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バイト先の先輩の様子がおかしいー。

そんな風に思っていた和美は、その日の夜に

”バイト先の先輩”の中に潜んでいた男に皮にされて乗っ取られてしまうー。


そして、その翌日ー。

今度はその和美の友達、優香が”和美の様子がおかしい”と

違和感を覚えるー。


優香は、そんな和美の様子を心配していたものの、

和美と同じように、また”中に居た男”に支配されてしまうー。


先輩から、和美へー。

和美から、優香へー。


”次の皮”を欲する男の暗躍は続くー。


☆前回はこちら↓☆

<皮>ツギノカワ①~地獄の連鎖~

「ーーー…!」 夜道を走りながら、背後を振り返るー。 ”バイト先の先輩の様子が何だかおかしいー” そう思っていた彼女は、その”直感”は、間違いではなかったと 確信しながら、走っていたー。 ”ーーー先輩…どうしちゃったんだろう…” そう思いながら、ようやく走るのをやめると、 彼女は苦しそうに息を何度か吐き出しなが...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌朝ー。


優香は、”いつもとは別人”にような雰囲気で

学校にやってきていたー。


茶色に染まった髪ー、

明らかに化粧をしていると分かる顔ー

着崩した制服ー。


いつも真面目な優香の突然の豹変に周囲は驚くー


”ククククー…見られてる見られてるー”

優香を”皮”にして乗っ取っている男は、

クラス中からの視線を感じながら、ニヤリと笑うー


”この女の豹変ぶりが気になるんだろー?ククク”

優香はそう思いながら、わざとらしく胸のあたりに手を持って行くと、

そのまま笑みを浮かべながら着席したー。


「ーーーー……おはようー」

ふと、そんな声が聞こえたー。

優香自身に向けられた挨拶ではなかったが、

”聞き覚えのある”声だー。


当たり前だー

”昨日の夜”まで”自分の声”だったのだからー。


登校してきた”和美”を見て、優香は笑みを浮かべるー。


優香の友人・和美ー。

今、優香を乗っ取っている男が、昨日の夜まで乗っ取っていた子だー。


昨夜、男が、和美から優香に移動したことで、和美は解放されて、

正気を取り戻したー。

”皮にされていた人間”には、その間の記憶はなく、

皮にされる直前の記憶も”曖昧”になっているー。

そのため、和美は一昨日の夜から、昨日の夜の記憶が

ほとんど飛んでいる状態になっていて、強い不安を感じていたー。


「ーーーー…ねぇ」

優香が、そんな”和美”に声をかけるー。


「ーー和美ー…昨日さ、どうして胸を揉んだりしてたの?」

優香のそんな言葉に、和美は「えっ…?」と、

怯えた表情を向けるー。


「ーふふっ…とぼけなくたっていいじゃんー」

優香が、昨日とは別人のように、イヤらしい笑みを浮かべながら

和美のことを、怪しい目つきで見つめるー。


”優香”の髪の色や、メイクにも戸惑いながら

和美は「な…何のこと…?ど、どういうことー?」と、

言葉を口にするー。


和美からしてみれば”乗っ取られていた昨日の記憶”はないー。

急にそんなことを言われても、分かるはずもないー。


”ククククー…”前の皮”を揶揄うのも、本当に最高だよなー”

優香の中に潜む男は、そう心の中で呟きながら、

「ーーふふふ、夜にわたしとコンビニに行ったことは、覚えてる?」と、

わざと、昨日の話を続けるー。


「こ、コンビニー…ゆ、優香とー? えっ…」

和美は明らかに動揺していたー。


「ーそうだよ…ふふふふ…

 覚えてないの?」

優香のそんな言葉に、和美は「ご、ごめんー」と、落ち込んだ様子で

「昨日のこと…よく、覚えてなくてー」と、

困り果てた表情を浮かべるー。


「ーーあははー…そっか~」

優香はそう呟くと、「じゃあ、昨日のこと、教えてあげる」と、

昼休みに和美と会う約束をしてから、座席に戻っていくー。


座席に戻ると、隣の座席の男子が”豹変した優香”の姿に

顔を赤らめていることに気付き、優香はわざと胸元をチラつかせて、

揶揄うような笑みを浮かべたー。


”ククククー真面目な子の雰囲気が急に変わるとドキドキするよなー?

 分かるぜその気持ちー”


優香の中にいる男は、そう呟くと

「さ~て、授業授業ー」と、ロクに受ける気もない授業の

準備を始めたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


昼休みー


優香は、和美を呼び出した空き教室にやってくると、

笑みを浮かべながら、

和美のほうを見つめたー。


「ーー…ね、ねぇ…ゆ、優香ー…

 今日、何だか、優香、変じゃないー?」


和美がそんなことを口にするー。


”昨日”とは逆だー。


昨日は、男に乗っ取られていた”和美”を心配して

正気の”優香”が、和美に対して”何か変”とそんな言葉を

口にしていたものの、今日は立場が逆になってしまったー


「んふふふふふー そう?」

優香は、そう言いながら片足を壁に押し付けながら

見下すように和美のほうを見つめたー。


「ーーーー…」

戸惑う和美ー。


そんな和美を見つめながら、優香は”本題”に入るー。


「ーー昨日、和美が何をしてたか、約束通り教えてあげるー」

優香はそう言うと、

笑みを浮かべながら、和美を見つめたー。


和美は思わず、悪寒が走るのを感じたー。


目の前にいるのは、確かに友達の優香なのにー、

なんだかー、”男”にイヤらしい目で見られているような、

そんな感覚を覚えるー。


言葉で言い表すことは難しいけれどー、

第6感とでも言えばいいのかー、なんだかーー…違和感を感じるー。


「ーー今日は”わたし”

 昨日はー”和美”ー」

優香が、自分と和美を指差しながら言うー。


「そ、そ…それは、どういうー…」

和美は、優香のほうを見ながら、怯えた表情を浮かべるー。


「ーーふふ…

 昨日も、こういう話したの、覚えてないの?」

優香はそう言うと、壁から離れて和美に近付きながら囁くー。


「昨日はー”立場”が逆だったけど、ねー」

優香のそんな言葉に、和美はますます意味が分からずに

表情を歪めるー。


「ーー…ふふふー

 まぁいいやー。

 それと、”一昨日”、和美、バイト先で様子のおかしい人が

 いたの覚えてない?」


優香の言葉に、和美は”一昨日”のことを思い出すー。


バイト先の先輩の様子がおかしかったことは

確かに覚えているー。


だが、その後の記憶が抜け落ちているー。


皮にされていた人間は

”乗っ取られていた間”を失い、

”乗っ取られた前後の記憶”が曖昧に抜け落ちるー。


乗っ取られていた間の記憶がないのは当然として、

その前後の記憶が抜け落ちるのは

”乗っ取られた側の人間”が、他人に身体を支配された、という

通常あり得ない現象を前に、何とか整合性を保ち、

自分自身を守るために取る、”防衛反応”とも言えるべきものー。


本人の意思とは関係なく、脳が”恐ろしい記憶”を消し去ってしまうのだー


「ーーークククククーー…

 いいよ 和美ー

 そうやって戸惑う顔ー

 わたし、興奮しちゃうー」


優香が興奮を隠さず、そんな言葉を口にすると、

和美は怯えた表情を浮かべながら、逃げるようにして

空き教室から立ち去ってしまったー


「あ~~~あ」

優香は笑いながら、一人、残された空き教室から外に出ると、

鏡を見つめたー。


「昨日は怯えていた”わたし”が、今日はこんなに悪い雰囲気になっちゃってー

 これだからーーー人を乗っ取るのはやめられない」


優香はそう呟くと、そのままその場を後にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーただいまぁ♡」

優香は、明らかにふざけた口調でそう言葉を口にしながら

家に帰宅したー


妹の愛花は”昨日の夜から”様子がおかしい”お姉ちゃん”の身を

心底心配そうに見つめるー。


「ーふふふ…愛花ってば、何見てるのー?

 可愛い子に見つめられると、わたし、興奮しちゃうんだけど」


ニヤニヤしながら、そう言い放つ優香ー。


「ーお…お姉ちゃんー…ど、どうしちゃったのー…?」

愛花は震えながらそんな言葉を口にするー。


しかしー、今の優香にそんな言葉は届かないー。

見た目は優香でも”中身”は違うのだからー。


優香はニヤニヤしながら後頭部のあたりを指でなぞるようにして

触ると、「ーーふふふふふふ…これが本当のわたしなの」と、

色のついた髪を指でくるくるさせながら笑うー。


「ーーー…ーー…」

愛花は、言葉を失ってしまうー。


そんな愛花を見つめながら「可愛いなぁー…」と、

優香はニヤニヤしながら呟くと、そのまま自分の部屋の方に

向かって行くー。


「ーーお…お姉ちゃんー…」

呆然とすることしかできない愛花ー。

昨日の夜から、明らかに様子がおかしくなったー。

いったい、どうしてしまったのだろうー。


そう思いながらも、どうすることもできず、愛花はひとまず

いつも通り、家での夜の時間を過ごすー。


だがーー


「ーーー…!」

愛花は、隣の部屋ー…”姉・優香の部屋”から聞こえて来る

異様な声に耳を疑ったー


「ーえ……う、嘘ー?」

その声は、優香の喘ぐような声だったー


”気持ちいいー”とか、”女の身体、やべぇ…”とか、

”わたし、イっちゃう”とか、そんな言葉まで聞こえて来るー。


青ざめる愛花ー。


もちろん、男女関係なく、そういうお楽しみをする人は

それなりに多いと思うー。

しかし、少なくとも愛花は姉・優香のそういう姿は見たことはないー。


そういうことをしていないか、

あるいは、誰にも気づかれないようにやっているか、そのどちらかは

分からないが、少なくともこんなに堂々と、

隣の部屋にまで喘ぎ声が聞こえるような状態で

お楽しみの時間を過ごすようなお姉ちゃんではないー。


しかもー


”たまんねぇぜ…!”


さっきから、男のような言葉遣いまで聞こえて来るー。


「ーー…」

愛花は、手汗をかきながら、異様な状況に身体を震わせるー。


やがてー、声は止み、静かになると

愛花は恐る恐る、姉の部屋のある方向を向きながら、

「な…何だったのー?」と、そう言葉を口にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「へへ…へへへー」

隣の部屋では、散々、欲望の時間を楽しんだ優香が

イヤらしい笑みを浮かべながら

スマホを操作していたー。


さっきまでの”欲望の時間”を、スマホにたっぷり録画しておいたー。


「ー正気を取り戻した”わたし”が、どんな風に思うか、楽しみー」

優香はニヤニヤしながらそう言葉を口にすると、

ふと時計の方向を見つめたー。


「へへー、そろそろ”次の皮”に移動するとするか」

優香は、面倒臭そうに立ち上がると、

「次の皮は当然ーこいつの妹だ」と、鏡を見つめながら

優香は邪悪な笑みを浮かべたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


優香の部屋からの”声”が聞こえなくなって

しばらくしても、妹の愛花は戸惑ったままだったー。


「今日のお姉ちゃんーーーどうしちゃったんだろう…

 何かあったのかなー?」

愛花はそう思いつつも、部屋の中で

”でもー急に部屋を覗くのも悪いしー”と、

気にしないことにして、そのまま寝る支度を始めようとするー。


明日以降も、お姉ちゃんの様子がおかしいままなら、

また何か考えようー。


そんなことを考えていたその時だったー


突然、部屋の扉が開きー、

そこから、乱れ切った髪を揺らしながら、

姉の優香が入って来たー。


「ーーえ…お姉ちゃんー?」

愛花が困惑した表情を浮かべると、優香は笑みを浮かべたー


「わたしの喘ぐ声…どうだった?」

とー。


「ーーえ… え……」

愛花はどう反応していいか分からず、混乱するー。


そんな愛花に対して、優香は笑みを浮かべたー。


「ーー次は”お前”を着るねー」

とー、そう言葉を口にしながらー


「ーーき… き… 斬る…???」

”人を皮にする力”の存在などまるで知らない愛花は、

姉の”きる”という言葉を勘違いして、

怯えた表情を浮かべるー。


しかしー、”斬る”だろうと、”着る”だろうと、

これから起きることは愛花にとって、とても恐ろしいことー。


”優香”が突然、真っ二つに割れて、中から”男”が出て来るー


「ーーひっ!?!?」

その光景に、愛花は部屋の端まで後ずさるー。


「ーーへへへへー

 見ろよ、ペラペラなお姉ちゃんー

 まるで着ぐるみみたいだー」


脱がれて”皮”になった優香を手に、男は笑うー。


「ーーーーへへー 

 そんな怖がるなってー

 お前を ”次の皮”にするけどー

 

 明日の夜には、正気に戻れるから」


男はそう言うと、右手にはめた指輪を光らせながら、

愛花に手をかざそうとしたー。


「い…いやあああああああああああああ!」

悲鳴を上げる愛花ー。

パニックになって、愛花は男に突進して、

男の指に思いっきり噛みつくー


「て…テメェ!」

思わぬ反撃を受けた男が声を上げるー



「ーー!?」

そんな”愛花の悲鳴”を聞いた1階にいた母親が

慌てて階段を駆け上がりー、愛花の部屋をノックしてから

扉を開くとーーーー


そこにはーーー


「ーーーどうしたの?お母さんー」

既に乗っ取られて、不敵な笑みを浮かべる愛花の姿があったー


「ーーわたしの悲鳴?気のせいじゃない?」

愛花はそう言い放つと、母親を誤魔化してその場をやり過ごすー。


一人残された愛花は、クスクスと笑うと

鏡を見つめながら、途端に怒りの形相を浮かべたー


「この女ー俺に噛みつきやがってー…覚悟しろー」

冷たい口調でそう言い放った愛花は、

一旦隠しておいた”皮”の状態のままの姉・優香を優香の部屋に運んでから

人間の姿に戻し、そのまま自分の部屋へと戻って行ったー。


被害者から加害者へー。

愛花は不気味な笑みを浮かべながら、自分の部屋で”お楽しみ”を

始めるのだったー。



③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


また、新たに皮の犠牲者が生まれてしまいました~…☆!


この先も、どうなっていくのか、

ぜひ楽しんでくださいネ~!


今日もありがとうございました~!

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