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”外側”から人間に寄生し、

人間が身に着ける装飾品に”擬態”する恐るべき寄生虫ー。


そんな寄生虫に、人々は寄生され、支配されていくー。


今日も、キラキラとしたピアスを輝かせながら、

不気味な笑みを浮かべる”後輩”に、彼女は戸惑っていたー。


※”擬態するパラサイト”のその後の物語デス!

 本編を見たことがなくても、楽しめますので、安心してくださいネ~!


☆本編はこちら↓☆

<寄生>擬態するパラサイト①~支配~

「ーーー最近、美亜(みあ)おしゃれになったよね~」 フードコートで飲み物を飲みながら楽しそうに談笑する 女子高生三人組ー。 「え~?そうかなぁ~?」 笑いながら美亜が言うー。 本人は、自覚のないような素振りを見せているものの、 確かに美亜は最近おしゃれになったー 黒かった髪は、今は茶色に染まりー、 最近...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーークククククー」

女子大生・紗季(さき)は、不気味な笑みを浮かべながら、

大学の構内を歩いていたー。


茶色に染まった髪ー、派手な化粧ー、

まるで男を誘惑するかのような服装ー。

そんな、妖艶な雰囲気の紗季ー。


しかし、彼女は数年前までは、そんなタイプの人間ではなく、

大人しく、穏やかな雰囲気の性格だったー


「ーーやっぱ…この”メス”は最高だー」

紗季は、鏡を見つめながら自分の指をペロリと舐めて、

嬉しそうに微笑むー。


彼女の耳に輝く”ピアス”ー。

それはー、本当のピアスではないー。


ピアスが歪みー、その外見が突然”虫”のような姿に変わっていくー。


やがて、紗季の身体の上を動きながら、

指のあたりに進んでいくと、”指輪”に擬態するー…


そうー、彼女…紗季は”人間を支配する寄生虫”に

乗っ取られているー。

彼女が乗っ取られたのは、高校時代ー。

元々、先に友達が寄生されていて、その友達が原因で

紗季自身もこうして、身体を乗っ取られることになってしまったのだー。


人間を寄生して、支配するー。

それは、寄生虫たちからすれば、非常に困難なことであり、

これまで存在した寄生虫には、人間を乗っ取るようなものは

存在しなかったー。


しかし、この寄生虫はそれを成し遂げたー。

人間の内部に入り込めば、人間の強い免疫により”駆除”されてしまうー。

そうならないために、この寄生虫は人間に”噛みつく”ことで、

外部から人間を支配するという方法で、人間に寄生したー。


常に、”噛みつき続けること”での支配だー。


だがー、そのままでは当然、周囲の人間から

”変な虫がついてるよ?”と、なってしまうー。

それを防ぐために、この寄生虫たちは”擬態”能力を身に着けたー。


ネックレス、指輪、ピアス、イヤリング、レッグリングー…

人間が身に着けるあらゆるものに”擬態”することで、

周囲の人間から違和感を抱かれずに、人々を支配するー。


そんな、悪魔のような寄生虫ー。

それに、紗季は”寄生”され、乗っ取られているー。


あれから数年ー。

もはや、紗季に当時の面影はないー。

”寄生虫と人間の子供”ー通称”ハイブリッド”を産むために

暗躍を続けていて、何人もの男と関係も持っているー。


そしてー…紗季はついに”妊娠”していたー。

”寄生虫と人間のハイブリッド”をー。


「ーーふふふふ…わたしの子供ー」

自分のお腹を触りながら、ニヤッと笑う紗季ー。


「ーー人間の身体ってーーーククー便利よねー」

そんな、邪悪な笑みを浮かべている紗季の背後から、

「あ、先輩!いたいた~!」と、

一学年下の後輩、上坂 希海(うえさか のぞみ)が、

声をかけて来たー。


「ーーーーあ~、希海ちゃんー」

紗季は、ニヤニヤしながら振り返ると、

希海は「先輩先輩!」と、嬉しそうにいつものように雑談を始めるー。


紗季は、この希海のことをとても可愛がっていたー。

何だか”小動物のように”無邪気で可愛いのだー。


”ふふふー今日も可愛いわたしのペットー”

紗季は心の中でそんな風に思いながら、希海の話を聞くー。


「あ~それは残念だったね~」

そう言いながら、紗季は希海の頭を撫で始めるー。


希海は「先輩に撫でられて嬉しいですぅ~」と、嬉しそうに笑っているー。


そんな様子を見て、紗季は優しく微笑むー。


だが、その”目”はー、

”ペットを見る”目ー。

寄生虫たちにとって、人間は”寄生対象”の器でしかないー。


人間が、犬や猫を見るのと同じ”目”ー。

今の紗季は、人間を人間扱いしていないー。

”わたし自身”も含めてー。


”希海”は、まだ”寄生”されていないー。

しかし、紗季は”あえて”まだ希海に仲間を寄生させず、

そのまま放置していたー。


その理由は簡単だー

”わたしのペット”がいなくなるからー。

寄生されれば、ペットから同志になるー。

最後には、希海も仲間にする予定だが、今はまだその時ではない、と

これまでずっと、放置してきたー。


「ーーー…先輩の指輪、綺麗~」

希海が、”何も知らず”に、紗季の指輪を見つめながら

そう呟くー。


それが、”指輪に擬態した寄生虫”であり、

目の前にいる”紗季”を乗っ取っている存在であるとも知らずにー。


「ーふふふ ありがとー…

 そうだ、よければ今度、”同じもの”あげよっかー?」


紗季がそう呟くー。

希海は「えっ!?ホントですか!?」と、嬉しそうに叫ぶと、

紗季は「ホントホント!じゃあ、今度の土曜日とかどう?」と、

一緒に”買い物”に行く約束を取り付けるー。


”もう少ししたら、わたしも出産とかいろいろ準備しないとだしー、

 そろそろ、ペット遊びは、おしまいー”


紗季は内心でそう言葉を口にしながら、

希海に見られないように、嬉しそうにペロリと”己自身”ー

そう、指輪を紗季の舌で舐めるのだったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーーははは、気を付けるんだぞ?」


父親の上坂 隆夫(うえさか たかお)が娘の希海に

そう言い放つと、希海は「も~子供じゃないんだからー」と、笑うー。


娘はもう大学生ー。

父である隆夫は、娘が高校に入学するぐらいからずっとー、

”いつかは、キモいとか言われたりするのだろうー”と、

娘の思春期到来を覚悟していたー。


がー、

そんなことはなく、希海が大学生になった今でも、希海との関係は

良好のままだったー。


何故だろうかー。

そう思いつつも、父としてはありがたいことだったし、

これからも希海のことを大切に見守っていきたい、と

そう考えていたー。


「ーー希海ってば、大学生活も順調みたいねー」

希海が、”先輩”と買い物に行くとかで、出かけた直後、

母親の和江(かずえ)がそんな言葉を口にするー。


「ーまぁ、学生のうちに楽しめることは楽しんでおいたほうがいいさ」

隆夫がそう言うと、和江は「それもそうねー」と、笑いながら頷くー。


しかしー…

隆夫は知らないー。

そんな大事な娘を、この日”先輩”のところに行かせてはならなかったー…

と、いうことをー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーおやおや、その子かい?」

”店主”の老婆がそう呟くー。


綺麗なアクセサリーが並ぶそのお店にやってきた

紗季と、後輩の希海ー。


紗季は、店主の老婆に対して、

「ーえぇ」と、笑みを浮かべながら言葉を口にするー。


「ー”わたし”と同じやつ、あるー?」

紗季がそう言うと、老婆は「もちろんー」と頷くー。


「ーーわわ…先輩!これも、あ、あっちも可愛いです!」

希海が嬉しそうに店中のアクセサリーを見渡しているー。


それがー”全て寄生虫”だとは、夢にも思わずにー。


「ーーーふふー ほら、これー」

紗季は、老婆から受け取った”指輪”を手にすると、

「”わたし”と同じでしょ?」と、微笑むー。


”わたしと同じ”ー。

それは、”わたしが身に着けている指輪と同じでしょ?”という意味ではないー

”寄生虫であるわたしと同じでしょ?”という意味ー。


しかし、そんなことは希海には分からないー。


「ーーさ、はめてみて」

紗季が微笑むー。


希海が「えっ!?いいんですか?」と、老婆のほうを見つめると、

「ーもちろんだよー」と、頷くー。


老婆は、アクセサリー販売店と偽り、”擬態した寄生虫”を人間に

寄生させている通称・”マザー”と、呼ばれる寄生虫だー。


「ーーーーこれで、先輩とおそろいー」

希海が指輪を身に着けると同時にー、指輪が”寄生虫”の姿に変化したー。


「ーー!?!?!?」

希海が驚くと同時に、寄生虫は、希海の指に噛みつき、

そのままあっという間に希海の肉体を支配しー、不気味な笑みを浮かべるー


「ーへへへへ ”先輩” いい”メス”をありがとうございまぁ~す」

希海は途端にふざけた口調になって、ウィンクしながらキスを

するような仕草をしてみせるー。


紗季は少しだけ不快そうに表情を歪めるー。


”希海”のことは”ペット”としてお気に入りだったー。

そんな希海が一気にこんなふざけた態度になってしまって、

紗季に寄生している寄生虫は少しだけ不快感を

露わにしたのだー。


現在、紗季に寄生している寄生虫は、

元々は紗季の妹である千夏に寄生していた寄生虫ー。


”このメスの方がいいじゃんー”

と、千夏から紗季の身体に移動し、紗季を支配したー。

元々、紗季に寄生していた寄生虫は、その際に宿主を失って

息絶えているー。


そうー、”寄生虫”も一枚岩ではない。

特に、人間の支配が進み、色々な個体の自我が強まっている今、

”人間と同じように”相性の合う相手と、合わない相手、

色々な相手が出てきているー。


「ーー…んっふふふふ~…綺麗な指ー」

希海はペロペロと自分の指を舐めながら、

指を耳のあたりに持って行くと、そのまま”指輪”から

”イヤリング”へと擬態を変化させるー。


耳に輝くイヤリングを見て、希海は「これでよ~し」と、言い放つと、

そのまま、”マザー”である老婆に挨拶して、立ち去ろうとするー。


「ーーー…あんまり、そのメスの身体、傷つけるようなことは

 しちゃダメだからねー?」

”紗季”がなおも不快そうにそう言い放つと、

希海は振り返って笑ったー。


「ーー”家”を模様替えするのは、持ち主の勝手じゃんー?

 この”家”は俺好みにさせてもらうよ」


希海のそんな言葉に、紗季はイラッとして声を発しようとするー。


がー


「おやめさないー」

”マザー”である老婆が”仲間割れはよくないねぇ”と、付け加えると、

紗季はチッ、と舌打ちしつつも”マザー”の言葉に従ったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


数日後ー


父・隆夫は困惑していたー。


「ーーあはははは!マジで最高なんだけどー

 うん、うん、あ、じゃあ俺もいくわ~」

娘の希海が、数日前から豹変したー。


いや、豹変という言葉すら生ぬるいかもしれないー。

本当に、目の前にいるのは”希海”なのだろうかー。

そんな風に思ってしまうー。


金髪に、派手なメイクにピアスー、

中が見えてしまいそうなほどに短いピアスに、

ド派手なネイルー。

数日前まで”ごく普通”の見た目だった希海は、

今や完全なギャルと化していたー。


電話中の娘を見つめていると、

やがて、電話を終えた希海が立ち上がるー。


「ーーの、希海ー…こんな時間にどこへー?」

隆夫が混乱しながら言うと、

「どこでもいいじゃんー。思った以上にさー、

 ”人間”って面白いんだよ」と、希海はヘラヘラと笑うー。


「ーー…な、何を言ってるんだー…」

戸惑う隆夫ー。

それでも、希海は止まらないー。


「ー人間のメスってさ、どうしてあんなエロイ声、出すんだろうな?」

希海の言葉と表情に、呆然としてしまう隆夫ー。


希海は父・隆夫をあざ笑うようにして、

そのまま家に外に出て行ってしまうー。


隆夫は「希海ー…」と、一人残された部屋の中で頭を抱えたー。


そしてー、

”もう一つ”問題が起きていたー。


それはー…”妻”である和江の様子も昨日からおかしいのだー。


「ーねぇ……わたしを抱いてよ」

和江がニヤニヤしながら、歳に似合わぬ妖艶な服装で

部屋から出て来るー。


「ーー…や、やめろってばー…」

隆夫は困惑しながら、そう言葉を口にするー。


”子供が欲しい”

それを連呼する和江ー。

しかし、残念ながら和江はもう、子作りのリミットは

超えているー。


今から子作りをしようとしても、可能性は限りなく低いのだー。


がーー…


「ーー”今のわたし”なら、大丈夫ー」

ニヤッと笑みを浮かべる和江ー。


娘に続き、突然別人のようになってしまった”和江”は、

綺麗な色に輝く”ペンダント”を光らせながら、不気味な笑みを浮かべたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


それからー、1か月近くの時が流れたー。


娘・希海は大学もやめて失踪ー、

”夜遊びを繰り返すギャル”と化して、男遊びも繰り返しているー。


妻・和江も続けて家を飛び出したー。

”繁殖するつもりがないオスには用はない”とか、意味の分からないことを

言われたー。


絶望の最中、それでも娘を探すため、夜の街を

連日歩いていた隆夫ー。


がー、そんな隆夫の前に、

赤渕の眼鏡をかけた女が姿を現したー。


”麻奈美(まなみ)”と名乗ったその女は言うー。


「ーーあなたの娘と、妻は”寄生”されているわー」

とー。


「ーーー…なんだと?」

戸惑う隆夫ー。


”寄生”とは何なのかー。

意味が分からないー。


”イタズラに付き合うヒマはないー”

うんざりとした様子で隆夫がそう言い放つと、

麻奈美は、「では、お見せしましょうー」と、

自分の眼鏡を手でつかむと、そのまま”眼鏡”が寄生虫のような形に

変貌を遂げたー。


”擬態を解いた寄生虫”を手で持ったまま、

麻奈美は「この人間は今、僕に操られていますー」と、そう言葉を口にするー。


続けて、”寄生虫”が、眼鏡に戻ると、

「人間に擬態する寄生虫ー。

 それが、あなたたち人間から見た、わたしたちです」と、

眼鏡をかけ直しながら”麻奈美”は言葉を口にしたー。


”人間を乗っ取っている寄生虫”でありながら、

人間にも、寄生虫にも”情報を売る”女はー、

隆夫に対し、金を払えば”情報”を教えると、

不気味な笑みを浮かべながら、そう言葉を口にしたー。



②へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


”擬態するパラサイト”の続編デス~!


本編を知っている皆様も、そうでない皆様も

楽しめるように(?)描いています~!☆


本編も、小説一覧から読めるので、

知らない方は読んでみてくださいネ~☆!

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