Home Artists Posts Import Register

Content

女海賊のカトリーヌと入れ替わってしまったマリー。

迎えに来た海賊船に入れ替わったまま乗り込むことになってしまい、

二人は”お互いのフリをしながら”元に戻る方法を探ることにー。


マリーになってしまったカトリーヌは、自身が信頼している子分・レオに

全ての事情を打ち明けた上でカトリーヌになってしまったマリーに

色々アドバイスをするよう指示をしたー。


元に戻る方法が見つかるまで、カトリーヌ(マリー)はレオと共に

何とかカトリーヌのフリを続けようとするー。


一方、マリーとして牢屋の中にいるカトリーヌの元には

海賊のNo2、ジャンが姿を現していたー


★前回はこちら↓★

<入れ替わり>女海賊とお姫様③~相談~

とある島国の姫・マリーと海賊団”ナイトメア”の頭を務める 女海賊・カトリーヌが入れ替わってしまったー! そんな中、落ち着く間もなく、カトリーヌの海賊団が二人が 流れ着いた無人島にたどり着き、やむを得ず、 マリーとカトリーヌは”お互いのフリ”をしながら、 海賊船に乗り込むことにー。 ”入れ替わったことを打ち明...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーわたし、”船酔い”がすごくてー」

カトリーヌ(マリー)は、船の一角で海を眺めながら、

カトリーヌが信頼する子分・レオに対してそう言い放ったー


「ーーーー船酔いかぁ…

 でも、海はいいもんですよ」

小柄なレオは海を眺めながら見つめるー。


「さっきお頭も言ってましたけど、俺は元々つまらない

 ケチな山賊でしたー

 でも、お頭に助けられて、こうして海に出て

 色々な広い世界を見ることができたー…


 海の上を旅してると、ホントに色々なものに出会えますからー」


レオは目を輝かせながら、海のほうを見つめるー。


小さな島国の女王であるマリーの”知らない世界”が海には

あるのだろうー。


「ーわたしも、いつか自由に旅してみたいなぁ…

 わたしは立場上、ヴェルラント王国を訪れる時しか

 海には出れないしー」


カトリーヌ(マリー)がレオと共に海を見つめながら呟くー


「ーへへっ…姫さんさえ良ければ、

 俺たちが、色々な場所につれてってあげますよ」

レオが笑うー。


「ーーーあ、でも、元の身体に戻ったら無理かなー…」

そんなカトリーヌ(マリー)の言葉に、

レオは「へへ…そうでしたねー」と、笑うー。


「ーーカトリーヌさん、大丈夫かなぁ…

 わたしの身体、本当に船に弱いからー」


カトリーヌ(マリー)が心配そうに船の地下のほうを見つめると

レオは「姫さんは今、”お頭”の身体ですから、あんまり牢屋を出入り

してると、怪しく思われますー。お頭のことは俺に任せて下さい」と、呟くー


「ーーうん。そうだねー。」

カトリーヌ(マリー)はそう言いながらも、

「ーでも、わたしの国がカトリーヌさんたちの故郷を

 焼き払って本当なのかなー」と、不安そうな表情を浮かべるー


マリーは、女王とは言え、もしも住む世界が違っていれば

まだ”高校生”ぐらいの年齢だー。

マリーの周囲にいる人物たちは、マリーに全てを伝えているわけではないー。


小国とは言え、そこには色々な陰謀が渦巻いているー。


「ー俺は、そこにいたわけじゃありませんからー」

元山賊のレオがそう言うと、カトリーヌ(マリー)は

「そ、そうだねー」と言うと、

「ーとりあえずわたしはこのあと、どうすればいいかな?」と、

レオに”カトリーヌとして振る舞うための”アドバイスを求めたー


「そうですねぇ…とりあえずー」

レオはそう言うと”鍛錬ですね”と、笑みを浮かべたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーークククーそう怖がらなくていい」

海賊のNo2・ジャンは、

マリー(カトリーヌ)のいる牢屋にやってきていたー。


マリー(カトリーヌ)は”マリーのフリ”をして

弱弱しい演技を続けるー。


「ーーあ…あの…わ、わたしをどうするつもりですかー?」

マリーのフリをしながら、カトリーヌは

”どうしてあたしが乙女みたいなこと、しなくちゃならないのさ”と

心の中で不満を呟くー。


しかしー、元に戻れるまでは仕方がないー。

ジャンに”入れ替わっている”なんてことを知られたら

この機に乗じて、カトリーヌを排除しようとする可能性もあるー。


ジャンに、知られるわけにはいかないー。


「ーー姫ー

 我々の故郷は、あなたの国のものに焼き払われたー。

 その積年の恨みを晴らすため、

 あなたには”取引”の材料になっていただくー


 宰相のゼウランー、そして我らの故郷を焼き払った

 ラウルという男の身柄と、あなたの身柄を”交換”するのだー」


ジャンはそこまで言うと、ニヤリと笑みを浮かべて、

マリー(カトリーヌ)のいる牢屋の中の樽に腰掛けるー。


”ーーージャンは、まだ気づいてないようだね”


マリー(カトリーヌ)はそんな風に思うー。

当然、カトリーヌは”姫を狙った理由”を知っているし

聞くまでもないー。


だが、ジャンが目の前でマリー(カトリーヌ)に

わざわざ”カトリーヌが知っていること”を説明したということは、

少なくともジャンは、目の前にいるマリーを、マリーだと思っているー


入れ替わっていることには、気づいていないー。


「ーーーーー…と、そこまでは”建前”でなー」

ジャンはニヤリと笑みを浮かべながら

マリー(カトリーヌ)のほうを見つめるー


「ーーーー見れば見るほど美しいー」

じろじろと、マリーを”見定める”ような視線で見つめるジャンー


「ーーーー…」

マリー(カトリーヌ)は顔を赤らめて目を逸らすー


カトリーヌは海賊の頭として

”女”としてではなく”頭”として生きて来たー

自分が女だと意識したことはないし、

女である前に、海賊の頭であると、そう誇りを持って生きて来たー


だからこそー

”そういう目”で見られることにカトリーヌは慣れていないー。


「ーーーー姫ー、俺の女になれ」

ジャンが、マリー(カトリーヌ)に顔を近づけて笑みを浮かべるー。


「ーーーーえ」

マリー(カトリーヌ)は困惑するー。


ジャンは髭を触りながら笑みを浮かべると

「ーーー”お頭”は、まもなく”事故”で死ぬー。

 海賊団”ナイトメア”の頭は、この俺になるのだー。

 どうだ?”お飾りのお姫様”でいるよりも、

 ずっとずっと、刺激的で、最高の人生を味合わせてやるー


 俺はお前が気に入ったー

 ーーー悪いようにはしない、俺の女になれー」


「ーーえっ…そ、それは…どういうー」

マリー(カトリーヌ)は、困惑の表情を”あえて”浮かべながら

そう呟くー


「ーー姫の身柄を王国の人間と交換する際にー

 ”お頭”には”事故死”していただくー

 そういう計画でねー」


「ーーー!!!!」


ジャンは笑みを浮かべると、マリー(カトリーヌ)の髪に手を触れて

ねっとりとした表情でそれを触りながら続けたー。


「嗚呼…美しいー

 俺はお前が気に入ったー。


 お前に教えてやるー

 お前は”お飾りの女王”だー。」


ジャンはそれだけ言うと、耳元で

”カトリーヌは知っている”ことを、マリー(カトリーヌ)に

告げるー。


その上で、マリー(カトリーヌ)の胸に手を触れると

耳元で小さく囁いたー


「ーー俺はお前の全てが、”欲しいー”」


とー。


パチン!!!!!!


次の瞬間ー

マリー(カトリーヌ)は顔を真っ赤にして、

ジャンの頬を思いっきり平手打ちしていたー


目を見開き、少し驚いた表情のジャンー。


ジャンが、カトリーヌの暗殺を企てていたー

そのことにも当然腹が立ったしー

何よりも、胸を触られたことに、マリー(カトリーヌ)は

強い屈辱を感じたー


「ーーバカにするんじゃないよ!」

マリー(カトリーヌ)は思わず自分が

マリーの身体であることも忘れて、そう叫ぶー


ジャンは驚いた様子でマリー(カトリーヌ)のほうを見つめながら

驚いたような表情を浮かべると、

みるみる顔を赤らめて、鎖鎌を手にしたー


「ーー調子に乗るなよ小娘がー。

 海賊・ナイトメアの次期船長になるこの俺を

 怒らせたらどうなるか、分かってねぇようだな?」


表向きの胡散臭い紳士的な振る舞いを捨てて、

ジャンが凶悪な本性を露わにするー


「ーーーあんたみたいな小物がー…

 誇り高い海賊の頭になんか、なれるはずがない!」

マリー(カトリーヌ)が叫ぶー。


「ーー小娘がぁっ…!」

ジャンはそう叫ぶと、マリー(カトリーヌ)のほうを何度も何度も

ビンタすると、無理やりマリー(カトリーヌ)の胸を触り、

キスを繰り返し、乱暴を始めたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーおぉぉ~!」

船の甲板部分ではレオが拍手をしていたー。


カトリーヌ(マリー)は、”海賊たちとの鍛錬”を行っていたー


海賊たちは、よく木刀で、こうして鍛錬を行っているのだというー。


その模擬戦で、カトリーヌ(マリー)は想像以上の

力を発揮したのだー。


”カトリーヌさんの身体ー動きやすいー”

そんな風に思いながら、

海賊の一人との模擬戦に勝利するカトリーヌ(マリー)ー。


「ーーーすごいですねー」

レオが近づいてきて、小声でそう呟くと、

「ー王宮でも、剣の稽古とかさせられるからー…わたしは嫌いだったけど」

と、カトリーヌ(マリー)が呟くー。


その時だったー

地下からジャンが上がってきて、

不機嫌そうに「お頭!」と叫んだー


「ーーどうかしたのか?」

”カトリーヌ”のフリをして、カトリーヌ(マリー)が答えると、

ジャンは「”やつらとの交渉”を予定より早めたいのですがー」と

表情を歪めながら呟いたー


レオが小声で

”姫さんの国との交渉です。当初の予定では姫さんと、

 姫さんの国の宰相たちの身柄を交換する取引を

 姫さんの国と行う予定でしたー”

と、呟いたー。


恐らくは、カトリーヌらの故郷を焼き尽くしたという元凶の

身柄を、確保しようと海賊・ナイトメアは考えているのだろうー。


”ーーーーーー”

カトリーヌ(マリー)はどうするべきか考えるー。

カトリーヌなら、どう返事をするのかなー?と、必死に考えるー。


隣にいるレオの方もチラッと見たものの、レオも

判断に困っている様子だったー


「ーわかったー。

 けど、姫さんにも事前にある程度話を通しておきたいー

 身柄を交換するのであれば、姫さんにも色々

 話を聞いて確認しておきたいからなー。」


カトリーヌ(マリー)は咄嗟にそう呟いたー

こうすることで、”自然と”マリーになったカトリーヌのいる

牢屋に”どうするべきか”確認しに行くことができるー。


「ーーーその必要はありません」

だが、ジャンが食い下がるー。


「ー姫には、俺から伝えておきましたー。

 お頭があの姫に会う必要はありませんー。

 王国のやつらとの交渉を、明日でもー」


その言葉に、カトリーヌ(マリー)は反論したー


「ー決めるのは、あんたじゃない。あたしだー」

とー。


”わっ…わたしってば…なんか、本当にお頭みたいー”

心の中ではそう思いつつも、

必死に”カトリーヌ”のフリをするー


「ーーおやおやおや、お頭ー

 俺あってのお頭ー、お頭あっての俺ー

 お忘れですかな?」

ジャンがニヤニヤしながらそう呟くー。


だが、カトリーヌ(マリー)は引き下がらなかったー


「ーどうするかは、頭のアタシが決めるー。

 地下にいる姫さんと話をしてから、

 最終決定を下すのは、このアタシだー」


その言葉に、不満そうにするジャンー


”ーーーー”

カトリーヌ(マリー)は、何とかジャンを黙らせようとある”提案”をしたー


それはー


「ー不満なら、あたしと勝負しましょう?」

とー。


ジャンは「勝負ー?」と表情を歪めるー


カトリーヌ(マリー)は海賊たちの”模擬戦”で、

ジャンとの勝負を提案するとー

ジャンは笑みを浮かべながら

「ーおやおや、”女”である頭が俺に勝てるとでも

 お思いですかな?」と、笑みを浮かべたー


”ーバカにしないで!”

マリーは心の中でそう思いながらー

甲板で、ジャンとの”模擬戦”に挑んだー


そしてー



「ーーバカな…」


”あっという間に”カトリーヌ(マリー)に敗れたジャンは

歯ぎしりをしながら甲板に膝をつき、

怒りに身を震わせたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・


地下にやってきたカトリーヌ(マリー)は

驚いて声を上げるー


「ーーーえ…!?」


牢屋の中にいたマリー(カトリーヌ)は

メチャクチャにされていたー。


ジャンに乱暴されて、

乱れ切った格好で、少しだけ笑みを浮かべると、

「姫さんーごめんなー」と、呟くー。


「ーーえ…いったい…何があったんですかー?」

カトリーヌ(マリー)が言うと、

マリー(カトリーヌ)はジャンに乱暴されたことや、

ジャンから言われたことを全て

カトリーヌ(マリー)に伝えたー


頬の傷を触りながら

「ー姫さんの身体に、傷つけちまったー」と、

マリー(カトリーヌ)は申し訳なさそうに言うー。


「そんなことはいいですからー…!」

カトリーヌ(マリー)はそう叫ぶと、

ジャンから”交渉”を明日に早めたいと提案されたことを伝えたー


「そうかージャンのやつ、あたしによほど早く

 死んでほしいみたいだね」

マリー(カトリーヌ)はそう呟くとー

「姫さんー…頼みがあるー」と、

カトリーヌ(マリー)のほうを見て、静かに呟いたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーー姫様が、海賊にー」

宰相のゼウランは、マリーを見失い、

やむを得ずそのまま帰還したラウルから報告を受け、

表情を歪めたー


「ーーこれは僥倖(ぎょうこう)やもしれぬなー」

宰相・ゼウランの言葉に、

ラウルは「は?今、何とー?」と困惑した表情を浮かべるー。


だが、ゼウランは「独り言だー」とだけ呟くと、

蝋燭の揺れる火を見つめながら、不気味な笑みを浮かべたー。



⑤へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


物語は終盤へ…!★

元に戻れるのかどうかも含めて

ぜひ楽しんでくださいネ~!


今日もありがとうございました!!

暑いので熱中症に気を付けて下さい!!

Files

Comments

No comments found for this post.