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「ーーー…!」

夜道を走りながら、背後を振り返るー。


”バイト先の先輩の様子が何だかおかしいー”


そう思っていた彼女は、その”直感”は、間違いではなかったと

確信しながら、走っていたー。


”ーーー先輩…どうしちゃったんだろう…”

そう思いながら、ようやく走るのをやめると、

彼女は苦しそうに息を何度か吐き出しながら、

もう一度背後を振り返るー。


”大丈夫ー。もう追って来ていないー”

そう思いながら、安堵の息を吐き出すと、前を向いて歩き出そうとしたー。


がーーー


「ーーーひっ!?!?」

前を見た途端、彼女は驚きの声を上げて、思わずその場に尻餅を

ついてしまったー


「ーふふふふ…み~つけた…」

そこに、不気味なランタンを手にした”先輩”がいたー。

いつも優しく、穏やかな雰囲気の先輩ー。


けれど、今日は不気味に微笑みー、

何やら、イヤらしい目で彼女のことを見続けているー。


同性のはずなのにー

まるで、”男から”見られているような、

そんな不気味な視線を送って来るー。


「ーーひ…せ、先輩ー……な…なんなんですかー…」

怯えた様子で彼女がそう言葉を口にすると、

先輩は笑みを浮かべたー。


「ー”次の皮”はお前だー」

”先輩”は、そう言い放つと、ニヤッと笑みを浮かべてー、

次の瞬間、先輩の”顔”が真っ二つに割れると、

中から”男”が飛び出して来たー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


学校のチャイムが鳴り響くー。


「ーーーーー」

西沢 優香(にしざわ ゆうか)は、少し戸惑った様子で、

”友達”の様子を見つめていたー。


「ーーー……」

しばらく、その友達の様子を見つめながら、表情を歪める優香ー。


優香が見つめている相手は、

同じクラスに所属する三重島 和美(みえしま かずみ)ー。


一番の親友とも言える存在で、

小さい頃からの幼馴染でもあるー。


そんな、和美の様子が今日はなんだかおかしいー。

朝から、他の子を見ながら一人でニヤニヤしているし、

何やら、ブツブツ呟いている。


一体、どうしてしまったのだろうー。


しかも、授業中には、どさくさに紛れて自分の胸を触ったり、

スカートの中を触ったりもしていたー。

普段、和美はそんなことはしないー……と、思うー。


何だか今日の和美は様子がおかしいー。

優香は、そんなことを思いながら心配そうに和美のほうを見つめていたー。


「ーーーーーーーーふふ」

和美は、自分の髪を少し触りながら、

横目でチラッと”優香”のほうを見つめるー。


”ーーーー…あの子、見てるなぁー…”

和美はそう呟くと、心の中で言葉を続けるー。


”ーー”俺”のことー…そんなに気になるのかー?

 ククー”


邪悪な笑みを浮かべる和美ー。


和美は、後頭部のあたりを触り、改めて”ちゃんと着ることができている”

ことを確認すると、ペロリと唇を舐めながら、

静かに一人、言葉を囁いたー


「ーー”次の皮”はあいつにするかー」

とー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


放課後ー


和美のことがどうしても心配になってしまった優香は、

和美に思い切って声をかけたー。


「ーーわたしが、いつもと違うー?」

和美はクスッと笑いながら、そんな言葉を口にするー。


「ーう、うんー

 直接聞くのも変かもしれないけどー…

 何かあったのかなーって…」

優香が不安そうにそう言うと、和美は今一度笑いながら、

「ーわたしは、元気だよ!ほらっ!」と、

大げさに身体を動かして見せるー。


確かに、”元気”ではあるー。


だがーー

あのあとも、やはり”おかしな行動”が目立っていたー。


「ーーー…う、うんーー…」

優香が気まずそうに和美のほうを見ると、

和美は「わたしのどこが、変なの?」と、

少し意地悪そうな笑みを浮かべながら、言葉を口にするー。


「ーーー…え、えっとー、それは…そのー

 雰囲気がいつもと違う気がするって言うかー…」

優香が戸惑いながら、そう答えると

和美は首を横に振りながら、笑みを浮かべたー


「ー曖昧な言い方じゃ分からないよ?

 わたしがヘンだって感じる部分があったんでしょ?

 言って見なよ」


少し刺々しい口調に、優香はたじろぎながら、

「ーー……その…いつも独り言言わないのに、

 一人で何かブツブツ言ってるのを見たしー…

 それとー…そのー…」

と、そこまで言葉を口にしてから目を逸らすー。


”和美が胸を触ったり、自分のスカートの中に手を入れたり”

していた光景を思い出しながら、

それも思い切って言い放つー。


すると、和美は「あぁ~」と、頷きながら、

突然、自分の胸を目の前で揉みながら「だって、気持ちいいじゃん?」と、

邪悪な笑みを浮かべたー。


「ーーちょ、ちょっと…!」

優香がそれを制止すると、「なんだよ~…」と、少し不貞腐れたような

表情を浮かべながら、和美は言うー。


「優香も、揉んでみなよー ふふ」

とー。


そんな言葉に、優香は顔を赤らめながら

「な、何を言ってるのー?」と、表情を歪めるー。


がー、和美はお構いなしに優香の手を掴むと、

「ほら!ほら!ほら!」と、無理矢理胸を触らせようとしてきたー


「ーーあぁ~~ダメだ 興奮するー…

 へへへへー」

和美は優香の手を掴みながら、ニヤニヤとし始めると、

突然、優香に”キス”をしてきたー


「ーーバカッ!」

優香は反射的に、和美の頬をビンタしてしまうー。


「ーーあ、ご、ごめー…」

和美のおかしな行動に反射的にビンタをしてしまった優香が

すぐに謝罪の言葉を口にすると、

和美はニヤニヤしながら「別に気にしないで」と、

笑みを浮かべるー。


「ーーも、もう帰るねー」

何だか気味が悪い…

そう思った優香は、逃げるようにして和美をそのままにして、

慌てて校舎の外へと飛び出したー。


「ーーーーー…」

一人残された和美は、唇をペロリと舐めると、

「ー”明日”は、お前が和美ちゃんと同じ運命になるんだぜー?」と、

笑みを浮かべたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


帰宅した優香は、大きくため息をついたー。


「ーーーんん~?お姉ちゃん、どうしたの?」

真面目そうな風貌の妹・愛花(あいか)に声を掛けられた

優香は「え…あ~うん、ちょっとー」と、言葉を口にするー。


”友達の様子がおかしかったこと”を、愛花に伝えると、

愛花は「あははー…それは大変だったね~」と、笑いながら

自分の部屋へと向かっていくー。


慎重な性格の姉・優香とは正反対で、

良くも悪くもいい加減な性格の妹・愛花ー。


「ーでも、そういう子は距離を置けばいいだけだし、

 あまり気にしなくていいんじゃない?

 急に明日にはいつも通りに戻ってるかもしれないし!」


愛花のそんな言葉に、優香は「ーわたしも愛花ぐらい、

楽観的に考えることができればよかったのになぁ…」と、呟くー。


「ーあ~!”楽観的”って、それ誉め言葉じゃなくない?」

愛花が笑いながら言うと、

優香は「え~?悪い意味じゃないよ~」と、そんな言葉を

返しながら笑ったー



♪~~~~


そしてー、夜ー。

インターホンが鳴り、母親が部屋にいる優香を呼ぶー。


「ーーー優香~!!友達が来てるわよ~!」

そんな言葉に、優香は「え?こんな時間に?」と、

首を傾げるー。


既に時間は21時近いー。

誰だろうかー。


そんな風に思いながら、確認すると

玄関の外には、親友の和美の姿があったー。


「ーか、和美ー?こんな時間にどうしたの?」

玄関から顔を出して、そう声を掛けるとー、

「ううんー…昼間のこと、ちょっと謝りたくてー」と、

申し訳なさそうに和美は言葉を口にしたー。


昼のことを心底申し訳なさそうに謝って来る和美に対して、

優香も「そんなに気にしないでー」と、

安堵しながら優しい言葉を掛けるー。


”お詫びに、何か奢らせて”と、近くのコンビニまで

一緒に行こう、と提案された優香は和美と一緒にコンビニに

行くことにして、母親に一声かけるー。


そして、コンビニに向かって歩いていく二人ー。


だがーーー

”こっちの方が近道だから”と、

和美に言われて、抜け道のようなところを歩いている最中だったー


突然、その抜け道の中で立ち止まった和美はー、


「ーー”次の皮”ー」

とー、

優香にも聞こえるように、確かにそう呟いたー。


「ーーーえ?」

優香が聞き返すと、ニヤリと笑みを浮かべる和美ー。


「ーねぇ、優香ー。

 今日、わたしの様子がおかしかったのは、どうしてか分かる?」

和美は、明らかにおかしな笑みを浮かべているー。

まるで”獲物を狙う獣”かのような邪悪な目つきで、優香を見つめるー。


「ーーー……え……な、何を言ってるのー?」

戸惑う優香ー。


しかし、今の和美にそんな優香の”戸惑い”など、

何の関係もなかったー。


「それを、今から教えてあげるー」

和美はそれだけ言うと、自分の後頭部に手を持って行きー、

そして、”自分自身”を引き裂いたー。


「ーー!?!?!?!?ひっ!?!?!?」

その光景に、恐怖の表情を浮かべる優香ーー。


やがて、”和美”は、力なく、まるで脱ぎ捨てられた

着ぐるみのように、地面に横たわりー、

その中から出て来た男が笑みを浮かべるー。


「ーーふふふー…お前が”次の皮”だー」

男が笑うー。


逃げようとした優香ー。

だが、あまりの恐怖に足が震えて、その場から動けなくなってしまうー。


「ーくくくくく…可愛いなぁ…怯える顔ー」

男はそれだけ言うと、右手にはめた指輪を光らせながら、

その手を、優香にかざしたー。


「でも、安心しなーお前は1分後には、嬉しそうに笑ってるさー。

 今の俺のようになー」


男の言葉に、もがく優香ー。

しかし、優香の身体から力が抜けていき、やがて優香は”皮”となるー。


「くくくくー」

男は”皮”になって、地面に横たわった優香を見つめると、

そのまま、着ぐるみを着るかのように”優香”を着始めるー。


男は、”人を皮にして、乗っ取る力”を持つ人物ー。

その力で、毎日”身体”を乗り換えては過ごすー、

そんな生活を送っているー。


その行為に、”特別な意味”はないー。

”ただ、楽しいからー”それを繰り返しているー。


毎日、夜になると”次の獲物”を見つけて

その相手を乗っ取り、翌日の夜まで過ごすー。

翌日の夜になると、また次の獲物を見つけ、

その相手に乗り換えて…

そんなことを繰り返し続けて居るー。


「ーーククククク…ほら、わたし、笑ってるー」

乗っ取られてしまった優香は、笑みを浮かべながら

一人、そう呟くと、そのまま”脱いだ”和美の皮に向かって

手をかざしたー。


そして、そのまま優香は立ち去っていくー。


数分後、”皮”にされていた和美は人間の姿に戻っていきー…

やがて、意識を取り戻したー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーただいま~」

優香は、コンビニの袋を手にしたまま帰宅すると、

妹の愛花が、「あ、お姉ちゃんおかえり~!」と、

何も知らずに、そう言葉を掛けるー。


「ーふふふ…可愛いじゃんー」

優香はボソッとそう呟きながら、ぺろりと唇を舐めるー。


その唇を舐める仕草を見ていた愛花は

少しだけ違和感を感じながらも

「あれ?友達の人は~?」と、そんな言葉を口にするー


「ーん?ふふー

 ”あの女”なら、今日はもう遅いし、帰ったよー」

優香はそう言いながら、部屋へと向かうー。


”あの女”という言い回しにも少しだけ違和感を抱きながら

愛花は首を傾げるもー、

それ以上は気にせず、何か言葉を掛けることはしなかったー。


部屋に戻った優香は笑みを浮かべるー。


「ークククク…これで分かっただろー?

 ”友達”に何が起きていたのかー?」


鏡に映る優香に向かって、そう語り掛けた優香は、

ニヤリと笑いながら、

表情をガラリと変えて、言葉を続けたー


「ーー…やめて…わたしの身体を勝手に使わないでー」

弱弱しく、助けを求めるように言い放つ優香ー。


そして、またすぐに邪悪な笑みを浮かべると

「い・や・だ♡」と、囁いてから鏡に映る自分にキスをしたー。


”優香”が一時的に正気を取り戻したのではないー。

優香を乗っ取っている男が”優香のフリ”をして、

一人二役しながら鏡の前で会話を続けて居るー。


いつも、”乗っ取った”直後にはコレをやっているー。


そうすることでー、より”支配した”と、彼は実感できるからー


「ーククククククー」

やがて、優香を乗っ取った男は満足したのか、

鏡の前から立ち去ると、”明日の過ごし方”を思い描きながら、

一人、イヤらしい笑みを浮かべたー。



②へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


乗り換え系の皮モノデス~!


②では、

”昨日まで乗っ取っていた子”の反応も楽しむ

意地悪な描写も出てくる…予定デス~笑


次回もぜひ楽しんでくださいネ~!

今日もありがとうございました~!

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