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彼女・美姫の勤務先である会社が不正を起こし、

大問題に発展していたー。


美姫の部署は、幸い不正とは無関係な部署であったものの、

会社自体が傾いて、職を失うことになったりしないかどうか、

美姫は不安を感じていたー。


そんなある日、社長から呼び出された美姫は、

社長によって、”操り人形の次期社長”に仕立て上げるために

洗脳されてしまいー、

洗脳された美姫は、次期社長に喜んで就任してしまうー…。


☆前回はこちら↓☆

<MC>彼女が悪徳企業の女社長になってしまった①~就任~

「大変、申し訳ございませんでしたー」 どこか、反省の色が見えないー そんな様子の謝罪の言葉を口にした中年男性ー。 言葉と仕草では、謝罪の意を示しているものの、 集まった報道陣を睨みつけ、威嚇するような仕草からは ”逆ギレ”のオーラが醸し出されていたー。 彼は、とある企業の社長…、村谷 源一郎(むらたに げ...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”社長”になった美姫は、

派手な服、派手な化粧をするようになって、

まるで別人のように豹変したー。


同居している彼氏・辰馬は、そんな美姫の豹変ぶりに困惑するー。


大人しいタイプの美姫の、あまりにもいきなりの変わりっぷりー。


辰馬は、”社長になった彼女”のことを応援しつつも、

強い不安と、違和感に襲われていたー。


「ーー美姫…今日もお疲れ様ー」

帰宅した美姫に声をかける辰馬ー。


美姫は、帰宅した後も忙しそうにノートパソコンの操作を

続けていて、これまでのような”会話”もなくなってしまったー。

とにかく、仕事一辺倒という感じだー。


「ーーーあまり、無理しない方がいいと思うけどなー」

辰馬が困惑しながら、そんな言葉を口にするー。


しかし、美姫は派手なイヤリングを揺らしながら、

「ーー今、わたしの会社は大変な時期なのー。分かるでしょ?」と、

苛立ちを隠さない様子で、そんな言葉を口にするー。


「ーそ、そ、それは分かるけどー…

 でも、美姫はまだ入社2年目なんだしー…」

辰馬がそう言うと、美姫はなおも不愉快そうに言うー。


「辰馬って、そんな向上心のない男だったんだー」

とー。


「ーー…え…」

辰馬は、さらに戸惑うー。


美姫が言うセリフとは思えないのだー。

いや、もちろん、目の前にいるのが美姫だということは分かっているー。

しかし、それでも美姫だとは思えないー。


「ーーーまぁ、辰馬は好きにすればいいけどー

 わたしのジャマだけはしないで」

美姫は鋭い口調でそう言うと、そのままノートパソコンに

再び目を向けたー。


なんとなく申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまった辰馬は

「ご、ごめん…」とだけ言葉を口にすると、

そのまま逃げるようにして、”美姫”の仕事の邪魔をしないように、

その場を離れてしまったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーふふ…わたしは誰よりも優秀な女社長ー」

美姫は、自分の姿を鏡で見つめながら

嬉しそうに笑みを浮かべるー。


洗脳されたことにより、本来の性格とまるで違う性格に

なってしまった今の美姫はー、

”誰よりも美人で、誰よりも優秀で、誰よりも社長にふさわしいわたし”と、

自分のことを本気でそう思っていたー。


「ーーーあ!お疲れさまです」

社長室で仕事をこなしている最中に、前社長である村谷から電話が

かかってきた美姫は、嬉しそうにスマホを手にして、

そう声を上げたー。


当然、村谷前社長は美姫を洗脳した際に、

”自分には絶対服従するよう”指示を与えているー。


「ーー内部告発した人間を探すー?」

美姫がそう言うと、”そうだー”と村谷前社長は声を発したー。


会社の不正が明るみに出て、結果的に村谷社長が退任することになった

原因は、”内部告発”ー。

その犯人を捜したい、と村谷前社長は言うのだー。


「ーーふふーお任せ下さい」

美姫は邪悪な笑みを浮かべながらそう答えると、

村谷前社長との電話を終えてすぐに、

後藤専務を呼び出したー。


「ー後藤さんー。内部告発した人間を探し出そうと思うの」

美姫が、高飛車な雰囲気でそう言い放つー。


まだ入社2年目の”小娘”である美姫から、

見下されている状況に、後藤専務は少し不愉快そうにするも、

”今のこの女は、村谷社長の操り人形なのだからー、

 村谷社長そのものに等しいー”と、自分を抑え込むー。


「ーーは… 内部告発者をー?しかしそんなことをしたらー?」

後藤専務がそう呟くと、

美姫は「裏切者はー許しておけないー」と、冷たい視線を

後藤専務に投げかけるー。


「ーー……」

後藤専務は、改めてそんな美姫を見つめながら

”かつての美姫”と、”今の美姫”を、頭の中で見比べるー。


顔も、声も同じー。

けれどー、社長らしい派手な装いになって、

その喋り方も、悪意を感じさせる雰囲気に変わったー


洗脳とは、本当に恐ろしいものだー。


”しかも、この子は本気で今の自分の行動を

 自分の意思だと思っているのだろうしなー”


後藤専務はそう思いつつ、

「ー分かりましたー…」と、頭を下げて

内部告発者の捜索に協力し始めたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーー青沼ー」


美姫が、廊下を歩いていると

元々美姫が所属していた部署の部長・木島部長に

呼び止められたー


木島部長は穏やかな性格の持ち主で、何かと良くしてくれた部長だー。


「ーーー…あらー木島さん」

美姫は、立ち止まるとクスッと笑うー。


「ー慣れない社長業務で、疲れてないか?」

木島部長が心配そうに言うと、美姫は「いえ、全然ー」とだけ言葉を

口にしてから、少し間を置いて、さらに言葉を続けたー


「それより、木島部長ー。

 あなたの部署ー…最近売上が落ちているようですけどー…

 少し、”頑張り”が足りないのではないですか?」

美姫が冷たい口調で言うー。


「ーー…そ、それはー……」

木島部長が戸惑いの表情を浮かべるー。


「ー部長が優しいのはわたしも知ってますー

 けど、時には鞭も振らなくちゃー…」


美姫の言葉に、木島部長は戸惑いながらも、

「うちの部署は黒字だし、部下に無理させることはできないー

 君も、分かっているはずだー」と、反論するー。


がーー


「ーーー…ねぇ、木島部長ー

 ”誰”に口利いてるんですか?」


美姫が不快感を露わにして言うー。


「ーー…!」

木島部長が美姫を見ると、

「ーわたしは社長なのよ?」と、冷たい口調で美姫が言い放つー。


「ーーあ、青沼ー…」

そんな美姫に、呆然とする木島部長ー。


美姫は「ー木島部長ー。成果を出しなさい」と命令口調で言い放つと

そのまま立ち去っていくー。


”表向き”は、美貌と愛嬌を振りまいて、

”人の良い若き女社長”を演じる美姫ー。

だが、会社内では村谷前社長と同じように、悪意に満ちた振る舞いを

繰り返していたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーーーー」

帰宅した美姫は、いつものように帰宅すると同時に、

ノートパソコンを開いてそれを見つめ始めたー。


”社長”になってから、辰馬のことなど完全に眼中にない、という様子で

辰馬はそんな振る舞いをする美姫に対して、困惑していたー。


しかし、それは”辰馬”に対してだけではなかったー。


先日、美姫の両親と話をする機会があり、

それとなく、最近の美姫の様子の話題を口にしたところ、

これまで、こまめに両親に対して連絡してきていた美姫が

最近は全く連絡してこなくなり、

しかも、LINEなどを送っても、全く返事がないー


そんな状況が続いているとのことだったー


いったい、美姫はどうしてしまったのだろうかー。

そんな風に思いながら辰馬が美姫のほうを見つめていると

美姫のスマホが鳴り始めたー。


「ーはい」

美姫が少し苛立った様子で電話に出るー。


そんな美姫の表情を見ながら辰馬は思うー。


”社長になってから、美姫はほとんど笑わなくなったー”

とー。


いつも難しい顔をしていたり、真剣な表情をしていたり、

苛立った様子だったりー、

そんな顔をしていることばかりだー。


やはり、疲れているのではないだろうかー。


そうこうしているうちに、美姫が言葉を口にしたー


「内部告発者が分かったー?間違いないの?」

美姫の鋭い声を聞いて、辰馬の緊張感が強まるー。

辰馬の勤務先は別の会社だし、電話の会話自体に加わっている

わけでもないー。


しかしーそれでもピリピリとした雰囲気が伝わってくるー。


「ーーふふー

 なら、裏切者には思い知らせてあげないと…ね」


美姫が電話をしながら笑ったー。


だが、美姫の”笑み”ではないー。

まるで別人のような”邪悪”な笑みー


「ーー二度とわたしたちを裏切ることができないようにー

 地獄を見せてやらなくちゃー」


相手が何を言っているのかは分からないー。

しかし、美姫が喋っている内容だけでも、恐ろしいことを話している、

というのはよく分かったー。


「ーーみ、美姫!な、何の話をしてるんだー!?」

辰馬は思わずそう声を上げたー。


それでも、美姫は恐ろしい内容の電話を

まるで女王のように足を組みながら続けているー。


「美姫……!ば、バカなことはやめるんだ!」

なおも辰馬が叫ぶー。


すると美姫は笑いながら「ちょっとごめんね」とだけ

言葉を口にしてから、スマホを一旦耳から話して

辰馬のほうを見つめたー。


「ーーーねぇ、うるさいんだけど」

美姫の言葉に、辰馬は反論の言葉を口にするー。


「ーな、内部告発した人をどうするつもりなんだー?

 み、美姫だって、会社の状況、”良くない”って

 言ってたじゃないかー」


辰馬がそう叫ぶー。


美姫は、社長になる前までは”会社が悪い”とハッキリと

断言していたし、

会社の愚痴も時々口にしていたー。

内部告発した人に対しても”本当に酷い部署もあるみたいだしー、

仕方ないと思う”と、そう言っていたー。


それなのにー


「ーーーうるさいー。わたしの会社に口出ししないで」

美姫が睨むようにして辰馬に言い放つと、

美姫は再び電話を始めるー。


がーー

辰馬はたまらず、美姫からスマホを取り上げると、

そのまま電話を強引に切って、美姫のほうを見つめたー


「ー自分が何をしてるか、分かってるのか!」

とー。


美姫は不満そうに辰馬を睨み返すー。


「社長になってから、美姫、変だよー。

 ご両親も心配してたし、俺だってー。


 社長になってプレッシャーを感じるのも分かるし、

 ちょっと浮かれる気持ちも分かるー…でも!」


辰馬がそう言うと、美姫は怒りの形相で声を発したー


「ーー大事な電話中だったのに、何てことするの!?」

とー。


声を荒げて、怒り狂う美姫ー。

あまりの怒りっぷりに辰馬は思わず驚いてしまうー。


「ーーーーーー…今の美姫はーー”好きじゃない”ー」

辰馬は悲しそうにそう言い放つー


「ーーーー…!」

がー、その言葉に、さすがに言いすぎたと思ったのか

洗脳されている美姫は、表情を曇らせるー


「ーー俺…美姫のこと、ずっと守っていきたいと思ってたけどー…

 今の美姫は、変だよー…

 内部告発した人に地獄を見せるとかー

 そんなこと、言う人間じゃないだろー?


 ーー今の美姫のままじゃー、俺…」


辰馬が心底悲しそうにそう言うと、

美姫は「ーーー…ーーーごめん」と、だけ呟くー。


村谷前社長の”洗脳”は、直接操作するタイプではなく、

性格や思考を捻じ曲げるタイプの洗脳ー。

洗脳された人間は、”洗脳された思考”に基づいて、

一応は本人の考えで行動するー。


それ故にー、

辰馬の”とても悲しそうな言葉”は、美姫に少しは響いたのかもしれないー。


「ー裏切者は許せないけどー……少し、考えるからー」

美姫はそう言うと、動揺した様子でそのまま

自分の部屋へと入って行ってしまうー。


「美姫ー…」

辰馬は、そんな美姫の姿を心配そうに見つめたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


それから数日ー。

美姫は、内部告発者をあぶり出すことに成功、

その本人を、降格処分の上で別の部署に異動させたー。


だがー、村谷前社長主導の数々の不正により、

会社はまだ、不安定な状態ー。

取引先であった、企業の一つからも取引の打ち切りを宣言されてしまうー。


そんな状況の中でー、

密かに村谷前社長が会社へとやってきたー。


「ーーわたしも、全力で対応に当たっているのですが」

美姫がそう言うと、村谷前社長は「それは分かるよ」と、

笑みを浮かべるー。


”村谷前社長”を喜ばせようと、妖艶なドレス姿で村谷前社長を

出迎えた美姫は、内部告発者の処遇についても伝えるー。


だがーーー


「甘いなー…君にはもっと”冷徹な女”になって貰わなくてはー」

そう呟くと、村谷前社長は”コンタクトレンズ”を光らせて

さらに美姫を”洗脳”していくー。


より、冷徹な女に変貌するようにー


「ーーー…分かりましたー。徹底的にやりますー」

美姫がニヤリと笑うー。


「ーーそうだー地獄を見せてやれ」

村谷前社長の言葉に、美姫は頷くー。


そしてー…


「取引先の取引打ち切りの件だがー、

 あの会社の社長は女好きでねー。

 君のその美貌を使って誘惑してやれば、

 すぐに態度を変えるだろうさー


 何なら、一晩を共に過ごして誘惑してやってもいいー」


村谷前社長の言葉に、

美姫は少しだけ笑いながら

「ーわたしには、婚約している彼がー」と、言葉を口にするー。


洗脳されて豹変しても、”まだ”辰馬への愛情は

奥底には残っていてー、

それ故に、村谷前社長の言葉を拒もうとしたー。


がーー


再びコンタクトレンズが赤く光るー。

それを見つめて、ピクッと震える美姫ー。


「ーー…ふふふー…

 そうですねーわたしの魅力を武器にすればー…ククー」


美姫が、さらに邪悪な笑みを浮かべるー。


「ーー彼氏なんて、君にはいらない。そうだろうー?」

村谷前社長の言葉に、美姫は力強く頷くー。


「ーわたしはこの会社のために生きる女ですー」

美姫は嬉しそうにそう言うと、

「ー今夜、早速、取引先の社長をわたしの虜にしてみせます」

と、呟きー、不気味な笑みを浮かべたー。


悪意に満ちた女社長と化した美姫はー、

もう、止めることはできないー。


辰馬の言葉を以てしてもー…。


③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


さらに洗脳が強まってしまいました~…!


早く、彼が気付くことができれば、

まだ間に合うかもしれませんネ~!


続きはまた次回デス~~!


今日もお読み下さりありがとうございました~!☆!

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