を歪めたー。

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「ーーー今年も、引き続きよろしくー」

国語の井上先生が、去年と同じように

”つまらない”授業を展開するー。

担当が変わった教科もいくつかあり、

数学の世間話が好きな西田先生は離任したために、

別の先生に変わっているー。

また、美術と音楽の先生も変わったー。

がー、生徒たちの一部が”変わるといいな”と

願っていた井上先生に限って”そのまま”だったー。

綾（翔太）はそんな井上先生の授業を聞きながら、

転校生・和之のことを気にするー。

”さっきの”僕”ー…っていうか、星村さんを見る目ー…

　普通じゃなかったー…”

翔太（綾）を睨みつけるような目ー…

そこに何だか狂気が宿っているような気がして、

綾（翔太）は強い不安を感じていたー。

「ーーーー初めましてー」

そうこうしているうちに、3時間目の数学が始まったー。

”世間話好きおばさん”西田先生が離任したことにより、

数学の担当は新たに、黒川　星奈（くろかわ　せいな）先生が

担当となったー。

黒板に名前を書いて自己紹介をする黒川先生ー。

まだ20代か30代ぐらいの若そうな先生に見えるものの、

なんだかその目には生気がないー。

「ーーみんな、わたしの授業なんか受けることになっちゃって

　ごめんね～…

　わたし、授業つまんないと思うけど、

　まぁ…1年間我慢してね」

妙にネガティブな雰囲気の黒川先生ー。

そんな先生を見て、お調子者の男子・栗原　誠一が

「ーそんなことないですよ！美人な先生の授業なんて

　最高じゃないですか！」と、

お世辞なのか、本気なのか分からない言葉を口にして、

クラスの一部から失笑が漏れ始めるー。

がー…

「ーーあは」

死んだ目で黒川先生がとんでもなく薄いリアクションしか

しなかったため、誠一も気まずくなってしまい、黙り込んでしまったー。

”な、なんだかー影が見える先生だね…”

小声で前の座席の笹野翔子が言葉を口にするー。

綾（翔太）も、苦笑いしながら頷いたー。

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4時間目は、理科の授業ー。

昨年と同じく、”科学と結婚した”と豪語する

薄汚れた白衣がトレードマークの美人・松原郁恵先生が

今年も担当だったー

「やったぜ！」

いちいち騒ぐお調子者の誠一。

「ーあ～もう！あんたいちいちうるさい～！」

相変わらず自分を可愛いと思い込んでいる寧々が

不満そうに叫ぶー。

「ーーふふー相変わらず、栗原くんは元気ねー」

松原先生が笑いながら言うと、

そのまま授業を始めるー。

がー

その時だったー。

「ーーあの～～

　平民の皆様は、まだ、こんなことを勉強していらっしゃるのですかー？」

申し訳なさそうに転校生のお嬢様・神宮寺　真莉愛が

言葉を口にするー。

「ーーー…あら、神宮司さんー…」

松原先生が手を止めると、

真莉愛は言葉を続けたー

「わたし、”この程度”、5歳の頃にはもうマスターしてましたわ…

　平民の皆様ってー…すっごい遅れてらっしゃるんですねー…」

真莉愛の言葉に、凍り付く教室ー。

真莉愛に悪気はないー。

しかし、お嬢様として大事にされすぎて

世間から100パーセントズレた思考の持ち主になってしまっていたー。

「ーーふふふー、

　分からないことがあったら、わたしが何でも教えてあげますからー

　一緒に頑張りましょうね！」

満面の笑みで言う真莉愛ー。

一見、嫌味に聞こえた最初の言葉も、

”純粋に思ったことを言った”だけー。

真莉愛は心から、”遅れている平民のみなさん”を心配し、

親切と優しさで”一緒に頑張りましょうね！”と思っているー。

がー…

そんな真莉愛の振る舞いが理解されるはずもなくー…

「ーは？あんた何なのー？」

昨年は丸岡富雄いじめにも加担していた気の強い女子・

高倉　美咲が不満そうに真莉愛を睨みつけるー。

「ーーわたしですか？お金持ちのお嬢様ですけどー…」

真莉愛が、”美咲が何で怒っているのか”も理解できないまま

そう言葉を口にすると、

周囲のクラスメイトたちは凍り付いたー。

”ひぇぇ…いきなり争いが始まりそうー…”

ネガティブな女子生徒・湯川　梓が目を逸らすー。

しかしー

「ーはいはいはい、二人とも、そこまでよ」

松原先生が苦笑いしながら二人を止めると、

真莉愛は首を傾げながら着席しー、

美咲は「ふん！」と、不満そうに自分の座席へと戻っていくー。

そんな様子を見ていた綾（翔太）は

”神宮寺さんも、なんだか癖のある子だなぁ…”と、

心の中で少しだけ不安を覚えるのだったー。

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昼休みー

綾（翔太）は、翔太（綾）と、

翔太の親友・神田　哲真の三人で、

昼食を食べながら雑談していたー。

「ーなるほどー。」

哲真が頷くー。

転校生・都会　和之の正体はー、

”綾が小さい頃にいじめられている現場を目撃して、

　助けてあげた別のクラスの子”だったー。

まだ、ランドセルを背負い始めたばかりの頃の話だー。

綾によれば、その頃は”小川　和之”という名前だったのだと言うー。

いじめの件が解決した後にすぐに和之の方が転校したし、

まだ小さい頃の話のため、容姿も全然変わっていて、

苗字も変わっていたために、綾は気付かなかったようだー。

確かに、”下の名前”だけで、10年近く経過した状態での

再会となれば、気付かないのも無理はないー。

「ーちょうど…小川くんがいじめられてて、

　わたしがたまたまそこを通りがかったからー、

　”やめなよ！”って言ったのー。」

翔太（綾）は当時のことを思い出しながらそう言葉を口にするー

「ーー星村さんって昔から優しかったんだなぁ…」

綾（翔太）がそう言うと、

翔太（綾）は「別にー、そんなすごいことしたわけじゃないしー」と、

笑いながら言うー。

綾が言うには、いじめをしていた相手の子をその場で注意して、

先生にも報告ー、

その後、”偶然”いじめっコたちの中に綾のことが好きな子がいたため、

いじめはパッタリと止んだのだと言うー。

その際に、和之に対しても色々言葉を掛けたのを覚えているもののー、

具体的な内容までは、もう昔すぎて覚えていないようだったー。

「ーでも、どうして”渡海”に変わっているんだろうー？」

綾（翔太）が言うと、

哲真は「そりゃ…アレだろ…？親の事情だろ？」と、

気まずそうに言うー。

「ーーまぁ、渡海くんも色々あったんじゃないかなー…」

翔太（綾）がそう言うと、

綾（翔太）は「じゃあー、とりあえず、渡海くんのこと、

思い出したって言っちゃって大丈夫かなー？」と、確認をするー。

「ーうん。渡海くんとは、渡海くんが2年生になる前に転校して

　以降、全く会ってないし、連絡を取ったりもしてなかったからー、

　入れ替わりのことも心配しなくていいと思うしー…」

翔太（綾）の言葉に、綾（翔太）は「うん。わかったー」と、頷くー。

「ーーーしかし、あのお嬢様のほうもなんか

　トラブル起こしそうだよなぁ～」

親友の哲真が苦笑いしながら言うと、

「あ～、神宮寺さんだったよねー。僕もちょっと不安ー」

と、綾（翔太）は少し困ったような笑みを浮かべたー。

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数日後ー

”今年の”身体測定が行われたー。

「ーーー…」

”あ、星村さんの身体の方が良く見えるなぁ…”

視力検査を受けながら、綾（翔太）はそんなことを思うー。

視力検査を終えて、続けて聴力検査に向かおうとすると、

偶然、翔太（綾）と鉢合わせした綾（翔太）ー

「ーなんだか、去年を思い出しちゃうねー。

　たしか、遠藤くんもわたしも道に迷ってたんだっけー？」

翔太（綾）が言うと、

綾（翔太）は「あははー…そうだったねー」と、懐かしそうに笑うー。

「ーーまさかー、あの時の僕たちに

　”このあと、二人は入れ替わるんだよ”なんて言っても

　信じないだろうなぁ…」

綾（翔太）が歩きながらそう言葉を口にするとー、

翔太（綾）は笑いながら、「ふふー、わたしも絶対に信じないと思うー」と、

そんな言葉を口にしたー。

2年目の身体測定が終わりー…

そしてーーーーー

”入れ替わったあの日”からちょうど1年後を迎えたー。

翔太（綾）と綾（翔太）は、”あの階段”にやってきていたー。

今日からちょうど1年前ー…

翔太が、自転車のカゴに飲み物を置いてきてしまったことに気付き、

慌てて自転車置き場に引き返す最中ー、

タイミング悪く階段を上って来た綾と、鉢合わせになってしまい、

衝突ー、そのまま転落して入れ替わってしまった二人ー。

あの日の朝と、ほぼ同じ時間ー、

同じ場所、同じ日付ー…

同じ条件で転落すればー…

もしかしたらー…

実は一度、入れ替わったあと、少ししてから

放課後にこの階段で転落してみたことはあったものの、

その時は元に戻らなかったー。

それ以降は”怪我をしたら危ない”という理由で、

階段から転がり落ちることは試していなかったけれどー、

元に戻れるとすれば、今日、この日だー。

そのタイミングを逃すわけにはいかないー。

「ーーーーー…元に戻ったらーーー…」

綾（翔太）は少しだけ寂しそうに呟くー。

クラスの笹野翔子や、野坂優菜、

綾の元々の親友の山井穂乃果ー、

それに、綾の妹の美桜ー。

そういった人たちとの接点がまた、失われるかもしれないー。

”ただのクラスメイト”に戻ってしまうかもしれないー。

カードゲーム部の部員としても、もう活動できないしー、

”綾”としておしゃれをする楽しさとも、お別れだー。

「ーーー…なんか、1年も過ごすと

　元に戻る時も複雑になっちゃうねー」

翔太（綾）が、綾（翔太）の寂しそうな表情に気付き、

言葉を口にするー。

”綾”だって同じー。

翔太の家族との接点はなくなるし、

美術部の倉守詩音や、

男子として仲良しな敷島郡司ー、それに翔太の親友の哲真や、

哲真と一緒にいるイケメン男子の足立幸也ー。

”綾”に戻ることで、綾にも失うかもしれないものが

色々あるー。

「ーーーーー…そうだねー。

　僕も、星村さんも、それは同じなんだねー」

綾（翔太）は、そう言葉を口にすると、

意を決して、翔太（綾）のほうを向いたー。

「ーーでも、戻ろうー」

"「ーー告白するなら”自分の身体”でー」"

クリスマスの時に、綾に言われた言葉を思い出すー。

「ーーー今年は、ちゃんと”自分の”高校生活を送ろうー」

綾（翔太）がそう言うと、翔太（綾）も優しく頷いたー。

もちろんー、

戻れる保証なんてどこにもないー。

でもーー

少しでも、希望を持ちたいー。

元に戻れると信じたいー。

今度こそ、元に戻れるとそう思いたいー。

綾（翔太）が階段の上から降りて来てー、

翔太（綾）が、階段の下から登って来るー。

当時の条件を”できる限り”再現してーー…

二人はー、1年前のあの時と同じようにー、

階段を転がり落ちるーーーー

痛みに耐えながら、元に戻れることを祈ってー……

二人は、階段の下まで落下するのだったー…。

㉖へ続く

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★2-Cの日常★

「ククク…見える…見えるぞ！」

身体測定の日ー…

視力検査をしながら、

周囲から”中二病”などと呼ばれている男子生徒・

米沢　海斗は笑みを浮かべていたー。

「ーー…あ、あの～～？米沢くんー？」

視力検査の担当をしていた担任の若松先生が

戸惑いながら、海斗のほうを見つめるー。

海斗は、視力検査だと言うのに、両目を閉じているのだー。

「ーーふふふ…先生、心配はいりませんよー。

　俺の闇の力で今、”第3の目”が、全てを見通していますー」

海斗のそんな言葉に、

若松先生は「そ、そうなんだー…」と、苦笑いしながら、

戸惑うー。

”まぁ、右目は隠しているしーいっか…”

若松先生はため息をつきながら、左目の検査を始めるー

「ククク…見えますよー。

　右！　左！　次は上！　これは、下！」

海斗が両目を閉じたまま、自信満々に答えるー。

がー、その全てが外れているー。

「0.0ねー…」

若松先生が少し呆れ顔で言うと、

海斗は「なっ…！」と手を震わせるー。

「ーー…ちょっと…」

背後に並んでいた翔太が小さい頃親しかった女子生徒・

伊藤　菜々美がうんざりした様子で言葉を口にするー。

「うぉっ！？闇の魔女！」

海斗が勝手につけているあだ名を叫ぶと、

菜々美は「ーいいから、早くちゃんと目、開いて検査受けて」と、

面倒臭そうに言葉を口にするー

「ーーま、魔女がお怒りだー…　は、はひっー」

海斗は一人、そう言葉を口にすると、渋々普通に

視力検査を受け始めるのだったー。

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コメント

2年目が本格的にスタートしました～！

（※作中の時間の2年目デス～笑）

ここで元に戻れるのか、それとも戻れないのか…

この先の運命を大きく変えることになりそうデス…！

（もちろん、もうこの先の展開も決まっています～！）

今日もお読み下さりありがとうございました～！☆