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これはー

歪みゆく彼女が遺した日記ー。


不良男子に支配され、

変わっていく彼女が、不安の中、書き残しー、

そしてー”発見された”悲劇の記録ー。


その、中身とはー…


(第10週)


☆前回はこちら↓☆

<MC>歪んでいく彼女の日記⑨~対峙~

これはー 歪みゆく彼女が遺した日記ー。 不良男子に支配され、 変わっていく彼女が、不安の中、書き残しー、 そしてー”発見された”悲劇の記録ー。 その、中身とはー… (第9週) ★前回はこちら★↓ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「ーーあんたー」 変わり果てた美冬が近付いてくるー。 修吾は、思わずそん...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”杉崎 健司”は死んだー。

美冬を洗脳し、美冬を歪め、そして、美冬を元に戻す方法を

語らないまま、そのまま死んだー。


2学期が始まり、

彼氏の修吾は、失意の表情を浮かべていたー。


美冬は、学校にも登校しておらずー、

今も遊び歩いているのだろうー。


今も美冬の両親や、美冬の妹・天音ー、

そして美冬の親友である雅美、

美冬や修吾自身の他の友達と共に、美冬を

探してはいるものの、その行方は分からないー。


「ーーーーー美冬…くそっ」


昼休みー。

修吾は悔しそうにそんな言葉を口にするー。


修吾は、連日、”自分の自由にできる時間を全て”

美冬のために費やしていたー。


美冬は、杉崎健司に洗脳されていたー。

それは、事実だー。

美冬が残した日記を読む限り、美冬が完全に歪んでしまうまでには

”ある程度の時間”があったのもまた事実ー。


もしも美冬が、完全に歪んでしまう前に気付くことさえできればー…

あんなことには、ならなかったのかもしれないー。


”彼女の異変に気付いてあげることができなかったー”

そのことに、修吾は強い怒りを感じていたー。

そう、自分自身にー。


「ー古川くんー。あまり、気負いすぎちゃ、ダメだからねー?」

美冬の親友・雅美が悲しそうに呟くー。


「ーーあぁ、城崎(しろさき)さん、分かってるよー」

雅美のほうを見ながら、そう呟く修吾ー。


だがー、修吾は止まるわけにはいかないー。


”執念”にも似た調査を続ける修吾ー。


”杉崎健司”が何か残していないかどうかー、

美冬の行方の手がかりはないかどうかー。

そんなことを調べ続けるー。


毎日、毎日、毎日ー。

ほとんど手がかりの無い中ー、

修吾は、杉崎健司の親に必死に頼み込みー、

彼の部屋の中を調べさせてもらったー。


ーーーー


「ーーーーー」

修吾は、健司の部屋の中で、彼が残したメモを見つけるー。


「ーーーーーー」

そのメモを読みながら、少しだけ首を傾げる修吾ー。


「ーーーーーーーーーー」

健司の考えが、途中で急に変わっているような、そんな印象を受けるー。

まぁ、単に気まぐれなだけかもしれない。しかしー


「ーー」

何度も、何度もメモを読み直すうちに、修吾は表情を歪めるー。


”そういえば、何で杉崎のやつは、あんなに美冬に執着してたんだろうなー?”


確かに、退学になった直接的な原因でもあるし、

不思議ではないー。

しかし、杉崎健司は、それまでに何度も”停学”になっているー。

停学になった際には美冬以外の生徒とのトラブルだったり、

先生に報告されたり、”他の子”が絡む停学も何度もあったー。


が、杉崎健司はあまり報復とか、そういうことをするタイプでは

なかったように思えるー。


まぁ、停学と退学は違うと言われてしまえば、それまでだけれどもー…


”本人から、すりゃ自分が洗脳されてる自覚も

持つことができないんだから、対策のしようもないしなー。”


そんな、杉崎が書き残したメモの一文を見つめるー。


「ーーー…自分が洗脳された自覚を、本人は持てないーか…」

修吾はそう思いながら、杉崎健司の不良仲間の情報も入手すると、

居場所が分かる杉崎の不良仲間一人一人に会いに行くことを決意するー。


”そんな奴ら”とは関わりたくなかったけれどー、

美冬の日記によれば、杉崎健司が紹介した仲間のところに

いる可能性が高いー。


一人一人、杉崎健司の仲間と接触していけばー

どこかに”美冬”がいるかもしれないからー。


その日からー、

修吾は、杉崎健司のスマホに残っていたデータから、

一人一人、”杉崎の不良仲間”に会いに行き、話を聞いたー。


当然、攻撃的なやつもいたし、

殴って来るやつもいたが、

中には”話の分かるやつ”もいたー。

不良も、”不良”という一つのカテゴリーでは片づけられない、と

そういうことなのだろうー。


「そういや、杉崎のやつ、夏前ぐらいからかなー

 妙なお茶持ってることが多くてさー」


”変わったことがないか”と、尋ねた修吾に、

杉崎の仲間はそう言葉を口にするー。


「ーーー…お茶?」

修吾は”あぁ、美冬に飲ませてたやつだなー”と、内心で思いつつも

そう聞き返すー。


「ーーそうそうー 不味いけど、つい飲んじまう、とか

 そんなこと言っててさー」


「ーーん?杉崎が飲んでたのか?」

修吾がそう言うと、杉崎の不良仲間は「あぁ。」と笑いながら

「不味いなら飲むのやめろよって言ったけど、あいつ、それでも飲んでて」

と、呆れ顔で言うー。


「ーーーーーーはは」

修吾は相手に合わせて少し笑うと、

「そのお茶、どこで買ったとか、分かったりするか?」と、質問するー


すると、不良仲間は言ったー。


「”貰ってた”なー」

とー。


「貰った?」

修吾が表情を歪めるー。


「ーーあぁ。なんか、女から貰ってるの、一度見たんだよー」

杉崎の不良仲間の言葉に、修吾は表情を歪めながら、

「ーーーそ、それが誰だか分かるか?」と、再度質問するー


「いやー…分かんねぇ。でもー

 最近、杉崎のやつが紹介してた”美冬”って子と同じぐらいの年だったなー」


その言葉に、修吾は表情を曇らせながら、

その相手にお礼を口にするのだったー。



”杉崎健司が、美冬と同じぐらいの年の子にあのお茶を貰ってたー?”


そう思いながら、美冬の日記と杉崎のメモを見つめる修吾ー。


確かにー、

美冬の日記には”杉崎健司”が誰かと会うような記述があるー。


杉崎のメモには、急に杉崎の考えが変わるような様子も

書かれているー。

最初は美冬を彼女にして遊ぼうとしていた杉崎が、

急に美冬を壊す方向に変わっているー。


それは、いったいなぜなのかー。


「ーーーーー……!」

修吾はハッとするー。


「ーー杉崎のやつも、”洗脳”されていたんじゃー…?」


いやー、

これだけではまだ仮説にすぎないー。

そう思いつつも、修吾は”杉崎も誰かに洗脳されていて、

本当の真犯人から洗脳エキスを受け取り、美冬にそれを渡していた”

という可能性にたどり着きー、

執念の調査を続けたー。


そしてーーー

ついに美冬を見つけ出した修吾ー。


「ーーあん?」

美冬は、”完全にギャル”と化していたー。


もう、別人にしか見えないー。


「美冬ー」

修吾が悲しそうに美冬に近付くー。


美冬は不良仲間と共に、修吾を睨みながら

「ーなんか用?」と、不快そうに呟くー。


「ーーー美冬を連れ戻しにきたー

 親も、みんなも心配してるー。

 もう、帰ろうー」


修吾がそう言い放つと、美冬は笑いながら

「あたしは帰りたくないんだけど?

 あのクソ親も、妹も、みんなみんな、あたしのことを馬鹿にしてー!

 全員くたばればいいのよ!」

と、叫ぶー。


一人称まで変化していることに気付く修吾ー。

このまま放っておけば、美冬はさらに、さらに、闇に沈んで行ってしまうー。


「ーーーー美冬ー

 美冬は、洗脳されているんだー」

修吾が、そう言い放つと、美冬は「ーあたしは正気なんだけど」と、

怒りを露わにするー。


「ーねぇねぇ、コイツ、ボコボコにしちゃって」

美冬が不良仲間たちにそう言うと、

「いいのかよ?」と、金髪の男が笑うー。


美冬が「ぶっ殺しちゃってもいいよ」と、過激な言葉を口にすると、

金髪の男は笑いながら修吾に近付いて来たー。


がーーー、

修吾は笑みを浮かべるー。


「ーーそこまでだ!」

修吾と一緒にやってきていた警察官と、美冬の両親ー、

そして修吾に協力してくれた友達たちが一斉に姿を現しー、

不良たちと美冬を取り囲むー


「な、なんなのよアンタたち!」

怒りの形相で叫ぶ美冬ー。


だがー、警察官たちと、美冬の両親、友達たちに、不良たちは

あっという間に鎮圧され、美冬もその場で確保されたー。



「ーーふざけんな!お前ら全員呪ってやる!!」


監視付きで入院となった美冬は、連日怒りの言葉を口にしているー。


”元に戻す方法”は分からないー。



だがーーー


「ーーー俺、”美冬をあんな風にしたやつ”を突き止めたー」


修吾は、学校で親友の男子にそう言い放っていたー。


「ーーーー今日の放課後、証拠を持って警察に行ってくるー」

修吾のそんな言葉にーーー



ーーーーーーー

それを聞いていた別の生徒はー、

ギリッと、唇をかみしめたー。



⑪へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


ついに次回が最終回デス~!

彼女を元に戻し、真犯人を突き止めることはできるのでしょうか~?


今日もお読み下さりありがとうございました~~!


※毎週土曜日の更新(コンパクト枠)とは?

(いつもと同じ説明デス↓ 既に知ってる方は読まなくて大丈夫デス!!)

毎週土曜日(以前は火曜日でした!)は、

私が仕事の都合で書く時間を確保できないので、

本来更新は難しいのですが

皆様にご恩返しということで、他の6日間で毎日

少しずつ執筆して、土曜日にも、作品をお届けしています!

そのため、いつもより少し文章量が少ないため

毎週土曜日の作品は、100円プランでも読めるようにしてあります!

(※土曜日枠のお話は必ず完結まで100円プランで読めるようにします!

  途中から上がったりはしませんので、安心してください

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