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とある高校ー


生徒の中に、裏社会で暗躍する犯罪組織幹部の息子がいるという情報を

手に入れた警察の特殊捜査班ー。


特殊捜査班に所属する捜査官の一人が、その男子生徒から

情報を引き出すために、女子高生に変身してその男子に接近することに…。


この記録は、女子高生に変身して、高校に潜入した

捜査官が残した記録…。


(第13週)


☆前回はこちら↓☆

<他者変身>JKに変身した捜査官の日記⑫~対峙~

とある高校ー 生徒の中に、裏社会で暗躍する犯罪組織幹部の息子がいるという情報を 手に入れた警察の特殊捜査班ー。 特殊捜査班に所属する捜査官の一人が、その男子生徒から 情報を引き出すために、女子高生に変身してその男子に接近することに…。 この記録は、女子高生に変身して、高校に潜入した 捜査官が残した記録…...

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☆主要登場人物☆


・山村 彩智(やまむら さち)/坂上 孝治(さかがみ たかはる)

潜入捜査官。現在は女子高生・山村彩智に変身して高校に潜入中。


・小野田 龍吾(おのだ りゅうご)

高校生。犯罪組織ドッペルサイエンス幹部の息子。


・小野田 正昭(おのだ まさあき)

犯罪組織ドッペルサイエンスの幹部とされている男。


・笠倉 千鶴(かさくら ちづる)

孝治の同僚捜査官。女性として自然に振る舞えるよう、孝治を指導した。


・春日部 本部長(かすかべ ほんぶちょう)/捜査班本部長

・郷原(ごうはら)/捜査官の一人。彩智の父親役を担当

・清水(しみず)/捜査官の一人。彩智の母親役を担当


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湾岸エリア内のB12番倉庫ー

そこに呼び出された捜査官の孝治は、

女子高生・山村 彩智の姿のまま

犯罪組織ドッペルサイエンスの幹部・小野田正昭と

対峙していたー。


「ご名答ー…

 分かっているなら、話は早いー。

 用件は一つだー。


 ”死ね”ー」


小野田正昭が冷たい口調で呟くー。

ここに孝治を呼び出したのはー

”息子に群がるハエを退治するためー”


「ーーーー」

待ち伏せしていたドッペルサイエンスの構成員が

姿を現し、孝治の方に銃を向けるー。


「ーー選ばせてやろうー」

小野田正昭はそう呟くと、眼鏡をいじりながら

邪悪な笑みを浮かべるー


「今、死ぬかー

 その身体で、我々を楽しませてから、死ぬかー」


孝治は今、女子高生・彩智の姿だー。

彩智本人の身体ではなく、

孝治が特殊な技術で、”変身”しているだけだがー

それでも、今の孝治の身体は

正真正銘”女”の身体と言っても、差支えはないー。


「ーしかし、見事な技術だー。

 言われなければ、普通の女子高生と何も変わりはない」


小野田正昭は、周囲に4人の銃を持つ部下を従えながら

余裕の表情を浮かべるー。


彩智の姿に変身している孝治も”銃”は持ってきている。


だが、どんなに凄腕だろうと、

これは西部劇ではないし、刑事ドラマでもない。

5人の銃を持つ男たちを相手に、

発砲すれば、5人を倒す前に、必ず自分は死ぬだろうー。


現実はそんなに甘くないー。


「ーーー”お前たちが”気づかなかったようにー」

小野田正昭は眼鏡をいじりながら笑みを浮かべたー


「ーーー…どういうことだー?」

彩智の姿のまま、孝治はそう確認すると、

「ーーー……まぁいいー冥途の土産に見せてやろう。おい!」

と、小野田正昭は、更なる部下に合図をしたー。


すると、奥からフォークリフトに乗って姿を現した

ドッペルサイエンスの構成員が、フォークリフトに積んでいた袋を

そのまま近くへと放り投げたー。


彩智の額から汗が流れるー


”自分の命がいつ失われるか分からない極限状態ー”


いやー

それだけではないー。


目の前に置かれた袋に

何が入っているかー、彩智に変身している孝治には

すぐに理解できてしまったからだー。


そうー

この中には”人間の身体”が入っているー


そして、それは恐らく遺体であることも、俊二に理解したー


「ーーーへへへっ…彩智ちゃんよ、開けて見なー」

フォークリフトに乗ってきた粗暴そうな雰囲気の

ドッペルサイエンス構成員・飯田(いいだ)が笑みを浮かべながら言うと、

彩智の姿をした孝治は警戒しながら、

”遺体が入っていると思われる袋のほう”に近付いていくー。


「ーーーーーーー…」

小野田正昭ー、飯田ー、そして4人の男、

合計6人に囲まれた状態ー


隙があれば、小野田正昭を射殺することもできるが、

その隙がないー。


そしてー

小野田正昭はあくまでも”ドッペルサイエンスの幹部”に過ぎないー。

その背後にいる人物を捕まえるためにも、

小野田正昭は”射殺”ではなく”確保”したいー


「ーーー構わんよ。開けろ」

小野田正昭が、袋の前に近付いた彩智に対してそう言い放つと、

深呼吸してから、彩智の姿をした孝治は、ひと思いに

その袋を開いたー


「ーーー!!!!!!!!!!!!!!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


同時刻ー

捜査本部ー。


「ーーどうして、ドッペルサイエンスと内通するような真似を?」

春日部本部長が、

拘束した笠倉千鶴に対してそう言い放つー


笠倉千鶴ー。

潜入捜査を行う前、孝治が”彩智として過ごすための指導”を

行った女性捜査官ー。

まだ若いものの、孝治とも同じ任務をこなしたことがあり、

お互いに信頼していたー…はずだった捜査官ー。


しかし、彼女はドッペルサイエンスと内通していたー。


「ーーーーー」

千鶴は黙秘を続けているー。


そこに、彩智として潜入捜査を続けていた母親役の捜査官・清水が

合流したー。


「ー清水ー」

春日部本部長が、彼女に気付き、

現在の状況を説明するー


「ー坂上は?」

彩智に変身している孝治の状況を確認する春日部本部長ー


母親役の捜査官・清水は

小野田正昭の指定したポイントに向かったことを告げるー。

バックアップに父親役だった郷原や、他の捜査官も向かっているー


「そうかー」

春日部本部長がそう言いかけたその時だったー。


「ーーー!?!?!?!?」

突然ー

目の前の千鶴が、目を真っ赤にして、奇妙な雄たけびを上げたー。


いつの間にかー

千鶴を拘束していた装置が、ブレード状に変形した千鶴の腕に

破壊されているー


「ー何だ!?その腕はー」

春日部本部長が叫び、すぐに銃を飛び出そうとするー


しかしー


「ーー全ては久遠様のためにー!」

千鶴がそう叫びながら、ブレードのように変形した腕で

春日部本部長を貫くー


銃弾が放たれるも、銃は吹き飛び、

天井に穴を開けるー


「ー本部長!」

母親役の捜査官・清水が倒れた春日部本部長のほうを見ながら

叫び、すぐに銃を取り出すー。


千鶴は、目から血の涙のようなものを流しながら笑みを浮かべてー

「もう…一人!」と、苦しそうにうめきながら、

清水捜査官の方にも飛び掛かってくるー


「ー止まりなさい!」

母親役の捜査官・清水が叫ぶー。


内通者とは言え、笠倉千鶴は仲間ー

そしてー…

”まだ、内通していた理由も何も聞きだせていないー”


だからー

できれば撃ちたくなかったー


けれどー


千鶴が止まる様子はなくー

母親役の捜査官・清水は意を決して、笠倉千鶴に対して発砲したー。


身体ごと、背後の拘束器具に吹き飛ばされる千鶴ー

千鶴は、ふらふらと立ち上がると、

ニヤッと笑みを浮かべながら叫んだー


「我が偉大なる久遠様に、永遠の栄光と繁栄をー。

 我が命と魂は、久遠様と共にありー。」


そう、叫ぶとー

千鶴はその場に崩れ落ちるようにして、倒れてー

清水捜査官が駆け寄った時には、既に心肺も停止していたー。


「ーーー…本部長!」

すぐに春日部本部長に駆け寄り、致命傷は避けていることを確認すると、

清水捜査官はすぐに救急車を手配したー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーーー!!!」


湾岸エリアB12番倉庫ー


遺体の入った袋を開けた彩智はー

彩智に変身している孝治は表情を歪めたー


その中に入っていたのはー

”笠倉 千鶴”の遺体だったのだー。


「ーーー本物の笠倉千鶴は、

 君が潜入捜査を始める直前に、我々に殺害されていたんだよー


 潜入捜査が始まってから、君と一緒にいた

 笠倉千鶴は、久遠様直属の工作員・篠森(しのもり)が、

 変身した”偽物”さ」


小野田正昭は笑うー。


「ーーーーーー!!!!!!」

彩智の姿に変身している孝治は表情を歪めるー。


4月1日ー

だっただろうかー


”笠倉さん”の様子が変だったことを思い出すー


”いつもは絶対に遅刻しない笠倉さんが遅刻しー

 さらには、ピリピリした様子を見せていたー”


「ーーー」

高い記憶力も武器の一つの孝治は、そんなことを思い出しながら

「ーあの時には、既にー」

と、呟くー


3月31日まではー”本物の笠倉さん”だったのだろうー

そして、3月31日の夜かーあるいは4月1日に、本物の笠倉さんはー


「ー我々の諜報部隊が、君たちの不穏な動きを察知してねー

 捜査官の一人を襲撃して情報を奪おうとしたのだが、

 そこの遺体ー笠倉千鶴は何も喋らなかったー。

 だから、始末して”君たちと同じ技術”を使って

 我々の仲間の一人、篠森が笠倉千鶴に変身して、

 お前たちの情報をこっちに流していたのさー」


小野田正昭はそこまで言うと、眼鏡をいじりながら笑みを浮かべるー。


「ーー笠倉さんー」

”偽物”と気づかず、笠倉千鶴の死に気付くのが遅くなってしまったー。

彩智の姿のまま、孝治は、千鶴の遺体を前に悲しそうな表情を浮かべるー。


「ーーー安心しろ。君もすぐ、その女のところに送ってやる」

小野田正昭は、そう呟くと、孝治に銃を向けたー。


「ーーミッション失敗だー。」

小野田正昭が笑うー。


”罠”だとは分かっていたー。

だが、正体不明のドッペルサイエンスの中枢に

少しでも近づくには、こうするしかなかったー


仮に10パーセントしか可能性がないとしてもー

ここに来るしかなかったー


「ーーお前のお仲間のところには、

 我々の仲間の狙撃犯が攻撃を仕掛けているー。

 君を助けに来る人間はいないよー」


湾岸エリア周辺で待機していた捜査官の郷原や、

他の捜査官は、別部隊の襲撃を受け、その対応に

追われていて、孝治を助ける余裕はない状況に

陥っていたー


「ーーーーおやすみーー

 坂上捜査官ー」


小野田正昭が笑みを浮かべるー

彩智の姿のまま、孝治は死を覚悟して銃を握りしめるー


せめて一人ー

いや、二人でも道連れにー


パァン!!!


倉庫内に、銃声が響き渡ったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”ピピッ”


青い光に包まれた謎の空間で、

レーダーのようなものが反応を示し、

ひとつの光点が消滅するー。


それを見たー

若い青年が笑みを浮かべるー


”ー篠森、逝ったかー”


笠倉千鶴に変身していた

”S”こと、篠森が死亡したのを、光の変化で確認したその男ー

ドッペルサイエンスの総帥”久遠”はー、

静かに笑みを浮かべたー


⑭へ続く


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コメント


間もなく最終回を迎える予定デス~!

どのような結末を迎えるのか、楽しみにしていて下さいネ~!

今日もありがとうございました~!


※毎週土曜日の更新(コンパクト枠)とは?

(いつもと同じ説明デス↓ 既に知ってる方は読まなくて大丈夫デス!!)

毎週土曜日(以前は火曜日でした!)は、

私が仕事の都合で書く時間を確保できないので、

本来更新は難しいのですが

少しでも皆様にご恩返しということで、他の6日間で毎日

少しずつ執筆して、土曜日にも、作品をお届けしています!

そのため、いつもより少し文章量が少ないため

毎週土曜日の作品は、100円プランでも読めるようにしてあります!

(※土曜日枠のお話は必ず完結まで100円プランで読めるようにします!

  途中から上がったりはしませんので、安心してください)

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