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独身の同僚・清春は、

最近”娘”の話ばかりするようになったー。


そのことに首を傾げる益男ー。


娘・亜咲美の話をばかり続ける清春に対し、

益男はついに、疑問の言葉を口にしたところ、

清春は”俺に娘はいないよー”と、血の繋がりはないことを認めつつも、

では、”亜咲美”とは誰なのかを、ハッキリとは教えてくれなかったー。


そんなある日の休日、

益男がデパート内で偶然、

独身のはずの同期・清春と、清春をお父さんと呼ぶ

謎の娘の姿を目撃してしまったー


そしてー…


★前回はこちら↓★

<MC>あいつに娘はいないはず①~独身の同僚~

30代後半の会社員・元木 益男(もとき ますお)は 同期の同僚・剣崎 清春(けんざき きよはる)の話を聞きながら 首を傾げていたー。 「ーー亜咲美(あさみ)のやつにも彼氏とか、できたり  するのかなぁ~」 昼食を食べながらそんなことを呟く清春ー。 清春も、同じく30代後半ー。 彼は今、”現在高校生の娘・亜咲...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーー清春ーーー」


休日ー

益男は表情を歪めながらデパートの中を移動していたー。


独身の同期ー、剣崎 清春ー。


最近、彼は”いないはずの娘”の話をばかりするようになり、

益男は疑問を抱いていたー


清春本人は”血は繋がっていない”と、そう言っていたが、

”まるで実の親子のように”

清春のことを”お父さん!”と呼ぶ、女子高生ぐらいの年齢の

少女の姿があったー


”その子…誰なんだー…?”

益男は、隠れながらデパートで買い物を続ける

清春と、”娘”のように振る舞う亜咲美の様子を伺うー。


益男は、心配だったー。

同期の清春が、”何かよくないことを”しているのではないかとー。


お互いに30代後半ー。

入社してから約15年ー。

清春とは、長い付き合いだー。

お互いに独身であることから、プライベートでも親しくしていたし、

会社内でも時に共に競い、時に協力する、

そんな良きライバル関係でもあったー。


だからこそ、心配だったー


”血の繋がりがない”なら、その子は誰なんだー?


とー。


「ーーーお父さん、大好き♡」

亜咲美が、清春に何かを買ってもらったのか、

満面の笑みでそう言うと

「ははは…亜咲美のためなら、お父さん、

 何でもしちゃうぞ~!」と、ニヤニヤしながら言い放ったー。


「ーーー……」

益男は、そんな清春と亜咲美の様子を遠くから見つめるー。


”俺…何でこんなことしてるんだろうなー”

清春を見つめながら、そんな風に思うー。


だがー

”いないはずの娘がいる”


そんな状況に、益男は強い違和感を感じていたー


会社で嬉しそうに”娘”のことを話す清春の姿を思い出すー。


今、清春と亜咲美が”実の親子”のようにデパート内を歩いている

姿を見つめるー。


でも、清春は独身で結婚歴もなければ子供もいないー。

”結婚はしていないけど、子供はできてしまった”

なんて話も聞いたことがないー。


それなのにー

”娘”を名乗る少女が、清春と一緒に歩いているー。


「ーお前は”亜咲美”が俺の娘じゃないんじゃないかって、

 そう言いたいんだろ?」


「ーーはは、その通りだよー」


「お前も知っての通り、俺はずっと独身だし、

 当然娘も、息子もいないー。

 たぶん、これからも結婚できないと思うし、

 生涯独身コースだよ」


会社で清春に言われた言葉を思い出すー。


「ーーーじゃあ…その”亜咲美”は、誰なんだー?」

益男は強い不安を感じながら、移動し始めた清春と

亜咲美の尾行を続けるー。


清春と亜咲美は、時々手を繋いだりー

亜咲美がうっとりとした表情で清春を見つめたりー、

”親子”にしては度を越しているようなスキンシップを

したりする姿も確認したー


「ーーーまさかー」

益男は、ふと思うー。


”あれかー?

 レンタル彼女ってのがあるぐらいだから、

 レンタル娘みたいのもあるのかー?”


益男はその手の話題に詳しくはなかったが、

レンタル彼女、というサービスは知っていたー


レンタル彼女があるなら

”お父さんの娘として振る舞います”みたいのも

あるかもしれないー。


もしもそれならー

清春が”娘”と呼んで夢中になっているのも納得だし、

亜咲美とかいう子が”親子とは思えないスキンシップ”をしたり、

”お父さん”と清春を呼んでいるのにも納得できるー


それが、仕事だからだー。


と、すれば、亜咲美という子は高校の制服のようなものを

着ているが、あれもコスプレで、

本当は成人している子なのかもしれないー


そんな風に思いながら益男が清春と亜咲美の様子を

見張っていると、

清春が突然振り返って、益男と目が合ってしまったー


「ーま、益男ー?」

清春が驚いたような表情で呟くー


「あーー…い、いやー

 ぐ、偶然だなぁ~!はははは」


益男は笑って誤魔化そうとしたー。


いや、正式に言えば”嘘”はついていないー。

元々益男は、休日に買い物をしようと思って

このデパートに来ただけだし、清春を尾行して

このデパートに来たわけではないー。


”偶然”

清春と亜咲美が買い物をしている場面を見かけただけでー…


ーーまぁ…偶然見かけてそのあとは、尾行したのだけれどー


「ーーーお前は昔から嘘が下手だなー」

清春はため息をつくと、不思議そうな顔をしている

亜咲美のほうを見て、

「ーーお父さんの会社の人だー」と、言うと、

亜咲美は礼儀正しく

「いつも父がお世話になっていますー」と、

穏やかな表情で頭を下げたー。


亜咲美は、益男が想像していた以上に

可愛らしい子でー、

”これなら、清春が夢中になるのも無理はになー”

と、呟いたー


「ーーーー……」

亜咲美のほうを見つめる益男ー。


あくまでも”娘”になりきってるようだが、

やっぱり、レンタル彼女的な何かなのだろうかー。

そんな風に思いながら、

戸惑っていると、清春が「ー亜咲美は先に車に戻っててくれるか?」と

亜咲美に対して言い放つー


亜咲美は「うん!わかった!」と言うと、

清春に手を振って、そのままデパートの階段を

下りて行ったー。


「ーーーーーー」

益男は、亜咲美の姿が完全に見えなくなるのを確認してから

「ーあの子は?」と、清春のほうを見つめたー


清春は「はははー」と笑うと、

「ーーまぁ…別に…その、隠すことじゃないんだけどなー」と

苦笑いしたー。


確かに”隠そうとしてるなら”

会社で益男に対して”娘”の話をしないだろうし、

隠すつもりがないのは分かるー。


清春は益男のほうを見つめながら

”亜咲美”の正体を口にしたー


「ー亜咲美はー、

 あの子は、俺の姉貴の娘だよー」


とー。


「ー清春のお姉さんの?」

益男が言うと、清春は頷くー


「ーーあぁ。でも姉貴はシングルマザーでさー。

 小さい頃から父親がいなかったから、

 こうして俺がなんて言うか…、たまに父親代わりみたいに

 なっててさー…」


清春はそう言うと、照れくさそうに

「ー初めて会ったのはあの子が小さい頃だったからなー

 俺のこと、”お父さん”って呼ぶようになっちゃってー

 それで、今もそのままってわけさー。


 まぁ、もちろん、亜咲美も俺がお父さんじゃないことは

 もう理解してるけど、小さい頃からそう呼んでたから

 今更変えることはできないし、わたしにとってお父さんー、って

 そう言ってたー」


と、説明したー。


「ーーー…そっかー」

益男は、清春の”娘”の正体を知り、少し安堵の表情を浮かべるー


「ー姉貴が先月から体調崩して入院しててさー

 先月から亜咲美、俺の家に預かってるんだ」


清春の言葉に、最近”娘”の話ばかりした理由にも

益男は納得したー


”亜咲美ちゃんを預かり始めた時期ぐらいから

 亜咲美ちゃんのことばっかり話すようになったしー

 そういうことだったのかー”


そんな風に思っていると、清春は時計を見て

「もう行かないとー。あんま亜咲美を待たせると、

 亜咲美に怒られちゃうからな」と、笑うー。


「あぁ、呼び止めて悪かったなー

 俺はまだ買い物の最中だから、ここにいるよ」


益男の言葉に、清春は頷くと、

「良い休日を」と、それだけ呟いて

そのまま立ち去って行こうとしたー


「ーあ」

立ち止まる清春ー


「ーお前、亜咲美のこと、何だと思ってたんだ?」

清春が笑いながら振り返ると、

益男は「レンタル娘…みたいな子かと思ったー」と、

苦笑いするー


「ははははっ!」

清春は益男の答えに笑いながら

「そうだったら、1か月もずっとレンタルしてるやべぇやつじゃん」と、

言うと、そのまま立ち去って行ったー。


益男は、同期の清春の”娘”の正体が分かり、

スッキリとした表情で、自分の買い物へと戻って行ったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーふ~~~~~」


帰宅した清春は、引き出しにしまっていた

赤く光る石を手に、それを亜咲美に向けるー


「お前は俺の娘だー

 これから先も、ずっとー」


清春のそんな言葉に、亜咲美は

「はいー…わたしはお父さんの、娘ですー」と

虚ろな目で呟くー


「ククク…いいぞー。ほら、俺に身を任せて」

そう言うと、亜咲美の胸を触りながら

清春は笑みを浮かべたー。


”この子は、確かに姉貴の娘だー”

清春は笑みを浮かべるー


亜咲美の髪を触ったり、胸を触ったり、

足を触ったりしながら、

ニヤニヤと笑みを浮かべると、

亜咲美を”娘”にするまでのことを思い出すー。



”あんたも早く結婚しなよー”


いつもいつもー

姉貴はうるさかったー

俺のことを見下しー

いつもいつも、自分の生活を自慢していたー。


いやー

姉貴はただ、無神経だっただけかもしれないー。

”夫と娘、家族の幸せそうな写真”を平気で送ってきたりー、

独身の俺を馬鹿にするようなことを遠回しに言ってきたりー


それでも、俺は我慢したー。

それでも、俺は耐えたー。


俺には俺の人生があるように、

姉貴には姉貴の人生があるー。


姉と弟とは言え、

所詮は他人であり、最後に死ぬときは、別の場所で死ぬー。


だがー


”亜咲美が、あんたのこと気持ち悪いって言ってたよ~!

 いつまでも一人でいるおじさん可哀そう~!って”


その言葉に、俺は”キレた”


何だー?

結婚は正義なのか?

俺は、悪なのか?


俺は、別にお前たちに何か危害を加えるようなことは

したことがないー。


なのに、何故、そんなことを言うー?


壊してやるー

全てを奪ってやるー


俺は、その時に決意したー。


復讐をー。


以前、海外出張の際に見つけた”怪しげな赤い石”


人を自らの意のままに操ることができるその石を、

休暇を取って、わざわざ中東まで赴き、購入したー


そして、俺はそれを使ったー

まずは、姉貴の夫を洗脳して”姉貴たちの前から消した”


殺したわけではないー

洗脳して、遠く離れた大地で、ホームレスとして暮らさせているー。


これで、”姉貴はシングルマザー”状態になったのだー。


そしてー

次に”姉貴”を洗脳したー。

鬱病のような状態にして、病院送りにしてやったー。


今も姉貴は俺の支配下にいて、

”ずっと病人”のままだー。


最後にーーー


亜咲美を、洗脳したー


”やめてー…やめて!”


悲鳴を上げる亜咲美を”少しずつ”洗脳してー

ジワジワと”娘”にしてやるのは、本当に最高だったー


”お前は、俺の娘だー”


”ーーち、ちがう…お、お母さんは…どこ!?お父さんはー!?”


”ーお前は、俺の娘だー”


”あ…ぅ…ちが… お父さん…違う…やめて…”


”ーーお前は、俺の娘だ!!!!”


”ーーお…おとう…さん…”


気持ち悪いものを見る目からー

”大好きなお父さんを見る目に”ー


少しずつ変わっていくあの光景は、最高だったー。


「ーーーーー」


清春は、”亜咲美を娘にするまで”を思い出し終えると

目を開いて、

亜咲美のほうを見つめたー


「ーお前は、俺のなんだ?口に出して言ってみろー」

清春は笑みを浮かべながらそう呟くと、

亜咲美はうっとりとした表情で答えたー


「ーわたしは、お父さんの娘ですー

 一生ー、お父さんのためだけに生きますー」


とー。


赤く光る石を手に

「いい子だー」と、清春は笑みを浮かべると、

亜咲美に対して

「ーじゃあ、今日もお父さんを楽しませてくれるね?」と呟くー


亜咲美は「うんー。お父さんのためなら何でもするー」と、

清春が手渡した服を手に、着替えに向かうー


「クククー…

 ”姉貴から娘を預かっている”って言えば、

 誰も疑問を抱かないだろうし、

 姉貴も洗脳してあるからなー

 姉貴本人が「弟にお願いしてます」って言えばー

 誰も本当のことには気づかないだろうさー」


清春は、同期の益男のことを思い出しながら

一人、そう呟くと

「ー今日もたっぷり楽しませてもらうぞー」と、

不気味な笑みを浮かべたー



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


恐ろしい結末に…!

身の回りで急に子供の話をし始めた人がいたら

注意しましょうネ~笑


お読み下さりありがとうございました~!

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