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兄の義孝は爬虫類好きで、

トカゲをはじめとする様々な爬虫類を家の中で飼育し、

可愛がっていたー。


そんな兄・義孝の趣味を苦々しく思いながらも、

何だかんだで仲良くやっていた妹の麻由美ー。


しかし、兄が飼育するトカゲの中に、

大昔の重罪人が姿を変えられたトカゲが混じっていることを

麻由美もー、兄の義孝も知らなかったー。


そして、そのトカゲに”新たな器”として狙われてしまった

麻由美の運命は…?


★前回はこちら↓★

<皮>とかげ①~邪悪~

「ーーーも~~~~!気持ち悪い~~~~!!!」 高校2年生の遠藤 麻由美(えんどう まゆみ)が、 兄の義孝(よしたか)に対してそう叫ぶと、 義孝は「気持ち悪くないよーよく見ると可愛いんだぞ?」と 言い放ったー。 麻由美は「か~わ~い~く~な~い~!」と、声を上げるも、 義孝は「かわいい!!」と、すぐに堂...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


今日はー、

兄の義孝が”不在”の日ー。


義孝は一人暮らしを始める親友の手伝いをすることになっており、

今日は引っ越し作業などを手伝ったあとに、そのままその親友の家に

一泊することになっていたー。


「ーーーー」

そんな中、妹の麻由美は、少し不安そうな表情を浮かべていたー


最近ー

”トカゲ”が夢によく出てきたり、

脳裏にフラッシュバックしたりするのだー。


何故だかは分からないー。

けれどー。

何故だろうー


「ーーー」

あの日、”確かに”あのトカゲの目が光った気がするー。


そんな風に思いながら、麻由美はふと気になって

兄・義孝の部屋へとこっそりと入ったー。


義孝がいない今日は、兄の部屋は出入り自由の状態ー。


部屋の中に入ると、

麻由美はそのトカゲー、

兄の義孝は確か”ケビン”とか呼んでいたトカゲの前に

やってきた麻由美ー。


トカゲは飼育用のケースの中に入っていて

その中から麻由美のほうをじっと見つめているー


無垢な瞳ー。

麻由美からすれば可愛い、とは思えなかったがー

可愛いと思う人もいるのだろうー。


部屋を見渡すと、他にもトカゲやヤモリ、ヘビなどの

爬虫類が多数、ケースの中に入れられていて、

暮らしているー。


”ククククー”


麻由美が見に来たトカゲが、

麻由美が他の方向を見ている間に、

再び目を赤く光らせたー


”俺様の新しい器ー”


古の大罪人が当時存在していた魔力によって

”トカゲ”に変えられた姿ー

それが、このトカゲだー。


だが、妹の麻由美も兄の義孝もはそんなことは当然知らずー

”そんな恐ろしいトカゲ”が自分たちの家の中にいる、

などということも知る由はなかったー。


”まさか、器から自ら俺に会いに来るとはなー”

トカゲはそんな風に思いながら麻由美の方に

可愛らしくも見える瞳を向けるー。


”だがー

 俺をこのケースから出してくれないとー

 お前を器に出来ないからなー”


トカゲはそう呟くと、”夜”になるのを待ったー。


古の時代ー、

自分がまだ人間だった頃の魔術がまだ残っているー


それで、麻由美を”皮”にして乗っ取りー、

彼は”新しい器”として麻由美を乗っ取ろうとしていたー


”俺様好みの女ーーー”


トカゲがそんな邪悪なことを考えているとは

夢にも思わずに、部屋を一通り見渡し終えると、

麻由美は再び、そのトカゲの方に目を向けたー


「ーこの前、目が赤く光ったように見えたのはー

 やっぱり、気のせいだよね?」


そんな言葉を、返事は貰えないことを理解していながらも

トカゲにかける麻由美ー。

当然、トカゲが人間の言葉を発するはずもなく、

そのまま返事は戻ってこないー。


「ーー…ふぅ~…」

ため息をつくと、麻由美はそのまま部屋の外へと出て行くー


”今夜”だー。

今夜、術で麻由美を完全に支配し、

操った麻由美にこのケースを開けさせてー

外に出た俺様が別の魔術であの女を皮にして

新しい器とするー。


”久しぶりの人間の身体ー…楽しみだぜー”


普段はー

麻由美を操っても、この部屋には

兄の義孝がいるわけだし、

かと言って、義孝を操ってケースを開けさせても、

そのまま麻由美を部屋に呼び出すのは難しいし、

トカゲになってしまった男の魔力では

人を操ることができるのはごく簡単な命令かつ、

短時間だけだー。


だからー

今日、兄の義孝が外泊するこの日がー

願ってもないチャンスなのだー。


”お前を新しい器にしたらー

 何千年もたまり続けた俺様の欲求を、発散しまくってやるー”


トカゲは静かにそう、心の中で呟いたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


そのまま夜を迎えるー。


麻由美は”トカゲ”のことばかり頭に浮かぶ状況に

思わずため息をつくー。


夢にまでトカゲが出て来るようになったー。


毎日見るわけではないが、

夢の頻度は明らかに多くなっているー。


原因は、毎晩トカゲが”魔術”を麻由美に少しずつ放っていて、

それの影響なのだが、

そんなことには当然気付いていない麻由美は、

少し、悩んでいたー。


夢でトカゲのことばかり見るー、ということは

この前も話したが、

それが日に日に酷くなっている気がするし、

義孝が明日、帰宅したらもう一度相談しようと、

麻由美は考えていたー。


「ーあ、そういえばー…」

麻由美はカレンダーに〇をしてある日が

来週に迫っていることを思い出すー。


この日は、麻由美が好きなアイドルのライブがあるため、

友達二人と一緒に出掛ける予定があったのだー。


部屋の隅に飾られたポスターを見つめながら

「ーやっぱり、イケメン!」と少しだけ元気を取り戻すと、

麻由美は「あ、もうこんな時間!桃子(ももこ)のLINEも返さないと!」

と、友達の名前を口にしながら慌てて

スマホを手に、返信を送り、そのまま寝る準備を済ませると、

いつものようにー

ベッドで眠りについたー。


しかしー


”起きろ”

そんな声が聞こえて、麻由美は目を開くー。


ゆらゆらと起き上がって、部屋に立つ麻由美ー。


その目には光が宿っておらずー

何かにつき動かされているような様子で

麻由美は、自分の部屋から出て行くと、

脳に流れ込んでくる命令に従って、

そのまま隣にある兄・義孝の部屋へと入ったー


”俺様をケースから出せ”


トカゲの声が響き渡るー


「はい……」

麻由美はそれだけ言うと、虚ろな目のまま

ロボットのように歩きー、

兄の義孝が”ケビン”と呼ぶトカゲの入ったケースを

何のためらいもなく開けると、

中にいたトカゲを素手で掴んで、そのまま優しく

部屋の床へと置いたー


”ククククーついにこの時がやってきたー”


トカゲは嬉しそうに心の中で叫ぶー。


”さぁ、お前は今日から俺様の新しい器だー

 その身体でー俺様の欲望を全て受け止めるんだー”


「ーーーはい…わたしは…うつ…… つ…???」

麻由美が表情を歪めながら何度か瞬きをして、

苦しそうな表情を浮かべるー


”ーークククー トカゲの姿にされてしまった俺様の魔力が

 限られてるからなー

 意のままに動かすのにも、限界があるか”


トカゲは床を歩きながら、麻由美の方に近付いていくと、

麻由美の足元から背中を登っていきー

やがて、首筋の方にたどり着くー


”お前は今日から俺様の器だー。

 久しぶりの”人間の身体”ー興奮するぜ”


トカゲが心の中でそう呟くとー

麻由美は目を見開いてー

「う…器!?」と、正気を取り戻すー。


「ーーひっ!?」

自分の背中にトカゲが乗っていることに気付き、

慌ててそれを振り払おうとしたもののー

トカゲは、麻由美の首筋に噛みついたー。


人間を皮にするー

そんな魔術を発動するための魔力を込めながらー


「ーうっ… ぁっ!?」

麻由美がトカゲを振り払って苦しそうに部屋の外に駆けだそうとするー


だが、足元のバランスが急に乱れて、

手からも力が抜けてー

身体中から、まるで”空気が抜けるかのようにその場に

倒れ込んでしまうー


「あ…ぁ… ぁ」

ほとんど”皮”のような状態になった麻由美ー。


後頭部の部分に近付くと、トカゲはご機嫌そうに

麻由美の後頭部に口元を当ててー

そして、ひと思いに麻由美の後頭部を引き裂くかのように

身体全身を動かすとー

麻由美の後頭部がぱっくりと割れてー

そのまま動かなくなったー


”あとはーこの女の”中”に入ればー

 この女は俺様の器ー

 俺様の、新しい身体ー”


そう思っていると、麻由美が今、逃げ出そうとした際に、

思った以上に物音を立ててしまったからか

”麻由美~!?どうかしたの~?”と、

他の部屋から、寝ていたはずの母親が近づいてくる音が聞こえたー


”おっとー 

 こんな現場を見られたらせっかく”新しい器”を手に入れる直前まで

 やってきたのに全部台無しだー”


トカゲはそんな風に思いながら、麻由美の中に入り込んでー

麻由美の体内の中枢に入り込むとー、

魔術で麻由美の身体を”元の人間”の状態に戻したー。


”魔力が必要”なのは皮にするときと、元に戻す時だけー。

故に、長時間操ることが不可能なぐらいの魔力しかなくてもー


「ーーークククー この身体は俺様のものだー」

麻由美は満足そうに邪悪な笑みを浮かべると、

”久々の人間の身体”に興奮した様子で、

手を動かしたり、髪を触ったりするー。


「しかもー……俺様好みの女だぜー」

低い声でそう呟くと、鏡を見つめながらペロリと唇を舐めるー


乗っ取られてたった数十秒ー

それなのに、もう、そこにいるのはいつもの麻由美ではなくー

欲望に満ちた古の大罪人に支配されているのがよく分かるほどに

邪悪なー、そして欲望に満ちた雰囲気の麻由美に

豹変してしまっていたー


「ーー麻由美ー?夜中にどうしたの?」

母親がようやく部屋にたどり着き、

兄・義孝の部屋にいる麻由美に声を掛けるー


「ーあ、ううんーなんでもないよ

 お兄ちゃんの部屋から物音がしたから気になって見に

 来たら躓いちゃってー」


麻由美がにこっと、微笑みながら答えるー。


「ー物音?」

母親の言葉に、麻由美は「あ~うん、多分トカゲとかが立てたんじゃないかな」

と、答えると、「そうーならよかった」と母親は

そのまま安心した様子で「おやすみ麻由美ー」と、呟くー。


「うん。おやすみー」


兄・義孝の部屋から出て、自分の部屋に向かいながら

母親にそう返事をした麻由美はクスッと笑ったー


”この女は、永遠に”おやすみ”だー”

手を見つめながら笑うー


「ー俺の新しい器ーー」

部屋に戻ると鏡を見つめながら麻由美は

嬉しそうに笑みを浮かべたー


”俺様もこの家でしばらく様子は見てたからある程度

 この器のフリもできるけどー

 念のためー記憶も奪っておくか”


そう呟くと、麻由美は部屋の中で立ったまま、

ぴくぴくと震えながら、

苦しそうに声を上げ始めたー。


「ーーぅ… ぁ‥‥…… ぁ」

部屋で膝をついて、白目を剥きながら

しばらく痙攣しているかのように震える麻由美ー


やがて、震えが止まると、麻由美はニヤリと笑みを浮かべたー


「ー器の記憶も全部俺様のものだー」

麻由美の記憶を全て読み取ったトカゲは満足そうに微笑むと、

「ー今日はまずー、新しい器のチェックをしないとなー」

と、ニヤニヤしながら呟きー

麻由美の胸を服の上から揉み始めたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


兄の義孝が帰宅するとー

義孝はすぐにトカゲがいなくなっていることに気付いたー


「ーーけ、け、け、ケビンがいない!」

古の大罪人が姿を変えたトカゲがいないことに気付いた義孝ー。


「ーーーー」

そんな兄の姿を見つめながら、昨晩散々楽しんだ麻由美が

クスッと笑いながら

「お兄ちゃんーどうしたの?」と、笑みを浮かべながら

話しかけたー


「ーけ、け、ケビンー ここにいたトカゲがいないんだー!」

慌てた様子の義孝ー


「ーふ~ん…そうなんだぁ」

麻由美は、”自分”がいたケースを見つめながら

”俺様なら、妹の中にいるぜー”と、笑みを浮かべるー。


「ーー部屋のどっかにいるのかなー?」

そう言いながらトカゲを探し始める義孝ー


「ーーーも~お兄ちゃんってば~♡」

そんな義孝の様子を笑いながら見つめると、

麻由美はそのまま部屋の外に立ち去りー

”これから始まる欲望の日々”を思い浮かべるー


”この器ならー

 俺様好みの女も、好き放題できるぜー…


 この世には”学校”ってのがあるらしいからなー”


そう考えながら、麻由美は、

麻由美の記憶の中にある高校の同級生たちの姿を浮かべるー


「ーあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁあ~~~♡」

麻由美は顔を真っ赤にしながら奇声をあげると、

はぁはぁ言いながら「興奮してきたぁぁぁ♡」と、

クラスメイトたちを頭の中に思い浮かべー

口元から涎を垂らしながら下品な笑みを浮かべたー。



③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


欲望のトカゲに支配されてしまった麻由美…!

次回が最終回の予定デス~!


今日もお読み下さりありがとうございました~!

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