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現国王が病に倒れて、先が長くない状態ー…


そんな状態にあったフローリア王国では、

現国王・ミロの息子で第1王子であるディーノが国王の座を

継ぐ予定になっていたー。


しかし、それを良く思わない第2王子のエラルドは、

女体化薬を盛り、ディーノを女体化させてしまうー。


そしてー、エラルドは自らが国王になろうと暗躍し始めるー…。


★前回はこちら↓★

<女体化>次期国王は兄上じゃない①~陰謀~

「ーーー」 彼は、低い声を出そうと努めていたー。 ”女”であることを悟られてはならないー。 フローリア王国ー。 この王国では、代々”男”の王族が国王の座につくことになっていてー、 先代国王が命を落としたり、または王位を継承する際には 長男がそれを継承する習わしだったー。 「ーーーー…」 しかし、彼はーーー 王...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


王宮内の訓練場では、

”女体化したディーノ”と、その弟・エラルドが訓練を行っていたー。


「くっー…」

必死に、王族が身に着ける鎧を身に纏い、

剣を振るうディーノー。


しかしー、”女体化した身体”には、この鎧は重いー。


「ーククククーーー兄上の実力はそんなものですか?」

第2王子・エラルドは笑みを浮かべながら

”いつもより圧倒的に動きが悪い”ディーノの剣をはじくと、

そのままディーノに攻撃を加えたー。


「ーぐっ…」

ディーノとエラルドは”いつも”ディーノが勝利していたー。

弟のエラルドはいつもいつも、屈辱を味わって来たー。


がー、今はー。


「ーもう一度ー」

ニヤッと笑みを浮かべながら、何度も何度も

”女体化した兄”との模擬線に勝利するエラルドー


「ーおやおやおや、もうお疲れですかー?

 兄上ー…いいえ、”姉上”ーご無理をなさらずにー」

エラルドが邪悪な笑みを浮かべながら

”女体化したディーノ”を見つめるー。


「ーーー…妙に嬉しそうだなー…エラルドー…」

女体化したディーノが息を切らしながらそう言葉を口にすると、

「いいえ、別にー」と、笑みを浮かべるー。


「ー”これ”は、お前のしわざかー?」

ディーノが自分の身体を見つめながらそう呟くー。


”女体化”は、弟のエラルドのしわざではないかー。

ディーノはそんな風に思っていたー。

姉のニーナも同意見だー。


弟のことを疑いたくはないー。

しかし、あまりにもタイミングが良すぎたし、

ディーノが女体化して、一番得するのは

他でもない、エラルドなのだー。


「ーー何だとー?」

エラルドが表情を歪めるー。


ディーノは「この状況で得をするのは、お前しかいないー」と、

そう呟くと、エラルドは「ーーぐっ」と、悔しそうに

歯ぎしりをするー。


がーーー

すぐに笑みを浮かべると、ディーノの背後に回り、

エラルドはディーノの胸を揉み始めたー。


「ー”ディーノ姫”は、妄想してしまうほどにお疲れのようだー」

と、囁きながらー。


あえて、”兄”のことを”姫”と呼び、屈辱を味合わせようとしているのだー。


「ーーーお…お前…!」

震えながら、女体化したディーノがエラルドを睨むー。


が、エラルドは笑いながら、

「おい!”ディーノ姫”はお疲れだー。

 部屋にご案内して差し上げろー」と、騎士を呼びつけると、

そのままディーノを部屋へと案内させようとするー。


悔しそうにエラルドのほうを見つめるディーノ。


エラルドは、そんなディーノのほうを勝ち誇った表情で見つめたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


数日後ー。


「ーー我が兄・ディーノは、姉になられたー。

 もはや、後継者としてふさわしい人間ではないー」


長髪に長身のイケメンー。

いかにも”貴族”な雰囲気を漂わせている第2王子のエラルドー。


エラルドは、フローリア王国の大臣や重役ー、

様々な人間に”女体化した兄は、次期国王にふさわしくない”と、

言いまわっていたー。


「我が王国では、長男が国王の座を継ぐ習わしー。

 兄上が姉上になられた以上、この私が後をつぐしかあるまい」

エラルドがそう言い放つと、

「それもそうだ」と、大臣の一部が頷くー。


長男のディーノは、どちらかと言うと、

民目線で物事を進めるタイプで、貴族らしからぬ振る舞いの持ち主。

だが、どんな人間にも分け隔てなく接することで、

王宮内での人望も厚い。

しかし、貴族の舞踏会などよりも、困っている民がいれば

舞踏会を欠席してでも人助けに向かってしまう性格であることから

貴族の一部には彼を嫌うものもいなくはないー。


次男のエラルドは”典型的な王族”

王族は下々の民を導いてやらねばなるまい、と思っていて

常に高貴な振る舞いを心がけるー。

だが、内心では民を見下している他、武芸でも学問でも

ディーノに劣っている上、貴族的な振る舞いも有事になって

取り乱すと、見る影もなくなるなど、”外見だけ”の男だー。


がーーー

現国王・ミロの子供は

長女ニーナ、長男ディーノ、次男エラルド、そして次女のアルテアのみ。


ディーノが女体化した以上、次期国王は”習わし通り”に進めば

エラルドしかいないのだー。

”娘”が跡継ぎになるのは、現国王の子が”女”だけだった時に限られるー。


「ーーしかし、エラルド様ー

 ディーノ様は今まで”女”であったことを隠されていたということですか?」

大臣の一人が言うー。


”突然の女体化”

普通の人間にはなかなか理解できないことだー。


大臣の中には”病気説”を唱えるもの、

”魔術説”を唱えるもの、”元々女であったことを隠していた説”を

唱えるもの…

色々な人間がいたー。


「ーー色々な噂が立っていることは私も承知しているー。

 だが、いずれにせよ、

 病気なら、まさか病人に次期国王を任せるわけには行くまいし、

 何らかの魔術によるものでも、そのような状況の者を

 次期国王にはできないー。

 隠していたとすれば、尚更だー。


 つまりー…次期国王は、この私をおいて他にはいないのだ!」


エラルドは、他の貴族や大臣たちの前でそう言い放ったー。


1週間もしないうちにー、

フローリア王国内では”エラルド様が次期国王になるべき”という声が

あっという間に広がったー。


「ーーーーー…」

悲しそうな表情をする女体化したディーノ。


自分の部屋で、思わず、”胸”を押しつぶそうと、

手に力を込めてみるー。


当然、手で力強く押したら引っ込むー…なんてことはなく、

ディーノの望まぬ膨らみは、無情にもそこにあり続けたー。


「ーーディーノ…

 自分の身体を大事にしなければ、いけませんよー?」


部屋に入って来た長女のニーナが心配そうに言うー。


”胸”を押していたことを見られたディーノが

少し恥ずかしそうに「あ、姉上ー…ノックをして下さいよー」と、

苦笑いすると、ニーナは「ノックは何度もしましたけどー…」と、

苦笑いしたー。


ディーノとニーナが今後について話し合うー。


「ーー王宮内は、エラルドを国王にするべきという声で

 固まっていますー」

ニーナの言葉に、ディーノは「そう…ですかー」と、

悔しそうに自分の髪を見つめるー。


髪は、女体化したあとにバッサリと切ったー。


だが、顔立ち、声、骨格、それにアソコもー、

どうすることもできない部分が多すぎるー。


「ーーーまさか、こんなことになるとは、思いませんでしたよ」

女体化したディーノは自虐的に笑うー。


ニーナは「あまり思いつめすぎてはだめですよ」と、言葉を口にするー。


しかし、ディーノは

「俺は別に”国王”になることに拘りはないんですー」と、笑うー。


「ーけどーーー…」

ディーノは、そこまで呟くと、表情を曇らせるー。


「ーエラルドはーーー…王の器ではないー。

 父上が、いつもそう言っていましたー。


 弟のことを悪く言うのは心苦しいですがー…

 俺も…そう思いますー」


ディーノは悔しそうにそう呟くー。


ディーノ個人としては、弟のエラルドのことを可愛がっているし、

嫌いではないー。

しかし、一緒にいるからこそ分かるー。

エラルドは”王の器”ではないー。


”国王”になりたいわけではないけれどー、

自分がやらなければ、王国の平和を守れないとディーノは

そう思っていたー。


「ーーーー…姉上であれば、安心だったのですがー」

ディーノがそう言うと、

ニーナは苦笑いするー。


「わたしは女に生まれた時点で、王位継承者じゃありませんからー」

とー。


「ーーー今のままだと…エラルドが国王にー」

女体化したディーノは、そう言葉を口にすると、

静かに立ち上がったー。


「父上と、面会してきますー」

とー。


女体化して以降、父・ミロと顔を合わせづらく、

一度も会っていなかったディーノ。

しかし、こんな状況ではそうも言ってられないー。


ディーノは意を決して、父・ミロの元へと会いに行ったー。


「父上ー……」


父・ミロのベッドの横に立つと、

ミロは「ーーーディーノ…?そ、その姿はー?」と、

驚きの言葉を口にするー。


ディーノは、自分が女体化してしまったこと、

次期国王をエラルドにする動きが広がっていることを、

父・ミロに伝えたー


「ならんー」

ミロは弱弱しい姿でそう呟くー。


「”あやつ”は、ダメだー。

 あやつが王になれば、隣国のアイオーン王国に我が王国は滅ぼされるぞー」


ミロがベッドから無理に立ち上がろうとして咳き込むー


「ち、父上ー…!」

ディーノが、父・ミロを支えると、

ミロは「わしが、正式に全家臣に伝えるー…次期国王は、お前だー」と、

ディーノのほうを見つめるー。


「ーー身体が女になろうと、お前は男だー。

 何も遠慮することはないー。次期国王として、堂々としろー」


ミロの言葉に、ディーノは「父上ー…」と、

言葉を口にすると、改めて”国王”の座を継ぐ決意を固めたー。


がーーー…


「ーーーーーーーーーーー」

偶然、父・ミロに別件で話をしに来ていた弟のミロが、

その様子を部屋の外から睨みつけるようにして見つめていたー。


そして、その夜ー

父・ミロの病は”急変”し、息を引き取ったのだったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーー父上は、遺言状を残しておられたー。

 それを今、読み上げるー」


翌日ー

エラルドは、父・ミロが”遺言状”を残していたとして、

それを読み上げ始めたー。


その内容はー、

”女体化したディーノではなく、第2王子であるエラルドを

 次期国王とする”という趣旨のものだったー。


明らかにでっちあげだー。

それに、父・ミロの急死もタイミングがおかしすぎるー。


ディーノは、「エラルド!お前まさか父上をー!」と、

叫ぶー。


がーー

エラルドは笑みを浮かべながら首を横に振るー。


「ーーふふふー

 ”姉上ー”


 私が父上を殺したとでもー?

 

 おぉ…父上ー… 父上ー」


エラルドは、わざとらしく涙を流し始めるー。


「ー敬愛する父に、私がそんなことできようか?

 できるはずもないー」


エラルドのそんな振る舞いに、

少なからず反対の言葉を口にする者もいたー。


がー、結局はエラルドに押し切られてしまいー、

”次期国王”は第2王子であるエラルドに決まってしまったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーーー…」

国王となったエラルドは、

ディーノに”第2王女”の称号を与え、

徹底的に”女”として扱ったー。


ディーノは、部屋に籠りがちになり、人前にあまり姿を

現さなくなったー。


それをいいことにエラルドは自分の思うがままに、

フローリア王国を動かし始めるー。


今日は、隣国であるアイオーン王国の現国王・オルランドとの

対談も予定されているー。


「ーーーー…」

そんな中、女体化したディーノは、姉であるニーナと会い、

話をしていたー。


「ーー”性別を変える薬”?」

姉のニーナが首を傾げるー。


「えぇ。研究院のディベリオ殿がそういう研究をしていたという

 情報を手に入れましたー」

あくまでも”俺は男だ”と言わんばかりに、男装した女性のようなー、

そんな格好のディーノは、そう言葉を口にするー。


「ー今日、エラルドがアイオーン王国に出向く予定になっていますー

 その間に、俺はディベリオ殿に会い、話を聞いてみようと思いますー」


ディーノの言葉に、

ニーナは頷くー


「エラルドがディベリオ殿の薬を使って、ディーノ…あなたを

 女に変えたのだとすれば、ディベリオ殿に会えば、

 元に戻る方法が分かるかもしれない…


 そういうことですね?」


ニーナの言葉に、ディーノは頷くー。


「ーですが、エラルドのことですー…

 先手を打ってくるかもしれませんー」

ニーナが心配そうに呟くー。


ディーノも不安そうに表情を曇らせるー。


が、男に戻る方法があるのであれば、

どうにかしなくてはならないー。


そう思いながら、ディーノはエラルドが出立したタイミングを

見計らいー、研究院に出向いたー。


がーーー…


「ーーで、ディーノ”姫”ー…大変です!」

研究院に到着すると同時に、兵士がそう叫んだー。


兵士にまで”姫”と呼ばれて少しムッとするディーノ。


だがー、それ以上に、兵士から告げられた言葉に

ディーノは呆然としたー


「ディベリオ殿が、部屋で”自害”なされましたー」


”性別を変える薬”を作ったディベリオが、

自害したー。

こんなにタイミングよくー…


ディーノは「エラルド…お前…」と、表情を

歪めながらその場で膝をつくのだったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーー我ら両国の更なる繁栄を願ってー…乾杯ー」


同時刻ー。

フローリア王国の国王となった弟・エラルドは

隣国・アイオーン王国の国王・オルランドとの会談を終え、

宴を楽しんでいたー。


「ーーー」

オルランドは3年前に先代国王が死亡し、国を継いだ

若き王ー。

ディーノやエラルドのことも昔から知っているー。


「ーーー…」

そんなオルランドは、女に囲まれてニヤニヤしている

エラルドを見て、少しだけ笑みを浮かべたー


”バカな次男の方が国王になるとはなー…”


そしてーー

オルランドは、静かに呟いたー


「ーフローリア王国を滅ぼす好機ー…」

と、邪悪な笑みを浮かべながらー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


研究院に所属するディベリオの死亡を受けて、

ディーノは、”次の手”を、すぐに実行に移していたー


弟のエラルドは”国王”には向いていないー。

このままでは、王国が崩壊してしまうー。


それは絶対に避けなければならないー


そう思ったディーノは”妹”のところを訪れていたー。


先代国王・ミロの子供は4人ー。

姉・ニーナと、ディーノ、そして弟のエラルドー。


もう一人は、次女のアルテア。


だがー、アルテアは王宮内のドロドロした政治的な争いを嫌い、

王族としての地位を捨てて、現在は街外れで小さな教会を運営しているー。


「ーーーー…兄様ー」

教会を訪れると、シスターの格好をしたアルテアが姿を現すー。


「ーーアルテア…久しぶりだなー」

女体化したディーノはそう言葉を口にしながら、

アルテアのほうを見つめるー。


アルテアには、事前に”女体化”のことは伝えて置いたー。


そしてー…


「ーー兄様の力になれるかどうかは、分かりませんがー」

アルテアはそう呟くと、教会の奥にディーノを通すー。


アルテアは、小さい頃から”魔術”が得意で、

特に”光”の魔術ー…回復や病気の治療などそういったものを得意としていたー。


父・ミロも”アルテアの力には可能性を感じる”と、よく言っていたー。


そんなアルテアを、ディーノは頼ったのだー。


”なんとかして、俺は男に戻って見せるー…”

ディーノは、弟のエラルドを止めるため、心の中で今一度そう決意すると、

アルテアと共に教会の奥にある”儀式の間”へと向かうのだったー



③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


物語は終盤へ…★

果たして、男に戻ることはできるのでしょうか~?


王国の運命がどうなるのかも、ぜひ見届けて下さいネ~!


今日もありがとうございました★!

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