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”天才外科医”と称されるドクター・伸樹は

乗っていたバスの運転手が急病で意識を失ったことで、

事故に巻き込まれてしまうー。


その際の衝撃で、同じバスに乗っていたギャル・真綾と

入れ替わってしまった伸樹。


伸樹は戸惑いつつも、自分のことよりもバスの運転手の人命救助を優先ー、

真綾の身体で必死にバスの運転手の応急処置を行いー、

到着した救急車に、バスの運転手を託すことができたー。


一段落して、伸樹になった真綾と話をする真綾(伸樹)


すると、彼女は信じられないことを言い出した…。


★前回はこちら↓★

<入れ替わり>名医だけど手術はできません①~事故~

「ーー長谷川先生、今日もお見事でしたー」 病院長の倉木(くらき)が、そう言うと、 ”天才外科医”と称されるドクター、長谷川 伸樹(はせがわ のぶき)は、 「いえいえー、あのような手術、問題ありませんよ」と、 穏やかな笑みを浮かべたー。 若い頃は海外を飛び回りー、様々な国の先端医療を学んできた伸樹ー。 そ...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「あたしの身体、あげまーす!」

伸樹(真綾)が、そう言い放つー


いかにも優秀そうなー、そんな優しい雰囲気の漂う伸樹の身体から

発されたのは、とんでもなく奇想天外な言葉ー


「???????」

真綾(伸樹)は、目の前の”自分”が一瞬何を言ったのか

サッパリ理解することができなかったー。


「ーーー……??? ん??? え???」


”天才外科医”

そう呼ばれるほどの伸樹にも理解し難い

そんな言動ー。


いやー、

天才外科医と呼ばれるほどの学力をー、

そして患者から慕われるほどの人間性と常識力を

持ち合わせている伸樹のような人間だからこそ

”ギャル”の行動原理を理解することはできなかったのかもしれないー


「だ~か~ら~!先生にあたしの身体、あげちゃうの!わかった?」

伸樹(真綾)の言葉に、真綾(伸樹)は「え?? え??」と、

ひたすら呆然としているー。


「ーあたしみたいな若い女の子の身体を、

 貰えるんだよ?

 もっと普通、喜ぶものじゃないの?」


伸樹(真綾)の言葉に、真綾(伸樹)は

「い、いやーーーそ、それならー」と、言葉を口にしてからー

「ふ、普通、君みたいな子が、私みたいな中年の男と入れ替わったら

 身体を返して下さい!ってー、なる気がするんですけど」

と、困惑しながら言葉を返すー


「あ~確かにそうかもね~!」

クスクスと笑う伸樹(真綾)ー


伸樹は”子供以外の患者に対しては敬語で話す癖”がありー、

一方の真綾は、目上の人に対してもタメ口なためー、

むしろ、入れ替わったことで言葉遣いは、

外から見れば”逆に自然な感じ”になっているー。


「ーーーでも、あたしはいいの!

 だって先生、金持ちでしょ?

 すごいお医者さんなんでしょ?


 だったらー

 あたし、超ラッキーじゃん!」


伸樹(真綾)が嬉しそうにガッツポーズをするー


「ーー…ら、ラッキー?」

ギャルの勢いに呆然とする真綾(伸樹)ー


「ーその代わり先生もほら、

 あたしみたいな可愛いJDの身体、ゲットできたんだからさ!

 ほら、別に何してもいいから!ね!」


伸樹(真綾)の言葉に、

真綾(伸樹)は、完全に、呆気に取られていたー


「ー先生は、あたしの身体でエッチなことできる上にー

 先生が何歳か知らないけど、

 10歳以上は若返ってるよね?たぶんー!

 だから、人生も得してるし!


 その代わり、あたしはお金持ちになって

 偉いお医者さんになって、バラ色の人生を送るの?


 どう?WinWinでしょ!

 あたしも先生も幸せ!


 そうと決まれば、はい決まり!

  

 交渉せいり~つ!」


伸樹(真綾)が一人で勝手に交渉を成立させると、

真綾(伸樹)は「私はいいとは一言も言ってませんけどー」と、

困惑の表情を浮かべながらツッコミを入れたー


「それにーー病院での仕ーーー」

そう言葉を言いかけると、伸樹(真綾)は

「今までありがとう!あたしの身体!じゃね~!」と

笑いながらそのままダッシュして逃げてしまったー。


「ーえっ!?ちょっと!君!」

完全にギャルのペースにはまり、勢いに押されて

身体を奪われるような形になってしまった真綾(伸樹)は

ため息をついたー。


「はぁ~…仕方ないー…あとを追うかー」

そんなことを呟きながら、ふと、足の冷たさを感じて

自分の身体を見下ろすー。


「ーーって…こんな短いスカートよく履けるなぁ…

 寒くないのか…?


 いやー…寒いな」


今までも”あの子、寒くないのか?”ーと、疑問を感じたことは

何度かあったものの、今、この状況は

”今までとは”違うー。


”やっぱ寒い”

短いスカートは、寒いということを今は自分の身体で

体感できるー


ふと、爪を見つめるー


「は~~…ネイルも凄いな…」

派手なネイルの爪を見つめながら困惑しー、

さらには胸の膨らみが見えて、ドキッとしてしまうー


「ーいけないいけないー…

 この身体はあの子の身体だぞー

 ちゃんと返さないとー」


真面目な伸樹は、真綾の身体で変なことをしようー、

などとは微塵も考えずに、深呼吸しながら

心を落ち着かせるー。


入れ替わった状態で目を覚ましてからー

まずは、バスの運転手を助けることに必死になっていた伸樹はー

真綾の身体を意識する暇もなかったー。


医師としての使命が、咄嗟に身体を突き動かしたー


今になってー、

”真綾の身体で人工呼吸をしてしまったこと”にも、

少しドキドキしてしまうー。


しかしー、

そんなことは後回しだー。

まずは、あの子を追わないとー


そう思った真綾(伸樹)はすぐさま、

伸樹(真綾)を追って、走り出したー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「はぁ…はぁ…だ、だめだー…」

真綾(伸樹)は、公園のベンチに座り込むー


思い当たる場所は探したが、

”自分の身体”を見つけることが出来ずー、

スマホ経由で位置を確認しようとしたが、

そもそも真綾のスマホのロックを解除することが出来ず、

どうすることもできなかったー。


「ーーこの子の身体、結構すぐに疲れるなー」


”自分の身体”との体力の違いを思わぬ形で実感することになった

真綾(伸樹)ー


それにーーー


「ーーーー」

”結構、視線って感じるもんなんだなー”


真綾のスカートが短すぎるせいかもしれないがー

伸樹になった真綾を探し回っている最中に、

何度か、視線を感じたー


もちろん、入れ替わりという前代未聞の出来事を経験して、

自分自身が敏感になっているかもしれないがー、

もしかしたら本当に見られていたのかもしれないー


「ーーーー…」

鞄から学生証を取り出す真綾(伸樹)ー


”仕方ないーあんまり夜遅くまで、女の子に一人歩きさせるのもまずいしー…

 この子の家に帰るしかない…か”


学生証で住所は確認することができたー。

”この身体で”伸樹の家の方に向かうこともできたが、

鍵を持ってないし、伸樹の家の周りをこの身体でウロウロしていたらー

伸樹自身にも変な噂が立ってしまうかもしれないー。


そのため、残念ながらそれはできなかったー。


「ーーー…」


真綾(伸樹)は真綾の家に到着すると、

幸い、真綾は一人暮らしだったようで、

家族とは一緒に同居していないようだったー


”まぁ、こういう子はー早く親元から離れて

 自由にやりたいものなのかもな”


そう思いながら

「おじゃまします…」と、申し訳なさそうに呟くと、

そのまま真綾の身体で、真綾の家へと入って行ったー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「やった~~~!

 欲しいもの、全部買い放題じゃ~ん!」


伸樹になった真綾は、

欲しかったアクセサリーや化粧品、服、小物、

ちょっと贅沢な食べ物まで、

色々なものを買って豪遊していたー


下着売り場で堂々と女物の下着を買ってしまい、

店員からちょっと変な目で見られながらも、

まったく気に留める様子のない伸樹(真綾)ー


売り場から離れるとー


「ってー…病院の先生の身体になったからー

 こういうの買っても使えないじゃん!」


と、今更自分にツッコミを入れるー。


伸樹の身体で化粧するわけにはいかないしー

服も着るわけにはいかず、サイズも違うー

アクセサリーもいつも通り、堂々と女物を買ってしまったー


「あ、だから今、あのお店の人ー

 あたしのこと見てたんだー」


今更気付くと、

「テヘッ」と、苦笑いしながらー

「っていうか、お金いっぱい貰うには、

 あたしが天才ドクターのフリをし続けないとダメなんだよね」

と、ふと、そんな現実にも気づくー


だがーーーー


「よ~し!あたしの本気見せちゃうぞ!」

と、一人呟くと”毎月お金がガッポガポ~!”と、

一人笑みを浮かべながら、そのまま、”家”へと向かったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


伸樹になった真綾は”勤務先の病院”に出勤していたー


「ーおはようございます」

「ーおはようございますー」


患者たちに挨拶をしながら、

”あたし、天才ドクター!”と、心の中で嬉しそうに微笑むー


そんな様子をー

マスクとサングラスをした怪しい格好の女が物陰から見つめていたー


”い、いたー…”

ギャルの真綾になってしまった伸樹だったー。


伸樹は、昨日の発言から、伸樹になった真綾が

病院に普通にやってくるのではないかと考えてー

病院にやってきていたのだー


そして、案の定ー、伸樹の身体で真綾は普通に出勤していたー。


”あんまり人の身体で変なことをされても困るしなー”

そう思いながら、真綾(伸樹)が、ふと病院内の鏡を見つめるー


”この子にサングラスとマスクなんて格好させてるのもアレだけどー

 …っていうか、サングラスは余計だったかもなー”


そう思いながら、伸樹(真綾)に声をかけるタイミングを

伺う真綾(伸樹)ー


意外にもー…

伸樹になった真綾はまともに”医師”として振る舞うことが

出来ている気がするー


もちろんー、挨拶しながら病院内を歩いているだけだが、

もっと、ギャルっぽいとんでもない行動をされると危惧していたがー

一応、”医者”として振る舞うつもりはあるようだー。


”クビになっちゃったら、お金持ちじゃなくなっちゃうしー”

伸樹になった真綾はそんな風に思いながら

伸樹としての振る舞いを続けているー


そんな時だったー


「やぁ、天才外科医君ーおはよう」

伸樹がこの病院に来るまではNo1ドクターだったDr川井が

今日も敵意を剥き出しにしながら近づいてくるー


「ーーあ、おはようございます」

伸樹(真綾)が挨拶を口にするー。


”…しまった…!”

真綾(伸樹)は物陰から、サングラス越しに

その光景を見つめるー


声をかけるチャンスを伺っている間に、

あろうことか、伸樹を一方的にライバル視している

Dr川井が、伸樹(真綾)と遭遇してしまったー


”これはまずいことになるー”

そんな風に思っていると、

Dr川井はいつものように言葉を口にするー


「君が来るまで、私はこの病院のNo1だったー

 でも、今や私は”天才じゃないほう”と、周囲から

 陰口を叩かれていてー

 患者たちも、私が来るとイヤそうな顔をするんだよ


 どうだい?

 輝いていた私をドブ沼に突き落とした気分は?

 教えてくれよ」


Dr川井がニコニコしながら言うと、

伸樹(真綾)は「あ~~」と、少し考えてから

「嫉妬してるんですか?」と、クスクス笑ったー


そのまま「失礼しま~す」と、

立ち去っていく伸樹(真綾)ー


「し、し、し、嫉妬ォ!?この私が!?

 し、し、、、し、、しぃ… …ぃぃ???」


Dr川井は図星をつかれて、顔を真っ赤にしながら

一人、恥ずかしそうに言葉を口にすると、

そのまま、ブツブツ言いながら伸樹(真綾)とは

別の方向に立ち去って行ったー


”ーーナイス!”

真綾(伸樹)は心の中でそう思ったー


ちょっとスカッとしたというのが本音だったー。

伸樹本人は、なかなかああいうことは言えないー。


”ってー、そんなことよりもー”


患者も、他の先生の姿もない通路に入ったタイミングー

今がチャンスー。


そう思った真綾(伸樹)は、伸樹(真綾)の腕を掴んで、

廊下の一角に、引きずり込んだー


「あ、先生ー!おは~!」

嬉しそうに笑う伸樹(真綾)ー


「お、おは~!じゃない!

 君は本当に私の身体で過ごす気ですかー?」


真綾(伸樹)が呆れ顔で言うと、

伸樹(真綾)は「あ、あたしの身体どうだった!?気持ちよかった?」と

何故か、Hなことをした前提で質問されて、

思わず「何もしてない!トイレとお風呂と着替えぐらいしか!」と、

顔を赤らめながら、真綾(伸樹)は叫んだー。



③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


まだまだ大変そうな二人…!

次回も楽しみにしていてくださいネ~!


今日もありがとうございました~!

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