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小さい頃、よく一緒に遊んだ悪友のヒロミと

大学で再会したー。


しかし、再会した”ヒロミ”は、小さい頃とはまるで別人のようにー

可愛い女の子になっていたー。


がー、修二が小さい頃のヒロミを勝手に男の子だと思い込んでいた…

ということではなく、

高校時代に”事故”によってヒロミは女体化してしまったことが判明、

それ以降、”浩美”と名乗り、女子として生きてきたことを

浩美は打ち明けたー。


性別もー見た目もー、何もかも変わっても”ヒロくん”は

やっぱり昔のままー。

そう思いながら順調に大学生活を送っていたものの…?


★前回はこちら↓★

<女体化>男だと思ってた悪友が女の子だった!?②~困惑~

小学生の頃、よく一緒に遊んだ男の子ー、 フジムラ ヒロミー。 悪戯好きの少年で、小さい頃は毎日のように公園で一緒に遊んでいたー。 しかし、そのヒロミは転校し、 修二からすれば、”ヒロくん”と呼んでいたその悪友の存在は 遠い昔の存在になっていたー。 がー… 大学で偶然、その”ヒロくん”と再会ー、 しかも”ヒロく...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


女体化した悪友の浩美が、

雨宿りのために避難したハンバーガーショップで、

目から涙をこぼすー。


”周りからは彼女だと思われちゃうし”

”どんなに一生懸命走っても、もうシュウくんとは一緒に走れないしー”

とー、そう嘆きながらー。


そんな浩美の姿を見て、修二はたまらず、言葉を発したー


「ーーそ、そんなこと気にすんなよ!」

とー。


「周りからどう思われたって、俺はヒロくんの友達だし、

 走る速さは、俺がヒロくんに合わせればいいー!

 別に、少しゆっくり走るぐらい、何てことないしー、

 さっきは、俺のヒロくんに対する配慮が足りてなかったー


 だからー…

 そんな顔するなよ!」


修二がそう言うと、浩美は「え…?」と言いながら

目元に指をあてて、自分が目から涙をこぼしていたことに気付くー


「ーあ、わ、悪いー

 女になってから、涙腺が脆くなったみたいでさー

 

 泣くつもりまではなかったんだけどー」


浩美はそう言うと、

「ーー本当は、迷惑なら、距離を置いてもいいからなー?」と

申し訳なさそうに言うー。


「ーこういう身体になった時ー、

 もう、色々なことは覚悟してるからさー。


 だからー」


浩美が半分笑いながらそこまで言うと、

修二は首を横に振ったー


「ー迷惑なんかじゃないよー。

 

 そりゃー、俺も戸惑うことはあるけどー

 でも、一緒にいて楽しいって言うのは事実なんだー


 小さい頃も、今もー。」


修二がそう言うと、

浩美は少しだけ笑いながらー

「そっかー」と、頷くー。


「ーやっぱ、シュウくんはー

 あの時のままだなー」


それだけ言うと、浩美は自分が飲んでいたドリンクを差し出して

「飲むか?」と、笑みを浮かべたー


「ーーーえっ!?あ、いやー」

顔を赤らめる修二ー。


「ーはは、なんて顔してるんだよー

 お前の飲み物、空っぽになったみたいだからいるか?

 って言っただけだよー」

ニヤニヤしながら悪戯っぽく言う浩美ー。


修二を揶揄ってた楽しんでいる顔だー。


それを見た修二は少しだけ呆れ笑いを浮かべながらもー

嬉しそうに「ヒロくんこそ、やっぱ昔と変わらないな!そういうところ!」と、

笑みを浮かべたー


確かに、昔はよく飲み物を一緒に飲んだー。


例え、ヒロくんが女の子になってもー

ヒロくんはヒロくんだー。


そう自分に言い聞かせながら、

少しドキドキしつつもー、「じゃあ貰うぞ!」と、

修二は浩美から飲み物を受け取り、そのままそれを飲み干したー


「って!おわっ!全部飲んでいいとは言ってないぞ!?」

叫ぶ浩美ー


修二は「残念でした~!」と、笑いながら

空っぽになったカップの中身を見せると、

「へっへっへ~俺を揶揄った仕返し~」と、修二は

昔と同じように、笑いながら”ヒロくん”に仕返しをしたー。


そんなやり取りをしていると、浩美は笑みを浮かべたー


「ーーお前とだけだよー

 こんな風に昔と同じようにバカみたいに騒いでられるのはさー


 本当に、ありがとなー」


浩美の言葉に、修二は少し照れくさそうにしながらも

「ヒロくんは、ヒロくんだからな!」と、穏やかな口調で返事をしたー


「へへへー

 急に俺のこと好きになっちゃって、告白とかするなよな~?」


揶揄う浩美ー。


「しないしないー!

 最初はマジで戸惑ったけど、こうして一緒にいればいるほど

 やっぱ、ヒロくんはヒロくんだ!って気持ちが

 俺の中で強まってるし、安心しろってー」


修二がそう言い放つと、

浩美は、嬉しそうに頷いたー


確かに、最初よりも修二は

”異性として”ではなく”友達として”付き合ってくれている感じが

さらに強くなったー。

最初は戸惑っていた修二も、だんだんと慣れた…ということなのだろうー。


浩美にとっては、それがありがたかったー。


「ーそういや、ヒロくんの恋愛対象って今、どっちなんだー?」

話の流れで、そう聞く修二ー。


「ーん?あ~、そりゃー女の子に決まってるだろ?」

ニヤニヤしながら言う浩美ー。


「ーだってほら、男とキスするなんてやっぱ考えられねぇし、

 男に恋愛感情なんか、芽生えるわけないだろ?」

浩美が外の雨を見つめながら言うと、

「はは、そりゃまぁ、そうか」と、修二は笑ったー


「ーー俺とシュウくんがキスしてるの想像してみろよー」

浩美が悪戯っぽく笑いながら言うと、

修二は、少しそれを頭に思い浮かべてみるー。


「ーーー確かにー、ヒロくんとそんな関係になるのは、想像できないなー」

修二がそう言うと、浩美は「だろ?」と、笑うー


そんな雑談をしながら、浩美は心から安堵するー。


高校時代ー

女体化した浩美は、今と同じように、

周囲に「気にすんなよー今まで通りでいいぜ」などと言いながらー

最初は自分自身もあまり、気にしてはいなかったー。


もちろん、女体化したこと自体には衝撃を受けたけれどー、

こうなってしまった以上、”女の子として生きていくしかない”と、

それを受け入れたー。


だがー

周囲はそうではなかったー。


最初は、”男子”としてそのまま生活を続けていたー


だが、やがてー

学校側から”校則だから”と、女子の制服を着るように言われたー。


別に、それでも良かったー。


けれどー

次第に”女体化した男子”に待ち受ける過酷な運命を、

浩美は嫌と言うほど味わうことになったー。


”トイレ”

”体育の授業”

”周囲の反応”


色々な問題が、起きたー


当初は男子トイレを利用していたものの、

やがて、他の男子から”目のやり場に困る”だとか

”どうしても気になってしまう”だとか、

苦情が沸き始めたー。


先生たちが協議の結果、女子トイレを使うことになったのだが、

今度は一部の女子から”変態!”という声があがったー。


「ー男でも、女でもないんだから、ここ、使わないで!」


そう言われた時にー

浩美は初めて強くショックを受けたー


「そっかー…俺ー…何なんだろうなー」

浩美は悲しそうにそう呟きながらー

それ以降は、今はほとんど使われていない校舎の一角にある

トイレを隠れるように利用してきたー


体育の授業もー

男子の授業にも、女子の授業にも参加できずー…


やがて、友達も

”気を遣われすぎて距離感を感じる”相手やー

”胸を触らせてくれよ”みたいな相手が増えて来て、

気付けば、浩美は”今まで通り”接してくれる人が

周囲にいないー、そんな状況に陥ってしまっていたー。


でもーーー


浩美は修二のほうを見つめるー。


戸惑いながらも、自分を受け入れてくれた修二ー


”ヒロくんはヒロくんだー”と

性別ではなく、中身を見てくれる修二ー。


そんな存在に、浩美は心から感謝していたー


”ありがとうー

 やっと、俺は、”俺”を取り戻せたー”


浩美はそんな風に思いながら、

心の中で修二に今一度、感謝の言葉を口にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・


見た目が変わってもー

性別が変わってもー

中身はあの頃のヒロくんのままー。


”変わった”ことで不便があれば

友達として支えてあげればいいしー、

こっちが戸惑ったときには、ヒロくんがきっと支えてくれるー。


修二はそう思いながら、

それからも、”浩美”と友達として付き合い続けていたー。


もちろん、ドキッとすることもあるし、戸惑うことはあるー。


けれど、友情は男女間であったとしても成立するしー、

ヒロくんは、小さい頃にもよく遊んだ正真正銘の友達だー。


お互い、戸惑いはすぐに打ち明けー、

何だかんだで上手くやっていたー。


「ーー俺が持つよー」

買い物を終えて、重そうにしている浩美を見て、

修二がそう言うと、浩美は「いつもありがとうなー」と、微笑むー。


「ーーいやいや、お互い様だろー」

修二が笑いながらそう呟くー


助け合うのが友達同士ーだと。


周囲から”彼女?”と聞かれても

「幼馴染の親友!」と、修二は笑いながら答えるー。


浩美が困っていれば、すぐに昔のように助けてくれるー。


遠慮することもなく、

浩美に普通に冗談も口にしてくれるー。


修二は、いつの間にか浩美の心の支えになっていたー


”何も知らずに、自分を女子大生として見ている周囲の大学生”

”高校時代のように、女体化したことで関係性が変わってしまった友達たち”


今や浩美が”素の自分”を見せられるのはー、

修二だけだったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


それから半年の月日が流れるー。


「今日、どうだ、飯ー?」

大学での1日が終わり、ちょうど鉢合わせした修二と浩美ー


修二が浩美をご飯に誘うと、

浩美も「ちょうどお腹空いてたしー、行くか」と、笑ったー。


ファミレスにやってきて、

それぞれ注文する二人ー。


「ーーーもう大学生になって半年かー」

修二が嬉しそうに笑いながら言うー


「はは、なんだなんだー?

 今日は妙にご機嫌だな」


笑いながら浩美が言うと、

修二が「え?そうかなぁ」と、笑い返すー。


そのまま雑談を続ける二人ー

届いた料理を口にしながら、

修二は「あ、そうだ!」と、思い出したかのように

言葉を口にしたー


「ーそういや、俺、昨日、告白されたー」

とー、笑いながら言葉を口にするー


「え?マジ?」

浩美がそう言うと、

修二は「嘘なんか言ってどうするんだよー」と、

メロンソーダを飲みながらそう呟いたー。


浩美はニヤニヤしながら

「ー誰から告白されたんだ~?」と、修二に質問するー


修二は、すぐに「同じ学部の笠倉(かさくら)さんー」と、

返事をするー。


”あれー…?”

浩美は、笑いながら話をしながら自分の中に芽生えた

”強い違和感”に首を傾げるー


”なんでー…?”


「ーーで、返事は~?」

修二の前ではそんな思いを口に出さずに、

浩美が、会話を続けるー


”なんでー…

 なんだーこの気持ちー?

 なんでー、こんなに俺はモヤモヤしてるんだー?”


「ーー」

修二のほうを見る浩美ー


”告白の返事”をどうしたのかー

気になって気になって仕方がないー


「ーーー返事は来週ってことになっててー…

 俺も急にだったから、驚いちゃってー


 ほら、俺、彼女とかいたことないしー」


修二が言うと、浩美は

「友達といる方が楽しい!って感じのタイプだもんな!」

と、笑うー。


「ーーははは、確かになー…

 あ、ヒロくんは心配するなよー?


 彼女が出来ても、ヒロくんはヒロくんだしー、

 何なら、彼女にも事情をしっかり説明するからさー


 彼女が出来たから「もうヒロくんとは会えない」とか

 絶対しないから! な?」


修二がそう言うと、

浩美は「いつもありがとな」と、頷くー。


「ーーーーーー」

だがーー

浩美は、その日ー、その話をしてから急に口数が減ってしまったー


「ーー何か、途中から元気なかったけど、体調でも悪いのか?」

修二が心配そうに言うー。


「え?そ、そうかなー?いや、大丈夫ー

 ちょっと考え事ー」


浩美がそう言うと、

修二は「はは、そっかー。困ったことがあれば何でも相談しろよ?

親友なんだからー」と、笑いながら言うー。


修二は”いつも通り”だー。


昔と同じように接してくれているー。



けどーーー


「ーーじゃ、また明日ー」

浩美が修二と別れて、自分の家の方に向かって歩き始めるー


けれどー

半年も一緒にいてー、

浩美は、自分自身の中に驚くべき変化が現れていたことに

自分でも驚いていたー


”俺ーーーー…

 シュウくんに告白した笠倉さんに嫉妬してるー…?”


自分の中の感情が、浩美自身にも分からずー

浩美は困惑の表情を浮かべるー。


半年前はー


「ーそういや、ヒロくんの恋愛対象って今、どっちなんだー?」


「ーん?あ~、そりゃー女の子に決まってるだろ?」


「ーだってほら、男とキスするなんてやっぱ考えられねぇし、

 男に恋愛感情なんか、芽生えるわけないだろ?」


そんな会話をしたのにー


「ーーーーー」

浩美は、困惑した表情を浮かべながらー

自分の中に湧き上がる”嫉妬”の感情を無理やり抑え込んでー

「ーシュウくんと俺は、親友だろー

 俺からそれを壊そうとして、どうするんだー」と、

自分で自分に言い聞かせるように、静かにそう呟いたー



④へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


女体化した自分を、親友として見てくれる彼に

心地よさを感じていたはずなのに

いつの間にか芽生えた別の感情…!?


続きはまた次回デス~!


今日もありがとうございました~!

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