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親友の哲真から


”俺には星村さんが翔太にー、

 翔太が星村さんに見えるー”と、言われてしまった綾(翔太)ー


そこに、偶然居合わせた翔太(綾)は

”もう隠すことはできない”と、ついに自分たち以外の人間に

”入れ替わり”のことを打ち明けたー。


翔太の親友・哲真はそのことに驚きながらも

事情を理解し、協力することを約束してくれたー。


そんな中、学校生活はついに1学期を終えて、夏休みに突入するー。


★前回はこちら↓★

<入れ替わり>僕とわたしの不思議な青春⑪~正体~

クラスメイトの敷島 郡司から ”何か隠している”と疑われてしまった翔太と綾ー。 二人は入れ替わりが発覚したのではないかと戸惑っていたものの、 実は、郡司が疑っているのは”二人が付き合っているのではないか?”と いうことで、入れ替わりを疑っているわけではなかったー。 安堵する二人ー。 しかし、夏休みも近付い...

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★主な登場人物★


遠藤 翔太(えんどう しょうた)

C組生徒。大人しく、奥手な性格の持ち主。綾と入れ替わってしまう。


星村 綾(ほしむら あや)

C組生徒。可愛らしい雰囲気に、明るい性格の持ち主。翔太と入れ替わってしまう。


神田 哲真(かんだ てつま)

C組生徒。翔太の中学時代からの友人。女子は苦手。


山井 穂乃果(やまい ほのか)

C組生徒。綾の友人。翔太のことはあまり良く思っていない。


敷島 郡司(しきしま ぐんじ)

C組生徒。かつて綾と翔太が”秘密”を隠していると疑っていた。


岡崎 香奈枝(おかざき かなえ)

C組生徒。噂好きの女子生徒。ドジな一面も。


★脇役も含めた人物紹介はこちら↓★

<人物紹介>僕とわたしの不思議な青春~登場人物図鑑~

長編入れ替わりモノ 「僕とわたしの不思議な青春」の 登場人物図鑑デス! 連載前に予告として掲載した、 主人公たちのクラス名簿の内容に加え、登場する教員や その他の人物もご紹介しています~! ※ネタバレは控えめ(漫画や小説の最初の方のページに書かれている  人物紹介ぐらいの内容…)デス~!  最初にクラス名...

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”遠藤くんも、夏休みは気にせず、過ごしていいからねー?

 わたしに遠慮して、何もできない夏休みになっちゃうのも良くないしー

 高1の夏休みは、一度しかないんだからー”


夏休み初日ー。

綾(翔太)は翔太(綾)と電話で色々と話をしていたー。


「ーーーあ、うんー…」

綾(翔太)は戸惑いながらもそんな言葉を口にするー。


”遠藤さんの身体だし、夏休みは出来る限り家の中で大人しくしてようー”

と、そんな風に考えていた綾(翔太)ー

しかし、翔太(綾)にはお見通しだったようで、

そんなことを言われてしまったー


「ーーでも、僕、元々夏休みにたくさん遊びに行くような

 タイプじゃなかったしー」

綾(翔太)が、そんな言葉を口にしながら、

「ー神田くんと、カード買いに行ったりばっかしてたからー」と、笑うー。


”じゃあ、神田くんとカード買いに行ったりしちゃえば?

 わたしの身体だからって気にしなくていいからー!ね?”


翔太(綾)がそんな言葉を口にするー


「ーーーう、うんーわ、分かったー

 あ、星村さんも、僕のことは気にしなくていいからー」


綾(翔太)がそう言うと、翔太(綾)は

”ふふーじゃあ、お互い夏休みを楽しもうねー”と、

言葉を口にしてからー、

少し間を置いて、”あ、そうだー…わたしと遠藤くんも、どこかに遊びに行く?”

と、そんな言葉を口にしたー。


「ーえっ!?!? えっ… えっ!?」

”そ、それって、デート!?”と、口が滑りそうになってしまいながらも

何とかその言葉を喉の部分で止めると、

”ーーあ、イヤならいいけど、ほら、せっかく入れ替わったんだし、

 お互いのことをもっとよく知る意味でもー。

 それに、いつまでこの状況かも、分からないでしょ?

 だから、何か思い出も作っておきたいなぁって”

と、翔太(綾)が言葉を続けるー。


「はははー…前向きだなぁ」

綾(翔太)は、”どうやらデートではなさそう”と、思いながらも、

そんな風に返事をするー。


「ーじゃあ~…8月に入ってからでいいかな?」

綾(翔太)がそう言うと”うん!日付はあとでLINEで話しながら決めようね”

と、そんな言葉が返って来たー。


電話を終えた綾(翔太)ー


少しニヤニヤしながら、翔太(綾)と、

遊びに行く日程や場所の相談を続けるー。


”不思議だなぁー…”

綾(翔太)は、改めてそう思ったー。


4月のあの日、

もしも入れ替わっていなければ、今、こんな風に

”星村さん”とLINEのやり取りをしている未来はなかっただろうー。


健康診断の日に、一緒に道に迷ってウロウロした時に、

綾に対しては、好印象を抱いてはいたけれどー、

入れ替わってなければ、恐らくは”それだけ”ー。


あったとしても、”時々話す間柄”ぐらいで、

それ以上の存在にはなっていなかっただろうー。


仲良くなった笹野翔子や、野坂優菜に関しても、そうだー。

”自分が綾と入れ替わってなければ”

あの二人と仲良くなる未来なんて、なかった気がするー。


「ーーふふんー さてはお姉ちゃんー」

ふと、そんな声がしてビクッとして前を見ると、

ツインテールの妹・美桜の姿があったー


「ーー彼氏とLINE?」

ニヤニヤしながらそう言い放つ美桜ー。


「ーか、か、かれしっ!? ち、ち、ちがっ!?

 って、ていうか、いつからそこにいたの!?」

綾(翔太)が慌てた様子で叫ぶと、

「あはははー、お姉ちゃんってばわかりやすい~!」

と、美桜が揶揄うような口調で笑うー。


「ち、ちがっ!本当に違うんだってば!」


「ーふふふふ わたしには分かってるよー

 この前連れて来た人でしょ?」


一度だけ、”翔太(綾)”を綾の家に連れてきたことがあるー。

入れ替わりを知らない美桜からすれば、

そう思っても、仕方のないことだろうー。


「えっ…えっ…ないないっ!ない!」

綾(翔太)は、

”僕なんかが星村さんの彼氏扱いされちゃったら、星村さんに失礼だ!”と

いつものようなことを思いながら必死に否定するー


「え~…遠藤さんだったっけー

 優しそうな人に見えたけどなぁ~」

美桜がそんな言葉を口にすると、

綾(翔太)は少しドキッとしながら

”ぼ、僕、”優しそう”なんて風に見られてるんだー”と、

心の中で、ドキドキしながらそう呟くー。


”女子”からの本音など聞く機会はめったにないー。

入れ替わりのことを知らない綾の妹・美桜が

翔太のことを”優しそう”と言っているのだからー、

恐らくはそれが本音なのだろうー。


(あ、でも、それは中身が星村さんだからそう見えるだけだよねー)

綾(翔太)は、そんなことを思いながら

今一度「あ、あの人は、わたしの彼氏じゃないから!」

そう言い放つと、美桜は「え~~ほんと~?」と

ニヤニヤしながら言葉を続けたー。


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7月下旬ー。


綾(翔太)は「お待たせ!」と、

先に待っていた哲真のところにやって来ていたー


「おうー、翔太ー…」

哲真は少し戸惑った様子で、綾(翔太)のほうを見つめるー。


「ーーか、可愛い服装してんなぁ…

 入れ替わったこと打ち明けたんだし、

 いつもっぽい格好で来るかと思ったけどー」

哲真が綾(翔太)を見つめながらそう呟くー。


履いているのはスカートだし、全体的に女子っぽい雰囲気ー

そんな格好に哲真が先ほどの言葉を口にすると、

綾(翔太)は「星村さんの身体で外に出る以上、ちゃんとしないとってー」と

照れくさそうに言うー。


「ーははは、まぁ、そりゃそうかー」

哲真がそう言うと、綾(翔太)は、「今日はレアカードあたるといいな~」と、

嬉しそうにカード屋のほうを見つめるー


「ーーへへへー レアカードを当てるのは俺だぜー」

哲真がいつもの調子でそんな言葉を口にすると、

「むー…僕の方がたくさん当ててやる!」

と、ムキになって綾(翔太)が反論するー


「~~~~~~~~」

”中身が翔太だと分かっていても”

哲真からすると、ついドキッとしてしまうー。


ムキになる反応も、仕草も、確かに”いつもの翔太”と同じではあるー。


しかしー…

身体が”綾”なだけで、こんなに感じ方が違うなんてー


「ーーえ?なんか神田くん、赤くなってるけど?」

綾(翔太)が不思議そうにそんな言葉を口にするー


「な、な、なんでもねぇし!」

哲真は顔を真っ赤にしながらそう言うと、

「ほら!新弾は早くしねぇと売り切れるから、行くぞ!」

哲真が照れ隠しをするかのように走り出すー。


”くそっー、中身が翔太だと分かっててもー

 なんかこうー…理解が追い付かねぇ”


そう思いつつ、そんな思いを振り切るために

必死にカード屋の前まで走っていくー


だがーーー


「ーあ」

哲真が振り返ると、

綾(翔太)がはぁはぁ言いながら「ま、待ってよー…」と、

困惑した表情を浮かべているのが見えたー


「ーーーわ、悪いー…

 そ、そっかー、今は星村さんの身体だからー…」

哲真が申し訳なさそうに、綾(翔太)の方に引き返していくと、

綾(翔太)は、はぁはぁ言いながら

「い、いやー神田くんは悪くないよー」と、だけ言葉を吐き出すー。


翔太も、運動神経抜群ではないものの、

それでもやっぱり、女子よりは体力的なものはあったようだー。

綾自身も、運動が得意、ということではないために、

”体力差”をどうしても感じる部分があるー。


「ーーだ、大丈夫かー?1回休むか?」

哲真が心配そうに言うと、綾(翔太)は「だ、大丈夫ー」と、

そう言葉を口にして、

一緒にカードショップに向かって歩き出したー。


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同日ー。


「ーーやぁ、来てくれてありがとうー

 こんなこと、君にしか頼めないと思ってねー」


どこか意味深な言い回しをすることが多いクラスメイト

敷島郡司がそう言いながら、翔太(綾)のほうを見つめるー。


敷島郡司とは、例の”報道部”の一件ー、

”きみたち、何か隠してないか?”と疑惑を掛けられて以降ー、

何かと翔太(綾)と話す機会が多くなっているー。


”ーーまぁ、友達ができるのはいいことだよねー

 遠藤くんのためにも、男子の友達も作っとかなきゃだしー”


同じ美術部の倉守詩音とも、それなりに親しくはなっているけれどー、

詩音は女子ー。

翔太のためにも、男子の友達も作っておかないとー、と、

夏休みの今日ー、敷島郡司からの”ある誘い”に翔太(綾)は乗っていたー。


「ーーーやっほ~!二人とも、あたしのためにありがと~!」

そこに、報道部所属のクラスメイト・岡崎香奈枝が姿を現すー。


ショートヘアーの小柄な女子生徒だー。


「ーーーそれで、報道部の手伝いって?

 どうして僕までー」


”翔太”として、翔太(綾)がそう言うと、

香奈枝は「この先に、幽霊が出るって噂の真相を報道部のネタとして

調査しようと思って!敷島くんと遠藤くんにはその手伝いをお願いしたいの!」と、

笑いながら言い放つー


「ゆ、幽霊ー!?」

翔太(綾)がドキッとするー。


「うん!幽霊!本当にいたら面白くない?」

香奈枝が、廃墟地帯を前にそう言い放つと、

郡司は、気まずそうな表情をして目を逸らしたー。


綾は、幽霊とか、そういう話があまり得意ではないー。

乗り気じゃない様子で、

「え…?も、もしかしてこの先に進むってこと?」と、

眼前に広がる廃墟地帯を指差すー。


「ーーーほ、ほらー、遠藤くんもこう言ってるぞー

 やめておいた方がいいんじゃないか?」

敷島郡司も、香奈枝に対してそんな言葉を口にするー。


どうやら、郡司も”幽霊”とか、そういう話が苦手なようだー

恐らく、香奈枝から誘われた郡司が

”一人じゃ怖いから”みたいな理由で、翔太(綾)のことも

誘ったのだろうー、と、そんな風に考える翔太(綾)ー


「ーも~~!敷島くんも、遠藤くんも、男子なんだからしっかりして!」

香奈枝がそんな言葉を口にすると、

郡司は「だ、男子でも怖いものは怖いし!」と、反論するー。


その横で、翔太(綾)は”わたしは男子じゃないんだけどー…”と、

内心で苦笑いするー。


そんな二人の様子を見て、

「ー人間観察が好きな敷島くんなら、幽霊も簡単に

 見つけられるんじゃないかな~って思って誘ったのに~」

香奈枝はそんな言葉を口にすると、

郡司は「ー人間観察と幽霊どうこうは話が別だ!」と、

声を上げるー。


「ーーーあははー二人って本当に仲が良いんだねー」

翔太(綾)は、そんな二人の様子を見ながらそう笑うと、

「ーうん!二人と一緒なら頑張れる気がしてきた!」と、

廃墟に向かう意欲を示し始めるー。


「ーえ、え、遠藤くんまで! くそっ!」

郡司は少しだけ舌打ちすると、

「ー仕方ないー。こうなったら、僕もー」と、

観念した様子で廃墟地帯に向かって歩き始めたー。


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楽しそうに購入した今日発売のパックを開封する

綾(翔太)ー。


”ははー…身体は違っても、確かに翔太のやつそのものだなー”

哲真はそんな風に思いながら、

自分も購入したパックを開封するー。


開封したパックからレアカードが顔を出し、

思わず「よっしゃ!」と声を上げると、

「ーえ?なになに?」と、綾(翔太)が隣にやってきて

カードをのぞき込むー。


”翔太”からすれば、特に何かを意識したわけではないであろう、

普通の行動ー。

しかしー、”女子”に、かなりの至近距離まで接近されて

哲真はドキッとしてしまうー


「ーすごい!これ一番当たりのやつじゃん!」

綾(翔太)が、そう言いながら「ちょっと見ていいかな?」と、

言葉を口にするー


「あ、あぁ…いいけどー」

哲真のそんな言葉に、嬉しそうにカードを受け取り、

綾(翔太)が、哲真の当てたレアカードを見つめるー。


やがて、満足したのかカードを哲真に差し出すー。

哲真は、”綾”の手を見ながらー、

”調子、狂うなぁ…”と、思いながらカードを受け取るー。


その際に、少し綾の手に、自分の手が触れてしまいー、

「あ、悪いー」と、反射的に哲真がそんな言葉を口にすると、

「ーーあはは、悪いってなんだよー」と、綾(翔太)が笑うー。


「い、いやー…なんかーその…」

哲真はそこまで言うと、綾(翔太)のほうを見つめながら

戸惑いの表情を浮かべたー。


「中身はお前だって分かってるんだけどー

 なんかどうしても、こうー…な」

そんな哲真に対して、

綾(翔太)は、少しだけ寂しそうな表情を浮かべるー


”翔太”も、当然まだ慣れない部分はあるー。

しかし、4月似入れ替わって、今は7月ー。


既に3か月以上、綾の身体で過ごして、

ある程度”慣れ”を感じる部分が出てきているのも、

また、事実だったー。


しかし、哲真からすれば

まだ”二人の入れ替わりを知ったばかりー”

すぐに慣れろ、というのも無理な話だったー。


「ーそんな顔すんなってー

 俺もだんだん慣れていくように、頑張るからさ」


哲真のそんな言葉に、

綾(翔太)は少しだけ寂しそうにしながらも、

「ありがとうー」と、言葉を口にしたー。


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綾(翔太)は、

クラスメイトの笹野翔子とショッピングを楽しみー、


翔太(綾)は

クラスメイトの倉守詩音と共に美術展へと出かけーー


二人とも、それぞれの夏休みを堪能するー。


そしてー

”二人で”遊び行く約束の日ー…

その、当日がやってきたー…。



⑬へ続く


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★1ーCの日常★


夏休みを迎えた桐崎 理子は、

家の中でも”学校と同じ”いつも通りな振る舞いだったー。


「ーおはよ~~~!」

二人いる弟の一人を、平気で抱きしめる理子ー。


「ぶわっぷ!」

弟が驚いた様子でそう叫びながら顔を赤らめるー。


「はははー理子。みんな年頃なんだからー、

 そんな大胆に抱き着くなよー?」

大学生の兄が呆れ顔で言うと、

理子は「あはは!そんなこと気にしてんの~?

小さい頃からずっとこうだったじゃん!」と、笑いながら返事をするー。


「ーーあ、もしかしてー」

理子はそう言いながらニヤッとすると、

「あたしのぎゅー、欲しいんでしょ?」と、

今度は兄に抱き着くー。


「ぐわっ!や、やめろ~~~~!」


誰にでもスキンシップが激しくー

男子との距離感がバグっている桐崎 理子は、

兄一人、弟二人という家族構成故に、

本人からしてみれば、男子に抱き着いたりすることにも

全く抵抗がないのだったー…。


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コメント


夏休みに突入…★!

2学期も近付いてきていますネ~!★


まだまだ入れ替わり1年目は続きます~!

今日もありがとうございました~!


 

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