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★TSF関係(憑依、入れ替わり、皮、女体化、変身など)のお話ですが、

 物語の展開上、先に”なにか”を明かすとネタバレになってしまうので、

 ジャンル表示をしていない作品デス~!

 どのTSFな出来事が起きているのか、ぜひ楽しんでくださいネ~★


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーあ…あれ…?」

少女は、何が起きたのか分からずに、周囲を見渡すー。


辺り一面に咲き誇る綺麗な花が見えるー

その”あまりにも綺麗すぎる”花たちが咲き乱れる花畑を見ているとー

綺麗なはずなのに、何だかとても、不安になるー。


「ーーーあれ…わたし…何してるんだっけー」

ふと、そんな風に思いながら少女は自分の身体を見下ろすと、

自分が高校の制服を着ていることに気付くー


”あ、そうだー…確か今は修学旅行の最中でー”

彼女ー、明美(あけみ)はそんなことを思いながら

少し寝ぼけたような表情で、再び花々のほうを見つめるー。


そうだー

修学旅行の最中に自然公園を訪れることになっていたー。

バスに乗って、そこに移動している最中だったからー

きっと、バスで眠ってしまったのだろうー。


そんな風に思いながら、明美が周囲を見渡すとー、

不気味なほどに広々としたその場所の向こう側に、

”綺麗な虹”がかかっているのが見えたー。


「綺麗ー…」

思わず瞳を輝かせながら、その虹を見つめる明美ー。


まるでー

”吸い込まれそうなほど”に綺麗なその虹に

ゆっくり、ゆっくりと明美は、歩いていくー。


目は虚ろになりー

まさに、”吸い込まれていく”かのようにー。


「ーーーーー…明美!」

背後から、明美を呼ぶ声がしたー。

そんな声に、明美は我に返ると、背後を振り返ったー。


そこにはー、

可愛らしいツインテールの友達、奈々枝(ななえ)の姿があったー


「あ、奈々枝ー」

明美は、なんだかふわふわしたような感じを覚えながら

奈々枝のほうを見つめると、奈々枝がクスッと笑みを浮かべたー。


「ー明美ーいたいた!よかった~!」

奈々枝がそう言いながら、明美に駆け寄って来るー。


明美は、まだ寝ぼけている様子で

「ーーみんなはどこ?わたしー、もしかしてはぐれちゃった?」と、

少し申し訳なさそうに言うと、

奈々枝は「そうだよ~!明美ってば~!バスからずっと眠そうに

してるんだもん!」と、笑みを浮かべながら言うー。


「ーーあ、やっぱりわたし、寝ちゃってたんだねー」

そんな言葉を呟きながら、照れくさそうにする明美ー。


「ーー先生もみんなもあっちで待ってるからーー

 早くいこっ!」

奈々枝が、虹のかかった方角を指さすー。


「あ、うんー」

明美は静かに頷くと、少し周囲を見渡してからー

「でも、ここ、なんだか”綺麗すぎて”怖いねー」と、呟くー。


「え?あぁーーー

 ”すぐ”になれるしー

 ”すぐ”にー」


奈々枝が少し意味深な言葉を口にするー。

一瞬、奈々枝の顔が二つにぶれて、

そのうちの一つが、邪悪な笑みを浮かべたー


そんな、気がしたー。


少しびくっとする明美ー。


奈々枝は笑うー。


「どうしたのー?」

とー。


「ーーーえ、あ、ううんー…なんでもないー」


奈々枝の顔を見つめながら、明美は少しだけ表情を歪めるー。


奈々枝の顔は、よく見る顔だー。

友達なのだから、当たり前だー。

けれど、”何かが”違う気がするー


いいや、何か強い違和感を感じるー


「みんな待ってるから、早くいこ」

奈々枝がそう言い放つと、明美は「う、うんー」と頷きながら、

奈々枝と共に移動を開始したー。


一面の花畑を歩くー。

人の声ひとつしないー、

あまりに透き通った空間ー


ふと、そんな光景に不安になり、明美は前を歩く奈々枝を呼び止めるー。


「ーーん?」

振り返る奈々枝ー。


「ーーねぇ、ーーー奈々枝ちゃんー」

明美が言うと、奈々枝は表情を歪めるー


「ここさー、なんだか”天国”みたいだね?」

とー。


漠然とした不安ー

それが、大きく膨らんでいくー


その言葉に奈々枝はクスッと笑ったー。


「ーー天国?」

奈々枝の言葉に、明美は少し不安そうに頷くー


「だってー

 なんか”ここ”おかしくないー?

 誰の声もしないしー」


明美はそれだけ言うと、

奈々枝は「自然に囲まれた公園なんて、みんな静かなものだしー

大丈夫ーここは”天国”じゃないよー」と、笑みを浮かべるー。


「ーーそ、それは分かってるけどー」

明美は苦笑いするー。

さっき、こっそりと自分の腕をつねくってみたところー

ちゃんと”痛み”はあったー。


つまり、これは夢ではないー、

と、思いたいー。


奈々枝は少しだけ表情を歪めると

「早く、いこうよー」と、さっきより低い声で呟いたー。


「う、うんーごめん。

 みんな、待ってるんだよねー」

明美はそう言いながら奈々枝の後をついて再び歩き出すー。


やがてー

川のせせらぎが聞こえて来たー


綺麗な花畑を抜けたその先にはー

目を奪われるような綺麗な色の川ー


そして、その先には、もはや”幻想的”としか言えないようなー

そんな光景が広がっていたー


「キレイーーーーー…」

明美は、また虚ろな目になって、その光景を見つめるー


「ーあそこに小舟があるからー

 それに乗って”みんなが待ってるところ”にいこっ?」

クスッと笑う奈々枝ー。


「ーーーうんーーー」

明美は、だんだんと何も考えられなくなって来てー

この綺麗な景色に溶け込んでしまうようなー

そんな錯覚を覚えながら船の方に向かうー


「ーーーーー」

そんな明美が通り過ぎていくのを見て

奈々枝はニヤァ…と、邪悪な笑みを浮かべるー


「ーーーククククククーーー」

奈々枝はペロリと唇を舐めながら

イヤらしい手つきで自分の胸を触るー


”これでーーー”俺”の勝ちだー”

低い声で呟く奈々枝ー。


だがー、明美は船の前で立ち止まったー。


「ーーー奈々枝ちゃんはー?」

とー。


明美が川を渡るために、船に乗り込もうとしているのに、

奈々枝がそれに乗り込む気配はないー。


そのことに疑問を感じて、明美は船に片足をついた状態のままー

不安そうな表情を浮かべているー


奈々枝は「チッ」と舌打ちをするとー、

「わたしも後から行くからー、ほら、早く!」と、

明美に船に乗るように促すー。


”向こう側”には、”こちら側”以上に綺麗な花畑と、

吸い込まれそうになるほどに綺麗な虹ー、

それにー、幻想的な風景が広がっているー


それを見るだけで、恐怖も、何もかもが

消えて楽になるようなー

すぅっとした不思議な感覚になるー


「ーーーうんー…わかったー」

明美は少しとろんとした目になりながら、

船に乗り込もうとするー。


だがーー

その時だったー


「ーー明美ーー

 明美!! 明美…! 明美…!」


明美を呼ぶ声が聞こえたーーーー


「ーー!?!?!?」

明美が、我に返ったかのような感覚を覚えながら、

ハッとするとー、明美の腕を必死に引っ張る

見覚えのある子の姿があったー。


「ーーー……み…美彩(みさ)ー?」

明美が正気に戻ったかのような表情を浮かべながら

必死に、明美が船に乗らないよう、腕を掴んでいる

友達ー、美彩の姿を見つめるー


「乗っちゃー…乗っちゃ、だめー」

美彩が泣きながら言うー。


「ーーーど、どういうことー…?

 みんなが、あっちで待ってるってー」

明美が振り返りながら、

”とっても綺麗な向こう側”を見つめるー


「ーー確かにみんないるー

 ”でも” ダメー 

 絶対にーーー」


美彩がそう叫ぶと、

黙ってそれを見ていた奈々枝が焦りの表情を浮かべながら叫んだー


「ー明美!騙されちゃだめ!

 ーーみんなはあっちで待ってる!早く乗ってー!」


奈々枝の言葉に、美彩は「うるさい!」と、奈々枝に向かって叫ぶー。


明美は混乱するー

そもそも、”ここ”は何なのかー。

本当にー自然公園ー?

やっぱりここは、まるで天国のようなーーー


「ーうるさいのは、お前だ!!!邪魔をするな!」

奈々枝が大声で叫ぶー。


明美は、美彩と奈々枝を見比べながら困惑するー

なんだか、”よく見た”光景な気がするー。

そう、とってもよくーー

この二人の写真を、よく見ていたようなーー。


するとー、

美彩は、明美のほうを見て、声を振り絞ったー。


「明美ーここから今すぐ消えてー」

とー。


船に乗らず、反対側に向かって走りー、

ここから早く出なさい、と、美彩が苦しそうに言うー。


「ど、どういうことなのー?

 何が起きているのー?」


次第に不安になって、明美がそう言い放つと、

美彩が答える前に、奈々枝が言い放ったー


「ー何も起きてない!さっさとみんなの待っているところに行け!」

とー。


奈々枝の口調がおかしいー


明美が不安を感じていると、美彩が言い放ったー


「ーー騙されちゃだめー

 よく見てー

 よく、思い出してー

 このまま”この世界に”溶けちゃ、だめーーー」


美彩の祈るような言葉に、

明美は奈々枝のほうを見つめるー


ツインテールで可愛らしい風貌の奈々枝ー


あれーーー


明美は、朦朧としていた記憶の中からー

”ある大事なこと”を思い出すー。


「ーーー奈々枝って……誰ー?」

とー。


”奈々枝”ー

ここで”目覚めて”から、いつの間にか自分の記憶の中に存在していたー


だがー、よく考えるとー

明美に”奈々枝”などという友達はーいいや、クラスメイトすら、いないー。

同級生にも、知り合いにも”奈々枝”という子はいないー


「ーーえ…あなた、だれー…?」

明美が困惑しながら言うと、

奈々枝は歯ぎしりをするー。


それを見て、美彩は少しだけ笑みを浮かべるー。


”誰”ー?

奈々枝って誰ー?


そう思いながらも、明美は奈々枝の姿にどうしても見覚えがあるような

気がしながらー、奈々枝をもう一度じっくり見つめるー


”奈々枝”なんて子は知らないー

でも、”この子は見たことがーー”


「ーーーえ…こ、これってーーー」

明美は、ようやく気付いたー


どうして、今まで気付けなかったのだろうー。


そう、思いながらも、明美は”奈々枝”と名乗っていた

ツインテールの少女のほうを見つめながら叫んだー


「ーーーーあなたは、誰ー!?」


その声に、”奈々枝”は表情を歪めるー。


「ーーなんで、”わたし”の姿をしているのー?!」

明美は叫んだー


”奈々枝”を名乗りー、友達として近付いて来たこの

ツインテールの少女は”明美と全く同じ姿”をしているー。


そう、”奈々枝”は、

明美自身と全く同じ姿をしていたのだー。


頭の中にかかっていた靄のようなものがすっきりと晴れるー。


「ーーーくそっーーー…くそっ!くそっ!」

”奈々枝”を名乗っていた明美と同じ姿をした謎の人物の姿がー

粒粒のようなものに覆われてー、

すぐに別の姿へと変わるーーー


黒いジャンパーに黒いズボンにー、

邪悪な表情ー

その男は、まるで”死神”のようにも見えたー


「ーーー!」

明美は、さっき乗ろうとしていた船のほうを見つめるー


”あれってー、もしかしてー”


聞いたことがあるー

あの世とこの世を繋ぐ境界線にある”川”のことをー


そう、確か”三途の川”とか言っただろうかー


「ーー美彩!美彩も早く!」

明美が川から離れながら叫ぶー。


だがー、美彩はその場から動かずに微笑んだー


「ーごめんー明美ー

 わたしはもう”渡っちゃった”からー」


悲しそうに呟く美彩ー


「え…ど、どういうことー!?

 美彩…!?え…何があったの!?」


ここはー

”この世”と”あの世”を繋ぐ境界線なのだろうかー。


だとすれば、”何が”起こったのだろうかー。


だが、美彩は答えずに微笑んだー


「”みんな”は渡っちゃったけどー、明美はまだ、間に合うー

 だからーー…だからーーー…逃げてー」


美彩のそんな言葉に、明美は泣きながら美彩の名前を呼ぶもー

美彩の姿はもう、消えていたー


黒服の男が、明美の方に迫って来るー。


だがー、明美はこの謎の空間ー

綺麗な花畑を必死に走りー、そしてー”不自然に黒い”何もない空間を

見つけると、少し躊躇ったあとに、その場所へと飛び込んだー


・・・・・・・・・・・・・・・・


ねぇ、何があったのー?


もしかしてー…

わたしたちが乗ってたバスが事故を起こしたとか、

そういうやつじゃないよねー?


みんな死んじゃってて、わたしだけ助かってるとかー

そういう、よくある展開じゃ、ないよねーー?


朦朧とする意識の中、明美はそんなことを呟くー


そしてーー

次の瞬間ーーー


「ーーー!!!!!!!!!!」

目を覚ました明美はーー

慌てて起き上がったー


ここが病院のベッドで、

両親が泣きながら明美の目覚めを喜ぶーーーー



なんてことはなくーーー

明美は、バスの中にいたー


「ーー!」

明美は周囲を見渡すー。


バスはーー

普通に走っていたー。


事故を起こしていないー。


「ーーよ、よかったぁ…」

明美は思わずホッと、胸をなでおろしたー。


ただの夢ーーー

それなら、よかったー


そう思っていると、隣に座っていた美彩が笑うー。


「ーへへー遅いから心配したぜ?」

とー。


「え?」

明美は困惑するー。


よく見ると、周囲の子たちが、自分の胸を揉んだりー

女の子同士でキスをしたりー、

男子と抱き合って喘いでいたりー

おかしな光景がバスの中で広がっているー


「み、美彩…?」

明美が少し首を傾げると、

美彩は笑みを浮かべたー


「ー俺たち”全員”で、修学旅行中のバスに乗ってるやつら

 全員に”憑依”して、まるごと乗っ取るー。


 クラスごと乗っ取っちまえばー

 周囲のやつらにも、疑われずに済むからなー へへー」


美彩がそう言い放つとー


「ーお前は随分、”その女”の精神殺すのにー

 時間かかったみたいだけどー、

 まぁ、なんとか支配できたみたいで、よかったー」


と、言葉を続けたー


「え……な、何をーーーー」

明美が震えるー


あの光景は”夢”ではないー

”憑依された明美”がーーー

消えゆく明美の精神が、見た光景ー。


あのまま、”三途の川”を渡れば明美の精神は消えー、

明美の身体は、明美に憑依した男のものになるはずだったー


そう、あの景色は”心の死”の間際に見た景色ー


他の子は、全員”渡って”しまったー。

故に、身体を完全に乗っ取られてしまったー。


だがー、親友の美彩が、最後の最後に明美を助けてくれたー


その結果、明美だけが”支配”されず、憑依してきた男を

返り討ちにすることができたのだー。

あの空間で、”奈々枝”を名乗り、明美の姿で接触してきた男は

明美に憑依した男でー、明美の意識が”川”を渡らなかったことにより、

逆に自分の意識が消される結果となったのだったー。


しかしーーー


「ん~~~~~?”こいつ”もしかして?」

美彩がニヤニヤしながら明美を見つめるー


「ーーーひっ…み、みんなー…ど、どうしちゃったのー…?」

明美が怯えた表情で、美彩を、他のクラスメイトを見つめるー


明美は当然、”何が起きているのか”理解はできていないー。


「ーーへへへーなんだよ、あのバカ、憑依に失敗したのかー」

美彩はそう言いながら、「まぁいいや」と小声で呟くとー、

バスに乗る他のクラスメイトたちに向かって叫んだー


「ーおい!みんな!ここに”おもちゃ”があるぞ!

 みんなでたっぷり遊んでやろうぜ!」


美彩がそう叫ぶとー

クラスメイトの男子も女子も、まるで別人のような邪悪な笑みを

浮かべながら、明美の方に迫って来たーー


”自分以外の全員が憑依されてしまった”この状況ー


更なる悪夢が、明美を襲うのだったー。



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


1話完結の”憑依”のお話でした~!☆

途中でちょっと他者変身的な要素もありましたネ~!


乗っ取られそうになっている状態での

精神世界(?)は、↑のイメージ画像のようなイメージデス~!

綺麗な花畑が広がる不気味な世界…☆!


お読み下さりありがとうございました~!!

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