＜他者変身＞他人の姿を堪能する男の日記①11/15-11/21 (Pixiv Fanbox)

これはー

”撮影した相手に変身”することができるカメラを手にした

二人組の男のうちの一人が書いた日記ー…。

そのカメラを手に、彼は何を楽しみ、

何をしたのかー…

その、欲望の記録ー…。

（第1週）

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11月15日（水曜日）

今日も、代わり映えのない1日だったー。

別にー…今の生活に不満があるわけではない。

けれど、大学での生活も2年目に突入すると、

だんだんと”マンネリ”化してくるものだー。

去年は、大学という新鮮な場での学びもそうだったし、

新しい友達との出会い、

そして、実家を出て一人暮らしを始めたこともあって、

”新鮮味”に溢れた日常だった。

が、一人暮らしにもすっかり慣れ、大学にもすっかり慣れ、

バイトにもすっかり慣れて

良くも悪くも、俺の日常はマンネリ化してしまったー。

今日も、ポストに投函された

”村山　大介（むらやま　だいすけ）”様　と、俺の名前が書かれた

つまらない宣伝のはがきを見つめながら、

今日という1日を俺は消費したー。

何か、面白れぇこと、ないかなー…？

11月16日（木曜日）

同じ大学に通う田邊　信吾（たなべ　しんご）が、

馬鹿なことを言い始めたー。

何やら”撮影した相手に変身することができるカメラ”を

ネット上で見つけたから、注文してみるとか何とかー。

俺は思わず笑ってしまったー。

あのネコ型のロボットの道具じゃあるまいし、

そんなもの、この世界にあるものかー、と。

けど、田邊のやつは本気で信じているようで、

かなり高額なそのカメラをマジで注文しようとしていたー。

一応、”親友”として、

”よ～く、冷静になって考えろ？他人に変身できるカメラなんて

　あるはずない”とは言っといてやったけどー…

でもまぁーー…

アイツのことだから、買うんだろうなー…

11月17日（金曜日）

今日は同じ大学に通う、秋村（あきむら）さんと、

一緒に帰り道にご飯を食べたー。

秋村　詩織（あきむら　しおり）ー。

俺の高校時代からの同級生で、

高校時代からそれなりに仲の良い子だー。

雰囲気的に、”恋愛対象”としては見られていない気がするけれど、

大学に入ってからも、何となくお互いに安心できるような、

そんな間柄が続いているー。

今日も、秋村さんのバイト先の愚痴だったり、

大学で不安に感じていることだったり、色々なことを

相談されたり、

逆に俺がちょっとしたことを相談したりー…

あとは、何気ない話をしたりー…

そんな感じの会話をしたー。

今日は、久しぶりに楽しい1日だったー。

秋村さんと、恋人同士になれたりしたらー…

また、このマンネリ化した日常もちょっとは

明るいものになるのかもしれないなー

11月18日（土曜日）

ーー大学から帰ろうとしていたら、

突然、秋村さんに呼び止められたー。

そしてー…

”明日、話がしたいんだけど、いいかなー？”と、

何やら大事な話がある様子だったー

もしかして、告白ー？

そんなことを思いながら、俺は当然OKをしたー。

まさかとは思うけれどー、

秋村さんには彼氏はいないみたいだしー、

もしかしたらー…

もし、告白されたらーー

俺は明日から、彼女持ちの男子大学生になるんだー

へへー

明日の日記にどんなことが書いてあるか、

もし、未来の日記が覗けるのだとしたら

見てみたいなー…

…と、あんまフラグを立てすぎると

”告白だと思い込んでいたら全然違う話だった”みたいなことも

あるかもしれないから、期待しないようにしないとなー

へへー

へへへへ

11月19日（日曜日）

秋村さんから呼び出された俺は、

秋村さんから告白されたー

「実はずっと、村山くんのこと、好きだったのー…」

と、そんなテンプレのようなセリフでー。

俺はその瞬間、

”俺が生まれて来たのはこの瞬間のためだったのだー”と

思うほどの喜びを感じて、

その場で叫びそうになるぐらい嬉しかったー…

がー、今の俺は滅茶苦茶テンションが下がっているー。

告白されたのに、どうしてテンションが

下がっているのかー。

それは…まぁ、明日書こうと思うー。

今日はもう、何だかとっても疲れた。寝よう。

11月20日（月曜日）

俺は、確かに秋村さんに告白された。

けど、告白してきたのは秋村さんじゃなかったー。

告白されたのは事実だし、

相手は秋村さんだったのも事実だけど、

でも、相手は秋村さんじゃなかった。

何を書いているのか自分でもよく分からないけれど、

つまりはー、

俺に告白してきた”秋村　汐梨”は、秋村汐梨の姿をした

”別人”だったということだー。

くそっー…

田邊のやつめー…浮かれた俺を見て笑いやがってー…。

……起きた出来事を改めて書いておくと、

昨日、俺は確かに秋村さんに告白されて、OKをした。

が、喜んでいる俺を見て、突然秋村さんは笑いだして、

俺にこう言い放ったー

「ーえへへへ…”男”から告白されてそんなに嬉しいか？」

とー。

俺は、一瞬戸惑ったー。

ずっと女子だと思っていた秋村汐梨は実は男なのだと思って、

困惑したー。

「ーーえ？秋村さんって、実は男なのかー？」と、

真顔で聞いた俺に対して、やつは俺の手を勝手に掴んで

スカートの上から、アソコを触らせてきたー。

確かにー、ついてなかったー。

けどー、その直後、目の前にいた”秋村さん”は、突然、

俺の親友の田邊慎吾の姿に変わったー。

あまりにびっくりして、俺が狼狽えていると、

アイツは、説明してくれたー

”他人に変身できるカメラ”本物だったぜー、

とー。

そうー…

アイツは例のいかにも怪しいカメラを本当に買って、

そのカメラで、俺を揶揄うために秋村さんに

変身して、俺に告白してきたのだー。

木曜日に俺と飯を食べた秋村さんは本物で、

金曜日に俺に話があると言って来た秋村さんは、

田邊が変身した姿だったー。

くそっー…

…秋村さんに本当に告白されたと思って

舞い上がっちまった俺の喜びを返せ！

11月21日（火曜日）

”本物の”秋村さんは、”いつも通り”だったー。

今日も偶然、大学内で鉢合わせして、色々雑談をしたけれど、

それ以上でもそれ以下でもない、いつも通りの対応。

俺の夢はー…潰えた。

田邊のやつは、俺が不機嫌そうにしているものだから、

とても申し訳なさそうにしていたものの、

知ったことじゃないー。

全く、悪質すぎるイタズラだぜー…。

あんな風に無駄に喜ばされた俺の身にもなってくれー…。

そして俺は

田邊から呼び出されたー。

信じられないことに田邊は俺に

”例のカメラ”を手渡して来たー。

”大介、今回は悪かったー

　お詫びにもう1台、変身カメラを買ったから、

　一緒に楽しもうぜ？”と、

そんな言葉と共にー

いやいやいやー…

このカメラ、滅茶苦茶高いやつだったし、

2台も買うなんてー、と思ったけれど、

やつは高校時代からずっとバイトで”何か欲しいものがあったときのため”に

貯金していたらしく、その貯金を使うことで、

カメラを2台購入したらしいー。

そしてー…俺は今日、初めて変身カメラを使ったー。

このカメラは、好きな人物を撮影して、

保存されたデータを読み込むことで、

その人間に変身することができる、というものだ。

一度本人さえ撮影してしまえば、

帰宅後にその姿に変身して楽しむこともでき、

カメラからデータを削除しない限りは、何度でも好きなところで

変身したり、元に戻ったりすることができる優れものだー。

田邊のやつが、俺の前で

大学でミスコンか何かに輝いた女子の姿に変身して、

変顔を俺に披露したりしながら、カメラの使い方を

色々説明してくれたー。

へへー…

秋村さんから告白される夢は消えたけどー…

でも、このカメラがあれば、

ちょっとは楽しい日常が送れるかもなー。

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”観察記録”

新たに2名がカメラの使用を開始ー。

2名の行動と、心理状態、

カメラの使用用途などを観察・分析ー。

二人にどのような変化が生じていくのかを

今後、観察していくー。

②へ続く

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コメント

”他人に変身できるカメラを手に入れた”

二人の男子大学生たちを描く日記シリーズ最新作デス～！

今回はカメラをGETしちゃうところまでが中心でした～！

次回以降もぜひ楽しんでくださいネ～！

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