Home Artists Posts Import Register

Content

2学期も終わり、クリスマスを迎えた二人ー、


綾(翔太)は、

自分に好意を寄せてくれた渉でもなく、

親友の哲真でもなく、

”翔太(綾)”と共に過す道を選んでいたー


翔太と入れ替わってしまった綾に、

妹の美桜と、そして綾自身の家でのんびりさせてあげたいー、と、

クリスマスを口実に、綾(翔太)が翔太(綾)を家に呼んだのだー。


そして、その帰り道ー…

綾(翔太)は、”自分の気持ちに正直にー”

想いを伝えたー。

翔太(綾)に対してー。


”星村さんが好き”

とー。


★前回はこちら↓★

<入れ替わり>僕とわたしの不思議な青春⑳~聖夜~

2学期も終盤に突入したー。 そんな中、 クラスで起きていた”いじめ”問題は、 柳沢祐樹の退学という結果で、解決に至りー、 クラスは平穏を取り戻す。 しかしー… 綾(翔太)は、今まで一番とも言えるー… ”驚きの状況”に直面していたー。 それはー… 「星村さんー…俺と付き合ってくれ!」 クラスメイト・須藤 渉の”告白”だ...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


★主な登場人物★


遠藤 翔太(えんどう しょうた)

C組生徒。大人しく、奥手な性格の持ち主。綾と入れ替わってしまう。


星村 綾(ほしむら あや)

C組生徒。可愛らしい雰囲気に、明るい性格の持ち主。翔太と入れ替わってしまう。


神田 哲真(かんだ てつま)

C組生徒。翔太の中学時代からの友人。女子は苦手。


須藤 渉(すどう わたる)

C組生徒。綾の隣の座席に座っている男子で、綾に好意を抱いている。


山井 穂乃果(やまい ほのか)

C組生徒。綾の親友。以前は翔太のことを敵視していた。嫉妬深い性格。


★脇役も含めた人物紹介はこちら↓★

<人物紹介>僕とわたしの不思議な青春~登場人物図鑑~

長編入れ替わりモノ 「僕とわたしの不思議な青春」の 登場人物図鑑デス! 連載前に予告として掲載した、 主人公たちのクラス名簿の内容に加え、登場する教員や その他の人物もご紹介しています~! ※ネタバレは控えめ(漫画や小説の最初の方のページに書かれている  人物紹介ぐらいの内容…)デス~!  最初にクラス名...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


少しだけ、雪がぱらつき始めるー。


イルミネーションが輝く中、

翔太(綾)は驚いたような表情を浮かべながら、

言葉を発したー。


「ーーーーーーーーえ?今、なんてー?」

いやー、本当は聞こえてはいたー。


だが、もう一度聞かずにはいられなかったー。


その言葉に、綾(翔太)は、少し恥ずかしそうにしながらも

ぎゅっと拳を握りしめるー。


「僕はー、星村さんが好きですー」

今度はもっと、ハッキリと告白したー


”こんな僕が告白するなんて、夢にも思わなかったー”

翔太はそう思うー。


どちらかと言うと臆病で、奥手な性格の自分が

女子に告白することなんて、

この先も永遠にない、と、そう思っていたー。


でも、綾と入れ替わって半年以上の時を過ごして、

”星村さんと一緒にいたい”という、そんな想いが強かったー。


綾の身体になって、本当に色々な体験をすることができたー

そして、自分自身、ほんのちょっとだけ強くなれたと思うー。


だってー、

今までの”僕”なら、絶対に告白などできないのだからー…。


「ーーーーーーー…遠藤くんー」

驚いた様子で、そう呟くと翔太(綾)は、

少しだけ微笑むー。


「ーーあ、ご、ご、ご、ごめんーごめんなさいー

 僕なんかが、こんなー…そのー」

勇気を振り絞って告白したはずの綾(翔太)だったものの、

急に我に返ってそんな慌てふためいた言い訳をしてしまうー。


しかし、翔太(綾)は

「謝るようなこと、何もしてないでしょ?」と、

優しく微笑むと、

「告白ー嬉しい。ありがとうー」と、

そんな言葉を口にしたー。


イルミネーションの光が、目に入らなくなるぐらい、

心がドキドキして、飛び上がりそうになるー。


”ありがとうー”

その言葉を聞いた瞬間、喜びで叫びたくなったー。


だがーー


「ーーでもーーー」

翔太(綾)のそんな言葉に、

綾(翔太)は、直感的に”振られる”と、感じたー。


「ーーー”自分”から告白されるのは、ちょっとー…」

翔太(綾)が苦笑いするー。


その言葉に、綾(翔太)は、”今の自分”の身体を見下ろすー。


長い髪に、膨らんだ胸に、ロングスカート…

それらが視界に入り、改めて”今の僕は、僕じゃない”と、

実感させられるー。


「ーーーあ…あははは…た、確かにー

 そ、それもそうだねー」

綾(翔太)は、「よく考えたら、これじゃ僕が僕に告白してるみたいだしー」と、

恥ずかしそうに言うと、

翔太(綾)は「”自分”から告白されるのって、すごく不思議な気分ー」と、

にっこりと微笑むー。


「ーーそ、そうだよねー、ごめんー」

綾(翔太)はそんな風に思いながらも、

2学期が終わる直前に、自分が振ったクラスメイト・須藤 渉のことを思い出すー


”須藤くんも、きっとこんな気持ちだったんだろうなぁー”


後悔はないー

憎しみもないー

何だかやりきったような清々しい気分ー

でも、何だかすごく寂しいー。


そんな、気分ー


「ーーーーーーあ、急に変なこと言ってごめん。

 雪も降って来たし、駅の方にー」

綾(翔太)がそう謝りながら歩き出そうとすると、

翔太(綾)が、駅前のクリスマスツリーを見ながら微笑んだー


「ー告白されるならー”わたしに告白”されるんじゃなくてー

 やっぱり、他の誰かに告白されたいかなーー

 ーーーー例えば、遠藤くんとかー」


翔太(綾)の言葉に、綾(翔太)は「え……」と、

驚きの表情を浮かべるー。


「ーーそ、そ、それってー…」

綾(翔太)が言うと、

「ーー告白するなら”自分の身体”でー」

と、翔太(綾)が微笑むー。


「ーーーー…!!!」

綾(翔太)は、途端に嬉しい気持ちになって、

「あ、ありがとうー…ぼ、ぼ、僕、元に戻れるように頑張るよ!」

と、子供のように嬉しそうに騒ぎ出すー。


”告白するなら自分の身体でー”


それは、つまり”元に戻ったら告白してねー”と、

そういう意味に聞こえたー。

翔太(綾)の反応からしても、綾(翔太)の解釈は

きっと間違っていないー


「ーあははー 遠藤くんってばー、

 まだ”返事”はしてないよー?」

翔太(綾)が少しだけ揶揄うような口調でそんな言葉を口にするー


「ーーえ、あっ…そ、そうだったーごめん」

綾(翔太)は浮かれた表情を浮かべながら、

クリスマスツリーのほうを見つめるー。


「ーー来年のクリスマスー…

 ”自分の身体”で告白できるように、僕、頑張るー」

綾(翔太)がそう言うと、

翔太(綾)は「ーーうん。わたしもー。戻れるように頑張る」と、

改めてそんな言葉を口にしたー。


そしてーーー

翔太(綾)は、綾(翔太)の方に近付くと、

「ーーー…これで、戻れるかなー?」と、

綾(翔太)の返事を聞く前に、”キス”をしたー


「ーーー~~~~~!!!」

綾(翔太)は”自分の身体にキスされている”ことも忘れて、

ドキッとして顔を真っ赤にするー


たった数秒ー

けれども、イルミネーションが輝き、雪が降り注ぐその景色はー、

これから先もきっと、忘れないー。


きっとーーー


「ーーやっぱり、元に戻れないよねー」

苦笑いする翔太(綾)ー


今のは、”元に戻るため”だけだったのだろうかー

それともーーー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


大晦日ー。


綾(翔太)は、親友の哲真と一緒にカードショップに

遊びに来ていたー。


クラスメイトで、同じカードゲーム部のイケメン男子・足立 幸也も

一緒だー。


「ーしかし、お前は変わらないよなー」

哲真が、カードのパックを開けながら、子供のように

喜ぶ綾(翔太)を見て笑うー。


「ー俺だったら、そんな星村さんみたいな子と入れ替わったらー

 なんかこう、可愛い子ぶっちゃいそうっていうかー、

 意識しちゃいそうっていうかー。」


哲真が笑いながらそう言うと、

綾(翔太)は「ーーあははー…だって、中身は僕だしー」

と、何の迷いもなくそう答えるー。


「ははー…まぁ、おかげで俺もこうしてお前と一緒に

 バカ騒ぎしてられるしー…

 そのー…ありがとなー。

 今も”親友”でいてくれてー」


哲真がそう言うと、綾(翔太)は笑うー。


「何言ってるんだよー。

 身体が変わっても、僕と神田くんはずっと親友だよー」

綾(翔太)のそんな言葉に、哲真は安心した様子で頷いたー


「ーーーー…っっーーー

 あ~でも、まだ俺の方がやっぱ意識しちまうー!

 そんな可愛い笑顔!反則だ反則!禁止!」

哲真は笑いながらそう言うと、自販機前のスペースから

移動して、中古カードを眺めている足立幸也の方に

向かって行ったー。


そしてーーーー

今年が終わるー。


1年が終わり、また、新しい年が始まったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


”あけましておめでとう!

 こんな形での新年になっちゃったけど、今年もよろしくねー”


新年早々ー、

そんなメッセージが翔太(綾)から送られてきて、

綾(翔太)は微笑むー。


「ーーーあ!遠藤さんでしょ!?」

妹の美桜がニヤニヤしながらそんな言葉を口にするー


「ち、ち、ち、違うよー」

綾(翔太)は、顔を赤くしていたのを誤魔化すかのように

そう言うと、美桜から顔を背けたー。


”僕の方こそ、よろしくー”

そんな返事を送ると、綾(翔太)は

少しだけ嬉しそうに、静かに微笑んだー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


それぞれのお正月を過ごす二人ー。


翔太(綾)は、元旦は”翔太の両親”と共に過ごしー、

その翌日は、同じ美術部に所属している

中性的な雰囲気の女子生徒・倉守詩音と共に

美術展に出かけたー。


途中で”カップル”だと勘違いされた詩音は

少し困った様子でー、

「参ったなー。ボクはそういうつもりじゃないんだけどー」などと

笑っていたー。


翔太(綾)も、

”あ、そっかー…今、わたしは遠藤くんだから、

 倉守さんとお出かけしているとそう見られちゃうこともあるんだねー”

と、改めて実感させられたー。


その数日後にはー、

翔太の親友である神田哲真の誘いで、

男子たちとカラオケにも足を運んだー。


「ーなんか、なかなか元に戻れそうにないみたいだしー、

 少しでも、星村さんにも楽しい時間になればって、思ってさー」

哲真は、二人きりになった時、そんな言葉を口にしたー。


「ーー星村さんと、アイツー、

 二人を気遣ってやれるのは、俺だけだからさー。

 他のやつら、誰も知らないんだろ?」

哲真のそんな言葉に、翔太(綾)は「うんー」と、頷くー。


今のところ、”唯一”二人の事情を知る哲真は、

翔太の親友として、そして唯一の事情を知るものとして、

綾(翔太)のことだけではなく、翔太(綾)のことも何かと気遣っていたー。


今日は、そんなこともあって、翔太(綾)をカラオケに誘ったのだったー。


「ーーーーーっと、そろそろ栗原と足立が戻ってきそうだなー」

哲真はそう言いながら、

一緒にカラオケに来ていたお調子者で行事好きの栗原誠一と、

同じカードゲーム部の足立幸也の名前を出すー。


「ーーーふふ、そうだねー」

翔太(綾)はそう言いながら頷くと、すっ、と息を吸ってー

”遠藤くん”としての振る舞いに戻すー。


「ーーー翔太のこと、色々気遣ってくれてありがとなー。

 親友として、礼を言うよー」

哲真はそれだけ言うと、戻って来た誠一に向かって

「また腹壊したのかと思ったぜ」と、冗談を口にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


綾(翔太)も、充実したお正月を過ごしたー。


”綾の親友”である山井 穂乃果と共に、

元旦は初詣ー。


”穂乃果”との時間も、自分が”綾”である以上は

大切にしなくてはならないー。


「ーーー今年もよろしくね」

そんな言葉に、綾(翔太)は「う、うんーわたしこそー」と、

微笑むー。


がー、その微笑みとは裏腹に、綾(翔太)は

ドキドキとしていたー。


”ま、まさか、女子として着物姿で初詣に来ることになるなんてー”

綾(翔太)はそう思いながら、顔を真っ赤にして

歩いていると、横にいた親友の山井 穂乃果が、苦笑いしながら

「ーー大丈夫?綾、顔真っ赤だけどー?」と笑うー。


”綾”の親友である山井 穂乃果と、

”綾”として仲良くなったクラスメイトの笹野翔子、野坂優菜の4人で

神社にやってきていた綾(翔太)ー


今までとは違う元旦にドキドキしながら、

「ーーーだ、だ、だいじょうぶーーー…」

と、言葉を口にするー。


”じゃないかもー…”

と、心の中で言葉を続けながらー、苦笑いすると

今度はみんなでおみくじの方に向かっていくー


「あ!あ!ウチ大吉!今年は絶対いいことありそう~!」

教室では前の座席に座っている笹野翔子が、おみくじで大吉を

引いて嬉しそうに笑うー。


「ーーわたしはー、中吉みたい」

野坂優菜がいつものように穏やかに笑いながらおみくじを見せるー。


「ーーー綾は?」

穂乃果がそう言いながら、綾(翔太)のほうを見るー。


綾(翔太)は「ただの吉ー」と、笑いながら穂乃果にそれを見せると、

穂乃果は「こういうのってさ~凶とか入ってないんじゃない?演技悪いしー」と

クスクス笑いながら、自分のおみくじを開くー


”凶”ー


そんな結果を見て、「あ、あははー…入ってたー」と、穂乃果が

周囲にそれを見せびらかすと、

優菜も、翔子も笑いながら、それぞれ言葉を口にしたー。


数日後には、妹の美桜とお正月の買い物ー、

さらには”綾の親戚”のおじさんも遊びに来たりしてー、

お正月の時間はあっという間に過ぎて行ったー。


そしてーーーー

3学期が始まったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


3学期初日ー

教室の中では、新年のあいさつが飛び交うー。


「ーーあ、星村さんー

 今年もよろしくー」

隣の座席の男子・須藤 渉がそんな言葉を口にするー。


「ーあ、須藤くんー。こちらこそー」

綾(翔太)は、そう言いながら

少し気まずそうな表情を浮かべるー。


12月に、渉からの告白を断っているからだー。


”まさか、僕が人を振る経験をするなんてー…”

綾(翔太)はそんな風に思うー。


自分が告白されることなんて、ないと思っていたし、

ましてや、告白されてそれを振るなんて、絶対にないと思っていたー。


それが、まさかこんな予想外の形で実現するなんてー…


「ーーーあ…年末はー」

綾(翔太)が、振ったことを今一度お詫びしようとすると、

渉は「ーははは…あんま引きずっちゃダメだってー…

そんなに謝られると、俺もその都度、思い出しちゃうだろ?」と、

困ったような笑みを浮かべるー。


「ー星村さんは何も悪くないー。

 俺も、何も後悔してないー。

 だから、大丈夫さ」


渉はそれだけ言うと、どこか吹っ切れたような表情で、

そのまま授業の準備を始めるー


「ーーえ?なになにーなんかあったのー?」

そんな会話を、前の座席の笹野翔子に聞かれてしまい、

ツッコミを入れられてしまう綾(翔太)ー


「え?え~?別になにも~」

綾(翔太)が少し笑いながら誤魔化すと、

「え~~~!ウチには教えてよ~!」

と、翔子は、綾(翔太)に笑いながら秘密を聞き出そうと迫って来たー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ふっふっふっふっふー」

3学期も始まり、数日が経過したその日ー、

行事好きのお調子者・栗原誠一はご機嫌だったー。


「ーーー栗原くんー…朝からニヤニヤして、どうしたの?」

翔太(綾)が聞くと、

「ーふっふっふーよく聞いてくれたな遠藤!」と、

誠一はハイテンションで答えるー。


「ーあ~…聞いちゃったよー」

近くにいた哲真が、やれやれという様子でそう呟くと、

誠一は叫んだー


「ー今日はスキー教室のグループ決め!!!!

 3学期最初の行事だ!うぉぉぉ!燃えて来たぁ!」

と、一人で嬉しそうにする誠一。


「ーーあんた、本当にうるさいね~…」

近くにいた女子生徒・霧崎 璃子が呆れ顔で言うと、

「ーき、き、霧崎っ!スキー教室が楽しみじゃないのか?!」と、

誠一が反論するー。


「ーーそりゃ、あたしも楽しみだけど

 でもさ~そこまで騒ぐことなくない?」

男子との距離感がバグっている璃子はそんなことを言いながら

「どうせまたお腹壊すんだよね~~?」と、

揶揄うような口調で誠一の腹をパンパンと叩き始める


「ぐぉっ!やめろ!触るな!」

誠一が、そう言いながら教室を走って逃げ周り始めるー。


「ーーはは、相変わらず賑やかなやつだなー」

哲真がそんな言葉を口にしながらその光景を見つめると、

翔太(綾)は笑いながら「そうだねー」と、その光景を

微笑ましそうに見つめるー。


もうすぐ、スキー教室ー。

3学期最初の学校行事を前に、

翔太(綾)も少し楽しみに思いながら、

静かに教室のカレンダーのほうを見つめたー。


㉒へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


★1-Cの日常★


「ーーねぇ、あんたいつもうるさいんだけどー」

気の強い女子生徒・高倉美咲が不快そうにそんな言葉を口にするー。

以前、退学になった柳沢祐樹と共に、丸岡富雄をイジメていた

女子生徒だー。


「ーーえ?俺!?」

大げさな発言を繰り返す男子生徒・米沢海斗が振り返りながら

そう言葉を口にするー。


今日も、魔王がどうのこうの、闇の力がどうのこうの言ったり、

何故か眼帯をしていて、”俺の真の力はここに封印されているっ!”などと

叫んでいたー。


「ーーそうよ あんたよ。

 いつもいつもうっさいのよ」

美咲がそう言うと、海斗は「うぉぉぉ…闇の天使…!」と、

美咲に向かって叫ぶー。


美咲は「誰が闇よ!」と、イヤそうな顔をしながらも、

「っていうか、何で眼帯してるの?」と言葉を掛けると、

海斗は「闇の力を封印するために決まってんだろー」と、答えるー。


が、美咲に睨まれていることに気付いて、

少しすると「ーー眼科行ったら、ものもらいって言われて」と、

本当のことを口にしたー


「ーーーーチッ、じゃあー、最初からそう言えばいいのに」

美咲はそれだけ言うと、

海斗のほうをもう一度見つめてから、大きくため息をつくと、

そのまま座席の方に戻っていくー


「ーーふ~~~…こぇぇ…闇の天使ー」

海斗は、そう呟くと自分も座席の方に戻り、

まだ震えている自分の手を見つめながら、「怖ぇ…」と、

今一度そう呟いたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


3学期に突入しました~!☆

もう少しで作中の物語も1年目が終わりますネ~!


最初、連載開始前には

リアルタイムの1年で作中も1年経過案もあったのですが、

それをやると、連載が3年間、150話を超えてしまうので、

やめました~笑

(他の長編を読みたい~!という人もいると思いますからネ~笑)


今日もありがとうございました~!

Files

Comments

No comments found for this post.