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ある日の朝、突然女体化してしまった

男子高校生の祐樹。


周囲にそのことを伝えるも、

家族にも、友達にもそれを信じて貰うことは出来ず、

ますますその状況は悪化していくばかりー。


途方に暮れながらも再び家に向かう祐樹。

しかし、そんな祐樹に、いかにも”変質者”なおじさんが

声をかけて来たのだったー。


☆前回はこちら↓☆

<女体化>俺なのに誰も信じてくれない③~友人~

ある日突然女体化してしまった男子高校生の祐樹。 妹の和花や両親に、そのことを何とか説明しようとするも、 ”お兄ちゃんのストーカー”扱いされてしまった挙句、 父親の質問にも答えらず、 ”ゲームの腕前”で本人であることを証明しようとした結果、 ”手”の感覚がいつもと違い、実力を発揮することが出来ずに 逆に疑われ...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「おじさんと、遊ぼうよー」


明らかな”変態”オーラ。


祐樹は、家の方向に向かって歩いている最中に

遭遇した”明らかに変質者”な感じが漂うおじさんから

必死に逃げていたー


「はぁっ…はぁっ…くそっ!ーなんでこんなことになるんだよ!」

思わずそんな言葉を吐き出すー。


確かにー

鏡で見た感じー、とても”可愛い”感じの子だだったー

これが”俺”でなければ、可愛い子だなぁ、と思うかもしれないし、

友達になれれば、嬉しいとも思うー。


でもーー

”自分が”そんな可愛い子になることなんて、望んじゃいないー


「ーはぁっ…はぁっ…はぁっ…」

おじさんから必死に逃げていた”女体化した祐樹”は、

「くそっ!髪も邪魔だし、胸もなんか気になるし!」と、

苛立ちを隠せない様子で呟くー。


しかもーーー


「はぁ…はぁ…はぁっ…はぁっ…はぁっー」

なんだか、とっても可愛い息遣いが聞こえてくるー


いや、今はそんなことを言っている場合ではないのだがー

いつもより、妙に身体が疲れるー


”くそっー…急に女になってー…いつもよりなんか疲れるしー…

 やっぱ、俺、何かの病気ー…なのか?”


そんなことを思いながら、必死に走ろうとするも、

ついには段差で躓いてしまい、その場に倒れ込んでしまうー。


「ーはぁっ…ーーそ、そうかー…

 女の子になったからー…”体力”も、いつもと同じってわけにはー

 いかないのかー」


はぁはぁ言いながら、女体化した祐樹は立ち上がろうとするー。


中学3年の時には、リレーの選手に選ばれたこともあった祐樹ー

走りにはそれなりに自信があるー。


あんな中年太りしたおじさんから逃げるなんて、余裕のはずだー


けどーーー


「ーーくそっーーーこんな…こんな足じゃー…」

今の祐樹は、とても華奢な、可愛らしい足になっていたー。

”いつものように”走ることなど、女体化した状態では出来ないのだー。


「ーーーぐへへへへー

 何で逃げちゃうのかなぁ…おじさん、寂しいよぉー」


変質者のおじさんが、ニヤニヤしながら

倒れ込んだ祐樹のほうを見つめるー


「ーや、やめろって!おいっ!」

祐樹が叫ぶと、おじさんは満面の笑みで笑うー


「へへー、男っぽい子も好きだよ?」

そんなことを言いながら、

”言葉遣いの乱暴な少女”だと、思ったのか、

おじさんは、さらに嬉しそうに祐樹のほうを見つめるー。


ゾワッ、と今まで感じたことのない恐怖を感じるー


これがー女性が感じる恐怖なのだろうかー。

そんなことを思いながらも、祐樹は

「ま、待てって!俺は男だぞ!」と、必死に叫ぶー


「へ?」

おじさんが驚いた表情で、祐樹のほうを見つめるー


顔から、身体ー、足まで、

物色するかのような視線を送ると、

やがて、おじさんは笑みを浮かべたー。


「嘘つけー」

そう、言いながらー。


「ーーっ…」

その言葉に、祐樹は無性に腹が立ったー


あまりの怒りに、力がメラメラと湧いてきて、

立ち上がると、おじさんを睨みつけながら叫ぶー


「ーなんなんだよ どいつもこいつもどいつもこいつもー」

”可愛らしい祐樹”のあまりの怒りに、

少し気圧されたおじさんが驚いていると、

祐樹はおじさんを見つめながら叫ぶー


「俺は俺だって言ってるのに、和花も、父さんも、母さんも、

 大久保も三田村も酒井もーー

 その上、こんなおっさんにまで嘘つき扱いされるのかよ!

 あぁくそっ!やってられるか!」


祐樹が、女の子とは思えないような口調でそう叫ぶと、

おじさんは途端に狼狽えた表情を浮かべながら、

「ーーき、急に、ど、どうしたんだよー?」と、

やっとの思いで言葉を吐き出すー。


祐樹は「だ~か~ら~!俺は男なのに!何で誰も信じてくれないんだよ!

俺は祐樹なのに!!!!」と、

こんなおじさんに叫んでも仕方ないのに、おじさんに対して

怒りをぶつけたー。


「ーーお…男…?」

呆然としていたおじさんがそう言葉を口にすると、

しばらく狼狽えてから、また笑みを浮かべたー。


「ーーーえへっ…

 可愛いのに”ついてる”なんて2度お得じゃないかー」

とー。


その邪悪なおじさんの表情に、鳥肌が立つほどの恐怖を感じながら

祐樹は後ずさるー。


だが、今度こそ逃げられそうにないーーー

腕を掴まれた祐樹ー。


咄嗟にそれを振り払おうとするもーーー

「ーーー!!!」

”おじさん”の腕の力が、あまりにも強くーー、

振りほどくことができないーー


「ーなっ…」


「えへへへーそんな細い腕じゃ、おじさんからは逃げられないよー」

ニヤニヤとするおじさんー


「ーくそっ!やめろ!おいっ!

 だ、誰か!誰か助けて!誰か!!!」


必死に叫び始める祐樹ー。

いつしか、完全に助けを求める少女の声で、

祐樹は何度も何度も叫んだー。


”俺は男だ!”というプライドもはじけ飛ぶぐらいにー

必死に叫んだー。


その姿は、”昨日まで男だった”人の姿には、

もはや見えなかったー


「ーーー何をしている!!!!」

ふと、声が聞こえたー。


騒ぎを聞きつけたパトロール中の警官が駆け付けーー

変態おじさんはその場で確保されたー。


間一髪のところで助かった祐樹はー

目から涙をあふれさせながらー

ガタガタと身体を震わせていたー。


しばらく、その震えは止まることなく、

祐樹の心に深いトラウマが植え付けられてしまったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーだから、俺は秋山祐樹なんです!本当なんです!」

女体化した祐樹は、警察に保護されてから、

必死にそれを警察に訴えていたー。


しかし、警察官も、祐樹の言葉を信じる様子はなく、

戸惑いの表情を浮かべるばかりー


「ーつまり、君はー…

 昨日まで秋山祐樹だったけれど、今日は別人になっていると、

 そう言いたいのかな?」

警察官の一人がそう言うー。


既に、ちょっと違う解釈をされている気がしながら

「お願いです!誰にも信じて貰えなくて、本当に困ってるんです!」と、

必死に警察官に向かって叫ぶー。


「ーーーー」

祐樹から話を聞いていた男性警察官二人と、女性警察官が

少し離れた場所に移動して、ヒソヒソと話を始めるー。


「ーーーー…襲われたショックで混乱しているのかもしれないー」

「ーーどう見ても男の子じゃないですしねぇ」

「ーーあの子の言う”秋山祐樹”って子は、今どうしているか確認してみてくれ」


そんな話声が聞こえるー。


”聞こえてますけどー”と、ツッコミたくなったが、それは言わずに

警察官が戻って来るのを待つー。


警察官から再度名前を確認されるも、

答えようがなく、困惑する祐樹ー。


彼は確かに”秋山祐樹”なのだー。

他に名前なんてないー。

どうすることも、できないー。



やがてー

夜になり、祐樹の両親が捜索願を提出しー、

更には、今朝、家の中に”怪しい少女がいた”ことも警察に通報したことでー、

警察と祐樹の家族での話が進みー、

より厄介なことになってしまったー


”祐樹が行方不明であること”に関して

何か知っているのではないか、と疑われてしまったのだー


”くそっー何でこんなことにー”

変態おじさんに襲われた被害者だった”女体化した祐樹”が

一転して”調べられる側”になってしまうー。


いくら”俺が祐樹だ!”と言っても信じて貰えずー、

祐樹の個人情報をいくつ口にしても、

やはり、”ストーカーではないか?”という扱いを受ける始末だったー


「ーーだったら、俺の血液型でも、DNA鑑定でも、

 何でもしてくださいよ!!!

 俺は、女じゃなくて男なんですよ!!!」


数日間、警察の管理下に置かれた状態の

”女体化した祐樹”は、困惑しながらそう叫んだー。


警察から解放されたなかった理由はー

”女体化した祐樹”が”身元不明”だからだー。


そうー

”女体化した祐樹”は、公的に存在しない人間ー

”俺が祐樹だ”と叫んでも、それを信じてくれない以上ー

”存在しないはずの女の子”になってしまうのだー。


身元も、住所も、名前もー

警察がどんなに調べても分からずー

”家に帰すこともできず”警察が保護している状態が続くー。


やがてー

血液型やDNA鑑定の結果が出たー。


だがーーー


「ー秋山祐樹とは血液型もDNAも指紋も、何も一致しませんー」

「ーやはり、別人かー」


そんな警察官の会話が聞こえて、

がっくりとうなだれる祐樹ー


”なんで血液型とかDNAまで変わってんだよー”


こうなってくると、もう信じて貰うことは無理かもしれないー。


もしも、この世界に神様がいるならばー

この状況をどうにかしてほしいー。


祐樹はそんな風に思いながら、深々とため息をついたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


結局ー

”俺は秋山祐樹だ!”という言葉を

信じて貰うことは最後までできなかったー


ただ、”祐樹”が消息不明になった件については

”女体化した祐樹”が何かをしたという証拠も一切出ず、

足取りもつかめなかったため、

祐樹の両親や妹の和花は不満そうだったが、

罪に問われるようなことはなく、その点は幸いだったー。


”まぁ、俺はここにいるんだけどなー”

と、いつも思いながらも、もう面倒臭くなってしまって

祐樹も諦めてしまったー。


その後ー、

”身寄りもなく、名前も不明”な、少女である

女体化した祐樹に、警察は首を傾げながらも、

身寄りのない子供たちが集まる施設に入居することになり、

無戸籍扱いだった”女体化した祐樹”に、

”美月(みつき)”という名前も与えてくれたー。



それから、数年ー


最初は落ち込んでいた祐樹だったが、

その後は、吹っ切れていたー


”誰も信じてくれなかった”

その状況になんだか、メラメラと怒りが湧いてきて、

怒りを原動力に、女体化した自分の武器を生かして

”大成功”して、”俺は俺なのに信じてくれなかったみんなを

見返してやろう”と、そう決意していたー。


”女体化した俺”は、正直可愛いー。

そう思っていた祐樹は、その可愛さを武器にー、

必死に努力を続けー、可愛いを磨き続けた結果ー


現在は”人気アイドル”になっていたー


「それにしてもーまさか俺がアイドルになるなんてなぁ…」

控室で鏡を見つめながら、アイドルの衣装を身にまとった

祐樹は、自分を見てドキドキしていたー


「可愛すぎだろー…俺ー」


女体化したことを信じて貰えずー

どん底に突き落とされた祐樹ー。

しかし、”なんで信じてくれないんだ!”という悔しさを

原動力にここまで来たー。


今の自分のことは、好きだー。

今の自分の生活も、何だかんだで満足しているー。

男のままだったら、こんな生活、できなかったのだからー。


そんなことを思いながら、一躍人気アイドルとなっていた祐樹は、

今日も”美月”として、イベントの会場に向かうー


大勢の観客を前に、観客が喜ぶ振る舞いをする祐樹ー


ふと、客の中に、同級生だった大久保の姿を見つけてー

祐樹はニヤリと笑うー


”へへへー…信じてくれなかったお前が今や俺のファンだと思うとー

 なんか勝った気分になれるぜー”


そんなことを思いながら、祐樹が”新曲”を披露しようとした

その時だったー


突然、会場がざわめき始めるー。

ざわめきは、さらに大きくなりー、

混乱の声や悲鳴まで聞こえるー


”なんだー?”

最初は、何か事件でも起きたのかと思ったー


だがー

「え…」と、声を発したその時ー


”異変”に気付いたー


懐かしい声ーーー


けれどーーー


「ーーーあ???」

アイドル衣装を身にまとった自分の身体を見下ろすとー

胸はなくなりー、アソコが勃起した状態になっていたー


「はーーー…??????」

祐樹は悟るー。

女体化していた自分が、この最悪のタイミングで男に戻ってしまったのだとー。


アイドルがいたはずのステージには

アイドルの格好をした男が立っているー。

突然、そんな状況になってしまったー。


女体化していた祐樹が、原因不明のまま、突然男に戻りー

事情を知らない観客たちが悲鳴や、困惑の声を上げているー


「ーーおいおい…ふざけんなよ…」

せっかく、女体化した自分を受け入れてここまで来たのに、

ここで、元に戻るのかー。


しかも、大勢に男体化するところを見られたー

もう、終わりだー


「ーーー」

ガクッとその場に座り込んだ”男に戻った祐樹”は

大きくため息をつくー


「事情を説明しても、また誰も信じてくれないんだろうなー」

そんなことを呟きながら、祐樹は思ったー


”もう、どうにでもなれー…”


とー。



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


最終回でした~!☆

せっかく何とか良い人生を手に入れていたのに、

また大変なことに…☆


そのうちまた急に女体化するかもしれませんし、

原因を突き止めないとですネ~笑


お読み下さりありがとうございました~!

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