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男子大学生の晋也は、大学でも美人と評判の彼女・美冬との

関係に不安を持っていたー


”本当は、美冬は俺のことなんて好きじゃないんじゃないか”

そんな、不安だー。


感情表現が苦手な美冬と、

恋愛経験がなかったため、どうしても疑心暗鬼になってしまう晋也ー。


やがて、晋也の不安はさらに膨れ上がっていき、

ついには”惚虫”と呼ばれる不気味な寄生虫に手を出してしまうー。


”惚虫”を、美冬に寄生させてしまった晋也ー。

美冬は、晋也に対して溢れるような愛情表現をするようになるも、

次第に、美冬の行動は晋也の想像以上に

”エスカレート”していくのだったー…


☆前回はこちら↓☆

<寄生>狂乱彼女①~惚虫~

「ーーー大好き…! 大好き…♡」 大学内で、カップルが自販機の前のベンチに座り、 キスをしているー 彼氏のほうは少し戸惑い気味だが、 彼女のほうは、周囲の視線などお構いなしで 彼氏に抱き着き、何度もキスをしたり、 彼氏の手を掴んで自分の胸を触らせたりして、 嬉しそうに顔を赤らめているー 「ーーー愛してるって...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


帰宅した美冬は、顔を赤らめながら、

何かをブツブツと呟いていたー


「ー晋也…晋也…晋也…晋也…晋也♡」

その名前を呼ぶだけでー

ドキドキが止まらないー


少し前から、何かが変だー

晋也のことが、好きで好きでたまらないー

晋也のことしか考えられないー


元々晋也のことは大好きだったけれど、

今はそれ以上に大好きで、晋也のことで、

本当に頭がいっぱいになってしまうー。


”大好き♡”

そんなメッセージを送る美冬ー


”周囲からクールな女性だと思われてしまう”ぐらいに

感情表現が苦手だった美冬ー。

つい先日まで、晋也に対しても、そんな態度を

取ってしまって、”このままじゃ、嫌われちゃう”と

悩んでいたぐらいだったー


でも、今は違うー


晋也への好きが溢れて来るー。

身体の底から、晋也への”好き”の感情が溢れて来るー。


♪~~~


「晋也っ♡!」

スマホが音を立てると同時に、帰宅して、床に置いたままだった

鞄を蹴り飛ばしてスマホの方に駆け寄る美冬ー


「晋也ー……♡」

うっとりした表情でスマホの画面を見つめるとー

そこには、晋也ではなく、美冬の親友の麻紀(まき)の名前が

表示されていたー


「ーーーはぁ~~~~~~~…麻紀ちゃんかぁ~~~…」

心底ガッカリしたような表情を浮かべて、

晋也のことを頭に浮かべる美冬ー。


美冬は、知らないー

晋也によって盛られた”寄生虫”…

”惚虫”が、既に自分の脳内に入り込み、

美冬自身に深刻な影響を与え始めていることをー…。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”ねぇ、お願いー”

”返事をしてー”

”寂しいよー”

”つらいよー”

”わたしのこと嫌いになっちゃったの?”

”ねぇ、晋也ー”

”大好きー”

”好きって言ってー”


「ーーー!」

帰宅した後に、一旦入浴していた晋也は、

お風呂から出て来て表情を歪めたー


スマホに、”恐ろしい量のメッセージ”が

届いていたのだー


2件だけ、別のメッセージだったが、

残りは全て美冬からのメッセージー


「ーーーうぉぉ…すげぇ…」

晋也はそう呟きながらも、

少し、不安も覚えていたー。


確かに、自分は”美冬に本当に好きだと思ってもらえているのか”

ということに不安を感じて、美冬に”惚虫”を寄生させたー。


その結果、美冬の態度は一変し、

晋也に対して愛情表現をしてくれるようになったー。


晋也はー

惚虫がちゃんと効果を発揮してくれたことに、

”最初は”喜んでいたー。


だがー。

ここ数日、美冬の”愛”はエスカレートしているように思えるー。


そういえばー

”惚虫を寄生させると、相手はあなたのことが好きで好きでたまらなくなる”


惚虫の説明にはそう書かれていたー。


「ーーーーーー……いや、大丈夫だー大丈夫」

晋也は、ふと、不安になっていたー。


”好きで好きでたまらなくなる”とは、

どのぐらいの状況のことを言っているのかー、と。


”どこ”で止まるのかー。


”ーーごめんごめんー、お風呂入ってたー”

晋也が慌てて美冬に返事をすると、

美冬はすぐに電話を掛けて来たー


”寂しいよ…晋也ーわたしを一人にしないで”

美冬の涙声を聞いて

晋也は「ご、ごめんー、一人にはしないよー」と、

慌てて言うと、

「俺も、美冬のことは大好きだから、心配しないで」と、

優しく美冬に対して告げるー。


「でも、俺だってお風呂とか、トイレとか、ご飯とか、

 買い物とか色々あるからさー

 スマホを24時間ずっと見てるわけにはいかないだろ?

 

 だから、返事が遅くても、美冬のこと嫌いになったり、

 そういうことじゃないからー

 その…安心して」


晋也がそう言い終えると、美冬はようやく落ち着いたのかー


「そ、そっかー…うんー…た、確かにそうだよねー」

と、呟いたー


”話せば分かってくれる”ことに晋也は安堵しながらも、

「俺は美冬のこと、絶対、絶対、嫌いになったりしないからー

 そういう心配はしないでいいからな?」と言葉を続けるー。


「ーーうん!嬉しい!ふふっ…♡

 うれしい…本当に、うれしいー」


美冬は今まで聞いたことのないような、

嬉しそうな声で何度も何度も呟くー。


その後は、”雑談”で話が弾みー、

晋也は、30分ほど通話したあとに、一旦電話を切ったー


そのあとも、頻繁にメッセージが送られてくるー。


「ーーはは…さすがにこのペースだと、俺の体力が持たないかも」

晋也は苦笑いしながらも、

美冬のことが好きな気持には変わりなく、

美冬からのメッセージを嬉しそうに見つめたー。



だがー…

晋也の考えているほど”惚虫”による影響は、

”甘いもの”ではなかったー。


美冬の、晋也に対する愛は、日に日にー

いや、1秒、1秒ー膨れ上がり続けていたー。


「ーーーーー晋也といっしょ~♡」


数日後ー


大学で、美冬はそんなことを呟きながら

晋也の腕に嬉しそうにしがみついているー


あまりにも”ラブラブ”過ぎて周囲の注目を集めてしまっている

状況に、晋也は恥ずかしそうにしながら

「み、美冬ー…み、みんな見てるからー」と、慌てて

美冬を引き離そうとするー。


しかし、美冬は「みんななんて関係ないもん!大好き~♡」と、

晋也に嬉しそうにしがみついたー。


「ーーー…み、美冬…」

晋也は困り果てたような表情を浮かべるー。


「ーーー大好き~♡ 愛してる ふふふ」

美冬の幸せそうな笑みに、

晋也は、さらに不安そうに美冬の顔を見つめたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


美冬の”愛”がエスカレートを続けるー。


ついに晋也は”このままじゃまずい”と判断し、

美冬に全てを打ち明けることにしたー


”惚虫”を寄生させてしまったことを素直に謝り、

美冬を正気に戻そうー、と。


自分が好きだったのは、今の美冬ではなくー

”元々の美冬”なのだー。

本当に好きに思ってもらえているのかどうか、不安ー

そんな気持ちでいっぱいになるあまり、

本当に大切なことを忘れていたー


”惚虫”を寄生させて、好きになって貰っても

それは、美冬であって美冬じゃないー。


なんとか、惚虫の販売業者とも相談して、

美冬を元の状態に戻したいー。


もしー

”惚虫”のことを打ち明けて、美冬に嫌われたならば

それは、それまでだー。


”大切な彼女に、得体の知れない寄生虫を寄生させてしまった”


その、償いは、甘んじて受けようと思うー。


「ー俺は…やっぱ、ダメだなー」


そんな風に考えながら大学を歩いていると、

ふと、大学内で騒ぎが起きていることに気付いたー。


「ーー?」

晋也が表情を歪めながら、人だかりの出来ている方向に向かうとー、


「ーーー晋也を馬鹿にしないで!!!」

怒りの形相で、他の女子生徒を押し倒して、

その女子生徒にビンタをしている美冬の姿が見えたー。


「ーみ…美冬…?」

今まで見たこともないような光景に、晋也は

思わず絶句してしまうー


「ーーーな、何するの…!?ちょ、ちょっとやめてよ!」

困惑しながら叫んでいるのは、美冬の親友の麻紀ー。


「ーー晋也は、晋也はわたしの全てなの!

 あんたなんかに、晋也のことを悪く言う資格はないの!」

美冬は、顔を真っ赤にして怒っているー。


演技とかー

おふざけとかー

そういうのではないことは一目見て分かったー


美冬は、心の底から”怒り狂って”いるー。


「ーーお、おいー…晋也ー お前の彼女、どうしたんだよ?」

晋也の姿に気付き、知り合いの一人が困惑した様子で

声をかけて来るー。


「い、いや、分からないー…何があったんだ…?」

晋也が戸惑いながら言うと、

その友人は、見た範囲内で事情を説明してくれたー。


どうやら、美冬の親友・麻紀が、

最近”晋也以外に対する扱いが雑”になった美冬に、

”どうして、晋也くんばっかり”と、少し不満を口にしたところ、

美冬が突然キレたと言うのだー。


「ーーあんたなんか友達じゃない!二度とわたしに近付かないで!

 それと晋也にも!!

 晋也を少しでも傷つけたら、わたし、あんたを一生許さない!」


美冬がものすごい怒りを、麻紀にぶつけているー


”クールな美人”のイメージを美冬に抱いていた周囲は

驚き、困惑しているー


美冬に突然キレられた麻紀は、そのまま泣き出してしまったー


「ーお…おい…美冬!」

晋也はようやく声を振り絞って、親友の麻紀を泣かせてしまった

美冬に声を掛けると、美冬は突然満面の笑みになって、

「晋也~~~…あいつがわたしをいじめるの~」と、

涙を浮かべながら晋也に抱き着いてきたー


「ーわたしには晋也しかいないのー

 わたしには、晋也しかいないのー

 わたしには、晋也だけー

 ずっと、ずっと離さないー♡」


美冬の異様な行動に、

晋也はもはや、美冬から抱き着かれたことを

喜ぶこともできず、

そのまま唖然としていたー


「ーーー!」

やがて、周囲から注目を集めていることに気付いた晋也は

困惑しながら「こ…これはその…」と、ようやく声を

振り絞るー。


「ーーー最低!美冬に…美冬に何をしたの!!?」

泣きながら美冬の親友・麻紀が叫ぶー


「ーーな、何ってー」

晋也は困惑するー


「ーー…ーー美冬…最近おかしいよ!

 あなたのことばっかり!!!!」


泣きながら叫ぶ麻紀に対して、

晋也が慌てて「こ、これはー」と言いかけると、

晋也に抱き着いていた美冬が、麻紀のほうを見て

再び怒鳴り声をあげたー


「ー晋也を困らせないで!!!!!!」

今にも麻紀を殴り出しそうな勢いで麻紀に向かっていこうとした

美冬を、慌てて引っ張って

「いいから!もういいから!」と、美冬を抱きしめるー


「ーーあぁぁぁぁ…♡ しんや…♡」

うっとりとした声で、目から涙を溢れさせる美冬ー


周囲から、完全に白い目で見られているのは

分かっていてもー

こうしないと、美冬が再び麻紀に暴力を振るってしまうー。


とにかく、抱きしめてでも、落ち着かせるしか、なかったー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


大学を早退し、慌てて美冬を自宅に連れ込むと、

晋也は、”もう一刻の猶予もならない”と、

美冬に”全ての事情”を説明することにしたー。


「ーーごめん…本当にごめん…

 俺…別れられても文句は言えないと思ってるしー


 いやー…その…

 俺…」


晋也は、震えながら言葉を振り絞ったー


「ーーー俺……逮捕されても、文句は言えないからー…」


彼女に”得体の知れない寄生虫を寄生させた”


これはー

正直ー

”逮捕されても仕方のないことだ”と、晋也は考えていたー。


”寄生虫を彼女に寄生させる”

こんなこと、前代未聞だろうー

法律上、どうなるのかも、正直晋也には分からないし、

”惚虫を彼女に寄生させてしまいました”なんて言っても

警察にその言葉の意味がそもそも通じるのか、という疑問もあるー。


だがー

とにかく、罪は償わないといけないー。


「ーーーごめんー美冬ーだからーーー

 美冬から、何とかしてその”惚虫”をとりーーー…


ーー!?!?!?!?


晋也は目を見開いたー

言葉の途中で、美冬が晋也にキスをしたのだー


「ーーえ…?」

晋也が、呆然として美冬のほうを見ると、

美冬は「ありがとうー」と、嬉しそうに微笑んだー


「ーーわたしのために、晋也は、わたしにその

 ”惚虫”っていうのを、寄生させてくれたんだよねー?


 うれしいー」


美冬の言葉に、晋也は青ざめるー


「ー晋也のおかげで、わたし、今、とっても幸せー


 晋也…ふふ…

 愛してるよー♡

 晋也…うふふふふふふ」


美冬は、晋也を押し倒してそのままキスを始めるー


「ーねぇ晋也ー

 もう、我慢できないよわたしー

 今日は、一緒にいっぱい気持ちよくなっちゃお?」


飢えた表情の美冬を見て

晋也は慌てて「ま、待ってくれ美冬!」と叫ぶー



”惚虫を寄生させたー”

それを打ち明けてもなお、美冬は晋也に対する

”好き”を溢れさせたー


”惚虫”の影響はー

晋也の想像を、遥かに超えたところまで、

進んでいたー



③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


好きの度合いが、危険な段階に…☆!

恐ろしい寄生虫ですネ~!


続きはまた次回デス~!


今日は暑い地域も多いので、

熱中症に気を付けましょうネ~!

私も気を付けます~☆

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